天海の精霊シリウス

登録日:2014/12/31 (水) 14:53:14
更新日:2023/12/31 Sun 22:50:14
所要時間:約 7 分で読めます






天から飛来する影に、ある者は絶望し、ある者は歓喜した。



概要

天に広がる空という名の海。それを支配する者がシリウスなり。

天海の精霊シリウスとは、デュエル・マスターズのクリーチャー。

DM-05 第5弾「漂流大陸の末裔(リターン・オブ・ザ・サバイバー)」にて初収録。レアリティはスーパーレア。

◾DMC-37 「バイオレンス・エンジェル」
◾DMC-50 「パーフェクト・エンジェル」
◾DMC-66 「デュエル・マスターズ超ベスト」

などにも再録された。

初期のネタ扱いが一変、転生編時期から大型ブロッカーの代名詞になったクリーチャー。
未だに『ヘブンス・ゲートを唱える=シリウス降臨』という印象を持つデュエリストも多い。

スペック

天海の精霊シリウス SR 光文明 (11)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 12000
ブロッカー
T・ブレイカー

基本セット時期ではトップレベルのパワーを持つ。
DM-05の時点では、シリウスを超えるパワーを持つカードは数少ない。
とは言え、コストの重さに関してもトップレベルだった。

このように強烈なパワーを持つため気が付きにくいが、実はこのシリウスはコスト論的には損している。
ブロッカーを外してコスト論で計算するとパワーは17500になる。
通常、光文明のブロッカー能力はパワー2000程度に相当するのだが、シリウスでは-5500として計算されている。
当時の各文明の上位のパワーが12000~15000だったので、それらを一方的に打ち取れるのはまずいと考えたのかもしれない。

そもそも初期の環境でここまでコストの重いクリーチャーを出す必要性があまり存在しなかった。
という訳で、聖拳編までは見向きすらされていなかった。

だが、転生編から徐々に状況が変わり始める。まずDM-14でこんなカードが登場。

デジロン R 水文明 (4)
クリーチャー:サイバーロード 1000
ブロッカー
このクリーチャーがブロックした時、進化クリーチャーではない、「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンにタップして置いてもよい。そうした場合、このクリーチャーを自分の手札に戻し、かわりに、タップして置いたクリーチャーが攻撃クリーチャーとバトルする。
このクリーチャーは攻撃することができない。

デジロンの登場である。

このクリーチャーの能力を生かせば、序盤にシリウスを出すことも無理では無くなった。
しかし、デジロンはパワーが低いので除去されやすく、能力を起動させるのにも簡単ではない。

だが、DM-16でついにシリウスの人生に転機が見える。
後々も使われることになるこの呪文…

ヘブンズ・ゲート R 光文明 (6)
呪文
S・トリガー
進化クリーチャーではない光の「ブロッカー」を持つクリーチャーを2体まで、自分の手札からバトルゾーンに出す。

ヘブンス・ゲートの登場し、この呪文によって大型のシリウスを5~6ターン目で繰り出すことが可能になった。
しかもS・トリガー持ちであるため、相手のターンにシリウスを繰り出した場合、返しのターンですぐに殴ることも可能になった。

転生編時期から既に優れるブロッカー除去手段はあった。
とは言え、ブロッカー破壊などを積んでいないデッキではシリウスに苦戦を強いられることとなった。

結果的にこの呪文のおかげで、シリウスの最底辺だった評価は覆されることになる。

特に漫画本編でも白凰(このコンボを使いだした時は洗脳状態)も使い、彼の基本戦術として定着する。
手札にさえ気を付ければ、コンボを行うのは簡単であり、漫画を読んでいた小学生デュエリストにもこの戦術は広く知れ渡る。

また、ヘブンス・ゲート登場以降は再録もたびたびおこなわれた。
そして、シリウスはついに光文明の代表的大型ブロッカーとなったのだった。

とは言え、現在ではどうか。

インフレが進んだ影響でブロッカー破壊が数多く増えていった。
そして、それに対応するかのように強力な性能を持つ光ブロッカーが増加。

シリウスは、高い打点力とブロッカー以外には特にこれと言った能力が無い。
そのため、優秀な性能を持ったブロッカーの増加と共に肩身が狭くなっていった……。
そしてついに革命編で上位互換が登場(後述)。
今後はそちらを始めとしたよりパワーが高いブロッカー達に天門デッキにおける立場を奪われていくことになるだろう。

だが、このカードがDMの歴史において偉大な一枚であることは確かである。

ツインパクト

天海の精霊シリウス SR 光文明 (11)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 12000
ブロッカー
T・ブレイカー
W・チャージャー SR 光文明 (3)
自分のクリーチャーを2体まで選ぶ。このターンの終わりに、それらをアンタップしてもよい。
チャージャー(この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりにマナゾーンに置く)

DMEX-15「20周年超感謝メモリアルパック 魂の章 名場面BEST」にて登場したシリウスのツインパクトカード。元のシリウスの上位互換でもある。
公式でツインパクト化に関する登場を行った際に候補に挙がりながらもユーザーからの反応は良くなかったシリウスだが、20周年のタイミングでツインパクト化と言うことになった。

クリーチャー面はそのまんまシリウスなので上述した以上の解説をする点はないが、呪文面はアンタップ効果を付与するというシンプルなチャージャー呪文。
実はこの呪文は《ソーラー・チャージャー》の相互互換能力となっており、ツインパクトであることからそちらの実質的な上位互換でもある。つまり、このツインパクトは1枚で2枚のカードの上位互換と化したことになる。

ツインパクトカードなだけあって1枚のカードで様々な動きが可能ではあるが結局は「時代の波に完全の飲まれたシリウス+既存のチャージャー呪文の相互互換」というスペックなので、今のインフレを極めた天門デッキへの投入候補になるには流石に厳しい点がある。

関連カード

白騎士の精霊アルドラ SR 光文明 (12)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 15500
ブロッカー
このターン、自分の「ブロッカー」を持つクリーチャーをバトルゾーンに出した後でしか、このクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃できない。
T・ブレイカー
天門で使ってくださいと言わんばかりに登場した超大型ブロッカー。

シリウスを超えるパワーを手に入れてしまった。
その一方で、なかなか難しいデメリットもあり、決してシリウスより使いやすいというわけでは無い。

とは言えパワーの差は大きい。
これは、エピソードシリーズ以降のパワーインフレに対抗できるという意味で差が出る。

ちなみに名称はシリウスとおおいぬ座としての繋がりがある。

奇跡の精霊ミルザム SR 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 11000
ブロッカー
ウルトラシールド・プラス-このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を上から5枚まで、裏向きのまま、自分のシールドいずれか1枚の下に置いてもよい。(こうして重ねたカードの束を1枚のシールドとみなす)
W・ブレイカー
DM-29で登場した大型エンジェル・コマンド。

こちらも天門デッキではよく使用されていた。
そしてウルトラシールド・プラスを利用した『暴発ミルザム』と呼ばれる専用デッキも存在する。
ところが、様々なコンボ要員として暴れすぎたために2017年にプレミアム殿堂となった。

アルドラ同様、名称的な意味でシリウスとの繋がりがある。
また背景ストーリーでは、シリウスと並ぶ最強の聖霊という設定。

時空のガガ・シリウス UC 光文明 (7)
サイキック・クリーチャー:エンジェル・コマンド/エイリアン 12500
ブロッカー
このクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃できない。
ループ覚醒-自分のターンのはじめに、このクリーチャーを《時空のセブ・ランサー》のほうに裏返してもよい。
覚醒後⇒《時空のセブ・ランサー》
クリスタル・ランサー》と融合し、覚醒獣となったシリウス。

本家からパワーが500上昇している代わりに、相手プレイヤーを攻撃できなくなってしまった。
しかし、ループ覚醒でランサー側に裏返ることで、その問題は難なく解決される。

だがサイキックであるがゆえに、本家より場持ちはさらに悪化したため長期の場持ちは期待できない。

偽りの星夜 コングラチュレーション P 闇文明 (8)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/アンノウン 8000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のシールドをひとつ、墓地に置いてもよい。そうした場合、相手は自身のクリーチャーを2体選んで破壊する。
W・ブレイカー
DMX-11で登場した闇のエンジェル・コマンド/アンノウン。

イラストを見れば分かるが、実はイラストの元ネタがシリウス。
シリウスを真似して作られた闇天使なのか、もしくはシリウス自身が闇堕ちしたのだろうか?

能力はむしろ《魔刻の斬将オルゼキア》に近いのだが…。

星門の精霊アケルナル VR 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 10500
ブロッカー
W・ブレイカー
自分のターンの終わりに、光の「ブロッカー」を持つ進化ではないクリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
スターゲイズ・ゲート VR 光文明 (5)
呪文
光の「ブロッカー」を持つ進化ではないクリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出す。
シリウスと天門をそれぞれ小型化して1枚にまとめたようなツインパクト

クリーチャー面はシリウスよりパワーと打点が低いが、ターン終了時に光のブロッカーを踏み倒す能力を持つ。
呪文面は天門と違い1体しか出せずS・トリガーもないが、コストは1低くなった。

なおイラストの姿形がシリウスに似ている、1等星の名前(シリウス:おおいぬ座α星、アケルナル:エリダヌス座α星)、収録パックの番号(シリウス:DM-05、アケルナル:DMRP-05)などの類似点から、開発側にはシリウスのリメイクという意図があったのかもしれない。

天紅連結 シリディアン R 光文明 (11)
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド/アーマード・ドラゴン 12000
G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする)

同弾の出身で同じスーパーレアだった《グラディアン・レッド・ドラゴン》とディスペクターとして融合したシリウス。
シリウスのスペックにEXライフやG・ストライクなどの能力が詰め込まれており、種族も何気に初の光単色アーマード・ドラゴン
EXライフや高パワーによって場持ち性能やG・ストライクやブロッカーによる防御性能はなかなか高いが、このカードの登場時点で天門デッキがインフレしすぎたこともあって割と入りづらい。

性能よりも注目された点はカードイラストであり、そのあまりにも滅茶苦茶な融合の仕方が話題を呼んだ。是非その目で確認してみよう。

ついに生まれた上位互換

九極 デュエンジェル SR 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/侵略者 13500
ブロッカー
相手のシールドが2つ以下なら、誰も光以外の呪文を唱えられない。
T・ブレイカー
長い時を経て、DMR-17で登場したシリウスの上位互換。

コストもシリウスより軽く、パワーも上回り攻撃力も同等のT・ブレイカー。
種族も同じエンジェル・コマンドであり、デュエンジェルはそこに侵略者も持っているため種族数もシリウスを上回る。
さらに、相手のシールドが2枚以外ならば光以外の呪文を封じるという《聖霊王アルカディアス》のような効果も持つ。

正直なところ、このカードにシリウスが勝る点は非常に少ない。
強いて言うなら、『ガチンコ・ジャッジでの強さ』や『入手難易度』とかその辺だろうか。
また、デュエンジェルは光以外の呪文が自分も使えなくなる危険性があるため、その点を考慮するとシリウスの方が多色デッキを組みやすいという面もあるとは言える。

シリウスはデュエンジェルに出番を譲ることになっていくことになった。実際はシリウスはデュエンジェルの登場以前から殆ど出番を失っていたが。

デュエル・マスターズ プレイス

DMPP-04 第4弾「混沌の軍勢 -REBELLION SYMPATHY-」にて登場。
スペックでは特に調整が行われなかったが、レアリティがレアへと一気に格下げとなった。
格が落ちたような残念な雰囲気もあるが、レアリティが下がったことはユーザー的には入手難易度が下がったのでむしろ嬉しい。

シリウスが収録されたパックには《ヘブンズ・ゲート》も収録されており、正に組み合わせて使われることが想定されている。
上述のようにシリウスはレアリティ格下げで入手しやすいので天門デッキを組みやすい…と思いきや、ちゃっかりヘブンズ・ゲートの方がベリーレアへと昇格しているので簡単に組めるという訳でもない。

プレイスにおけるシリウスのライバル候補としては、前弾のDMPP-03における超大型ブロッカーで文明色も被る《剛撃聖霊エリクシア》がいる。
エリクシアの方が最大のパワー値やブレイク数では勝るため、強力な競合相手となるのは否定できない。
しかし、シリウスの方がマナの状況に依存しない安定した高パワー、単色である点、そしてレアリティの違いによる入手難易度の違いなどによって十分に差別化されており、劣るという訳でもない。
デッキスペースに余裕があれば、どちらのカードも天門デッキに投入して共存させる構築も考えられるだろう。

漫画での活躍

上記でも述べたように漫画やアニメでは白凰の愛用カードの一つ。

だが、天門とのコンボは洗脳時代からの使われているため、悪い印象がある人もいるだろう。
まあ、天門登場時期が漫画での洗脳時代だったし、仕方は無いか。

特に漫画での切札 勝利戦でシリウスが二体繰り出されたときの迫力を覚えている人は多いかもしれない。
この強烈なコンボは勝利に大きく負担を与える攻勢を見せつけた。
とは言え、シリウス二体の攻撃から一転して勝利寸前までに持ち込んだ勝利の技量の方に目が行くが。

逆に漫画のY(イエスマン)戦も印象に残っている人もいるだろう。
ここでも白凰が、シリウス二体の踏み倒しに成功する。
しかし、イエスマンはそれで怯むような男では無かったのだった…

彼はインフェルノ・ゲート》を用い《キング・アトランティス》をリアニメイトするという鬼畜プレイを披露。
すぐさまにシリウスをバウンスしてしまったのだった。

この試合ではシリウスは活躍することなく終わった。
とは言え、イエスマンの圧倒的な強さと絶望感を伝わらせるための1シーンとなったことは間違いない。

補足

名前になっている「シリウス」とは、おおいぬ座のα星。

太陽を除けば地球上から見える最も明るいらしい。
あまりにも目立つからか、エジプト神話を初めとした様々な伝説で登場する。

名前の響きもカッコイイためか、デュエマ以外の各種メディアでも積極的に用いられる名前。
漫画雑誌の名前だったり、岩手にある株式会社の名前にもなったりと忙しい。

そのほか、おおいぬ座には「ミルザム」と「アルドラ」が存在する。
……デュエマにもこの名前を持った大型ブロッカーがいるのはお分かりだろう。

そしてシリウスはオリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンともに、冬の大三角を形成する。

超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》と《予言者プロキオン》とシリウスのDMでの関連性は…無いです。
正確に言えばファイナルキャノンは『ベ』テルギウスではなく『ペ』テルギウスになっているが。







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最終更新:2023年12月31日 22:50