シンパシー(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/11/29 Sat 21:42:09
更新日:2024/04/29 Mon 22:53:25
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シンパシーとは、デュエル・マスターズにおけるキーワード能力である。

解説

DM-13「聖拳編 第4弾 龍炎鳳神誕(エターナル・フェニックス)」で登場したキーワード能力。
DM-21「不死鳥編 第3弾 封魔王の系譜(ヒストリー・オブ・デビル・ノヴァ)」ではシンパシー持ち呪文が登場し、それ以降のシリーズでも定期的に登場している。

どういう能力かというと、バトルゾーンに指定された条件を満たすクリーチャーがあれば、そのカードの数だけコスト軽減する。
つまり大雑把にまとめてしまうと、コスト軽減能力ということ。

基本的に種族を参照にするものが多いが、覚醒編ではソウルを参照にするクリーチャーも登場した。
ドラゴン・サーガ以降では、文明を参照にするなど条件が緩いシンパシーも見られるようになっている。
ついでに補足すると種族でのシンパシーには注意点があり、あくまでシンパシーはクリーチャーの数を参照にする能力であるため、指定種族を二つ以上持っているクリーチャーがバトルゾーンにいても下がるコストは1体につき1である。

状況次第ではコストを大きく減らすことができるため、大型クリーチャーや呪文を比較的早めに使うことができること点は嬉しい。
また、シンパシー持ちは強力な効果持ちが多いので、ゲームの状況にも大きい影響を与えやすい。

その分、シンパシーを持つカードの元々のコストは若干重く設定されている場合が多い。
登場当時の聖拳編環境などはともかく、今は環境の高速化が激しい時代。
とっととシンパシーを生かしていきたいところではある。

シンパシー持つ主なカード

悪魔聖霊アウゼス SR 光/闇文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/デーモン・コマンド 6500
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
シンパシー:エンジェル・コマンドおよびデーモン・コマンド(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のエンジェル・コマンドまたはデーモン・コマンド1体につき1少なくなる。ただしコストは2より少なくならない)
自分のエンジェル・コマンドまたはデーモン・コマンドが攻撃する時、相手のタップされているクリーチャーを1体破壊する。
W・ブレイカー

シンパシー持ちの代表格。

聖拳編時代のデュエリストからすると『シンパシー持ち=アウゼス』というくらいインパクトが強いクリーチャー。
今でこそ同時期のシンパシー代表格はドルゲーザが存在するが、ドルゲーザも登場からしばらくの間評価が低かった。

シンパシーはエンジェル・コマンドおよびデーモン・コマンド。
自身を含めた自分のエンジェル・コマンドとデーモン・コマンドは、アタックトリガーでタップされている相手クリーチャーを破壊できる。

アタックトリガーでの確定除去は当然強く、登場当時から多くのデッキに投入された。
現在でも、堕天使及び光悪魔の登場や、聖霊龍悪魔龍の登場で投入デッキが増えている。

剛撃戦攻ドルゲーザ SR 水/自然文明 (8)
クリーチャー:アースイーター/ジャイアント 9000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
シンパシー:アースイーターおよびジャイアント(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のアースイーターまたはジャイアント1体につき1少なくなる。ただしコストは2より少なくならない)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分のアースイーター1体につき1枚、カードを引いてもよい。その後、バトルゾーンにある自分のジャイアント1体につき1枚、カードを引いてもよい。
W・ブレイカー

アウゼス同様、シンパシー持ちの代表格。
指定種族のクリーチャーの数だけ、強力なドロー能力を行える。
また、シンパシーでの軽減召喚と相性の良い高いパワーを持つ。

今でこそシンパシー持ちの代表的クリーチャーだが実は登場当初は余り高い評価を受けてはいなかった。
シンパシーの指定種族のアースイーターとジャイアントは当時は中量~重量級ばかりでこのクリーチャーのシンパシーを活かす事が殆どできなかったのである。

しかし、極神編以降にアースイーターやジャイアントが強化されていったことに伴い、このカードの価値も確実に高くなっていく。
ついに戦国編では相性抜群の軽量ジャイアントが増加、このカードを中心にしたシノビドルゲーザが一気にメタゲーム入りを果たす。
後のシノビが環境から規制されるまで暴れまくった。

シノビドルゲーザの環境から転落後も、確実に活躍の場が増えたカードである。
また、種族が定期的に強化を受けることでシノビドルゲーザは環境から転落しても定期的に環境に顔を出すことが多く、恐らくドルゲーザはシンパシーを一番環境で活躍させたカードと言える。

無双恐皇ガラムタ SR 闇/自然文明 (6)
クリーチャー:ダークロード/アース・ドラゴン 5000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
シンパシー:デスパペットおよびビーストフォーク(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のデスパペットまたはビーストフォーク1体につき1少なくなる。ただしコストは2より少なくならない)
このクリーチャーが攻撃する時、このターンの終わりまで、誰も「S・トリガー」を使うことはできない。

アウゼスやドルゲーザの存在で少し隠れ気味だが、こいつも忘れてもらっては困る。

S・トリガー封じという非常に高い攻撃性能。
シンパシーも、使用率の高い種族で使いやすく、その上に自身も強力なドラゴン。

登場当時から除去ボルバルなどのデッキで高い活躍を見せてくれた。
現在でもその性能の高さは衰えず、DM-13のサイクルのスーパーレアで唯一再録されていないために知名度が薄れ気味な時期もあったが、登場から10年以上経過した2016年には殿堂入りを果たしている。

再録希望の声は多いが、やはりデュエマの醍醐味であるS・トリガーを否定してしまうためかその声は届かない状況が続いており、現在では入手がやや面倒。

電磁旋竜アカシック・ファースト VR 水/火文明 (7)
クリーチャー:サイバーロード/ボルケーノ・ドラゴン 6000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
シンパシー:サイバー・ウイルスおよびドラゴノイド(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のサイバー・ウイルスまたはドラゴノイド1体につき1少なくなる。ただしコストは2より少なくならない)
このクリーチャーは、タップされていないクリーチャーを攻撃できる。
このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分の手札に戻す。

DM-13で登場したサイバーロード/ボルケーノ・ドラゴン。

火文明のアンタップキラーの能力と、水文明のモヤシ能力を所持する。
種族もドラゴンを兼ねたサイバーロードで強力。もっともドラゴンはあのボルケーノだけど。

シンパシーの対象となる種族はいずれも軽量クリーチャーが豊富。
シンパシーの中でもトップレベルに高速で出しやすいので、専用デッキもあるほど。
パワーが6000を超えているが何故かW・ブレイカーが付いていないため、打点力に欠ける点が難点か。
ちなみに、2021年現在に至るまで唯一の多色ボルケーノ・ドラゴンである。

聖霊龍騎アサイラム SR 光/火文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/アーマード・ドラゴン 6000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
シンパシー:エンジェル・コマンドおよびアーマード・ドラゴン(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のエンジェル・コマンドまたはアーマード・ドラゴン1体につき1少なくなる。ただしコストは2より少なくならない)
W・ブレイカー
このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに裏向きにして自分のシールドに加える。

何もシンパシー持ちの全てが使いやすいわけでは無いのだよ、諸君。

対象となる種族がどちらも重量級なためシンパシーを活かしにくく、能力も地味な準バニラなためイマイチ反応に困る。
そもそもドラゴンならばコッコ・ルピアなりコスト軽減手段が多いので、このクリーチャーに頼る場面の方が少ない。

ただし、種族は強力なので進化元には最適であり、登場当初は軽量エンジェル・コマンドも少なかったためそこそこの評価を受けていた。
ところが、ドラゴン・サーガ以降はエンジェル・コマンド・ドラゴンの登場やエンジェル・コマンド自体の軽量化もあって、進化元としての立場も危うくなっている。

ちなみに《光神龍セブンス》《星龍パーフェクト・アース》《イモータル・ブレード》を並べるとかなりいやらしい事ができる。
アンブロッカブルで殴ればおkとか言わない。

アクア・ジャック C 水文明 (5)
クリーチャー:リキッド・ピープル 1000
M・ソウル
シンパシー:M・ソウルクリーチャー(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のM・ソウルクリーチャー1体につき1少なくなる。ただしコストは1より少なくならない)
連鎖(このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目を見る。そのカードが、このクリーチャーよりコストが小さいクリーチャーであれば、バトルゾーンに出してもよい)

M・ソウルのシンパシーを持つ連鎖持ちリキッド・ピープル。

シンパシーを適用していてもコスト4以下の連鎖が誘発する。
専用デッキなら、シンパシーを生かした大量展開が可能に。

名前とイラストがどうみてもアメリカの某アニメ映画の…
ディ○ニーですらネタにするDMというTCGのフリーダムさがよく分かる一枚。

龍素記号iQ サイクロペディア P 水文明 (8)
クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン 8000
シンパシー:リキッド・ピープル
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを3枚まで引いてもよい。
このクリーチャーはブロックされない。
W・ブレイカー

DMD-17の目玉の一つとして登場したクリスタル・コマンド・ドラゴン。

リキッド・ピープルを対象としたシンパシーで使いやすい。
能力も、アンブロッカブルと三枚までのドロー効果。

シンパシーの都合上、このクリーチャーは大体4~5コストで召喚可能。
500円デッキとは思えないDMD-17の強力さを表した一枚。

ティラノ・リンク・ノヴァ VR 火文明 (14)
呪文
シンパシー:ティラノ・ドレイクとブレイブ・スピリット(この呪文を唱える時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のティラノ・ドレイクまたはブレイブ・スピリット1体につき1少なくなる。ただし、コストは1より少なくならない)
相手は、自分自身のシールドをすべて手札に加える。(相手はその「S・トリガー」を使うことができる)

DM-21で登場した火の大型シンパシー呪文。

相手のシールドを全て手札に加えさせる。
男のロマンを表したかのような効果に誰もが惚れる。

カードパワーを抑えていた不死鳥編時期の呪文としては異例のコスト14!!!
シンパシー元も大量展開に向かないティラノ・ドレイクなため、そもそも普通に唱えることが困難。
そういうこともあって、ほとんどは踏み倒しで使用される。

登場以来再録されていなかったことから再録希望の声が多かったが、要のシンパシー元が現在思いっきり冷遇されているので、長年絶版状態が続いた。
ティラノ・ドレイクが再度プッシュされるくらいしか再録の可能性はないと見られていたが、DMEX-15において登場から15年近く経過しての初の再録を果たした。

デビル・リンク・タブー R 闇文明 (10)
呪文
シンパシー:グランド・デビルとディープ・マリーン(この呪文を唱える時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のグランド・デビルまたはディープ・マリーン1体につき1少なくなる。ただし、コストは1より少なくならない)
相手は、次の自分自身のターンにクリーチャーを召喚できず、呪文を唱えることもできない。

DM-21で登場した闇のシンパシー呪文。
相手の次のターンの行動を制限するが、正直闇文明としてはやや異質な効果である。

コストがかなり重いので、普通に唱えるのはやや難しい。
しかし、グランド・デビルとディープ・マリーンは大量展開は苦手では無い。
唱えるのにかなり時間がかかるという訳でもない……がミラダンテⅩⅡ+ファイナル・ストップなりで似たような事ができてしまうのが難点か。

シンパシーのバリエーション

基本的にはシンパシーの上位互換的性能だが、その代わりにカード自体のコスト設定がかなり重いという制約でバランスを取っている傾向が目立つ。

トリプル・シンパシー

熱血龍 三代目 D ソウル B(バトル) SR 火文明 (12)
クリーチャー:ガイアール・コマンド・ドラゴン 13000
トリプル・シンパシー:火のドラゴン(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分の火のドラゴン1体につき3少なくなる。ただし、コストは1より少なくならない)
このクリーチャーまたは自分の他のドラゴンをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選んでもよい。選んだクリーチャーとそのドラゴンをバトルさせる。
T・ブレイカー

《熱血龍 三代目 D ソウル B》から登場したシンパシー。クリーチャー1体でコストを-3にするという超大幅なコスト軽減を行う強化版のシンパシーである。
ところが、この能力を持つD ソウル B自体が超重量級コストの設定であり、シンパシー対象の種族も中量級~重量級であるため、-3のインパクトの割にはそこまで簡単な軽減という訳でもない。

天才シンパシー

伝説の正体 ギュウジン丸 LC 水文明 (71)
クリーチャー:ジ・アンサー 71000
天才シンパシー:水のクリーチャー(このクリーチャーの召喚コストは、バトルゾーンにある自分の水のクリーチャー1体につき10少なくなる。ただしコストは0以下にならない)
ワールド・ブレイカー
このクリーチャーが召喚されてバトルゾーンに出た時、相手は自身のクリーチャーをすべて山札に加えてシャッフルする。相手がこうして6体以上山札に加えたなら、自分はゲームに勝つ。

《伝説の正体 ギュウジン丸》に用意されたシンパシー。上述のトリプル・シンパシーをも上回るコスト軽減を持ち、対象も種族ではなく文明と緩い。
ただし、ギュウジン丸のコストは71というまともな手段では召喚は不可能な数値であるため、これくらいのシンパシーはむしろ妥当なのだ。

ダブル・シンパシー

龍装者 カカンロク UC 自然文明 (9)
クリーチャー:ドラゴンギルド/グランセクト 14000
ダブル・シンパシー:パワー12000以上のクリーチャー(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のパワー12000以上のクリーチャー1体につき2少なくなる。ただしコストは0以下にはならない)
T・ブレイカー

DMRP-02「デュエル・マスターズ 新2弾 マジでB・A・Dなラビリンス!!」から登場したシンパシー。名前的にはトリプル・シンパシーより先に出ていそうなものだったが…。
こちらはダブルの名前が示す通り、-2のコスト軽減を行う。

上述のシンパシーと違う点としては、一発ネタとしては終わらずに複数枚この能力を持つカードが登場しているというところか。

デュエル・マスターズ プレイス

DMPP-04 第4弾「混沌の軍勢 -REBELLION SYMPATHY-」から登場し、ウェーブストライカーと並ぶDMRP-04のメイン扱いをされている。
シンパシー所持のクリーチャーの多くはTCG版から輸入されたカードだが、ゲームオリジナルカードの《大宇宙ゼクウ》などもシンパシーを持っている。

また、不死鳥編における超神星シリーズのフェニックスも殆どのカードが進化元の種族を参照にするシンパシーを追加で加えられている。
この措置はTCG版で進化GVが「進化元して消費するカードが多すぎるため、進化元を並べて進化の準備をする際に妨害を受けやすくてなかなか進化できない」という欠点の反省だと考えられる。
シンパシーを追加されたフェニックスだが、TCG版では召喚難易度が高かった《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》などはともかく、TCG版の時点でシンパシーがなくとも普通に強いカードもあったので「ゲームスピードのインフレが進むのではないか」という指摘もあった。
実際に環境の高速化に繋がった部分はあるが、一方でシンパシーを得たフェニックスやその進化元のハイブリッド種族の種族デッキはTCG版よりも環境で活躍することに成功した。

補足

Magic the Gatheringの「親和」能力が元ネタ。
あちらは、0マナでプレイできることもあった。
ウルザ・ブロック期以来の大量の禁止カード指定の原因となった悪名高いデッキもある。





追記・修正は、シンパシーでコストを軽減してからお願いします。

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最終更新:2024年04月29日 22:53