テツオン(ウルトラ怪獣)

登録日:2015/10/13(火) 16:51:08
更新日:2024/02/29 Thu 21:55:16
所要時間:約 5 分で読めます





テツオンは、『ウルトラマン80』に登場した怪獣の1人
別名は「少年怪獣」。

この項目では、テツオン誕生のきっかけになった宇宙植物についても解説する。


【概要】

身長:170cm
体重;100kg

 第39話「ぼくは怪獣だ~い」に登場。

 ごく普通の地球人の小学生、田畑テツオが偶然飲み込んでしまった宇宙植物の種の力で変身した怪獣。名付け親はテツオの友達。
 地球人の成人男性ぐらいの背丈で、黄色いブサかわいい感じの体が特徴。勿論悪意は無く、意識はテツオそのものである。

 スポーツから勉強まで何をやっても優秀で、テレポートやサイコキネシスなどの超能力も得意とする。
 ただしエネルギーの消費量は激しいようで、ケーキ30個はあっという間に平らげてしまう大食漢。

 文字通りチート級の能力を手に入れた事を喜んでいたテツオだが、次第にその考えは変わっていき……。

【活躍】

 バットを振れば三振連発、勉強も散々と何をやっても駄目な少年・田畑テツオ

 ある日友達と野球をしていると、試合中のボールが偶然どこからかやって来た小型宇宙船に当たってしまった。落下した宇宙船はそのまま溶け、中からは妙な玉が現れた。
 珍しい玉を巡って争奪戦が勃発する中、偶然にもテツオはその玉を飲み込んでしまう。そしてそのまま眠くなったテツオは、草むらの中で昼寝を始めた。
 そして、目覚めた彼の姿は人間とはかけ離れていたものになった。少年怪獣テツオンに変貌してしまったのだ。

 最初は友人は勿論本人も動揺してしまったが、友人たちにテツオ臭いという事で無事認めてもらい、怪獣を調査するために訪れたUGMや彼を見て驚いてコケたラーメン屋のおじさんから上手く誤魔化してもらった。
 そして、友人たちの提案でテツオンは「着ぐるみの怪獣」として仮装大会に出場。勿論見事に優勝し、賞品のカメラや三脚などビデオセットを手に入れた。

 それからと言うもの、テツオンはあちこちで大活躍。
 バットを振ればホームラン連発、守りでも超ファインプレーは当たり前。頭脳も明晰になり、ケーキ30個を代金代わりに友達の宿題を軽々と解き、浪人生の家庭教師まで受け持つ大天才になった。もうそこに、ダメダメなテツオの姿は無かった。
 そして調子に乗ったテツオンは我がままになり、ビデオセットで撮影した「ウルトラマン80対テツオン」で自分が悪者になるのが気に入らず、自分を正義の味方にした内容に書き直してもらう始末(元から主役にしてもらうという約束だったのだが)。

 そんなテツオンの元に、再び調査のためUGMがやって来た。最初は宿題を解くのに忙しい、と同行を断るテツオンだが、ケーキを餌にされては断れずついてきてしまった。
 そして基地内で検査が行われた結果、テツオが変身したのはあの時飲み込んだ謎の玉――宇宙植物の種が成長し、根を張った事が原因である事が判明した。

 だが、何をやっても超一流と言う素晴らしい体を手に入れたテツオンは、元のテツオに戻る事を拒否。
 基地にやって来た彼の両親はその答えにショックを受け、互いに責任を擦り付け合い、夫婦喧嘩を起こしてしまったのであった。


 どちらにしろテツオンを元のテツオに戻すのは最低でも3日かかる、という事で町に戻る事にしたテツオン。

 しかし、彼を待っていたのは予想外の光景だった。

 仮装大会で貰った優勝賞品のビデオセットは、彼が「本物の怪獣」であるという事で失格となり没収。
 宿題を解いてあげようとしても、真面目な友達から自分の実力がつかないと断られてしまう。
 野球をやろうと友達を誘っても、テツオンがホームランばかりでつまらない、と仲間外れに。
 そしてラーメン屋のおじさんも、本物の怪獣なら昨日のラーメン代を弁償しろと大激怒。

 あまりにも完璧すぎるテツオンは、皆から疎まれる存在に成り果ててしまったのである。
 そして家に戻っても誰もおらず、腹を減らしたテツオンはとうとう商店街のパン屋のパンを根こそぎ食い逃げしてしまった。


 そんな惨めな彼に、声をかける者がいた。UGM矢的猛隊員である。


やあ、どうだい。怪獣は楽しいかい?
ずっとそのままでいたいんだろ。
……もうそろそろ、元に戻りたくなったか?


そ、そんな事ないよ!
前の僕はさー、野球も下手だったし、勉強もあまり出来なかったし……。


そうか……。
友達は努力して野球が上手くなるように練習したり、勉強したりしてるのに、
君は何でも出来るようになったんだもんな。

うん……。


だけど、それは本当に良い事だったんだろうか?
何でも出来るようになった代わりに、友達を失っちゃつまんないだろ。

 そして、猛はテツオを交番の前に連れて行った。そこには、誰かが謝っている光景があった。
 あの時喧嘩をしていたはずのテツオの両親が、息子の無礼をラーメン屋やパン屋の人たちに謝っていたのだ。
 たとえどんな姿になろうと、両親は息子を大事に思い続けていたのである。

 その様子を見たテツオン――いやテツオは泣き叫び、とうとう両親たちの前で本音を告げた。


僕、元の姿に戻りたいよー!!今すぐ戻りたいよー!!うわああああん!!


 その言葉を受け、猛はウルトラマン80に変身。体をミクロ化させテツオンの体内に飛び込み、騒動の元凶である宇宙植物との戦いに挑んだ。

 一時は激闘でテツオンの腹に激痛が走るも、無事宇宙植物は80によって退治された。
 そしてようやくテツオは元の地球人の少年に戻る事が出来、両親もお巡りさんも、ラーメン屋やパン屋の人も安心した表情を見せた。

 その後、自らの実力で奮闘するテツオの野球の試合を、観客席で猛たちはしっかり応援するのだった。

【余談】

  • 少年が変身してしまった怪獣と言うプロットは『ウルトラQ』のカネゴンに似ているが、どちらかと言うと『快獣ブースカ』のオマージュ要素が強く、テツオやテツオンの声は初代ブースカ役の高橋和枝さん、スーツアクターはチャメゴン役の山村哲夫さんが担当している。
    なお、名前の「テツオン」自体も山村哲夫さんの名前が由来。

【関連怪獣】

●寄生生命体 宇宙植物

身長:2mm
体重:0.15g
 テツオを怪獣テツオンに変身させた元凶。
 元は種の状態であったが、人間の体内に入り込むと急成長して根を張り、麻酔液で眠らせて怪獣化させてしまった。
 外敵が現れると本体と花弁が分離し、長い触手や体中に張り巡らせた根で攻撃する。

 素早い動きで一時は80を翻弄するも次第に弱体化し、最後はサクシウム光線を受けて倒された。

 なお本来は悪意ある生物ではなく、植物の種を風船で飛ばす感覚で宇宙の誰かが飛ばした「」を偶然テツオが飲み込んだのが騒動のきっかけではないかと推測されている。



変な追記・修正をすると、怪獣になっちゃうかもしれないぞ?

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最終更新:2024年02月29日 21:55