すべての想いに巡り来る祝福を(Dies irae)

登録日:2015/10/23 (金) 20:30:00
更新日:2023/12/31 Sun 10:14:25
所要時間:約 4 分で読めます






「だからこそわたしは思うの。みんな、いつか絶対幸せになって」

「わたしが見ている。傍にいる。見捨てたりしない。抱きしめる」

「ううん、お願い。抱きしめさせて」

「愛しい総て、わたしは永遠に見守りたい」




す べ て の 想 い に  巡 り 来 る 祝 福 を
Amantes amentes―Omnia vincit Amor








◆概要
すべての想いに巡り来る祝福を(アマンテース・アーメンテース=オムニア・ウィンキト・アモール)」とはDies Irae -Acta est Fabula-に登場する異能。
位階は流出。覇道型

マリィメルクリウスの敷いた世界法則、永劫水銀回帰の法則を滅ぼし新たに宇宙を包み込んだ世界法則である。
神咒神威神楽』では「輪廻転生」、正式には「黄昏輪廻転生(アニマ・エンテレケイア)」と呼称される。









◆流出
そもそも流出とはメルクリウスの創り出した「人の手で聖遺物を扱いその果てに新たな神を生み出す術理」エイヴィヒカイトの最終段階だが、マリィの場合はエイヴィヒカイトの補助を必要とせず、生まれた時からこの位階に達していた。
だが水銀の介入によって自分の渇望を自覚し、物語の終盤で「求道」から「覇道」に変容することになる。
さて、マリィの願いとそれによってもたらされる世界とはどういったものになるのか。









◆マリィの法則
元となった渇望は 「全てを抱きしめたい」。
渇望から生まれた世界法則は全ての人間がいつか幸せになれるよう願う慈愛の法である。

善良に生きて死んだ人も救いようのない悪人も、満足のいく死も無念のまま逝った理不尽な死も、誰も彼もを一切の差別無く抱きしめ、どのような人間、どのような人生でも「諦めないで幸せになって欲しい」と人の自由さを尊重した上で語りかける。今が辛くても、いつかきっと幸せな明日が来ると語るのがこの理。

具体的には人が自由に、そして幸せに生きるための後押しをするもので、人々はそんな慈愛の抱擁を感じながら生きていくことが出来る。
そして今生で幸せになることができなくても、次の生こそは幸せになって欲しいと来世を約束され、ずっと続く輪廻の中で「いつかは幸せになれること」を叶える理。記憶は転生の度に白紙に戻されるものの、決して過去の歩みが無に還ってしまうわけではなく、転生のたびに前世と似た、しかし前世で歩んだ分前進した自分となって新たな生き方・可能性を模索し、より佳く生きることを可能にする。
そのため文明の成長も早く、人類はどこまでも進歩を続けることができる。

覇道神としては極めて希少な、他者への攻撃性を持たず「幸せにしてあげたい」という利他に徹した優しく柔らかなルールと言える。






◆戦闘において
マリィの理は戦闘に転用することはできず、本人のその渇望の方向性から戦闘には全く不向き。だが彼女の「すべてを抱きしめる」法則は本来は共存不可能な覇道神を、複数抱え込むことができるという覇道神として非常に特異な性質を持っている。*1
そのため新たな覇道神が生まれても潰し合うことなく共存できるし、マリィの理を破壊しようとする覇道神に対しても座の覇道神連合で対抗することができる。そのため座の魂の全てを管理する本来最大戦力である主神のマリィが戦闘に参加できずとも、この理は非常に堅牢で維持に優れている。

特にマリィルートのED後は刹那水銀黄金という強大な三柱の神格を抱え、十分どころかハッキリ言って過剰戦力と言っても過言ではないほどの連合を組織していた。


ただもちろん許容限界は存在し上記の三柱を抱えた状態はその限界に達していた。そのため新たな覇道神を迎える場合誰かが退場し入れ替わることになる。

詠唱は発揮されていない。





◆欠点
このように世界法則としてはほとんど非の打ちどころがない理だが、やはり欠点も存在してしまう。まずは不幸という概念が抹消されているわけではないこと。マリィは万人の幸せを願いその後押しをしてくれるが、理不尽な人生を送り死んでいく不幸な人間は少なからず存在する。
ただこれは三代目の理、天道悲想天を除く全ての理に共通するもので、ほとんど難癖に近い。二元論は戦いを強制されるし、堕天奈落だと弱者を虐げる強者ばかりがのさばってしまう格差社会を余儀なくされるし、永劫回帰なんか不幸な人間は永遠に不幸なままなので、それらと比べれば充分優しい。

寧ろ運命に翻弄され悲しい別離を果たしてしまった魂達に来世にて記憶が白紙となってもいつか必ず優しい再会を約束してくれると言う彼女の法は「命ある限り理不尽な悲劇をもたらさない」天道悲想天と「命が潰えても悲劇では終わらせない」と別方向で優しい法である。

重要なのはもう一つの欠点である。



マリィの最大の欠点にして弱点、それは邪悪を排斥できない点にある。他の神であれば危険因子の発生に対し排除の意志で動けるが、マリィは優しすぎるために邪悪をも慈しみ、抱きしめてしまう。
当然その危険因子が座の彼女に襲い掛かろうとする場合は、傍で控える覇道神連合で対処できるのだが…何事にも例外、規格外は存在するものである。

他の神であれば発生段階で排除される邪悪を許容してしまう点。
なまじ完成度が高い分、文明レベルの発展が早く『観測者』による神の代替わりが発生しやすい点。
真っ当な覇道神であればマリィを認め座を奪おうとはしない点。
以上のことからマリィの次代は凶悪な邪神となることがほぼ確定しており、それこそがこの理の潜在的脅威と言える。




◆余談
作品は違うが輪廻転生の他にも万人を肯定しその幸せを願う世界法則が存在する。
どちらが望まれたものかは…まあ、お好みで。









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最終更新:2023年12月31日 10:14

*1 全てを塗り潰すという覇道神の性質上、同じ時代に覇道神は一柱しか存在できない