レーザーウェーブ(スーパーリンク)

登録日:2017/10/09(月) 02:07:00
更新日:2024/03/10 Sun 09:02:30
所要時間:約 9 分で読めます






宇宙を跪かせたいのなら、俺様の左腕に従え




レーザーウェーブとは、『トランスフォーマースーパーリンク』に登場するデストロン兵士である。海外版「Energon(エネルゴン)」での名称はShock Blast(ショックブラスト)。

CV:神奈延年(英語版:ブライアン・ドラモンド)


●目次

◆概要


人工衛星と戦車(劇中未変形)(ビームキャノンと思われる)に変形するトリプルチェンジャーのデストロン兵士。
玩具の肩書は“衛星参謀”。英語版「ENERGON(エネルゴン)」での名称はショックブラスト。



G1お留守番参謀もとい同名キャラをアレンジした造形で、お馴染の単眼と豊満なバストは今作でも健在。
紫を基調とした彩色にそこそこ大きな体格、そして左腕に配された大型ビーム砲オプティカルゲイザーが特徴的である。


性格については、冷静かつ忠実だった初代のそれとは正反対な、粗雑で残虐なならず者。
事あるごとに暴力で状況を突破しようと考える上に、敵はおろか仲間に対しても躊躇なく武器を向ける。
その姿にはファンから「破壊番長」とも呼ばれたとか……。
これは奇しくも、事あるごとにメガトロンを裏切って自分がデストロン破壊大帝になろうとしていたあのG1の愚か者をモチーフにした本作のナイトスクリーム(海外版では前作の彼と同一人物扱いだが、日本版ではそうとは明言されていない)が、『2010』のサイクロナスよろしくガルバトロンに絶対的な忠誠を誓っているのとは対照的である。

10年前のユニクロンとの戦いを機にサイバトロンとデストロンが連合を組むようになってからも、独りで暴れ続けたことからセイバートロン星に幽獄されていた。
グランドコンボイやインフェルノからもその存在を知られており、脱獄の恐れを察した際には表情が変わる程に悪名が轟いている様子。


ガルバトロンを呼び捨てにする唯一のデストロンであり、会話の際にも乱暴なタメ口を使う。
実際、忠誠心等カケラも持ち合わせておらず、ただ好き放題に暴れられるが故にデストロン軍に身を置いている節が強い。
ショックウェーブを筆頭にガルバトロン直轄部隊の兵士たちから嫌われており、レーザーウェーブ自身も彼らに対する仲間意識など皆無である。


しかしながら、軍としての規律を乱しかねない無礼な態度をガルバトロンから黙認されていることからも分かる通り、その戦闘能力は極めて優秀。

左腕のオプティカルゲイザーは通常弾や連射だけでなく、チャージショットも可能な武装で、特に最大までチャージした時の威力は規格外。
一撃でエネルゴンタワーを倒したりユニクロンの装甲を貫通するパワーを秘めている上に、宇宙空間から惑星の地表まで届く程の射程を誇る。


また、をして「単細胞」と言わしめる直情的な性格とは裏腹に、戦場における頭の回転も速い。
サイバトロンたちの会話や動向からセイバートロン星に宿る大いなる力の存在に気付き、ガルバトロンに進言をした。

移動要塞をエネルゴングリッドに突っ込ませ、その爆発にサイバトロンの意識を逸らしつつ、自分が内部からグリッド形成の要であるエネルゴンタワーを破壊するという作戦を立案したのもこいつ。
地力ではガルバトロン直轄の兵士たちに劣るモブ兵士たちを言葉巧みにまとめ上げ、単純な数の暴力として襲撃に運用する等、その気になれば指揮・統率においても一定の手腕を見せる(部下や同志への気遣いは微塵もないが)。


だが、根が自分本位な上に実力からくるプライドの高さも相まって、他者に行動を邪魔されたり軽くみられることを激しく嫌う。
上述のタワー破壊作戦にしても、ガルバトロンの指示でレーザーウェーブに協力するよう言われてきたスノーストームらにいきなり「俺様の盾になれ!」と言い捨てた上、拒絶したショックウェーブの背中に無理やり乗り上げて砲塔を突き付けるという強引な手段で命令に従わせようとした。

別の作戦で自分を援護しようとしたショックウェーブと衝突し、彼が致命傷を負う羽目になった際も、それに頓着せず作戦を続行しようとしていた(最終的にガルバトロンが撤退指示を出したため作戦は中断されたが)。


レーザーウェーブにとってこれらの作戦失敗は「黙って言う事を聞かない奴ら」「俺に指揮を任せた癖に勝手に撤退命令を下したガルバトロン」が原因であり、自らの作戦や言動に非があるとは毛程も考えていない。
そのため、ガルバトロンから「今度はしくじるなよ」と釘を刺された事にかなり気分を害していた。


元々ガルバトロンへの忠義も持ち合わせていなかったことから、だんだんと彼を出し抜きかわりにユニクロンの制御権を得ようと画策するようになる。



◆劇中での活躍


第20話で初登場。
牢獄で鎖に縛られていたが、ガルバトロンがユニクロンを支配してサイバトロンと戦っていることを知ったモブ兵士たちの蜂起に乗じて脱獄。
助けに来てくれた兵士を牢の扉ごと打ち抜いた。
恩を仇で返すとはこの事である。

さらにはサイバトロン警備員に追われていたモブ兵士を捕え、警備員の銃撃に対して盾にした挙句投げつけ、2体まとめて撃ち殺す等、残虐極まりない行動の数々を披露。


プライマスの部屋を突き止めた所で迎撃されのびてしまうものの、その場へ駆けつけた牢番のサイバトロン戦士パッドロックを人質にグランドコンボイらを牽制、まんまと脱出した挙句、高笑いを挙げながらパッドロックを殺害した。
このことがきっかけで看守ウイングダガー(後の航空爆撃官ウイングセイバー)は彼を仇敵とみなすようになる。


デストロン本隊と合流してからは上述の作戦立案・実行によりサイバトロンを度々苦しめたが、内心ではガルバトロンへの反旗の機会をうかがっており、第26話で両軍司令官の対決に乗じて漁夫の利をかっさらおうと企むも、裂けた宇宙に呑み込まれてしまう。

その後、呑み込まれた先の別の宇宙でサイバトロンと対峙。いったんはサイバトロンたちに追い詰められるも、往生際悪くロードバスターを人質にして抵抗するが、因縁の相手であるウイングセイバーによってフルボッコにされ、囚われの身になる。
プライドを投げ打ってガルバトロンへ助けを乞うたことでガルバトロン部隊に復帰できたものの、下っ端としての扱いに我慢できず、再度裏切りを画策。
ガルバトロンから疑いを持たれぬよう、表向きは従順に従い、少しずつ時間をかけて信用を得るべく奉仕しつつも、着実に蜂起の機会をうかがう狡猾さを垣間見せた。

余談だが、この時期のレーザーウェーブが使う不自然な敬語は必聴。


そして第37話で遂に裏切りを実行。
自ら銃撃で砂煙を巻き起こしつつ「本拠地までグランドコンボイが攻め込んできた」と偽の報告をし、ガルバトロンが玉座(ユニクロンの制御装置)を立った隙をついて自分が玉座に収まることに成功した。

この時のガルバトロンは、長らく頭部と胴体部に分かれていたユニクロンが遂に合体したにもかかわらず、突如として自分の指示に従わなくなったことから激しく動揺をしていた。
側近であるナイトスクリームたちも、ユニクロンの武装による援護がなくなったせいでサイバトロン軍の猛攻に苦戦しており、彼の傍に他の兵士がちょうどいないという状況である。


だが、ガルバトロンですら制御しきれなくなったユニクロンをレーザーウェーブが動かせるはずもなく、逆にユニクロンによってその意識を飲まれ操られてしまう結果に。
肉体を強化され大型化し、台詞にもならない唸り声をあげながら、ガルバトロンを目指していたオメガコンボイに襲い掛かる。

オプティカルゲイザーの一撃でコンボイをブリザードプラネットまで叩き落し、そのまま馬乗りになって激しく殴打するレーザーウェーブ。
コンボイは彼がユニクロンの邪悪な意思に乗っ取られていることを察知し、反撃しつつも必死に呼びかける。



「レーザーウェーブ! お前はユニクロンではない! 誇り高き孤高の戦士ではなかったのか!?」 


「ぐうっ……戦士? 俺は…俺はぁぁぁ……!!」



消えかけていたレーザーウェーブの意識が、わずかに蘇りかけたその時、ユニクロンの巨大な腕が惑星の大気圏を貫き、レーザーウェーブを跡形もなく殴り潰してしまう。


悪逆非道な敵とはいえ、レーザーウェーブ自身の意思や人格を破壊して暴走させ、自分を倒すための操り人形に仕立て上げたユニクロンの邪悪さに対し、コンボイは激しい怒りを燃やした。


そして、レーザーウェーブのスパークをその手で直接破壊したことが最後の一押しとなり、再びユニクロンを制御すべく玉座に座っていたガルバトロンの意識は、遂にユニクロンに支配されてしまうことになる……。



◆玩具


人工衛星、戦車、ロボットのトリプルチェンジャーとして発売。
特徴的なモノアイや、パーツのあちこちに配された衛星パネルの彩色・モールドが再現されている。
モノアイは緑色で集光ギミックもあり、光を当てると劇中で悪巧みをしている時同様にあやしく光る。


劇中未登場の戦車モードは、前方にロボット時の左腕であるオプティカルゲイザー、後方に右腕のキャノンパネルが設置されており、いずれもかなり上角まで動かすことができる。

オプティカルゲイザーは上部のレバーを引くことで砲塔部が展開、更に引くとミサイルが発射される機構。
サウンドギミックも内蔵されており、エネルギーチャージ音からのミサイル発射音は迫力満点である。


劇中でも猛威を奮った衛星モードは、オプティカルゲイザーを前方に、ロボット時の脚部を左右に大きく開いた形態。
正直結構無理のある造りだが、モールドされた衛星パネルのデザインや砲塔前部の支柱もあり意外と衛星っぽい出来に仕上がっている。


ロボットモード最大の特徴は何と言っても左腕のオプティカルゲイザー。
極太な上に肘関節等はないため、可動範囲こそ付け根部分のみと狭いものの、脚部の関節構造がしっかりしており重たい左腕を保持できる。
レーザーウェーブの玩具はこの左腕をいかに魅せるかが焦点となっており、結果的に左腕そのものの可動範囲を犠牲にしつつも抜群のインパクトを誇るアシンメトリーなシルエットが完成している。






ガルバトロンを呼び捨てという強烈な個性に加え、一見がさつに見えつつも密かに策を弄する狡猾さ、味方にすら武器を向ける悪辣さ、確かな戦闘力の高さ、そしてG1版スタースクリーム(および「合理性こそ全て」と嘯きメガトロンになり替わろうとするマーベルコミックス版レーザーウェーブ)を凶暴化させたニューリーダー病の持ち主といった要素を併せ持つことから、多くの視聴者に強い印象を与えた。


だが一方で、そのキャラ付け故に(ユニクロンを利用しようとして悲惨な最期を迎えた先輩の前例もあっただけに)、早い段階からきれいな最期は望めないだろうとも予期されており、結果的にそれは的中することになる。


彼の死後はいよいよサイバトロンとユニクロンとの全面対決が始まり、巨大化したオメガコンボイとユニクロンのガチバトルや、傷ついたサイバトロンたちのパワーアップ(リカラー)等の山場イベントが盛り沢山なため、レーザーウェーブの最期はサイバトロン、デストロン両軍のほとんどの戦士たちから触れられることなく吹雪に消えていき、因縁の相手であるウイングセイバーもその死を知ることは無かった。


しかしながら、所詮は一兵士にすぎないレーザーウェーブの物語中盤におけるこの死亡が、後々大きな波紋を巻き起こすきっかけとなろうとは、この時誰も予測していなかった。


彼を慕う弟――シックスショットの登場により、サイバトロンとデストロンの戦いは新たな局面を迎えることになる。



◆余談


◇ショックウェーブは以前からレーザーウェーブの危険性を知っており、ガルバトロンからも「お前と(レーザーウェーブ)はウマが合わなかったな」という認識を持たれている程だった。
 しかしレーザーウェーブの方はショックウェーブに向かって「おいそこのデッカイの」と呼び掛けている上に、彼が自分を嫌っていることなど思い当たらぬかのように平然と盾になるよう要求しており、ショックウェーブのことなど覚えていない様子。
 自分本位で他者に関心のないレーザーウェーブの気質がうかがえるシーンである。


◇通信する際に背中の衛星パネルを展開しつつ耳(アンテナ?)をピコピコ動かすところが可愛いと一部では評判。


TVSP新旧インフェルノタッグとレーザーウェーブシックスショットタッグの勝負が描かれたことがある。
 ちなみに中の人は全員神奈延年である。
 なお、サイバトロンに捕らえられた際も、インフェルノが監視していた。






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最終更新:2024年03月10日 09:02