メタルナー(モンスターファーム)

登録日:2014/08/24 (日) 23:21:26
更新日:2023/10/20 Fri 22:16:47
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モンスターファームに登場するモンスターの一種で現状では2のみの登場。
いそうでいなかった宇宙人がモチーフのモンスターである。
…ファンタジー寄り世界観にお見舞いするガッツもすごいが。

目次



【概要】

その外観は銀色の円盤飛行物体から直接手と足と顔が生えているという、何とも珍妙な物。
まんま宇宙人な顔に頭から生えたアンテナ、象のようなたれ耳、じわじわくる動作と、一度見たら忘れられないくらいのインパクトがある。
地味にオープニングムービーにもUFO形態で姿を見せている。


隠し種族の一体なのだが、解禁条件が一番厳しいグループに設定されている。
最初の前提条件がブリーダーランク8段以上=四大大会を2つ以上クリアとかなり厳しく、
モンスターファーム2自体の難易度の高さも重なり、当時の小学生はバジャールと並んで解放できなかったという事例が多かったことだろう。
条件さえ満たしてしまえば、1010年以降の秋のファームで晴れた日に発生するメタルナー関連イベントを3回見届けて、
クリスタルを貰うだけなので比較的簡単ではある。因みにこの時のイベントの際に登場するメタルナーとコルトちゃん・パブス先生のやり取りは必見である。


ゲーム内での諸々の情報を統合するに、メタルナーは失われた感情の補完の為に自分たち種族の分身を円盤石に封じ込めてばら撒いたらしい。
で、人間の手によって育った分身体が蓄積した情報を集めていくという形で感情補完計画を進めようと考えていた。
ところが、嘗て人間が託されたメタルナー種の円盤石の開錠に必要なキーアイテムであるクリスタルを使用用途がわからないという理由で放置していたら
落雷で紛失してしまい、結果的に封印の解けないメタルナー種の円盤石が放置されたままになるという事態に。

分身体たちの現状を確認しにやって来たメタルナーはその事実に嘆き
「チノウレベルガヨソウヨリヒクカッタヨウダ」と愚痴を零してから最新版のクリスタルを提供。
今度こそ自分たちのコピーをしっかり育ててくれることを願ってファームを後にした。

実際にその後から育成可能になるメタルナー種のモンスターは寿命を迎えると特別なイベントが起こり、
育て主であるブリーダーやコルトに感謝を述べた上で、収集したデータを送り届けるために仲間たちの元へ飛び去っていくという形でお別れになる。
しんみりくる話だが、死別ではないので、一部モンスターの解禁条件には使えないので注意。

ちなみに、初めてゲームを開始した際に行われるアンケートで「宇宙人は本当にいると思う」という設問があるが、別にNOを選んだからといって現れないとかいったことはないのでご安心を。


そんなメタルナーの性能についてだが、率直に言えば相当に癖が強く、初心者向けとは言えない。
命中、丈夫さの適性が最高値でライフの適性が平均的、その他の適正は伸びにくいか最悪であり、攻撃面が辛い。
人のことを知能レベルが低いと煽っておきながら自分はかしこさEである。
しかもチャッキーと同様に伸びやすい命中、丈夫さを除いた初期ステータスが異様に低く、寿命は平均~少し長い程度なので補填するのに一苦労である。
使用技の性能も威力が低いことを中心に微妙な物が多く、戦闘向けとも言い難い感じ。
そういった点から普通にプレイして、適性に従った育成をしている分には上級者向けのモンスターといった評価が妥当だった。

しかしそんなメタルナーの裏の顔はフルモン対人戦における最強候補の一角というとんでもないモンスターであり、
21年経ってフルモン対人戦以外だと更に手が付けられなくなるということが急激に認知されていった。

まず、種全体の特徴である最速の移動速度とガッツ回復速度を活かした手数の多さによるラッシュ。
そして後述するポン拳という名の壊れ性能なストレートによって、相手に何もさせないまま削り殺す恐怖の宇宙人が爆誕していたのだった。
仮に「逆上」しちゃうと笑えてくるほどのスピードでガッツが溜まっていく事態に。更に溜めたガッツは相手からの攻撃を防ぐのにも有用だった。
前作からナーフされたプラントや放置されたゴーストが恨めしい目で見てくる話である。

第5回モンスター甲子園では案の定というべきか純正メタルナーが優勝。ちなみにそのお名前は『』。
移植/DX版ではこれに引っ掛けたオール55の特殊個体がその名の通り「あ/RIO」という楽曲から誕生する。
フルモンメタルナーで『あ』という名前を見かけたら決していい加減につけた名前ではなく、由緒ある優勝モンスターのリスペクトという可能性があるわけだ。

移植版では前作のプラントのようにナーフは貰っておらず、ただでさえオートバトルでも強い上に移植後にAIが「ガッツ40以下でも技を使用する」という仕様変更を受けており、
すなわち「あまりガッツを溜めずに技を使ってくる」という環境に上記の性能が見事に噛み合ってしまいこちらでも猛威を振るう。
さらに、あまりにも初期能力が低いせいで、かえってパラメータ制限戦では「育てやすい」という利点をも獲得。
案の定公式で開催された第1回モンスター甲子園(合計値2997制限)では決勝トーナメントに進出した8体のうち6体がメタルナーという有様になっていた。

・・・そしてメタルナー以外の2体(カムイウンディーネ)はベスト8でメタルナーに敗北して姿を消し、ベスト4はメタルナーだけで雌雄を決する事となってしまった
そのメタルナーも4体のうち3体『デルバー』『テフロンせい』『リュウセイたそ』がライフ・ちから・命中型(残り1体『アタルナー』はちから・命中・回避型)と調整も似通ったもので、技に至ってはベスト8に残った全メタルナーが同じだったと公式から語られている。
大極変化は超必殺技並の大ダメージな一方命中率が最低ランクと、本来はロマン技なのだが、ベスト8のうち5体、ベスト4のうち3体は回避が1で、命中900もあればどうあがいても命中率99%であった(MF2での命中率は最大99%であり、100%になる事はない)。これではロマンなど欠片もない。出された時点で99%の確率で瀕死、クリティカルすれば即死という恐怖の技でしかなかった。
もはや、ベスト8でカムイとウンディーネが敗れた時点でモンスター甲子園は終わっており、あとは大極変化を決められるか否かの運ゲーと言える、あんまりな光景が広がっていたのである。
更にテツざんこうも最低でも35%、最大で55%*1というクリティカル率のせいで回避を捨てたモンスターには恐怖すぎる代物であり、
実際に優勝者のモンスターに2997制限で挑んだ猛者たちも回避型以外は一蹴される始末。*2
有志の非公式大会においてはメタルナーを破る他種族という光景も見られるが、研究が進んでなおもトップメタ上位の座は揺らいではおらず、種族バリエーションを作る為(メタルナー上位総なめからのミラーマッチ連続を防ぐ為)にちから型のメタルナーは使用禁止モンスターに指定される事が多い。
実際次回の999トーナメントでも決勝はパニッシャーVSパニッシャーのミラーマッチだったからね。

こんな有様であったがメタルナーの参戦率は全体の6.9%だけ、うち純正メタルナーは約7割である。つまり出場者全体のたった5%足らずしかいない純正メタルナーがベスト4を総なめしたのである。
技の面でもステータスの面でもビジュアルの面でも、あまりのバリエーションの無さに不満が募ったのは言うまでもないが、2997ルールにおいての最適解はオート戦との噛みあいの面でも、育てやすさの面でも純正メタルナーである事は不動の事実である事も同時に明らかとなった。

そして第2回モンスター甲子園(能力制限なし)ではメタルナー種参加不可が言い渡され、
彼らの勇姿は後日に開催されたメタルナー種限定のエキシビション大会に限られるようになったのであった。
ちなみにメタルナーは全4種だが、第1回の決勝進出メンバーはすべて純血メタルナーのみだったのに対しメタルナー杯ではラブラブセイジンとライライが4体ずつという結果になっている。
こちらではラブラブセイジン勢とライライ勢が1体ずつ勝ち進んで行き、決勝もラブラブセイジンVSライライとなった。
メタゾール? あいつは仕方ないよ……
以降の公式大会ではメタルナー種出場不可という状態が続いている。そりゃそうだ

【主な技一覧】
未来的な宇宙人なのに使用技のモチーフはどういうわけか八極拳というちぐはぐさである。これもまた忘れられない魅力の源。
恐ろしいことに数撃っていけるメイン小技と、ダメ押しや逆転用に使える大技を両方持っているので、他の軽量級に比べて戦いやすい。

また、バランス技以外のガッツダウンが「D(数値にして10)」以上、クリティカル率が「C(数値にして15)」以上の技ばかり覚えるため、不安定ながらも火力はかなり発揮しやすく、相手を抑え込みやすい。
バグまみれだったバジャールとは別の意味で試運転をされたのか怪しい話ではある。

  • 左掌右掌(バランス技)
対応した腕を振って掌ではたく基本的な技。右掌は距離2からの技なので、相手めがけて飛び込んでから放つ。
消費の軽さ相応に威力も低い小技だが、ある技のせいでかすんで見えてしまう…。
一応、モーションのトロさやふっとびにも価値は見出されている。

  • ポン拳系(命中重視技)
足を振り上げてから勢いよく右ストレートを叩き込む、メタルナー最強伝説を築くきっかけとなったメイン小技。
威力自体は低いものの、高い命中率にそこそこのGダウン性能(一発で5~15減らす)、2秒という早すぎるモーション、割り込めない入力間隔、そこそこ高いクリティカル率をすべて備え、
手数の多さで勝負するメタルナーの性能とこれ以上ないくらいに噛み合った結果、代名詞とも言える技になってしまったのである。
上位技の「宙ポン拳」はその場でジャンプし、勢いよくポン拳で殴る。予備動作の意味に突っ込んではいけない。
威力はさらに上がったが、ポン拳の連打で間に合ってしまう事も多いだろう。

  • ちょうちゅう(命中重視技)
ジャンプで距離を詰めた後、踏み込みながらひじの一撃を喰らわせる。漢字で書くと「頂肘」なんだろう。
命中率はポン拳よりも高いが消費ガッツが30もあり、これまた覚えやすいポン拳系で間に合ってしまうかもしれない。
それでもバランス技よりは強烈。

  • ツイン掌打(大ダメージ技)
なにやら電流を走らせて、ふたつの掌を突き出し相手を殴る。このエフェクトがダメージの秘密なのか?
いろいろなモンスターの大ダメージ技と比べると、燃費は良いが命中どころか威力も物足りない。クリティカル率はあるのだが。

  • 大極変化(大ダメージ技)
円盤にトランスフォームして相手に突撃する大ダメージ技の最終系。技名だけ見ると超必殺技みたいな風格がある。
全体的に威力が低いメタルナーの、いやガッツ回復が早い種族の技の中ではぶっちぎりで高い威力を持つ、他の軽量級が悔しい目で見そうな逆転用大技。
ポン拳とは対照的にモーション時間が長く、逃げ切る為のダメ押しとして使われることもある。消費30なので尚更使いやすい。
代償として命中補正が数ある大ダメージ技の中でも-22(E下位)とワーストクラスだが、優位を奪ってから使われることが多くあまり気にならない。

  • テツざんこう(クリティカル技)
鋼のボディーで至近距離から繰り出されるクリティカル技。元ネタはやはり鉄山靠(貼山靠)だろう。
たん脚系と異なり大ダメージ技に近い性能で、クリティカル率が最高で、ダメージもガッツダウンもなかなか、
命中補正の悪さはガッツ回復からなる回転率や、メタルナーならではの高い命中適正である程度補える…と、この技もメタルナーに噛み合った絶技である。
距離1で使えるのは暴れ用のこれと、命中・ハメ用の左掌しかないため、そういう意味でも習得価値は高い。

  • たん脚系(クリティカル技)
右たん脚からはじまり、使い込むと連たん脚を覚えられる。
メタルナーにしては珍しい足技であり、殴りつけるような蹴りを行う。連たん脚はその鋭さから光を伴うのがケレン味ある。
メタルナーの技の中でもかなり高いクリティカル率と、まずまずの命中率、軽めの消費を併せ持っている。

  • こうはざん(ガッツダウン技)
命中すると、なにやら電撃をまとったエフェクトが炸裂する掌底打ちをお見舞いする。
確かにガッツダウンの数値はそこそこあるのだが、メタルナーの場合はポン拳をガッツダウン技で感覚で撃てたり、
大ダメージを狙える技も取り揃えているのでKOも狙いやすいため、ちょっと評価が伸び悩む。

  • 宙打掌(超必殺技・ヨイ)
突き出した掌から相手にエネルギーを集中し、更にそこからツイン掌打を行ってターゲットを爆破してしまう超必殺技。
超必殺技で大ダメージ技といった性能で、大極変化よりは威力が落ちた分、命中補正はマシにはなっている。
それでも使用ガッツ50+ランクDどまりなので、余裕のある時向け。

  • メタビーム(超必殺技・ワル)
頭の触覚からめっちゃ眩しいビームを発射して攻撃する超必殺技。
メタルナー唯一のかしこさ技で、八極拳が中心の同種の中で唯一まともにSFチックな攻撃をしている技でもある。
肝心の性能はGダウン性能が高いくらいでそこまで優秀ではないが、そんなことなどどうでもよくなるくらいのロマンに溢れている。SF技がロマンのエイリアンって何なんだろう…。


【主な派生種】
派生種の数は少なく、その対象もメタルナー一族の目的に沿ったものになっている。

メタルナー派生になると、ちから、かしこさ、回避適性の減少と引き換えに、ガッツ回復、移動速度、命中・丈夫さ適性に大きなプラス補正がかかる。パワー系との相性が良い。
そして、遥か彼方の未知のテクノロジーを内包しているという特徴からか、メタルナー派生のモンスターはどれもSFチックなメタルボディになることが多い。
特にドラゴン種の「ロストテクノロジーの産物」であるテクノドラゴンと「オーバーテクノロジーの塊」であるギドラスの対比が熱い。

  • ラブラブセイジン
ピクシー派生。
愛という感情を知るために人々から愛されることの多いピクシーと同化したメタルナー。
ライフや丈夫さ、特に丈夫さの適性が激減してしまったが、純血に比べると大分落ち着いた性能になっている。
特に「かしこさE/回避E」が「かしこさC/回避D」になった点は移植版では大きく、ピーク期間の短縮を差し引いてもこちらのほうが育てやすくなっている。
純血の強みであるガッツ回復や移動速度も健在である。
ちなみに当初はデュラハンバクーと同じ寿命グループだった名残か、本来は330週の寿命が360週になっているという設定ミスの勝ち組。

ジョン・レノンの「レノン・レジェンド〜ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ジョン・レノン」からは、めいそうが得意で太極変化を持つ代わりに、寿命が大幅に縮んでいるというクセの強い特別な個体が再生される。

  • メタゾール
スエゾー派生。
豊富な知能と表情豊かな性格に目を付けスエゾーと同化したメタルナー。
丈夫さの適性がダウンしたもののまだまだ上がりやすく、かしこさの適性が平均値まで上昇している。純血よりは最悪適性が少ないのでフルモンには育てやすい。
しかし、メタルナー最大の強みであるガッツ回復速度と移動速度が低下してしまっているのが非常に痛い。
このゲームのガッツ回復の数値は値が小さくなるほど文字通り「加速度的に」早くなるため、大きなハンデである…一方で補正に頼れるほど遅いわけでもない。
身内で対戦会を開く際にあえての自重枠とするか、こだわりで選んで育てるタイプ。

  • ライライ
レア種。
感情補完の一環で美味しいものと同化したというどうしてそうなったなメタルナー。
そもそもラーメン自体この星にあるのか、もしかしたらチキュー由来なのか、いろいろ分からないところは多い。

環七系東京醤油背脂ラーメンとの関連か、ギターウルフの「環七フィーバー」はポン拳つきで、適性がメタゾールの個体が、
アニメ「中華一番!」の主題歌である、大黒摩季の「空」からは、適性がラブラブセイジンの個体が、
ラーメン大好き小池さんの唄」を擁するシャ乱Qの「シングルベスト10」からは適性が純血種の個体が再生できる。

移植版ではケンポーつながりでナムコの「鉄拳」、さらにそのご縁から「ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT」、伸びる腕を使いラーメンモチーフの中華キャラもスマブラに参戦した「ARMS」等、
らぁめんつながりで「闘将!!拉麺男」 テレビオリジナルサウンドトラック、シャ乱Qの「新・ラーメン大好き小池さんの唄」、「俺の料理」等から再生できるようになった。
長寿個体はポン拳持ちでラブラブセイジン準拠の適性と成長タイプをしており、上記のいいとこどり仕様になっている。

エキシビションマッチではまさかのライライVSラブラブセイジンになり、目の離せないスピーディーな打ち合いを演じたのであった。




ツイキ・シュウセイタノム。

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最終更新:2023年10月20日 22:16

*1 なお、当時は「ワルモンだとストレスの値によってクリティカル率が上がる」という検証はまだ公には明らかになっていなかった」

*2 ゴーレムの竜巻アタック等が対処法となるが、大極変化を先撃ちされたり根性で起き上がられたりするともうどうしようもない。