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サメさんチーム(ガールズ＆パンツァー)

登録日：2017/12/17 (日) 22:33:26
更新日：2024/02/02 Fri 14:54:54
所要時間：約 8 分で読めます


サメさんチームとはアニメ『ガールズ＆パンツァー』に登場する大洗女子学園戦車道チームの一つ。
ちなみに船舶科の生徒であるため「船舶科チーム」とも呼ばれる。

登場は2017年冬に公開された『最終章』からとなる。そのため『最終章』のネタバレにつき注意されたし。
































大洗に降って湧いた桃ちゃん浪人問題を解決すべく、戦車道の実績を根拠としたAO推薦のために冬季の戦車道大会に参戦する事になった大洗戦車道チーム。
戦力の拡大のために新しい戦車を探すべく、桃が新しい戦車の反応を発見したという学園艦の最深部にてあんこうチーム+そど子が出会ったのが彼女たちである。

【概要】

名実ともに不良……というかどう見ても（モブ不良生徒含め）昭和のスケバン。
普段は生徒会の目も届かない不良の溜まり場・通称「大洗のヨハネスブルグ」の奥にあるBAR「どん底」を拠点としている。

素行不良で荒っぽい連中ではあるものの、仲間や恩人への義理は堅い。
戦車道への参加を決意したのも、退学処分を受けそうになっていたところを桃に庇って貰った恩義があるからで、彼女の危機を救うべく決起したことによる。
反面筋を通すためか桃以外からの命令を受けない一面もあるが、そもそもの（最終章での）隊長は桃であるため、彼女らの言い分も尤もである。
ちなみに当初は戦車のことも良く知らず「陸の鈍亀」と呼んで見下していた事から、劇場版の騒動では退艦すらしてなかった可能性がある*1。
釣りが好きなのか、１回戦終了後は学園艦の近くに小舟を浮かべてみんなで釣りをしていた。



使用戦車はマークIV。大洗初にして唯一となるイギリス戦車である。
わざわざ天井にマストを取り付け、海賊旗を高々と掲げている。
メンバーは当初はこれを戦車とは気付かないまま燻製器として利用していた。

因みにマークIVは『菱形戦車』と呼ばれる史上初の戦車の改良型、つまり全ての戦車のご先祖様と言うべき一族の出身である。
開発は1910年代と、それまで大洗で最も旧式だった八九式より旧式。
というか、 シリーズに登場する全車種の中でもダントツ*1に古い 。
なお実車の速力は 6km/h程度 。戦車が塹壕突破用兵器・移動トーチカ的存在だった時代の生まれなので、早歩きと大差ないスピードしか出ない。
IV号戦車などは平地なら巡航速度でもその3倍は出せるので、揃っての行進を可能にするに当たり、自動車部はまた相当なムチャをしたと見られる。
またマークIVは本来8人乗りであり、操縦だけでも4人が必要なのだが、発見時点で既に5人乗り、操縦が2人でできる様に改造されていた。

なお開発当初、 陸軍は菱形戦車に全く興味を示さなかった 。
菱形戦車に有用性を見出し開発を進めたのは海軍であったため、 陸上兵器でありながら実際に運用していたのは当初は海軍であった 。
その関係で海軍は戦車を「陸の戦艦」に見立てて開発・運用しており、
指揮する者も車長ではなく「艦長」、左右旋回の指示も「面舵・取舵」と呼称されたという。
船舶科生徒にして海賊を模した集団であるサメさんチームには相応しい戦車と言える。

急遽参戦故の乗員の練度不足か、車両自体の不調か、
ともあれ初陣となる対BC自由戦では平坦な地形を直進するのにも苦労しており、走行中によたついたり時々止まったりしていた。

【メンバー】

メンバーのモチーフは 海賊 と思われる。名前には海賊やそれに関係するネーミングが用いられている。


◆竜巻のお銀CV:佐倉綾音

船舶科チームのリーダーかつ車長。サメさんチームでは唯一「謎のキャラクター」として上映前からビジュアルが公開されていた。
黒いコートと羽根付き帽子がトレードマークの褐色肌、といった女海賊スタイルの格好。
作中の登場人物としては珍しくへそ出しであるが、これは「ワイルドでセクシー」というコンセプトによるらしい。

ニヒルなセリフの後に「～じゃないけどね」とつける独特のセリフ回し*2をするなどミステリアスな人物。
しかし一方でマークIVに掲げていた海賊旗には強い拘りがあり、目立つから降ろそうと提案されると拒んでいた。
その海賊旗が攻撃され破壊されると激昂し桃の静止すら聞かなくなる一面も。

あんこうチームと出会った時は華とハバネロクラブという激辛仕様のラム酒（ノンアルコール）の飲み比べで対決した。
大量のショットグラスを空けるも、先に我慢の限界を超えてぶっ倒れ、敗北した。華共々本当の地獄を翌朝のトイレで味わう事になっただろう。
因みに華はまだまだ余裕そうであった。

なお、帽子の羽は赤い羽根募金の羽、口に咥えているパイプはハッカ飴である。

名前の由来は「宝島」に登場する海賊「ジョン・シルバー」と思われる。


◆大波のフリントCV:米澤円

通信手と操縦手を担当する、銀髪長身の美人。スリットの入った丈の長いスカートを着用している。
美声が自慢でカラオケが大得意であり、BARでは「大洗の海賊のうた*3」を披露していた。
あんこうチームには「いかり結び」の解き方を出題するも、その手の知識に明るい優花里によって瞬殺された。
戦車道に参加した時もマイクを片時も離さないおちゃらけ担当*4。
名前の由来はジョン・シルバーの飼いオウム「フリント」、もしくは海賊の銃としてよくイメージされる「フリントロック式ピストル」と思われる*5。

声は知波単学園の玉田環*6と兼役。


◆爆弾低気圧のラムCV:高森奈津美

赤毛とチリチリパーマが特徴の操縦手。酔っ払いのような赤ら顔と口調をしている。
あんこうチームには高速の手旗信号を出題するも、通信手の沙織によって解読された。
名前の由来は海賊の飲む酒としておなじみの「ラム酒」、もしくは日露戦争以前の軍船の船首に装備されていた、体当たりに用いる武装「衝角(ラム)」と思われる。

声は聖グロリアーナ女学院のローズヒップと兼役*7。

ソーセージの燻製が大好きで、「戦車道大作戦」では深夜にホーム画面で「じゃ～ん」と燻製を持ってきた発言をするほか、パジャマのイラストではおいしそうにソーセージを食べている。　麻子「ンまい！」
余談だが ココス のコラボメニュー内にもソーセージがある。なおキャライラストはない。


◆サルガッソーのムラカミCV:大地葉

メンバー一(延いてはガルパン全キャラでも屈指)の大柄で屈強な体格と腕っ節を誇る装填手。
特に喧嘩っ早い性格で、渡河中に川底に引っかかり行動不能に陥ったマークIVを助けるためウサギさんチームが体当たりした時、
「攻撃された」と勘違いして声を荒らげる程*8。
一応お銀のお陰で誤解とわかった際には謝罪と感謝をしていた為、根っからの悪い子ではない。
あんこうチームとの対決では途中で激昂して、みほにまさかのリアルファイトを挑みかかる。
しかし キューポラ上で砲弾の回避に慣れていた（！） 彼女に攻撃を全て回避された挙句、
ムラカミの迫力に恐れをなして頭を下げて謝って来たところに乗っかってしまい、そのまま起き上がった勢いでカブトムシみたいに投げ飛ばされた。
なおこれはあくまで偶発的な事態で、みほには戦闘の意思も、ましてやムラカミを投げ飛ばす意図も無かった。 西住流の背筋恐るべし。
戦車道に合流後は上記の件で脅かした事が縁（？）となり、フリントらと共にたびたびウサギさんチームを脅かしている*9。
名前の由来は魔の海域として知られるサルガッソー海と、14～16世紀頃に瀬戸内海で活動していた日本の海賊
「村上水軍」と思われる。

声はペパロニと兼役*10。
みほと絡んだが組んでタッグデュエルはしてこない。


◆生しらす丼のカトラスCV:七瀬亜深

BARでバーテンダーを務めていた、ジト目の砲手。フライアの受付嬢ではない。
チームの中では無口でクールな性格をしているが、バーテンダーらしく結構気回しが上手。
ハバネロクラブを飲んでしまった麻子に対しメロンソーダを出して「大丈夫？」と気遣ったりと、サメさんチーム以外にも比較的優しい。
あんこうチームとは麻子と指相撲で勝負を行う。激しい駆け引きで接戦を広げるも、麻子の操縦手所以の指の強さに抑え込まれる。
名前の由来は『海賊の剣』としてよくイメージされる幅広の片刃剣『カットラス』と思われる。

ちなみに生しらす丼の由来は一切不明。
担当声優曰く「台本を何度も見直したが、美味しいので仕方が無い(意訳)」
推測の域を出ないが、しらすは大洗観光協会公認の名産品のひとつであり、彼女の二つ名もその辺りの縁から命名された可能性が高い。
また、ドラマCDでは、お銀が「いつもの」と言って注文したのが「生しらす丼」であり、その味を褒めていることから、得意料理であることが示唆されている。
余談だが ココス のコラボメニュー内にもシラス丼のようなものがある。
こちらもキャライラストがない…が明らかに意図しているだろう。おそらくネタバレ回避などの理由でサメ㌠のキャラクター画像が使用できなかったのだと思われる。
そのため、逆に画像のないメニューは誰を意図したものかを考えるのも楽しいのでは。例えば、このソーセージ盛り合わせはラムであろう…といったように。

声は知波単学園の細見静子*11と兼役。

【主な活躍】

『最終章』

対BC自由学園戦

早速の初陣。
前述、および後述のように急造チーム故の練度不足や桃の命令しか聞かない気っ風で、なかなか尖ったチームである様子が示されていた。
しかしBC自由学園の罠により橋に追い詰められると、その巨体と菱形の車体を生かし橋上のチームを脱出させる活躍を見せてマリーを驚かせた。
陥った窮地はマークⅣの巨体と形状がなければ脱出困難であった事から、結果的に勝利に大きく貢献したと言っても差し支えはないだろう。

さらに後半戦の2話ではみほの策略で車輌を減らし、ついに1輌に追い込まれたマリーのフラッグ車が止む無く大洗のフラッグ車であるカメさんチームのヘッツァーに狙いを定めたところ、
ボカージュの狭い出口をヘッツァーが通り過ぎた直後にその巨体で道を封鎖、
後ろを追いかけていた大洗の車輌とともにマリー車の逃げ場を失わせると、大洗勝利への貢献を果たす。
奇しくも急造チームながらチームワークで活躍を見せた姿が、急造チームの弱点を突かれ崩壊したBC自由学園との対比になっている。
試合後は、大洗港でボートに乗って釣りをしていた。

対知波単学園戦

進軍中に目立つ海賊旗がアダとなり攻撃を受ける。
さらに海賊旗を破壊された事で、桃の静止も聞かずに暴走してしまい、突っ込んだ挙げ句、真っ先に撃破されてしまう憂き目に合うという、
1回戦とは真逆のいい所なしの戦果であった。
さしものチームも海賊旗が原因で攻撃を受けた事を自覚していたようで、
最初は下ろす事を拒んでいたお銀も「次からは心の中に掲げる」と悔しさを滲ませながらも反省を誓うのだった。
そんな見覚えのある様子にカバさんチームの面々は「我々も通った道」「歴史は繰り返す」と感慨深げに頷いていた。
試合後はボロボロになった旗を部屋に飾り、気持ちを入れ直した。

継続高校

前述の通り海賊旗は外された。
相変わらず桃を隊長としたい彼女に指示を仰いだりするが、旗と同時にある意味ではこだわりや意地の張り合いも捨てたのか桃以外の言うこともしっかりと聞いていた。
また戦場が悪路かつ高低差が激しいということで自主的に他の戦車の踏み台や盾になるシーンも多い。
今回は戦術の要たるあんこうチームが序盤で撃破されたというイレギュラーの為か彼女達も我を出すことはなく、縁の下の力持ち的役割をこなすこととなった。
とはいえ雪坂を滑る高速戦闘状態でもカトラスが冷静に敵を撃ち抜いたり、フリントの操縦も(車体がでかいから擦りつつも)狭いトンネルをスムーズに潜り抜ける等成長の兆しは見えている。

『もっとらぶらぶ作戦です！』

とにかくキャラが濃い。他の登場人物も大概だが、とにかく濃い。
最終章での件もあってか、桃が主役の回には必ず登場する。
またウサギさんチームとの絡みが多い*12。

ムラカミは怪力ネタがほとんど。時折某人気海賊漫画の人間並みにデカくなったり、某ジブリ映画よろしく制服をはじけさせたりしている*13。
ラムはやたらと髪をネタにされており、ほとんどが本人にとって納得のいかないオチである。
フリントはラムとカトラスと共にムラカミのいたずらに加わっている。
大抵は後で制裁を受けているが、興味本位でムラカミに化粧した結果、他の不良達も吃驚するほどの美人に仕上がったことで、
ムラカミがこっそりと「ちょっとだけ化粧を教えてくれるか？」と懇願したこともある*14。
カトラスに至っては、アリクイさんチームが砲弾をトスして渡す*15のを見たムラカミに砲弾をトスで渡されたり*16、
店内をあんこうチームの保護者達に占領されてカオス状態になった上、救援を求めたあんこうチームに見捨てられるなど、サメさんチームの中で最も不憫な目に遭っている。

『ドラマCD』

「どん底の一日」

戦車道外でのチームの日常にスポットが当たっている。

ラムとムラカミは他学科の手伝いに行っており、お礼として食材等を貰っている。
カトラスは料理が得意なのが判明しているほか、新しいカラオケの機械を入れたのに誰も曲を入れてくれないことに不満を抱いている*17。


「追記・修正をよろしく頼むよ。自分でしたことは無いんだけどね」


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最終更新：2024年02月02日 14:54

*1 『もっとらぶらぶ作戦です！』では他の不良達も居残って徹底抗戦の構えをみせており、役人達と激しいバトルを繰り広げていた。

*2 大抵は「〇〇は××だよ。…××といっても△△じゃないけどね。」という形式（例えばパンがあるとして「これはお昼ご飯だよ。ご飯といってもお米じゃないけどね。」といった感じ）

*3 水島努監督作詞

*4 脚本家曰く

*5 なお「フリント」とは火打石の意味。

*6 福田に対し「伝統を蔑ろにする気か！」と怒鳴った女子。

*7 ツチヤ＋王大河・スズキ・ももがーがそれぞれダージリン・オレンジペコ・ルクリリと兼役なので、アッサム役の明坂聡美氏が大洗女子の誰かを演じると大洗に聖グロメンバーが全員揃う。

*8 一年生達は萎縮していた

*9 子供をからかうノリなので彼女なりの親愛の証だろう。

*10 余談だがこちらも妙子がアンチョビと兼役なので、カルパッチョ役の早見沙織氏が大洗女子の誰かを演じると大洗にアンツィオメンバーが全員揃う。

*11 巨大なゴーグルの様な凄い髪型の女子。

*12 10巻では(一回きりだが)「イナバさんチーム」として行動を共にしている。元ネタは言うまでもなく因幡の白兎。

*13 この時のツッコミ役はカトラス

*14 ムラカミの実に乙女らしい一面が見られる貴重なシーン

*15 彼女たちの使用戦車である三式中戦車チヌの砲弾は「約6～7kg」なので、

*16 その際、走馬灯が走っていた

*17 これに関しては、フリントがマイクを手放さないのも原因の一つ