FRONT MISSION

登録日:2017/05/02 (火) 21:59:03
更新日:2024/03/20 Wed 16:48:57
所要時間:約 23 分で読めます







FRONT MISSION(フロント ミッション)とは、1995年2月24日に発売されたスーパーファミコン(SFC)用シミュレーションRPG。開発はジークラフト、販売はスクウェア(現スクウェア・エニックス)が担当。
FRONT MISSIONシリーズの処女作であり、プレイステーション(PS)移植版以降は『フロントミッション1ST』と呼称されている。

それまで剣と魔法の中世~近世風RPGばかり出していたスクウェアが突然送り出した「近未来SFミリタリー」路線、しかもSFCでは数少ない巨大ロボットのカスタマイズ要素も入っていることが注目され、それなりのヒットを飛ばす。そして殆どの購入者がスクウェアイズム溢れる良演出の群れと衝撃的なシナリオがっばがばなゲームバランスがどうでもよくなるほど打ちのめされるに至り、ますます評判を上げていった。

PS発売から3か月が経ち、おまけに一か月後にあの超ビッグタイトル『クロノ・トリガー』が控えていたこともあって、総売り上げは50万本前後に留まった。しかしユーザーからは確かな評価を得られたこともあり、フロントミッションは長年に渡るスクウェアの一部門となる。


その評価は現在もなお高く、シリーズ最高傑作と評されることも多い。
特に「戦争」という名の「狂気」をグロテスクに描くシナリオと、プレイヤーをそのシナリオに惹きこむための背景設定と美術・音楽演出は絶妙の一言。第一作故に余計な後付要素も無く、全てが完成されている。
唯一の難点はあからさまに調整不足なゲームバランスだが、プレイするにあたって不快なほど酷くはないので、ファンの間ではほとんど無視されている。
スクウェアのお家芸として様々なハードに移植されており、ダウンロード販売も行われているため、現在でも手に取りやすいのもうれしいところ。


基本設定


ストーリー

21世紀、共同体化という名のニューウェーブが世界を覆う。ヨーロッパ競合体「E.C.」の結成を皮切りに、旧ロシア・CIS諸国が再結集した「ザーフトラ共和国」、南北アメリカ大陸が統一された「ニューコンチネント合衆国(U.S.N.)」、オセアニア、東南アジア、日本による「オシアナ共同連合(O.C.U.)」といった勢力が次々と勃興。特にUSNとOCUはその土地柄故に対立を深め、太平洋を挟んで睨み合うことになる。

時は2090年。USNとOCUは、太平洋の新島「ハフマン島」の領有権を巡り、冷戦を続けていた。
ある日、OCU軍のロイド・クライブ少尉は、ハフマン島USN領・ラーカス地区工場の極秘偵察を命じられる。任務にきな臭さを感じたロイドの不安は的中し、小隊は敵の待ち伏せ攻撃を受ける。命からがら逃げ伸びたロイド達だが、工場は謎の大爆発を起こし、単身潜入していたロイドの婚約者、カレン・ミューア少尉が行方不明になってしまう。
OCUはこの「ラーカス事件」に関してシラを切り通し、ロイド達を訓練中行方不明として処理した。USNは迅速に反応し、OCU領への電撃侵攻を開始。第二次ハフマン紛争が始まってしまう。

一年後。ハフマン島OCU領・バリンデンの町。
軍を追われ、闘技場のファイターにまで落ちぶれたロイドは、OCU軍傭兵部隊の隊長にスカウトされる。
ロイドはカレンの消息を求め、再び最前線へ身を投じる決意を固めた。


世界観

◆ハフマン島
太平洋上の南緯12度、西経91度に1995年から隆起し始め、2060年に北海道ほどの大きさになった新島。
「自然の楽園」とも評される美しい島で、山脈、豊富な水脈、熱帯雨林、塩湖が干上がった砂漠と、あらゆる地形が揃った箱庭ゲームに優しい設定が特徴。
本島の南には自然環境保護区に指定され、人の居住が認められていないロングリバース島が存在する。

OCUとUSNは隆起が沈静化するとこぞって入植を開始し、2070年から72年にかけて領有権争いの紛争(第一次ハフマン紛争)を繰り広げた。
以後、島中央のメール河を挟んで東西に分割統治されており、二大勢力が唯一陸上で国境線を接する緊張地帯になっている。
第一次紛争の際、OCUは平和的共存を主張したのだが、USN側は全く聞く耳を持たず、国民も開戦に大乗り気だった。どう見ても南米大陸側の立地(一応公海)なのに乗り込んでいったOCUが悪い。
紛争による傷跡を持つ世代は成長し、情勢がそれに拍車をかけて、その後も各地では小規模な戦闘が繰り返されている。

島内の開拓は凄まじいハイペースで進み、2090年現在は455万人が定住(つまり派遣軍や出稼ぎ労働者は含まない)している。
平和条約締結後、民間レベルでの越境交流はほどほどに行われているが、全体としては準戦時下にある。

◆恒平和調停機構(PMO)
USNが脱退して深刻な財政難に陥り、活動を凍結している国連の後継を目指した機関。最高常任理事国はザーフトラ共和国が務める。
実際の所、世界への影響力を確保しておきたいザーフトラの出先機関。第一次ハフマン紛争の際に仲介役を果たした後は目立った成果もなく、存在意義が危ぶまれている。
ロングリバース島はここが管理している。

ヴァンツァー(WAP)
Wanderung Panzer(ヴァンドルング・パンツァー)の略*1。前進となった人型戦闘兵器Wanderung Wagen(ヴァンドルング・ヴァーゲン WAW)に、機体各部を自在に換装可能なモジュール構造を導入して進化させた兵器。
二足歩行やホバー装甲ならではの抜群の不整地走破能力を誇る。更にマニピュレータで直接装備を持ち運ぶことで、あらゆる状況に応じた武器を運用できる。各種ランチャーを肩に乗せるなど、兵器搭載能力にも優れる。反面、装甲はどうしても主力戦車に劣り、装備重量による機動力低下の影響も大きい。戦車砲並の威力の武器はどうしても重くなるため、開けた場所で真正面から戦車と殴り合えば簡単にハチの巣にされてしまう。
基本的には戦車隊の護衛や、戦車ほど戦闘ヘリに弱くない(強くはない)ことを生かした不整地での偵察・強襲を担当する。

◆大型特殊機動兵器
大規模な正面戦闘になった時に脆いWAPを強化した、従来の枠にとらわれない巨大兵器も開発されている。
幾つかのステージで敵として登場する。プレイヤー側は操作できないが、ニンテンドーDS移植版では隠し機体として入手できる。

◆サカタインダストリィ
OCU日本の企業。元は製薬会社だったが、2070年にWAPメーカー・ハイネマンインダストリィを買収し、イグチ社の協力を仰いで兵器開発にも乗り出す。
新興ながら機体のみならず、武装、コンピュータの全てを開発している。特にコンピュータ性能は絶賛されている。
近年では大型特殊兵器にも手をだし、更に本家の生物工学技術を兵器開発に融合した生体パーツの利用にも積極的になっているようだ。
OCU圏では唯一、USN相手に堂々と商売を行っている唯一のWAPメーカーでもある。果てはザーフトラのWAPメーカー・ドミトーリ公社とも繋がっていると言われている。

◆ニルバーナ機関
USN軍内に存在するという部署。データベース上でも巧みに隠蔽され、その正体は謎に包まれている。

◆ハフマンの魂
ハフマン島で活動するテロリスト集団。複数のWAPや大型機動兵器まで所有する大所帯だが、練度はあまり高くない。
オフィス街や工場地帯に頻繁に攻撃をかけるため、PMOから指名手配されている。特にサカタインダストリィ関連の施設が被害を受けることが多い。


登場人物

キャラデザインは『ファイナルファンタジー』シリーズでおなじみの天野喜孝が担当。癖になる天野デザインを忠実に再現したドット絵も魅力の一つである。
現実寄りの作品なのに(例によって)無駄に細かい装飾やディテールに溢れた天野画は、かなりドッター泣かせだったらしい。

「◆名前:WAPのコードネーム」の順で表記する。WAPコードは味方に加わった機体のみ、いつでも変更できる。


OCU軍傭兵部隊「キャニオンクロウ」

ブレイクウッド准将を司令官に、オルソン大佐を実質的な指揮官として結成されたヴァンツァー傭兵部隊。口だけで役に立たない(オルソン談)正規軍の側面支援を担当する。
物語のお約束として、幾らでも代えの利く捨て駒として結構無茶な任務ばかり押し付けられるが、その全てを実力で乗り越えていく化け物部隊。ゲーム中盤からは名声が広がり、名指しで加入を求める傭兵も現れるほど。
後に『5th Scars of War』で彼らの活動を別視点から追うストーリーが展開されたが、本作と齟齬のある後付設定により、恐ろしい超過密スケジュールで活動していることになってしまっている。

◆ロイド・クライブ:Shrike(百舌鳥)

主人公であるハフマン島の英雄。金髪長身の美青年で、23歳で大尉*2という恐ろしい人物。
元々冷静沈着なクールガイだが、婚約者を失くしたことでめっぽう無口になってしまった。それだけに時折見せる悲壮な熱さが際立つ。
主人公だけにスキル取得枠は最大で、全スキルを習得できるため、どのような育成でも主力として機能する。*3*4

◆リュウジ・サカタ(坂田竜二):Raioh(雷王)

日本人の青年。28歳の中尉。ロイドの右腕的存在で、「ラーカス事件」にも参加していた。ロイドとそれ以外の他人では露骨に口調が違う。
名前を見てわかるように実は某企業の次男坊だが、本人は家を嫌って軍に入ったため、ラーカス事件後に軍を追われてもハフマンに居残っていた。ロイドがエライ目に遭う本作ではあまり目立たないが、彼も十分酷い目*5に遭う。
全スキルを取得可能だが格闘スキルは2つまでしか選択できない&そもそも向いてないので、射撃系としての育成が効率的。

◆ナタリー・F・ブレイクウッド:Prime Rose(サクラソウ)*6*7

ブレイクウッド准将の実娘で、隊副官を務める21歳の中尉。金髪碧眼の美少女的キャラクター。めちゃくちゃかわいい。
隊唯一の正規軍人であるため、他の傭兵たちの監視役を担っているのだが、根っからの委員長気質が災いして奔放な隊員たちにいつも振り回される。ロイドには思う所がある模様で、シナリオが進むにつれ乙女になる。
格闘スキルはてんで不得手なので、遠>近の射撃系としての育成を推奨。真紅のガンナーとして活躍してくれる。

◆キース・カラベル:Ms.Jerry

ガイル金髪モップ髪の白人男性。これでもロイドと同い年には到底見えない23歳。
歴戦の傭兵でとにかく金にがめついが、仲間と認めた相手にはなんだかんだで協力してしまうイイ奴。ナタリーにアタックしているが、無視されている。
SFC版では最初に格闘スキルDoubleを取得可能なので、初見では格闘寄りに育成しがちだが、実は格闘スキルはその1つだけしか覚えられないというとんでもない罠が。射撃系に育成しよう。

◆J・J(ジョイナス・ジュリアスカ):Hunter J

DJマッチョな黒人傭兵。25歳。故郷への仕送りのため軍入隊を希望していたが、正規入植者ではないので追い返され、傭兵の道を選ぶ。故にキース以上に金にうるさいが、彼もなんだかんだで人情派のイイオトコ。
取得スキル・習得可能数はサカタと同じ。やっぱり彼も射撃系として育成しよう。


以上5名は小隊結成時の初期メンバー。必然的に育成期間が長くなるので、育成方針が適当でも、終盤では大体バランスブレイカー級に成長する。
身も蓋もないが5人全員遠距離スキルGuideと近距離スキルDuel・Switch・Speedを覚えた遠近両立型にしとく方がいい。
ただ、複数名が揃って離脱する時期があるため、このメンツばかりが主力だと痛い目を見る……かも。
全員出撃可能な最終ミッションを除いて出撃枠は大体8~11くらいなので、その他のメンバーも出番はあるだろう。


◆フレデリック・ランカスター:Witness(目撃者)

ニューヨーク新聞記者の白人男性。30歳。軍と企業の暴露記事を載せたために左遷されてしまい、再びトップ記者に返り咲くべく、中古WAPを購入して戦場の取材を始めていた。
戦闘に首を突っ込んで死にかけたところをキャニオンクロウに助けられ、そのまま従軍記者として同行を申し出てくる。
……その割に戦闘行為にも参加するのがよくわからんが……。取得スキルが乏しい&覚えるのがすごい遅いため、ミサイルだけを担がせたミサイラーにするのがセオリー。

歴史の観点から見ると、この戦いを経て書かれた彼の暴露記事とも言うべき著書「祖国達の島」は一大センセーショナルとなり、ジャーナリストとしてはとても重要な人物と言える。
後に四作目でも世界各地の紛争に関与するとある国家の所業を暴くべく、エルザ編で登場し接触してきて情報提供をしあう。

◆ピウィー・リッチバーグJr.

子豚を思わせる太っちょ。「過剰に慎重」なヘタレ、かつちゃっかり者で、脱走未遂を起こして懲罰を受ける代わりにキャニオンクロウに回されてくる。実はハンバーガーチェーン店の御曹司だが、勘当されて仕方なく軍に入隊している。
ドライビングテクニックは中々のモノで、隊では補給車を任される。
ヴァンツァーとは別の固定枠で強制出撃し、隣接するだけで回復・補給が可能。武装は一応機銃がついているが貧弱極まりない。
高低差があったり足場が悪かったりするミッションではかなり移動が制限される。

◆ヤン・メイファ(楊美花):Gyokuran(玉蘭)*8

中国系の美少女WAP傭兵。19歳。すげぇかわいい。
生き別れた家族がハフマン島にいると聞いて乗り込んできた勝気なお姉ちゃん。キャニオンクロウに入隊して島全体を回るべく、島でつかんだカレンの情報を餌にロイドに接触してくる。
初期状態で格闘スキルのDoubleを習得している。Stunじゃなくて本当によかった。習得スキル数が少ないため、完全格闘キャラとして育成するのが最適。真紅のファイターとして敵を蹴散らしてくれるだろう。
……近距離も遠距離もスキル自体は覚えられるが、総スキル枠が3つしかない&内1つは上記の通りDoubleで埋まっているため、格闘タイプに寄せるしかないというのが実情。強いてほかの可能性を考えるならStunをやめてGuideを覚えさせるか、といったところ。

◆ハンス・ゴルドウィン:My Maria

ハフマン島で情報屋を営む19歳の青年。常にヘッドマウントディスプレイを被っており、素顔は一切見えない。メイファの仲介でロイドとコネを持つ。
飄々とした性格で、自身の機械・電子工学技術に絶大な自信を持っている。12歳でマサチューセッツ工科大学に進んだものの、友人と共に軍のデータベースにクラッキング行為を仕掛けたとんでもない悪ガキ。
メイファとは反対に格闘スキルを一切覚えない根っからの遠距離要員。近距離スキルも覚えられるが総スキル枠が3つしかないのでSpeedは諦めるしかない。まぁ、近距離で求められるのは狙った部位を削れるDuelと反対側の腕の火器で追加攻撃するSwitchなのでミサイラーメインだがアサルトもなかなかこなせるのでほとんど問題はない。

◆モーリー・オドネル:Tomy

ハフマン島の初期入植者でもある戦うおばちゃん。ゲーム内ではばあさん呼ばわりされているがまだ42歳。ガラの悪いキースはさておき、サカタはちょっと失礼である。
孤児院で保母をしていたが、紛争*9によって全てを失う。気苦労からか、年齢の割にかなり老けて見え……いや結構肥えてますわね。ハリセンボン春菜じゃねーよ!
ロイドがラーカス事件の元凶であることを知り、その最期を見届けるためにキャニオンクロウに同行する。第一印象こそ最悪だが、後には隊員に優しい言葉をかける人生の先輩。
戦士ではないので、習得スキルはどれも中途半端。ミサイラーにしたいところだが、遠距離スキルを習得できない重大な難点がある。彼女を生かすのはなかなか難しい。ツィーゲライフルで近距離レベルを一気に上げるという手もある。実際その方法が一番手っ取り早い。

◆ヤン・イーヒン(楊一清):Garyo(臥龍)*10

メイファの弟。17歳の線が細い弱気そうな青年。2年前に家を飛び出していたが、何の因果かハフマン島でWAP乗りとしてスカウトされていた。
格闘の鬼として活躍するであろう姉とは違い、格闘スキルで一番欲しいFirst、近距離スキルで一番欲しいDuelを習得しない、と非常に見劣りする。幸い遠距離スキルのGuideは覚えるのでミサイラーにしよう。ってかそれしか使いようが無い。

◆グーリー・B・オルソン

白髪オールバックにサングラスをかけたOCU軍大佐で、キャニオンクロウの実質的な指揮官。47歳でそんなに老けても見えないが一人称は「わし」。
高圧的だが、部下の反発には意外と折れることが多い。優秀な人材発掘力を持つほか、未だに高いWAP操縦技術を維持している。
しかし実はBD計画の協力者。ドリスコルとも通じており、ロイドたちのことも「いいマテリアル」として見ていた。中々の腹黒。

◆ウィラス・E・ブレイクウッド

おひげが似合うOCU軍准将。51歳。ハフマン島の機動機械化大隊司令官であり、キャニオンクロウの管轄官でもある。破天荒な隊員たちにも一定の理解を示す度量の広さを持つ。
その立場ゆえか、あるいはキャニオンクロウに実娘のナタリーがいるからか、上層部からは直接キャニオンクロウの指揮に関わらないように指示されている。そのためゲーム中でも絡みは少ない。


以下、ゲーム中での部隊加入がプレイヤー次第であるキャラ。
序盤加入の者以外は限られた枠に滑り込めないと即二軍行きになりがち。
普通に遊んでいればすぐ見つかる者から、隠しキャラに近い者までいろいろ。一度はノーヒントで17人のフルメンバーを結成してみよう!


U.S.N.軍

◆ドリスコル:Raven

『ファイナルファンタジー』辺りに出てきそうな貴族風のイケメン。28歳。
の部署・ニルバーナ機関に所属するの大尉であり、の大型WAP・レイヴンを駆る。(顔グラフィックが1つしかないので)常に無表情で、その内心を読み取ることはできない。どうもUSN軍でも浮いた存在であるらしく、作中では時に敵対し、時に共闘する。ロイドにとってはカレンの仇である。
ただ一つ確かなのは、どこまでも冷酷な愛国者ということ。我々と何の変わりもないただの人間で、大逸れた野心もない、ひたすら仕事熱心なだけの軍人」という変にリアルなキャラクター像は、それ故に当時のプレイヤー達に大きな衝撃を与えた。
なお、パイロットとしても相当に強い。スキルは申し訳程度にしか保有していないが素のステータスが十分高く、何よりレイヴンが恐ろしく強い。

LORD of VERMILIONⅢにもコラボ参戦している。担当声優は池田秀一

◆グリーグ・デミートリアス:Mad Bull

U.S.N.陸軍戦車師団特機中隊前線都市防衛部隊特殊小隊第64機動戦隊、通称「地獄の壁」の隊長。36歳。スタジオジブリ作品に出てきそうな髭面のオヤジ。
見た目に寄らず頭脳派で、一癖も二癖もある隊員を見事に動かす。軍内部でもかなり顔が広いらしい。
緋色のフロスト型WAPで押し寄せるその姿は、敵にとっては絶望の赤い壁となる。


◆ザイバー・F・カークランド

USN軍大佐。USN領フォートモーナス市を見下ろす山脈に作られたモーガン要塞の指揮官。


その他

◆カレン・ミューア:Danger Lady

ロイドの部下兼婚約者。23歳。赤茶色の長髪が麗しい美人だが、天野画では金髪。まるでどこかの魔導兵器みたいだぁ……。
軍人としては柔和すぎる性格の持ち主で、ハフマン島で続く冷戦にも嫌気がさしていたが、WAP操縦技術はドリスコルからも賞賛されるレベル。
ラーカス事件では単身工場内に潜入するが、そこで何か良からぬモノを目撃してしまい、さらに待ち伏せしていたドリスコルに撃墜され、以後行方不明となる。
後にメイファの情報で、何とか一命を取り留めていたことを把握したロイドは、ドリスコルとニルバーナ機関を追い始める。
しかしその再会はあまりにも残酷だった……。

◆コウイチ・サカタ(坂田浩一)

サカタインダストリィ社長。オールバックおさげ髪の31歳。リュウジの兄。
ひたすら自社の拡大に腐心する大変な野心家だが、ピンチになるとすぐ協力者に泣きつくヘタレ。軽んじている弟を見習え。

◆レイジ・サカタ(坂田玲二)

サカタインダストリィ会長。金色スーツの61歳。コウイチ、リュウジの父。
零細製薬企業を一代で多角経営の大企業に押し上げた立役者。

◆ゲンツ・ウィーザー:Richter(裁判官)

テロ組織「ハフマンの魂」のリーダー。38歳。ハンス同様、常にマスクで顔を隠しているが、こちらは一度だけ(エンディングで)脱ぐ。やっぱり顔は見えないが長髪ということは分かる。
敵対を経てシナリオ上最後に加入するユニットであり、渋い男なのだが、戦闘面では最弱キャラの1人。ただでさえ加入が激遅で育成期間が少ないのに、スキル習得枠はたった2つ、しかも1種類しか覚えない格闘スキルでその内の1つを潰しているので救いようがない。残りのスキルはプレイヤーの行動によって変動するが、敵として現れても全く怖くない。スキル自体はどれでも習得可能なのだが……。だからStunはいらないって。
……が、ニンテンドーDS版では別。2周目以降は味方だった時のステータスがそのまま反映されるため、特に格闘や回避のレベルを上げているとえらい強敵と化す。
Nintendo Switch版では敵・味方と別キャラ扱いされるようになったのでご安心下さい。
仲間入り後の弱さ? 全く改善されてませんが? 少しはLIVE A LIVE聖剣伝説3の良リメイク振りを見習ってもらいたいもんである。

◆ミゼット・ブラウン

元OCUの科学者。現在は難民キャンプで闇医者をしている。
かつてはBD計画に関与していたが、非人道性に気が付いたがために逃亡。しかし機密保持・情報漏洩の観点で軍から追われる身となっている。

◆ショップのオヤジ

行く先々のヴァンツァーショップの店主。水玉模様の服を着たヒゲのメガネキャラがジョーイさんよろしく使いまわされている。
何かを買うと合成音声で「センキュー」と返してくれる。\ガゴン/ テンキュー>
Nintendo Switch版ではアプデされるまで「センキュー」を言わなかった。「なんで言わないんだ」「はじめから言うようにしとけ」と思ったプレイヤーは少なくない……はず。

ゲーム内容


ゲームシステム

拠点で情報収集やWAPの調整を行う「インターミッション」と、ターン制スクエアマップ型バトル「ミッション」が交互に進行する。総ミッション数は30。
ミッションを終えると敵撃破数に応じて報酬が支払われ、損失した味方機の修理代がさっ引かれる。これで新パーツを買ったり、闘技場の元手にする。
一部のミッションマップには隠しアイテムが置かれていることがある。使用するだけで膨大な近距離経験値を稼げる「ツィーゲライフル」はもはや伝説。

WAPは胴体・右腕・左腕・脚部の4部位+性能補正用COMから成る。
武装は両腕・両肩に装着するため、腕部が破壊されるとその部位の攻撃は出来なくなる。脚部が破壊されると移動力がガタ落ちし、胴体が破壊されるとリタイア。ロイド機が撃破されるとゲームオーバーになるので注意しよう。

格闘・近距離射撃・遠距離砲撃・防御行動をとると、その分野の経験値が上がり、総取得量に応じて攻撃力/防御力が上昇。
攻撃系の3種はスキルの習得条件も兼ねている。習得可能なスキルの種類・総数はキャラごとに分かれている。パイロットの強さはこのスキルによって決まる。

闘技場では金稼ぎの他、パイロットの経験値稼ぎが行える。ミッションで詰まってしまったら、ここでセーブ&ロードを繰り返し、パイロットを強化しよう。

カスタムのすゝめ

ユニットの強さは
1.パイロットの経験値(格闘・近距離・遠距離・防御)・スキル
2.WAPパーツの性能
3.WAP武装の性能
で決まる。

一番重要なのはパイロット性能。育成は「格闘特化型」か「近距離+遠距離型」が機体構築難度の面からもラクチン。
格闘スキルは先制攻撃を可能とする「ファースト」、近距離スキルは敵機の特定部位に攻撃を集中する「デュエル」を最優先で習得したい。遠距離スキルは「ガイド」しかないので、必ず取得できる。
攻撃分野は敵機のパーツ破壊数と攻撃回数、防御スキルは防御行動の選択回数に応じて増加する。敵軍に補給車が登場するミッションでは、デュエルやガイドで四肢を狙撃して破壊、補給車に延々回復させて攻撃値を稼いだり、あらかた敵機を全滅させた後は補給車の貧弱な機銃相手に防御を繰り返してレベルアップするテクニックが使える。

WAPパーツは用途別に選ぶ。
近・遠距離タイプは、装備重量に関わる「出力」が高い胴体一択。格闘タイプは装備重量に余裕があるため、出力を犠牲に「防御力」と「耐久力」の高いモデルを選ぶ場合もある。腕部は軽量な物で問題ない。格闘型は格闘威力がその時点で最大の物を選ぶ。脚部は移動力重視。

手持ち武装は攻撃回数の多いマシンガン一強状態。育成によってはロケットランチャーを、まだ資金に乏しい序盤ではライフルを持たせる程度か。
肩武器も攻撃回数の多いランチャーがオススメ。連続攻撃で命中率を確保し、敵のガード崩しを狙う。格闘機は両肩にシールドをつけよう。
格闘武器は序盤でのみ使う。実は腕部の格闘威力が37を超えると、格闘武器の攻撃力が参照されなくなる仕様になっている。


素晴らしき演出

後述する通りあまり褒められた調整ではないゲームバランスを補って余りある魅力が、発売当時のゲームでは最高クラスの演出。

特にそのシナリオは、1級の仮想戦記、悲劇として今なお語り草になっている。
個性こそ持つが、寡黙で感情表現をあまりしない「ロイド・クライブ」という男を話の中心におき、戦争という環境を表現するためだけに作られた「ハフマン島」という島を転戦させることで、プレイヤーを話に引き込み、自己投影させやすくしている手腕は中々のモノ。

最初は普通の戦争ものかと思わせておいて(この辺りもリアルと外連味のバランスが俊逸)、徐々に戦いの狂気を演出。
まさしくゴミ当然と化す生命倫理、欲と名誉に狂ったヒトの異常性、どこまでも大きな敵に翻弄され続ける主人公たちの「無力」を突き付けてくる展開は
「画面の前で絶句した」「全身の血が怒りで逆流した」「これと『バハラグ』のせいでスクウェアのゲームを買わなくなった」
などなど、様々なトラウマを生んだ。
エンディング終了後、後日談として展開される、僅かな救いとなるエピローグが「悲劇を台無しにする蛇足」としてツッコミを受けるほどである。

常にゲームグラフィックの最先端を走るスクウェアだけあって、ビジュアル面も抜かりない。
イベント画は「写真か」と思わせるほど美麗。町の背景やWAPのディティールもしっかり書き込まれている。
WAPの戦闘アニメーションも数少ないながらロボットもののツボを押さえている。

音楽は下村陽子松枝賀子の女性作曲家タッグが担当。
いつもの熱い下村節と、重く切ない松枝サウンドが絶妙に組み合わさっている。


欠点

物語・美術・音楽の全てに隙がない本作の、唯一の難点がゲームバランス。

一番わかりやすいのがミッションの難易度曲線の書き方。パイロット弱い、パーツへぼい、金欠の三重苦を背負った序盤はかなり骨が折れるが、中盤以降は(稼ぎテクやツィーゲを使わなくても)パイロットが十分育ってくるため、ヌルゲー化が加速していく。
SLG初心者が投げ出しかねない難関ミッションが最初の8ミッションに集中しているのは、いくらなんでもマズイと思わなかったのだろうか?
そのくせラスボスもシリーズ最弱候補を争っている体たらく。

コンシューマ機におけるカスタマイズメカシミュレーションの黎明期なので仕方ない点もあるが、カスタマイズ要素もお粗末と言わざるを得ない。
特に武装の格差が激しすぎる。単発のライフル・ショットガン・火炎放射器は序盤でこそ火力が魅力だが、外れると一切のフォローが効かず、経験値稼ぎにも向かない。そもそもこいつらには連射弾数をアップさせるスピードスキルが影響しないので、精々腕の1~2本を捥いでいる横で、バルカン砲が胴体と脚も込みで全身をスクラップにしていく様子を眺める羽目になる。
ステータスも細分化されていないため、戦法によって機体を使い分ける必要性が終盤に向かうにつれてなくなっていくのも残念なところ。
本当に無駄に多い任意加入パイロットが、どこぞのドランゴ引換券もびっくりなほどにスキル・シナリオ上の役割の両面で死んでいるのも勿体ない。


ただ、確かにバランスは悪いが「破綻している」状態には程遠く、何より「プレイ自体が苦痛になる」「完全にゲームが詰む」要素も無い。
どのパイロットも闘技場に入り浸ればとりあえず2軍程度には強化できるし、エピローグが『FF6』よろしく豪華になる特典もある。
序盤さえ乗り切れば、後は徐々に難易度が下がっていくため、終盤に向け盛り上がっていくストーリーを楽しみやすくなるのも、これはこれで評価出来る……かもしれない。



移植版

ワンダースワンカラー

2002年7月12日発売。SCEに寝返り、任天堂から出禁を喰らい、ゲームボーイに新作を出せなくなっていたスクウェア最後のワンダースワンソフトである。
戦闘アニメーションを省略できる簡略戦闘モード、通信ケーブル対戦モードが追加されている。


プレイステーション版『1ST』

2003年10月23日発売。1999年以来沈黙していたフロミ再起動の狼煙として、『4th』に先立ち発売された。スクウェア・エニックス唯一のPSソフトでもある。
簡易戦闘モードは続投。更にSFC版の物語を補完し、ゲームバランスも改善した全23ミッションの『USN編』が新規追加され、プレイバリューが高いお得な移植になっている。

USN編の新曲も追加されているが、既存曲はPS音源仕様に変更され、そのまま聞ける曲と、どこか違和感のある曲に分かれてしまった。とはいえ初見プレイヤーならそこまで気にならないだろう。
グラフィックの質も向上したが、画面表示の都合か一部の爆発演出が簡略化されている。

ゲームアーカイブスでも配信されている。


USN編登場人物

◆ケビン・グリーンフィールド:Lynx(山猫)
なんか肌が黒ずんでいる主人公。23歳の少尉。特殊部隊「ブラックハウンド」のブラボーチームの小隊長を務めていたが、テロ組織壊滅作戦中に命令違反を犯し、陸軍兵器開発特務機関「ニルバーナ」へ左遷される。第二次ハフマン紛争勃発後は陸軍部隊に編入され、「リンクス小隊」を率いて戦っていく。
性格は主人公的。なんていうか、すごーくいい人。間違いなく誠実だし、『弱きを助け、強きを挫く』という善を為せる人。それに、惚れた女にもとことん尽くすし。
ある場面における、サンダース曹長の「みんなあなたのことが好きなんです。こんなひどい戦争のさなかでも、胸をはって仲間を助けると言ったあなたが。」という言葉が、彼の人間性を端的に表している。
ゲームシステム的には完全にUSN版ロイド。どのスキルも選べるのでよりどりみどり。
……まあ、遠距離のGuideに近距離のDuel、Switch、Speedの遠近両立にするのが最も無難なんだけど。

◆ジョニー・サンダース:Mirage(蜃気楼)
43歳のベテラン曹長で、ケビンの部下。ケビンにはかなり信頼を寄せており、彼の左遷に自ら付き合う形でハフマン島にやってくる。時に熱くなりすぎる年下の上官相手のストッパー役もするベテラン下士官の鑑のような御仁。年齢的には「地獄の壁」の隊長よりも上だし。
彼もどのスキルでも覚えられるが、特に近距離スキルの覚えが早い。やっぱり遠近両立型にするのがオススメ。

◆マシュー・D・ロレンツィオ:Chestnut(栗)*12
22際の太っちょ伍長。やはりケビンへの信頼は厚く、サンダースに付き合う形でハフマン島にやってくる。その太っちょな見た目に違わず、ちょいちょい食い意地張ってる場面がある。
やっぱり彼もどのスキルでも覚えられる。特に格闘スキルの覚えが早いが、それだと後述するゲッタと役割がかぶってしまう上、そんなに格闘キャラは(一点集中した攻撃ができないため)いらないので悩みどころ。
腐ることのないGuide、First、Duelをとりあえず覚え、後の二枠をどうするかはプレイヤー次第か。

◆ハル・ファインズ:Dahlia(ダリア)
本国から派兵されてきた20歳の伍長。メカオタクの女の子。
補給車が存在しないUSN編では生命線となる補給用バックパックの「Riff」を持参してくる。
ストーリー的にはメカニックポジションの彼女だが、実際は遠距離も近距離もまあまあできる子。ただし、近距離はDuelを覚えられないので集中した撃ち込みはできない。
Riffは(どのミッションにも強制参加の)ケビンに回し、彼女には早々に遠距離スキルのGuideを覚えさせてあげるのも手。

◆ハワード・ウォン:Ron(龍)*13
ハルと共に本国からやってきた26歳の兵長。寡黙な中華系。
遠距離担当なのだが他のスキル覚えは悪い。格闘は3つある内の2つまで、近距離はSpeedだけ、という有様。無駄なく覚えさせるならFirst、Stun、Speed、Guideの4つだろう。
どの距離でもそつなくこなせるようで実際の火力は低いという、器用貧乏の魔法戦士みたいだけど。

◆ジーナ*14:Breeze(そよ風)
孤独な女スナイパー。27歳の伍長。キャニオンクロウ隊との交戦で所属部隊が全滅し、復讐のために一人で遅滞戦術を続けていた。
初登場時には狙撃銃で遠距離から直撃させているのに、習得済みスキルは近距離のDuelという謎の人。サンダース曹長以上に近距離向きな上に、総スキル枠が3つ(その内1つはDuelで埋まっているので実質2つ)しかないので、覚えさせるスキルは近距離のみに絞る方が吉。

◆ゲッタ・セドリック*15:Nothing(皆無)*16
お馴染み『地獄の壁』の最年少。24歳の伍長。キャニオンクロウ隊との交戦後に故合ってリンクス小隊に合流し、行動を共にする。OCU編では戦死したかのように見えたが生きてた。
格闘に向いているように見えて、その実「格闘しかできない、やらせられない」難儀なタイプ。加えて、ストーリーの3分の2を消化した辺りで加入となるため育てるのも一苦労という困ったちゃん。と言うかなんで初期習得済みスキルがStunのキャラはみんな使い勝手が悪いんだ。
最終的にはRiff要員に一番向いてるとも言える。

◆マリア・パレデス:Fate(運命)
ブラックハウンドアルファチームの小隊長。26歳。美人だがどこか陰のあるタイプ。
ケビンの思い人だが、当の彼女はその感情を利用することで命令違反を起こさせ、ケビンをハフマン島送りにする。
その正体は、幼いころにUSNにべったりな政府と反政府ゲリラとの戦いに巻き込まれ孤児となり、反政府ゲリラに拾われ15歳になる頃には立派なゲリラ兵士。しかしやがて捕らえられてドリスコルと出会うことになり、彼の手足となることを条件に自由の身となった……がそれはとんでもない間違いで、敵味方なく裏切りに満ちた日々からいつしか本当のテロリスト――『ホワイトシャドウ』と呼ばれる国際的スパイとなってしまった、という悲しい過去を持つ女性。
ストーリー後半ではケビンに真実を告げ、和解する。さらにドリスコル相手にも『復讐』を果たす。
最後は(一連の事件の黒幕を油断させるため)自分の死を偽装することでケビンと別れることになるが、お互いにやるべきことをやる、という前向きな姿勢を見せている。(当然だがケビンは彼女が生きていることを知らない。悲恋)

◆ドリスコル
ニルバーナ機関に所属する謎の大尉。OCU編とはまた違う側面を見せてくれる……なんてことはなく、目的のためならどれだけ卑劣な手段もためらわず行うという冷酷・冷徹な愛国者にして外道。
自分の部下であるマリアに様々な汚れ仕事をさせてきたが、最後は彼女に裏切られることになり、生命維持装置*17を外され、S型デバイス(つまりはOCU編におけるラスボス)へ換装されることとなった。まあインガオホーである。実際、マリアからも「あなたにお似合いの棺桶よ。」と吐き捨てられたし。
ちなみに『ドリスコル』は英語圏におけるファミリーネーム(苗字)なので、彼のファーストネームは今でも不明のままである。

◆グリーグ・デミートリアス:Mad Bull
『地獄の壁』の隊長。その名は敵味方問わず良くも悪くも知れ渡っている存在。
こちらではOCU編で描かれようがなかった彼の人となりを窺い知ることができ、一部のマップでは共同戦線を張ることになる。
“自らの部隊の危険も顧みず、仲間を助ける”という、人としては正しいが軍組織としては間違った判断をしたため孤立したケビンを「俺が面倒を見る」と言い周囲を納得させる親分肌な人物。その後もケビンに対しては悪い印象を持っていないことがわかる。
ちなみに共闘するミッションでは『地獄の壁』のメンバー全員を動かすことができるが、グリーグが撃破されたらミッション失敗、さらに機体の防御力はあっても肝心の回避レベルが低い者もいる上に撃破されたら修理費はこっち持ちなのでそれほど前に出せなかったりもする。


ニンテンドーDS

2007年3月22日発売。プレステ版『1ST』をベースに更なる追加要素を加味した決定版。
ゲームバランスの調整(あまり変わっていないが)、周回プレイによる追加要素の解禁、条件を満たせば大型機動兵器も使用可能、他シリーズの登場人物やWAPが登場するなど、これまでの集大成的な仕上がりになっている。

SFC版から没アイテム扱いだった「ドラゴンハンド」が名前はそのままだが別物に変化して実装された。便宜上、旧と新として、
  • 旧ドラゴンハンドは肩に装備するタイプの格闘武器*18。FirstとStunは発動するがDoubleは発動しない。
  • 新ドラゴンハンドは格闘専用の武器一体型腕。FirstとStunはもとよりDoubleも(反対側の腕も格闘できるようにしておけば)発動する。肩や手に武器を装備させることはできない。
どちらも攻撃するだけで格闘の経験値が大量に得られるという特徴がある。
ちなみにSFC版でチートを使って旧ドラゴンハンドを装備させたキャラクターのデータをニンテンドーDS版で入力するとしっかり反映される。つまりデータとしてはちゃんと残っている模様。

ただし、プレイ時間がカウントストップ(99.59時間)すると、ある場面でゲームが絶対進行不可能になる割とシャレにならないバグも出来てしまった。中古品を購入するときはハズレを引かないように祈るしかない。一からやり直せば問題無いっちゃ無いが……。

◆グレン・デュバル

『5th』からのゲスト出演。着任したロイドの教官としてOCU編のチュートリアルに登場。
後にロイドと再会した時には既にS型デバイス転換手術を施されていたが、「物忘れが酷くなった」と語る程度で人格はまだ残っていた。
が、さらに後に再会した時にはとうとう人格も失い、ロイドのことも全く思い出せない状態となっていた。

◆グリフ・バーナム

『2nd』からのゲスト出演。OCU編に登場。
フォートモーナス攻略後に通り過ぎたフリーダムにわざわざ戻ってでないと会えない隠しキャラのような存在。そうまでして会いに行っても会話できるのみ。
タイミングは不明だがストーリーを進めるといなくなるっぽい。

◆ヘクター・レイノルズ

『5th』からのゲスト出演。USN編に登場。
フォートモーナスで飲んだくれており、会話してフラグを立てることで大型機動兵器『ビューレン』を入手できるようになる。

◆ウォルター・フェン/ランディ・オニール

『5th』からのゲスト出演。USN編に登場。ただし条件を満たした上でほんの少し会話イベントがあるのみ。

◆モーガン・ベルナルド

『5th』からのゲスト出演。USN編のEXミッション03にのみ登場。
二台ある輸送車の片方を見てみると彼と思しき人物が運転していることがわかる。

◆ダリル・トラウベル/ビリー・レンゲス

『4th』からのゲスト出演。USN編クリア後のミッションにのみ登場。
ケビン率いるリンクス小隊と共に治安維持任務に従事している。ところでミラー司令官ってどちら様でしたっけ?


Nintendo Switch版『ザ・ファースト・リメイク』

2022年11月30日に配信されたHDフルリメイク作。翌年にはパッケージ版が販売され、さらに他機種でも配信された。
2Dから3Dになったことでヴァンツァーもマップも向きを変えて見れるようになった。
開発と販売はポーランドのメーカーForever Entertainmentが担当しており、スクエニは監修だけらしい。
ぶっちゃけ元々のゲームバランスの悪さは全ッ然改善されていない。内容そのものはDS版のベタ移植。「ほんとに監修したのか?」と思えるような点もちらほら見受けられる。あまり愛を感じないリメイク。

とはいえ現行機&PC(Steam)でプレイできる利点は無視できないし、プレイするには問題はほぼない。今やるのならこれ一択。

むしろ冗談抜きでバグまみれ&監修してんのかスクエニィ!な2ndリメイクをどうにかしろ


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最終更新:2024年03月20日 16:48

*1 2003年の『1ST』発売以降は「Wander Panzer(ヴァンダー・パンツァー)」に改称されている。

*2 本人曰く「たまたま過酷な任務に就く機会が多く、それを潜り抜けてきただけ」とのこと

*3 さすがに中途半端はダメだが。

*4 ちなみにこのゲーム、どのキャラが、どのタイミングで、どれだけスキルを覚えられるかというのはゲーム内では一切わからない。その中でロイドは選り取りみどりでスキルを覚えるタイミングも早いときてる。

*5 父死亡・兄死亡・実家企業は社会的信用を失い経営困難に陥り、後に他企業に買収され事実上の消失。

*6 サクラソウの正しい綴りは「primrose」。「Prime Rose」だと「プライム・ローズ(意訳するなら「重要なバラ」)」と読めてしまう。

*7 さらに言うと、ゲーム内でのデフォルトネームは「PrimRose」とこれまたスペルミスしてる。

*8 英文表記するなら「Yulan」でユイラン。『フルメタル・パニック!』の登場人物ではない。

*9 これに関してはUSN編にて事の顛末が判明する。

*10 諸葛孔明の二つ名。「Wolong」表記じゃあわかりずらいとでも思ったんだろうか。

*11 カウボーイの綴りは「cowboy」でスペースはいらない。

*12 転じて「栗毛の馬」という意味もある。

*13 「龍」をピンイン表記で書きたいなら「Long」。「Rong」なら「栄」とか「容」とか色々。

*14 何故かファミリーネームが不明な人。そういう出自なんだろうか?

*15 「セドリック」はイングランド起源の男性名で、ファミリーネームには使われないのだが……。姓と名が逆さまみたいな名前である。

*16 こっちもこっちで「“名無し”が名前」みたいな変な中二ネームみたい。

*17 本人はロイドたちとの戦闘で意識不明の重体となっていた

*18 同じタイプの武器で「ハープーンボルト」というものもある。やっぱり没扱い。