ジョージ真壁

登録日:2016/09/05 Mon 22:09:07
更新日:2024/02/09 Fri 20:25:04
所要時間:約 7 分で読めます




我が宿敵も御到着か……好都合だジャンパーソン!お前もここでこの私の手で地獄に送ってやる!

ジャンパーソン(…………誰?)

ジョージ真壁とは、1993年に放送された特撮ヒーロー番組「特捜ロボ ジャンパーソン」の登場人物である。

演:高橋和興


ロボットで構成された悪の組織ネオギルドの首領、かつネオギルド最強のロボット。普段はネオギルド本部から部下のロボットへ指令を下す。
武器としてビームガン*1を所持する。
よく手の中で二個の鋼鉄ボールを転がす。投げつける事で武器としても使用可能である。
一人称は「私」*2

腹違いの弟であるベン藤波が率いていた組織、ギルドがジャンパーソンによって2話目で壊滅させられた事を契機に「これは弟の復讐ではない」と2話くらい強調して活動を開始する。
寡黙で無敵の謎のヒーローと悪の組織の登場に心を奪われた瞬間、予告で「ギルドとのファイナルバトル」とか言われて度肝を抜かれたちびっこや大きなお友達も多いだろうが、それを伏線として更なる組織が出てくるサプライズも本作ならでは。

普段は冷静沈着ではあるがその中身は基本的に情緒不安定で癇癪持ちのポンコツである。
昔はグリフォンの力で戦いネロスハンターをやってた勇気ある姿はどこへやら、背中からぷすぷす煙を出しながらぷりぷり怒る小物臭溢れる姿をよく晒してくれる。萌えを見出だすか生暖かい目で見守ろう。

ネロスハンターの頃からアレだったとか言ってはいけない


部下への八つ当たりに定評があり、42話でジョージと瓜二つのスカウトマン、田崎(高橋和興氏の一人二役)が登場した時は「あなた…上司と同じ顔をした人間を殺せるんですか?」という田崎の問いかけに部下の暗殺ロボットにむしろ殺したいと言いたげな表情をされる。

さらに「わかった!という事は貴方あの上司に不満を抱いていらっしゃる!あの神経質そうな上司に…もしかして仕事を変えたいなんて思っていませんか?」という田崎に笑顔を見せる暗殺ロボット。

その後、真壁は無慈悲にもボディーガードとして新しい人生を歩む暗殺ロボットを処刑した。

このように絶望的なまでに部下の忠誠心と統率力が無くガンギブソンを筆頭に多くの更正したロボット達に裏切られており、帯刀コンツェルンスーパーサイエンスネットワークに比べると組織としてはかなり問題がある。

仕方ない。仮面ライダーやってた頃から年月を経て若頭から組長顔になった魔王と忠誠心高過ぎて宗教と化してる我らが麗子様ではボスとしての格が違う。相手が悪かったのだ。そしてジャンパーソンが強すぎた。

【迷言】

「な、何だあれは!データにあんな武器はなかったぞ!?」(第5話)
ジャンパーソンのあらゆる攻撃パターンを記憶した文字通り無敵最強の戦闘ロボット(ジョージ談)、オメガDX。
最初はオメガDXの優勢にご機嫌なジョージだったが新兵器アークファイヤー、ジャンブレーダーの前に狼狽える。
本格的参戦1話目から早速小物臭全開である。

「私はネオギルドのロボット敗北の理由を考えてきた……そして分かったのだ、その訳が!パワーが同じなら最後に物を言うのは、精神力!!その精神力が足りなかったのだ!!」(16話)

なにいってんだこいつ

「そこでこの天才、頓田博士が開発したのがネオギルド精神注入棒!
強烈な衝撃を与えると同時に感情回路に凶悪な感情、不撓不屈の負けじ魂、或いはネオギルドへの忠誠心などが反応するにように作られたメカだ!
強烈な衝撃を与えれば与えるほど、憎しみや怒りの感情も強まり不撓不屈の精神も鍛えられ、ネオギルド魂あふれる根性ロボットとなるのだ!」
「叩き込め、ネオギルド精神!!」

いろいろおかしいがまずパワーが同じという前提がおかしい。
現実見ようぜ!

「まさか…まさかガンギブソンの奴がこんな事までしでかすとは!おのれガンギブソン!こうなればジャンパーソンもろとも償いをさせてやる、たっぷりとな!」(22話)

超DQNのガンギブソンに合わない任務をさせつつ、部下の言う事に耳を傾けなかった結果、反旗を翻され計画を滅茶苦茶にされて。

適材適所、これ大事。

「おのれぇ!こうなればこちらから爆破してやる!地獄へ送ってやる!」

モニターで監視しながら自爆装置をスイッチon。しかしこれが原因でキャロルは死亡、ネオギルド他3組織はさらなる地獄に転がり落ち、ジョージは部下にその命を狙われ始めるのだった。

「ジャンパーソン…!ガンギブソン!ジャンパーソぉン…!ガンギブソン…!貴様らの首はいずれ必ず、必ずぅぅぅ…!」

作戦が失敗するとジョージ真壁はよく唸る。

「ロボット王国ネオギルドの頂点に立つ者、最強のロボットで当然だろうが!」(27話)

ガンギブソンを圧倒するジョージ真壁。しかし彼の正体は…

「我が宿敵も御到着か……好都合だジャンパーソン!お前もここでこの私の手で地獄に送ってやる!」

27話にして初対面。実はジャンパーソン達の前に姿を現したのは三組織の中で一番遅い。初めて会った人に抹殺宣言されるジャンパーソンの心境やいかに。


「この私に口答えしたからだ!」(35話)

処刑場にて、ネオギルドを裏切ったロボ達はなぜ処刑されたのか?
ボスの機嫌を損ねたからです。
言い方次第で首領の威厳も保たれるものだが、この小物ぶり。

「心に刻み込め!このジョージ真壁に背く者には見せしめの血の粛清あるのみと!我らは鉄の結束……ネオギルドだッ!」

それなりに士気が上がるが演説した直後に脱走者が出る、鉄の結束()。

「この小娘には従順な私の奴隷になって貰う」
「ではまず、私の靴を磨いて貰おうか、トコちゃん?」
「ならば跪け!犬になって私の靴を磨け!」

脱走した女子高生ロボ、トコちゃんを脅しながら。もともと0に近かった威厳がマイナスに振り切れた。

「気づくのが遅かったなガンギブソンさん。基地への招待、感謝するぞ」(40話)

自分と瓜二つのスカウトマン田崎と入れ替わってJP基地を探り、爆弾を仕掛けたジョージ。
元部下に土下座をかましてまでの作戦の成功に、ちょっぴり得意げ。

「その日は近い。我らがネオギルドの世界制覇の日はすぐそこまで来ている!」(42話)

現 実 見 よ う ぜ !

「もがけ、苦しめ!ガンギブソン!国家権力が法の力で作り上げた完全なる密室…その分厚い壁を突き破る事は誰にも出来ん!たとえジャンパーソンにもだ!」

ガンギブソンを罠にはめ、ロボット刑務所にぶちこんで。
悪の組織のボスたるもの、綺麗なフラグ立ての技術も大事です。

「馬鹿な!国家権力の壁を打ち破るとは!」

共に戦ってきた愛する友のため、「俺達が守るべきは法律じゃない、命と愛だ!」というヒーローにあるまじき斜め上の結論に至ったJP。ブレイクナックルで国家権力の壁を物理的に打ち破り、彼はこう言い放つ。

「JANPERSON For Justice!」

「なんという奴だ…国家権力を敵に回して平気なのかジャンパーソン!信じられん…ぬぅぅぅ……!なんという奴だジャンパーソン…!」

真壁の想像の遥かに上を行きあっさり国家権力を打ち破るジャンパーソン、意外と法律気にしていたジョージ真壁。格の違いを見せつけられたジョージはぷるぷる狼狽える。

【ラスト・オブ・ネオギルド】

実は真壁の正体はネオギルド最強のロボットではなく人間。 ガンギブソンに見せた高い戦闘力も影武者ロボットのものだった。

彼はかつて弟であるベン、ロボット工学の権威である父・真壁慎一郎、執事ロボットのボニーらとブラボータウンで生活していた。

しかし、ある日警官に追われるロボットを止めようとしたボニーが警官の銃を奪い、それを警官とベンに向けてしまう。
ボニーは警官に返り討ちに遭い、責任を問われた父は心労でこの世を去ってしまった。

やがて真壁とベンは人間を憎むようになり、ロボットを差別する人間を駆逐し、ロボットによる社会の樹立を目指して組織を結成するに至ったのだ*3

45話で、ロイドを使いネオギルド本拠地であるブラボータウンのロボット達を操り人間に反乱を企てるも、ジャンパーソンらに阻止される。

そして、追いつめられた真壁はガンギブソンに「結局お前はこの街から離れる事の出来ないただの甘えた子供に過ぎなかったんだよ!」と罵られ銃を向けられる復讐を果たされそうになる。
ジャンパーソンは「今更この男を倒す意味はない!」と真壁に心身共にフルボッコなセリフで説得するがガンギブソンは真壁に向かって銃を撃った。
しかし、銃弾は真壁の命を奪わなかった…「キャロルが止めたんだ、そんな事しちゃ駄目だって…あいつがそう言った気がしたんだ」と、ガンギブソンは復讐をやめたのだ。
そして、配下のロボットを全て制圧され、自らの全てを否定され、復讐されることもない一人ぼっちの男の姿がそこにあった。

「まだだ…まだ戦いは終わってはいないぞ…貴様らもこの街も全て地上から抹消してやる」

苦し紛れに自爆装置を起動する真壁、だがJPとGGはドリルジェイカーとグランドジェイカーで脱出。


「ボニー…ベン…ボニー…」

真壁は一人家族写真を見つめ崩壊する本拠地と共に炎の中へ消えていった……。

他のボス二人に比べてあれなとこが多かった真壁…しかし、その最期は一人の人間としての最期であった。



「あなた…上司の項目にコメントしないんですか?」

(ジャキッ)

「…わかった!という事は貴方、あの上司の項目に不満を抱いていらっしゃる!あの内容の薄そうな項目に!」

(うーむ……)

「もしかして、追記・修正したいなんて思っていませんか?」

(にっこり)


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最終更新:2024年02月09日 20:25

*1 当時市販されていた機動戦士Vガンダムビームライフルの流用

*2 但し、登場当初は「俺」。

*3 ずっと真壁家で生活していたベンの苗字が変わったのは、恐らく慎一郎博士の後妻(つまりベンの実母)かその親戚に引き取られたからだと思われる。離れて暮らす中でもジョージと同じ恨みを持ち続け、ギルドを結成したのだろう。