シックスショット(スーパーリンク)

登録日:2017/10/10(火) 00:22:00
更新日:2024/04/02 Tue 13:28:10
所要時間:約 10 分で読めます






「力で抑えようとしても、言う事を聞かない奴は居るものです!」




シックスショットとは、『トランスフォーマースーパーリンク』に登場するデストロン兵士である。

CV:神奈延年(英語版:テリー・クラッセン)

◆:概要


人工衛星と戦車(ビームキャノン?)に変形するトリプルチェンジャーのデストロン。三段変形しかしねーのかよと突っ込んではいけない。
肩書は明言されていないが、劇中では自身を「武器製造の技術者」と称していた。


同作に登場するレーザーウェーブの弟。
フォルムも兄と完全に同型*1だが、黄色と赤を基調にした配色となっている。
そのため、元ネタをオマージュしたデザインの兄とは異なり、こちらはヘッドマスターズに登場した同名キャラの意匠は受け継いでいない。

劇中でも大抵の場面で大抵のデストロンから「弟」と呼ばれ、当初は割と「シックスショットです!」と訂正していたが、そのうち諦めたのかあまり指摘しなくなった。


粗暴ですぐ暴力に出る兄とは違い、一見冷静で知性的な科学者といった印象を与えるデストロン兵。
ガルバトロン以外のデストロンに対しても敬語で話す等、兄とはことごとく対照的な物腰で接する。


だが、その性根は兄同様、プライドが高く自分本位で悪辣。
己の技術と頭脳に絶対の自信を持っており、それ故に「正当な評価をされていない」と感じると直ちに苛立ちを募らせる。
ガルバトロンに対しては登場当初こそ素直に従っていたものの、彼自身の目的であるグランドコンボイの抹殺を許可してもらえなかったことから、早々に忠誠心を捨て去った。


グランドコンボイを憎むのは、牢獄でスノーストームから「レーザーウェーブを殺したのはグランドコンボイだ」と誤った情報を与えられたから。
実際にトドメを刺したのはガルバトロン(あるいはユニクロン)だったのだが、シックスショットはスノーストームの言を信じ込み、脱獄後は執拗にグランドコンボイを狙うようになる。

なお、スノーストームはレーザーウェーブ戦死の現場に居合わせた訳ではないため、この発言は適当な出まかせか、単なる勘違いによるものだったのだろう。
現場にはグランドコンボイ(とスーパーリンクしていたオメガスプリーム)しか居なかったため、状況証拠的にもグランドコンボイが最有力候補だったのは確かであるが。


上述の通り、シックスショットの行動理念は「兄の仇討ち」であり、セイバートロン星の制圧やデストロンの勝利等は二の次である。
エネルゴングリッドをデストロン仕様に変換したり、サイバトロン指令室の指示系統を掌握するといった功績の数々も、ガルバトロンへの忠義というよりは自身の目的遂行に役立つから、といった意味合いが強い。


技術者だけあって支援能力自体は優秀。
特にエネルゴンの仕様変換はサイバトロン軍に大打撃を与え、デストロンが奪略した後のセイバートロン星の守りを大きく向上させた。
各地のエネルゴンタワーを経由して放つスーパーエネルゴン砲も脅威で、惑星全体のネットワークを制御したことにより監視網も万全。
後方支援担当としてデストロン軍の反撃に大きく寄与した。


……のだが、度重なる独断行為のせいでガルバトロンからの評価は最悪。

シックスショットはガルバトロンの命令よりも仇討ちを優先しようとするため、基地からの遠隔攻撃で前線に横槍を入れる場面が多々あった。
しかもガルバトロンから「何かしたくばまず儂の指示を仰げ!」と厳しく言いつけられたにもかかわらず、反省の意図を見せないふてぶてしさを発揮。

しばしば口ごたえや生意気な態度を取るため、彼と話している時のガルバトロンは大抵激怒している。
一応、ガルバトロンの無茶苦茶な指令が原因であってシックスショットのミスではない事例もあるにはあるのだが、それまでにもお互い不信感を募らせ続けてきたため、両者の溝は深まる一方であった。

呼び捨て・タメ口がデフォだったレーザーウェーブですら、(反旗のチャンスが来るまでは)表立ってガルバトロンに楯突くような真似はしなかった辺り、兵士としての精神的な部分では兄よりも半歩未熟だったとも言えるだろう。


技術者を自認し、登場してからはほとんど指令室で機械を操作しているシーンばかりが目立つ。
TVSP(特別編)で兄のプログラムとタッグを組み、なかなかのコンビネーションを見せる場面もあったが、基本戦術がデータハッキングによるプログラム改造であったため、結局戦士としての力量は分からなかった。

そのため、兄は「武力」弟は「知力」に秀でた役割の兄弟なのかと思いきや……




この弟、メチャクチャ強い。




兄と同型のため、左腕にはあのビーム砲を装備しており、その威力は絶大。
並みの銃撃ならば無傷で跳ね返してしまうガルバトロンG(ジェネラル)(第41話でスーパーエネルゴンを浴びることでパワーアップしたガルバトロン)の装甲を吹き飛ばし、ウィングやパーツをバラバラに砕くほどの大ダメージを彼に与えた。
パワーアップやスーパーリンクによらない素の火力でガルバトロンG(ジェネラル)をここまで追い詰めたのはこいつくらいである。

この時は「薄暗く遮蔽物の多い地下都市という地形」で「エネルゴンガスにより視界の悪い状況」に紛れつつ「建物の屋上で待ち伏せてからの遠距離狙撃」というお手本のような戦法を取り、見事ガルバトロンの不意を突くことに成功している。

更には歴戦の強者であるメガザラックとタイマンで戦い、空中戦で彼を撃墜し圧倒する等、戦闘でも他の戦士に何ら引けを取らない強さを見せつけた。
武器開発の技術兵だけあり、単なる理論に留まらず武器や兵器そのものの扱いにも長けている様子がうかがえる。


◆劇中での活躍


第40話という、物語後半に差し掛かる話数で初登場。
兄と同じく投獄されている場面から始まり、兄と瓜二つなその姿にそぐわぬ物静かな口調とキャラ付けで視聴者を驚かせた。
ガルバトロンの復権を機にスノーストームらと共に脱獄、ナイトスクリームにスーパーエネルゴンの仕様変換を提案しながら早々に中央指令室を乗っ取るなど、持前の頭脳と技術でデストロンをアシストした。

グランドコンボイに発射しようとしたスーパーエネルゴン砲が不発したところ、セイバートロン星の表面をデストロン仕様のエネルゴンガスが覆う事態となり、結果的にサイバトロン軍は宇宙への撤退を余儀なくされてしまう。


しかし、以降は上述の通りグランドコンボイへの仇討ちを焦るばかりに勝手な行動を繰り返すようになり、ガルバトロンやデストロン兵たちから不評を買い始める。

第46話(TVSP(特別編)を含むと第47話)では暴走したクロムホーン(テラーコン)の制圧と侵攻してくるサイバトロンへの対処に追われるガルバトロンに対し、「エネルゴングリッドを制御できるのは自分だけ」という優位性を盾に頭を下げて謝罪するよう要求するという調子に乗りまくった行為に出た。

この時は側近であるナイトスクリームの土下座で溜飲を下げ、意気揚々とシステムを起動させるも、密かに配線を弄っていたジョーンズ博士のファインプレーによりグリッドが発動せず、結果ガルバトロンからぶん殴られた上に「兄弟揃って邪魔ばかりしおる、この口だけ兄弟め!」と罵倒された。


その後も作戦失敗の責を負わせようとするガルバトロンと売り言葉に買い言葉の減らず口で応じる等、もはや完全にデストロン兵としての立場を失う。


が、既にシックスショットもガルバトロンのことを見限っていた。


第48話(TVSP(特別編)を含むと第49話)でスノーストームらを口車に乗せ軟禁を脱出、ガルバトロンに先んじてエネルゴン神殿に潜み、更なる強化を求めてやって来たガルバトロンに半死半生の手傷を負わせる。
駆けつけたメガザラックによってトドメを阻まれるものの、テラーコン諸共彼を圧倒。
なおもしつこく追いすがるメガザラックに対し、激昂しながら感情をぶつける。



「キミみたいな古臭い考え方しかしない奴が居るから、僕の計画が水の泡です!」


「古臭い…!?」


「縛り付けられる暮らしはもう沢山なんだよ! 僕たちはもっと自由であるべきだ!」


「自由……」



だが、メガザラックの相手をしている間にガルバトロンはスーパーエネルゴンへ到達
恐るべき巨大ガルバトロンへのパワーアップを許してしまう。


そのあまりの巨大さと明らかに滲み出ている憤怒の気配に気圧され、立ち竦んでしまうシックスショットに対し、巨大ガルバトロンは淡々と言葉を発する。



「――シックスショット。」


「ガルバトロンっ……。様…。」



一歩ずつ、ガルバトロンは足を進めていく。



「何度も何度も儂の邪魔をしおって……。」


「い、嫌だなぁガルバトロン様! これは僕なりの作戦でして、ガルバトロン様のパワーアップに一役買えないかとの、苦肉の策であったワケで、ちょっとレーザーの出力上げすぎちゃったかなぁとは思ったのですが、それもっ、リアリティを出すための作戦と言うかなんというか……。」


「役に立つこともあろうかと今まで生かしておいたが……。」



後ずさり、尻もちをつき、泣きそうな声で命乞いをするシックスショット。



「…ゆ、許して…ゆるしてくださいっ、ガルバトロンさまぁっ……!!」



ガルバトロンは、ゾッとするほど静かな声音で宣告した。



「もうお前に用はない……弟。」


シックスショットです……。」


シックスショットはすかさず小声で訂正する。



「ああa…」


悲鳴を上げかけた瞬間、ガルバトロンの巨大な足がシックスショットを踏み潰した。

まるで蟻でも潰すかの如く、念入りにグシャグシャと足裏を擦りつけて反逆者を踏み躙る。



「再生などさせんぞ。デストロンでありながら、この儂に刃向かう者など――」






「要らぬゥッ!!!」




怒号と共にその足は地面を踏み抜き、遂にシックスショットはこの世から消滅した。


辛うじて形を保つ右腕の残骸を見遣りながら、満身創痍のメガザラックが耳にしたのは幻聴か。



(――僕は自由だっ!!)


「……無惨だな。だが、やっと自由になれたか。」


◆玩具


残念ながら日本未発売。
レーザーウェーブのリカラー商品で、彩色はかなり再現度が高い。

紫を基調に金色のパネルが際立つ兄と、黄色を基調にメタリックレッドのパネルが際立つ弟、二体並べるとメリハリがはっきりしていて大変様になる。





悪辣で自分本位な性格は兄譲り、そこに兄以上の悪知恵と計算高さを兼ね備えたシックスショットは、結局のところ兄同様に裏切りキャラとして散る末路を辿った。

しかしながら、過去のデストロンによく見られたニューリーダー病ではなく、兄の仇討ちという非常に明朗な行動理由が大元にあることから、単なる裏切り者で終わらないインパクトを視聴者に残した。


一方で、臆面なく司令官に口ごたえをする等、軍隊に所属する兵士としての自覚に欠ける描写も散りばめられており、ガルバトロンの横暴さを考慮したとしても擁護し切れない面が多いキャラクターでもある。


レーザーウェーブに対してはある程度無礼な態度を黙認していたことから、シックスショットも先にガルバトロンの信用を勝ち得る程の実績を積み上げていれば、打倒グランドコンボイという目的もいずれは作戦の一つとして認められたかもしれない。


結局のところ、下記のセリフが、シックスショットというキャラクターを象徴していると言えよう。



「デストロンですよぉ? 貴方には…。いや、他の何者にも屈しない、新しい世代のデストロンです!」


◆余談


◇本編中ではレーザーウェーブと入れ違いの登場となったが、TVSP(特別編)で(プログラムとはいえ)共演を果たした際には「そんなバカな兄でも、僕は愛してますから、そのうち仇は討ってあげますからね。ウフフッ!」と発言していた。なんという腹黒…。
 一方で邪魔になった時には耳のアンテナをめきょっ♪と動かしてアッサリ消し去ってしまう等、本編同様自分勝手な描写もあった(あくまでレーザーウェーブ本人ではないということもあるが)。


◇とはいえ、死亡回である第48話(TVSP(特別編)を含むと第49話)のAパートアイキャッチでは

 「負けるなシックスショット! 俺がついてるぞ!」

 「はいっ、兄さん!」

 というやり取りが描かれており、これを本編として捉えるなら兄弟仲は良好だったようである。


◇軟禁中だった第47話(TVSP(特別編)を含むと第48話)は漫画を読んで大笑いするという場面が描かれた。
 トランスフォーマーサイズの漫画ってどこが出してるんだよ。

 ちなみにTVSP(特別編)の時のネコミミたちが載っているのが確認できる。
 内容めっちゃ気になるんだけど。




「…ああそうだ、この記事は後で僕が追記・修正しておきますので、安心して死んで下さいね」


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最終更新:2024年04月02日 13:28

*1 日本語版の声優も同じである。