元禄怪奇譚

登録日:2014/11/24 Mon 02:32:41
更新日:2024/03/18 Mon 16:13:32
所要時間:約 7 分で読めます





Vita朧村正向けに配信された、DLC用追加シナリオの総称。
全4篇、お値段は1篇500円。ボリュームは各3章程度の短編となっている。
しかし新規シナリオが楽しめるのはもちろんの事、それぞれ新たな操作キャラクターが主人公に据えられ、完全新規のボスキャラクターも3章ぶん追加されているためアクション面でもボリューム十分。
さらに新キャラクターや新ロケーションのグラフィック、新規BGMもしっかり作られており、お手ごろ価格に見合わぬ作りこみっぷりがたいへん好評である。

また短編ではあるが、本編と同じくマルチエンディング制も採用されている。分岐の数は各2つ。

配信時期は
第1弾の津奈缶猫魔稿(化猫)が2013年11月7日(木)、
第2弾の大根義民一揆(一揆)が2014年1月16日(木)、
第3弾の七夜祟妖魔忍伝(白蛇)が2014年7月10日(木)、
第4弾の角隠女地獄(鬼娘)が2014年11月20日(木)。
全編配信開始済み。


■概要
◆津奈缶猫魔稿 (つなかまねこまたぞうし)
▼あらすじ
綱釜藩主・岡島義徳より将軍家へ謙譲されることとなった秘蔵の茶器。
綱釜藩を国元とする江戸家老・犬飼剣持は、長女のお恋と長男の清次郎に江戸までこれを持参するように命じる。
しかし剣持を妬むお留守役の城代家老・若宮捏蔵は、この任を失敗させ剣持を陥れようと企てる。

▼キャラクター
○三毛  (CV:日高里菜)
仔猫の頃から犬飼家で飼われている家
世話をしてくれ良く可愛がってくれるお恋に特に懐いており、お恋が遠出した際にも家を飛び出し勝手に付いて来てしまうほどであった。
そのお恋が謀殺された事により、亡き主人の無念と恨みを晴らすべく猫又へと変化する。

プレイヤーキャラとしては、火力は低いが手数が多く機動力の高いスピードタイプのキャラ。
近接戦特化の「お恋」モードと、霊力の消費量が多い代わりに遠距離攻撃に特化した「三毛」モードを使い分けながら戦う。
お恋時は動きに癖が無いためとても使いやすく、空中コンボが楽しいキャラだが、奥義が微妙に使いづらいのが玉にキズ。
三毛時は近接攻撃が貧弱で癖が強いが、ホーミング性能付きの飛び道具をジャンジャン飛ばせるため便利。
また、特殊ゲージが溜まると3つ目のモード「化身」に変化できるようになり、一定時間無敵になれる上に火力もアップ。
お恋から変化するか三毛から変化するかで性能も見た目も変わり、お恋から変化した時は近接戦型の「化け猫」、三毛から変化した時は飛び道具型の「猫之怪」に変化する。

○お恋  (CV:日高里菜)
犬飼家長女。弟の清次郎と共に国元のお家を守っている。
気が強いが気立ては良く、縁談の話は絶えないが、弟が心配なのかどの縁談も断っている。
しかし本編に登場するお恋はほとんどが三毛の化けた姿で、本人は物語序盤で斬殺されてしまう。

○清次郎  (CV:松岡禎丞)
犬養家の長男でお恋の弟。実直でさわやかな若者。
国元の道場で随一のの腕を持ってはいたが、重松の刺客には歯が立たず、姉と共に殺害される。

○老猫  (CV:すずき紀子)
猫又と化した三毛の前に現れ魔道へと導く謎の猫。

○重松新左衛門  (CV:小山剛志)
没落した武家の剣客。
お家復興のために仕官を望んでおり、城代家老若宮に取り入るべくその悪行に手を貸す。お恋と清次郎に刺客を差し向けた実行犯。
化猫を打ち倒したと言われる妖刀「根刮村正」を所持し、朧流でもないのに村正の妖刀を自在に使いこなす凄腕。

本編・追加シナリオ通して見ても人型ボスの中でトップクラスの性能を持つ強敵。
しかしプレイヤーが最も恐れる技は剣技でも何でもなくおもむろに放たれるヤクザキックである。

○若宮捏蔵  (CV:青山穣)
お恋姉弟を殺害した黒幕。
剣持への身勝手な妬みのために悪行を企てる、三毛にとっての憎き仇敵である。


◆大根義民一揆 (おおねぎみんいっき)
▼あらすじ
大根藩の村々では凶作が続き、百姓たちは明日食べる物すらままならない飢饉の中、過酷な重税に苦しめられていた。
あまりの苛政に耐えかねた農民たちは、江戸藩邸の藩主に窮状を訴え出る事になる。
しかし藩政を預かる城代家老・鳩野豆太夫はそれを察知。自分の失政を隠すため、口封じを図り密かに追手を放つ。

▼キャラクター
○権兵衛  (CV:浅沼晋太郎)
信濃国大根藩芋畑村の百姓。一年前に妻のお妙を流行り病で亡くし、現在は独り身。
真面目で情に厚く、村一番の働き者。その性格から村の者にも信頼されており、村の代表者の一人として江戸へ向かう事になる。

一揆編の主人公。
モーションは大振りだが威力の高い「くわ」、攻撃範囲は狭いが素早く攻撃できる「竹やり」、霊力を消費し遠くへ投擲できる「かま」の3種類を切り替えて戦う。
戦闘慣れしていない一般人なためか移動・攻撃動作の癖が強く、他の主人公たちと比べると格段に使いづらい。
しかし力仕事慣れしている農民なだけあって攻撃力は高く、操作に慣れれば「くわ」で相手の体力をゴリゴリ削れるようになるため結構爽快。
さらに最終段階まで育成するとかなりのド安定キャラと化す。

なお貧乏農民であるためか、一揆編だけとにかくお金が貯まらない調整がされている。(ゲーム内の背景設定だけでなく時代背景的にも当時は農民はお金が貯まらなくて当たり前だった)
クリア後にレベルを上げればそこそこ貯まりやすくはなるが、クリア前は買い物すらろくに出来ないので金策でも一苦労する事になる。

○お妙  (CV:藤田咲)
一年前に病で死んだはずの権兵衛の恋女房。
権兵衛と離れたくないために成仏できず、今回の飢饉で「夫が苦しむぐらいならいっそ楽に取り殺してやろう」と物騒な事を思いついて化けて出るが、夫が村のために直訴へ出る事を聞いて協力する。
主人公の権兵衛たちがごく普通の一般人であるため、二段ジャンプやら霊力の使用やら、他の主人公たちが当然のように行っているアクションの大半は、一揆編では彼女の賜物。
愛する夫のために大活躍してくれる出来た女房である。
逆にそのせいで、お妙さんの居ない一揆編最初の戦闘では苦戦必至だったりもする。
あとヴァニラウェアの幽霊の例に漏れず巨乳

○田吾作  (CV:荻野晴朗)
芋畑村で老いた母と2人で暮らす百姓。権兵衛の幼馴染
村一番の呆け者。いい奴ではあるのだが、この評判のせいかなかなか嫁が見つからない。
村の代表者の一人。居合い攻撃を行うと増援として駆けつけ、権兵衛と同じ武器で援護する。

○茂平次  (CV:かぬか光明)
芋畑村一番の力持ち。腕っ節はいいが少々どんくさい。
村の代表者の一人。居合い攻撃を行うと増援として駆けつけ、丸太や鋤を使いパワフルに戦う。

○梅吉  (CV:大山鎬則)
権兵衛の親友。頭のキレがよく、周囲の村々からも頼りにされている。
ラブラブな嫁さんと、生まれたばかりの子供と一緒に暮らしている。村の代表者の一人。

○鳩野豆太夫  (CV:坂本くんぺい)
信濃国大根藩の城代家老。凶作にもかかわらず藩の年貢を増やした張本人。
不作で年貢が満足に取り立てられなくなったため、自分の評価が下がってしまうのではないかと焦り、「農民から絞れるだけ搾り取って財政を無理矢理回復させる」というその場しのぎを行おうとした悪政者。
藩民の命や領内の秩序よりも己の面子を優先し、保身のために骸衆を雇い入れる。


◆七夜祟妖魔忍伝 (ななやたたりようまにんでん)
▼あらすじ
忍の里を裏切って一人、骸衆に立ち向かう嵐丸は、刺客との戦いの中で神社の神鏡を壊してしまう。
その夜、神社に祀られていた白蛇が枕元に立ち、七夜で命尽きる神罰を言い渡すが…

▼キャラクター
○嵐丸 (あらしまる) (CV:逢坂良太)
伊賀で勢力を伸ばす忍者集団「骸衆」の忍。
しかし、ある任務の後、突如骸衆を裏切り、抜け忍として逃げ回るどころか積極的に骸衆と敵対している。

武器として、連射できる飛び道具「苦無」、中距離までの広い範囲の敵を攻撃できる「鎖鎌」、飛距離は短いが威力の高い「爆雷」を扱う。
総じてミドルレンジ以上の攻撃手段が多く、遠距離戦を得意とするが、中距離以上の攻撃を行うたびに徐々に霊力が消費されていくので、立ち回りに緩急が必要なキャラ。
また手数が豊富な代わりに火力もそれほど高くなく、効率的に攻略するには工夫が居る、他の主人公たちとは毛色の違う性能になっている。

○白蛇  (CV:日笠陽子)
白銀ヶ淵の水神として祀られている白蛇、渦津巳引滝媛神(かつみいならきのひめがみ)。
自らが祀られた神社で殺生を行った上に神鏡を破壊した嵐丸に対し、七夜の後に命尽きる神罰を言い渡す…
…が、当の嵐丸は神罰とは全く関係ない理由で七夜経つ前に死ぬ気満々。そんな事をされては神罰を下した神として立場が無い!として、嵐丸を守護するために憑いて来る。
祟り神系ツンデレ和風ラミアさんである。
戦闘では霊力を消費して召喚(要インターバル)されホーミング弾で援護してくれるが、武器を切り替えるとお戻りになられてしまう。

○不知火  (CV:中博史)
忍術では組織内でも一、二の実力を有する、骸衆きっての凄腕の中忍。
気流の変化で竜巻を操ったかと思えば、だるまを使って分身を行うなど、変幻自在の戦術を得意とする。
嵐丸の師匠でもあり、嵐丸の扱う忍術は彼に叩き込まれたもの。

○油田鏑太  (CV:伊藤健太郎)
骸衆を率いる頭領。芝居がかった口調で喋り、忍者というよりインチキ歌舞伎役者。蝦蟇を召喚する秘術を操る。

○汐巻  (CV:石田嘉代)
鏑太の妻で、伊賀の上忍の一族である油田家の姫。油田家の男兄弟は皆死んでしまっているため、お家存続のために鏑太を婿養子に迎えた。
蛞蝓を召喚する秘術を操る。すごい巨乳

○無明道人  (CV:西村知道)
様々な妖術に長ける琵琶法師。
骸衆に属してはいるがその立ち位置には不明な点も多く、謎の多い人物。

○岡部伝五郎  (CV:山下誠一郎)
筑紫の領主・尾形家に仕える武家・岡部の男児。
まだ幼く剣の腕も未熟だが、父・行家が嵐丸に殺害された上に、家宝の鉾も奪われたため、仇を討たねば家が立ち行かなくなってしまい、嵐丸の命を狙っている。


◆角隠女地獄 (つのかくしおんなじごく)
▼あらすじ
女好きで放蕩者の清吉は、坊主が嫌で寺から逃げてきた所化あがり。
さっそく道中で女を口説こうとする清吉だったが、思わぬもののはずみで、地獄から来た鬼娘・羅邪鬼に惚れられてしまう。
これなんてうる星

▼キャラクター
○羅邪鬼 (らじゃき) (CV:渡辺久美子)
地獄の閻魔大王の実子で、108人居る兄妹の末娘。
仰々しく閻々羅邪鬼と名乗る事もあるが、気を許した相手には羅邪と呼ばせたりもする。ファンからの愛称も羅邪。
性格は純真で天真爛漫な活発娘。信じ込んだらあんまり疑うことをしない。
とある事情で地上に出て来ていたところ清吉と出会い、ひょんな事から好きあう仲だと勘違い。清吉一筋な押しかけ女房と化す。

子供ながらマサカリを振り回す怪力の持ち主で、地獄の炎を纏って戦うパワータイプのキャラ。
打ち出の小槌を使い、リーチに乏しい代わりに手数が多くコンボを繋げやすい「子供」モード、鈍重な代わりにパワーとリーチに優れる「大人」モードを使い分けながら戦う。
また特殊なゲージが溜まると、一定の無敵時間と超強力な攻撃力を得る3つ目のモード、「大鬼」にチェンジする事も可能になる。
(ただしお恋とは違って子供モードからなろうと大人モードからなろうと性能や見た目に変化は無い。)
このモードチェンジ仕様のおかげで、幼女・スレンダー美女・筋肉娘の3属性を1人でこなす、一粒で三回おいしい子。

まあそれはさておき、彼女の性能上の特徴はなんと言っても「本作屈指の超火力」。
兎にも角にも素の攻撃力が非常に高く、育成過程で攻撃力をさらに伸ばすアビリティまで複数身に付けるためもう手が付けられない。
最終的には子供モードですら雑魚敵を軽く一掃し、大人モードは一瞬で殲滅が可能になり、大鬼モードにもなるとボスの体力すらワンコンボで溶かすバ火力キャラに成長する。
さらに、特定の攻撃を連続で当てることで攻撃が強化される「狂化攻撃」というシステムも持っているため、上手くコンボが決まった時の火力は正に爆発的。
おかげでバトルの爽快感は本作随一。使っていて非常に気持ちのいいキャラクターに仕上がっている。

○清吉  (CV:杉山紀彰)
禁欲生活が嫌で嫌で寺から逃げてきた元坊主。
根っからの遊び人で女好き。寺から抜け出てさっそく女遊びだと意気込むが、意図せぬきっかけで羅邪鬼に惚れられてしまう。
たくさんの女の子と遊びたい清吉はなんとか羅邪鬼のアプローチをかわそうと逃げ回るものの、なんやかんやと彼女のペースに負けてしまい、あちらこちらへ連れ回されるハメに。
リアクションが妙に大仰でコミカルだったり、どっかで見た事のあるような表情やポーズを取ったりと、一昔前のラブコメへのオマージュ要素が強い。

○お八重  (CV:浅野まゆみ)
甲斐の街道沿いの竹林に住む後家。釣り竿で川魚を獲った帰りに清吉に声をかけられるが・・・ 

○蝶々太夫  (CV:伊藤美紀)
伊豆の色街浄蓮屋敷で一番人気の花魁。
鬼娘の配信が延期になったのは、この遊郭の描写が審査に引っかかったためらしく、二重に恐ろしい存在である。

○閻魔大王  (CV:立木文彦)
昔話ではお馴染み地獄の閻魔様。声はオーダイン
仕事では厳格な裁判官だが、人情にほだされて柔軟な対応を検討してくれたり、娘に対しては子煩悩だったりと結構人間くさい。








追記・修正はきんたまを何畳も延ばせる人お願いします。

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最終更新:2024年03月18日 16:13