世良水希

登録日:2014/08/25 Mon 00:04:03
更新日:2022/12/29 Thu 09:30:53
所要時間:約 8 分で読めます




相州戦神館學園 八命陣』のヒロインの一人。
CV.水崎来夢(PC版)/山村響(CS版)


主人公・柊四四八のクラスメート。

本来は四四八達よりも2つ年上だが、夢界で起きた出来事をきっかけに、2年間昏睡状態にあった。

眠りについている間は夢界に存在しており、べんぼうの干渉を受けて出会した四四八を敵と誤認し、襲いかかったが解法によって四四八がべんぼうを消滅させたことで解放され、2年ぶりに目覚めた。ついでに全裸を見られた。

それ以降、花恵に世話役を押し付けられた四四八達と関わっていくことになり、仲間に加わることに。



基本はまとめ役だが、たまにボケに回り、四四八の苦労を増やす事も。
反面、極端に自罰的な面があり、ある理由から四四八達に対して負い目を感じていた当初は、色々暗い事を言って全員から口を揃えて「面倒くさい」と言われるような態度だった。

何故か四四八達に対しては出会った時から親愛の情を示し、四四八達も理由も分からず彼女に対して同じ様な思いを持っており、彼女に全幅の信頼をおいている。






【パラメーター】

戟法 楯法 咒法 解法 創法 合計
剛:5 堅:4 射:4 崩:6 形:9 62
迅:7 活:4 散:5 透:8 界:10


【基本能力】

解法の透と創法の形と界に長ける。
ただ、創界は類希な資質を持つ者が更に一化けすることでようやくまともに使える高等技術なため、水希はまともに使うことが出来ない。そのため、戦闘においては創形と迅による戦闘が主となるわけだが、同じタイプの鈴子と違って迅の資質が半端なため、ぶっちゃけた話微妙。他の面子の様に特筆すべきものがないため、戦闘ではわりと空気。




以下ネタバレ














「強さにかける男の人の思いは狂気だ」

「彼は変わる。強くなる。だけどそれと引き換えに、彼の素晴らしいところが消えていく」

「それを前に、私はどんな反応をすれば良かったのか」

「私は女で、彼は男。同じ人間でも、根本の質が異なる異性の違い」

「男の身を焦がす狂おしい飢餓の深さを、女はどうしたって同等に感じることができないから…」



「強い男の人が好きだなんて、何があっても言ってはいけなかったのだ」


確かに水希の戦闘能力には特筆すべきところがない。が、それはあくまでも上記のステータスの状態での話。

実のところ、水希その実力を隠しており、このステータスは四四八のスキャンに対してジャミングをかけた結果のもの。四四八がお遊び感覚でスキャンを行っていたのもあるが、ジャミングをかけた事を気取らせもしない完璧な妨害は、つまりそれだけ邯鄲法の扱いにおいて水希が四四八を大きく上回っているという事でもある。



【真のパラメータ】

+ ...
戟法 楯法 咒法 解法 創法 合計
剛:5 堅:6 射:7 崩:8 形:9 78
迅:8 活:8 散:7 透:9 界:10




何だお前は

万仙陣において判明したパラメータと比較すると創法以外全てのパラメータを下方に誤魔化し、数値の合計では16もの開きがある。
夢の適性、用途、現実の剣技、体術それぞれ卓越し戦闘においてほとんど死角が存在しない。






元々水希は戦真館始まって以来の天才と称されるほどの才女であり、夢を使わない戦闘においても戦真館最強の実力を持っている。

だがしかし、弟・信明から告白された事で水希はあるトラウマを抱えてしまうことになる。

水希は信明に対して弟以上の感情など抱いておらず、戸惑った結果、「私は強い人が好きだから―――もう少し信明が強くなったらね」と曖昧な言葉を口にしてしまい、信明に強くなろうという一大決心をさせた。
それ自体は何の問題もないのだが、信明は生来の病弱さもあって強さを得るために必死になったが、水希はそれでも届かないほどに強すぎた。

そしてそれに絶望した信明は自ら腹を切り、廃神・神野明影を誕生させてしまった。

信明の絶望を知った水希は(どういう経緯でそれを知ったのかは不明だが、多分神野の煽り)、「自分が本気を見せれば男の人は苦しむ」と思い込み、仲間達(特に想い人である四四八)の前では本気を出せなくなってしまった。

ぶっちゃけほとんどシスコン弟の自業自得なのだが、そこは作中で二番目に面倒くさい女。全ての責任を自分で背負い込んでしまったのだった。









一週目での甘粕と神野との戦いでも本気を出すことが出来ず、戦真館は水希を残して全滅したが、仲間を失った事で皮肉にも本気を出せるようになった事と、神野の煽りによって後悔の念を膨れ上がらせた事で急段を発動させ、四四八達が死ぬ前まで時間を逆行させた。

これだけの奇跡を成し遂げられたのは、一週目において水希が最も阿頼耶識に近付いていたが故。
普通、阿頼耶識に近付けるのは盧生のみなのだが、水希は同時に邯鄲に入った四四八を差し置いてその域に達していた。
これは相当とんでもないことである。

本来であれば狩摩の盲打ちによって四四八たちは一度ループすると記憶を初期化されるようになっているのだが、水希は神野によって半端に記憶を残されており、「四四八達を戦いに巻き込んでしまったのは自分」と思い込んでいる。


阿頼耶識に触れた事でこの背景を全て知った四四八は水希の馬鹿さ加減にブチ切れ、「男が女に負けて恥を覚えるのは当然。しかし恥じるべきは女に負けた事ではなく、その結果を覆すほどに努力できなかった自分自身」、「男は自分より弱いから加減してあげなければ狂ってしまうなどと、男を舐めるのも大概にしろ」と男の意地を見せつけ、その意地を信じて全力をぶつけてきた水希を受け止めてみせた。まあかなり足がガクガクになってたが。

そして水希はようやく本当の自分を知られることへの恐怖を払拭し、仲間を信じる事を決めたのだった。








【急段】


■犬飼現八信道

水希の急段。

協力強制の条件は「水希と相手に戻りたい時間があり、その時間が同じであること」。

その能力は「協力強制を満たした時間への逆行」。これは単純に世界全体の時間を巻き戻すのではなく、限定空間において行われる。つまりは、水希と相手の後悔の対象になるものだけが時間を逆行し、影響を受けることになる。

当たり前だが、その発動条件はかなり厳しい。何せ共通の後悔を抱いている相手などそうそういるものではない。作中で最も発動が難しい急段と明言されている。

とはいえそれはあくまでも敵対している相手ならばの話。例えば、仲間の誰かが死んだならば、当然水希と他の面々はそれを強く後悔することになり、その瞬間に急段の発動条件は満たされる。
実際、四四八は一周目以降、最低でも一度は死亡しており、恐らくこの急段で蘇ったものと思われる。謂わばゲームのリセットボタンのようなもの。

本来、この急段は水希の強すぎる後悔によって発動するものでしかなかったが、四四八の言葉によって仲間への信の心を獲得した水希は神野との戦いにおいて、信明ならば必ず悪魔に勝てるという信頼によってこの急段を発動させた。


「私は色々駄目なお姉ちゃんだったけど……」

「あなたは自慢の弟よ。信明の強さを、私は誰より知っている!」







「あなたが傷つくと私は泣く。あなたが私の家族だから。心の通った言ノ葉をこそ伝えたい」

――急段・顕象――

「犬飼現八、信道ッ!」



逆行する時間座標は発端の瞬間、「信明が水希に告白した日」。
それは以前の様に後悔の念を高まらせることで発動してしまっていた無様なものとは違う、初めて水希が自分の意志で、その瞬間の過ちを乗り越えるために発動させた夢だった。



「姉さん……」

「好きだよ。世界中の何よりも。僕は、あなたのことを愛してる」

「私もだよ。ありがとう、信明。弟として、世界で一番愛してるわ」

「うん――知ってたよ。弟か。そうだよね、姉弟だもんね」

「ふふ、そうよ。当たり前じゃない。あなたも、そろそろシスコンは卒業しなさい」

「本当に、ありがとう。ああ。僕はきっと、姉さんのその言葉が聞きたかったんだ――――」







【余談】

上述の通り、水希は一週目の決戦で急段を発動させ、四四八を復活させた。そしてその一週目における決戦がプロローグになるわけだが、このプロローグ及び序盤に当たる第二話までは不自然な点が非常に多い。

例えば、

  • 甘粕と四四八の位が同じ……実際のところ、この段階では四四八は第八層に到達しておらず、四四八は急段、甘粕は終段と大きな差がある。

  • 「嗤うかよ。俺の夢が不純だと?」……プロローグにおける四四八の台詞。この後に、元々弱かった者が無理矢理強くなることは自然ではないという文が入り、四四八が力を手に入れた背景には何かがあるようなことを思わせておいて別に何もなかった。

  • 「地獄の歯車」……曰く、唯一無二の破滅へと転がっていく悪魔の筋書き。これ、あるいは神野によって何度も同じ事が繰り返されているような事が書かれていたが、実際のところプロローグは一周目な上にやり直しは水希の手によるものだった。

  • 「先に約束を破ったのは君の方」……水希に対する神野の台詞。これに関しては意味がまるで解らない。

  • 「恋の過ち」……二年前に何があったかを四四八に問われて。間違っちゃいないが、お前記憶無くしてるんじゃないのかよと。

  • 「アレを呼び出した以上、この国に未来などない」……キーラの台詞。アレとは何なのか、クリアしても解らない。

まあこんな感じで色々と突っ込み所があり、プロローグが水希の主観だったこともあって、目が節穴過ぎたからだとネタにされ、「節穴さん」の別名が付いてしまった。どうしてこうなった……





【更なる余談】
神座万象シリーズからの伝統である「ホワイトデームービー」。
このムービーにおいて信明は姉からバレンタインチョコを貰えなかった事に絶望し、糞ふざけたお菓子会社の陰謀に対する呪いを吐いて切腹。神野明影を召喚するというとんでもない事をやらかす。おいノブ落ち着け。

かと思えば百年後の千信館では彼女が出来たらしく、「お前はまだそんなところにいるのか」的な上から目線で彼氏いない水希を見下しているらしい。おいノブ大概にしとけ。





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最終更新:2022年12月29日 09:30