サイバー・ムーン(デュエル・マスターズ)

登録日:2018/02/26 Mon 19:03:35
更新日:2023/05/06 Sat 23:00:57
所要時間:約 7 分で読めます







月は、もはや美しいだけの存在ではない。




サイバー・ムーンとは、デュエル・マスターズの種族である。

概要

聖拳編から登場している水文明の種族で、サイバーカテゴリにも所属する。

種族名はシンプルで語るまでもないが、背景ストーリー上での誕生場所から命名が由来している。
命名ルールは「ルナ・○○○○」で、下の名前は建造物や宇宙関連の単語が入ることが多い。
進化クリーチャーは存在しないため、進化の冠詞は不明。
一応多色かつ多種族のサイバー・ムーンはいるのだが……あまり命名ルールで参考にならないような存在である。
恐らく、多種族でも星の名前が入るというルールがあるとは推測はできる。

イラストは「巨大な建造物」なデザインが殆どで、月光に輝いて美しさが目立つ。
「動く城」なんて水文明らしくないコンセプトに思えるが、サイバーカテゴリーなだけあって機械的な絵柄となっているので水文明らしさは損なわれていない。
鳥像が付いているというのも特徴的で、身体全体が羽を広げた巨大な鳥のようになっているクリーチャーもいる。
背景ストーリー設定を反映してドラゴンとの戦闘を描いた構図も殆どだが、ドラゴンが小さく見えるほど巨大な図体であることも読み取れる。

全体的には中量級~重量級のコスト設定に固まっており、水文明としては大型のクリーチャーが多い。
とは言っても、ゲームエンドに繋がるような力を持つ種族でもなく、サポートやコンボ向きのデザインである。
また、独特な動きのマナ回収能力を持ったカードが目立つ傾向もある。

後述する背景ストーリーでは満を持しての登場みたいな雰囲気だったが、ゲーム的な扱いは不遇種族である。

サポート的能力を持つ者が多いながらコスト設定は軽量級ではなく、色々と作りにくかったのかもしれない。
リヴァイアサンといい、かつてのDMは水の大型種族の扱いに苦労した節がある。
登場した聖拳編自体も多色推しの時期であり、知名度を上げるにもそちらに色々と売り込むチャンスを奪われた点も否定できない。

類似設定で登場時期も近いメカ・デル・ソルとの命運を分けたのは種族の看板がいたかいないかの差もある。
メカ・デル・ソルが《光器ペトローバ》という代表的存在がいたのに対して、こちらはそうなれる(弱いという訳ではないが)素質のカードはなかった。

覚醒編では高レアサイキックが登場するなどいくらかの新規カードが登場し、フィーチャーが期待された。
ところが、結局期待は期待のままで終わった……既にこの時期には水文明の他の大型サイバーが台頭しすぎていたか。
以降はたまに新規が出るが、予想通りというか使えるスペックのカードはない。

とは言ってもゲーム環境では《ルナ・コスモビュー》が大暴れするなど、DMの歴史に名前は確かに残した種族でもある。
サポートに恵まれたサイバーカテゴリーでもあるため、サイバーデッキのコンボパーツとして運用していきたい。


背景ストーリー

今でこそ影は薄いが、闘魂編終盤~聖拳編序盤の背景ストーリー的には外せない存在。

闘魂編背景ストーリーにおいて復活したドラゴンは、復活させたバーニング・ビーストの手にも負えなくなる
光文明が対ドラゴン兵器としてメカ・デル・ソルを投入してドラゴンとの長期戦争を行う中、水文明も未完成兵器の《エンペラー・マロル》などを実践投入してドラゴンへ反抗していた。
やがて光文明がドラゴン相手に優勢になるが、ドラゴン側に現れた多色獣《無双竜機ボルバルザーク》が光文明を相手に反撃を見せる。

このボルバルザーク誕生を見てサイバーロードが月に眠るサイバー・ムーンを起動。
起動の際には《賢察するエンシェント・ホーン》が異常を感知し、仲間を集合させているほど。
月面からの報告書を受け取ったサイバーロードは、一人思索の遊泳に出る者もいた。
対ドラゴン兵器として満を持って月から超獣世界に現れたサイバー・ムーンは、光文明の援助要員としてドラゴンと衝突する。

「月」であるサイバー・ムーンと「太陽」であるメカ・デル・ソル、そして「龍」であるドラゴン。
相反する3つの力は激突して、世界中に散らばっていき、その力は再結晶化して不思議な生命体が誕生する原因となる。
こうして力が再結晶化した存在は新たな種族スピリット・クォーツとして超獣世界に突如として出現した。

サイバー・ムーンの起動は意図せぬところで敵か味方かわからない種族の大量出現を呼び、結果として超獣世界が更に混乱するだけの結果に終わったのだった。

超獣世界のパラレル世界である新章世界においても、新章デュエル・マスターズでの新規カードの存在によって生息していることが判明している。
新章は当初はDS世界と地続きと思われたことからドラゴンの支配力が強すぎる世界観は対ドラゴン兵器のサイバー・ムーンには不向きということで全滅後の世界に出てきたと思われていたが、後にDS世界と新章世界が別の世界観と発覚したことでDS世界におけるサイバー・ムーンの生息は不明慮となっている。
新章世界もドラゴンが当初はほぼ絶滅していたため、サイバー・ムーン的には生きやすいというかある意味目的は失っている。

なお、サイバー・ムーンの故郷である「月」の存在に関しては、DM最初期の時点の超獣世界設定において月に似た衛星が2つ存在する事が示唆されていた。
超獣世界で「月」と呼称されたのは、「衛星ラムーン」と「オリジナル・ハート」の二つの天体が確認されている。
オリジナル・ハートは時空の裂け目から産み落とされたオリジンの本拠地であり、神化編終盤にて消滅している。
一方の衛星ラムーンは神化編の神降臨の影響で姿の全貌を見せた衛星で、ルナティック・エンペラーの生誕に関わったと設定されている。
つまり、素直に読み取るとサイバー・ムーンは衛星ラムーンに存在した可能性が高いと思われる。


主なカード

ルナ・ブライトホーク SR 水文明 (8)
クリーチャー:サイバー・ムーン 6000
W・ブレイカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中からカードを1枚選び、自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
cipで《クリスタル・メモリー》を使える重量型サイバー・ムーン。

《クリスタル・メモリー》が強いんだからこのクリーチャーも強い……のだが、今の環境ではちとコスト設定が重い。
マナブーストに長けている訳でもない水文明的には、本家や下位種のコストが軽いサーチカードが優先されてしまう。
一応出せさえすれば場に打点のある重量級を残して更なる高コストに繋げられる点は強みなので、長期戦への持ち込みを前提とするデッキに投入したい。

踏み倒しでこのクリーチャーを出せる《超電磁トワイライトΣ》とは非常に相性がよろしい。

ルナ・ウイング UC 水文明 (6)
クリーチャー:サイバー・ムーン 2000
サイレントスキル
SS-バトルゾーンか、どちらかのプレイヤーのマナゾーンからカードを1枚選び、持ち主の手札に戻す。
サイレントスキルで好きなプレイヤーのバトルゾーンかマナゾーンからバウンスを行える。

コスト設定に反した低パワーなのに加えて、サイレントスキルの機動性の遅さと脆さが悪い意味で噛み合っている。
何も考えずにサイレントスキル発動を狙うと、タップした時点で殴り殺される未来はどう考えても避けられない。
能力自体は悪くないどころかむしろ強いのだが、単純計算で8ターン目に1枚バウンスじゃ割に合わないよ……。

【ウイングアウト】と呼ばれる奇怪な勝利を狙う専用デッキが考案されたこともある。

ルナ・フォートレス R 水文明 (7)
クリーチャー:サイバー・ムーン 6000
バトルゾーンにあるクリーチャーは、ターンのはじめにアンタップされない。
各プレイヤーは、自分のターンのはじめにカードをアンタップした時、自分自身のマナゾーンのカードを好きな枚数タップしてもよい。このようにしてタップしたカード2枚につき、バトルゾーンにある自分自身のクリーチャー1体をアンタップする。
W・ブレイカー
各プレイヤーにアンタップ動作にコスト支払いを求めて動きをロックさせる複雑なシステムクリーチャー。

なんか能力が面白くて何か悪い事に使えそうだけど使えない」という代表例の一枚。
ロックによるコントロール型デッキを求めるにも、タップインやフリーズ効果などのロックの方が使いやすい。
序盤から起動体制を整えられればまた変わってきそうだが、重量級なのでこれも難しい。

ルナ・トライデントタワー R 水文明 (4)
クリーチャー:サイバー・ムーン 4000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
相手が火または自然の呪文を唱えた時、相手のマナゾーンからカードを2枚まで選び、持ち主の手札に戻す。
敵対色呪文を唱えられた際に相手のマナゾーンから2枚まで選んで疑似ランデスを放つ中型サイバー・ムーン。

自然のマナブーストに対する驚異的なキラー効果であり、ビッグマナ型のデッキが流行る環境ではよく働く。
戻すマナに関する選択権もある他、即座に破壊されない程度には与えられたパワー設定など、細かい点でも配慮されている設計なのも◎。
敵対色キラーの宿命として相手が敵対色を採用しなかった場合は刺さりにくいという難点はあるが、ブロッカーなので完全に腐る可能性はない。

ルナ・コスモビュー SR 水文明 (9)
クリーチャー:サイバー・ムーン 5000
G・ゼロ-9枚以上手札を持つプレイヤーがいれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
自分のターンに1枚目のカードを引く時、もう1枚余分に引いてもよい。
DM-16における大型G・ゼロクリーチャーの一枚として用意されたサイバー・ムーン。

ターン初めのドローを任意で増やせるほか、G・ゼロで9枚以上の手札があれば無料召喚が可能となる。
効果自体は悪くないが、サイバー・ムーン特有の「効果は悪くないがコスト設定が重すぎる」という評が当てはまるカードだった。
コスト設定の弱点を補うための要のG・ゼロも、条件手札枚数が現実的ではない(しかも山札消費が激しすぎて追加ドローと噛み合わない)ことから機能しにくい。
【逆流コスモ】という専用デッキが開発されたが、あくまでもファンデッキに留まっていた。

だが、登場から長い期間を経たエピソード3環境において研究された【メルゲループワンショット】の必要パーツとして株が急上昇。
再録もなかったことから一気に中古市場での価格高騰を起こし、DM史上にも残る大器晩成の例となった。
後に【メルゲループワンショット】の主要カードの規制によって一時は価値がやや下落するが、以降も様々なコンボデッキのパーツとしての使用が研究され続けている。

ルナ・リボルバーホイール UC 水文明 (4)
クリーチャー:サイバー・ムーン 5000
自分のターンのはじめにアンタップする時、このクリーチャーはアンタップされない。
他のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、このクリーチャーをアンタップする。
DMの原則ルールであるターン開始時のアンタップ動作を行えず、他のクリーチャーの召喚でアンタップ動作が起動する変わり者。

やり方次第ではリボルバーの名前の示すように永遠と殴り続ける動作が可能なことから、コンボ要員として目を付けられた。
このクリーチャーを主軸とした即死コンボを狙う専用デッキも存在し、この先も踏み倒し効果を持つ新規カードなどと共にコンボの研究が注目される。

フレーバーテキストの台詞が建物の癖になかなか深い事を呟いている。

時空の尖塔ルナ・アレグル SR 水文明 (7)
サイキック・クリーチャー:サイバー・ムーン 5000
M・ソウル
自分がカードを引いた時、自分の山札の上から1枚目を見てもよい。
覚醒―自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分のコスト2、コスト3、コスト4のクリーチャーがそれぞれあれば、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。
覚醒後⇒《要塞の覚醒者ルナ・アレグリア》

要塞の覚醒者ルナ・アレグリア SR 水文明 (14)
サイキック・クリーチャー:サイバー・ムーン 13000
M・ソウル
どちらかのプレイヤーがクリーチャーを召喚した時または呪文を唱えた時、カードを1枚引いてもよい。
T・ブレイカー
解除
覚醒前⇒《時空の尖塔ルナ・アレグル》
覚醒編における水文明目玉の大型サイキック要員に選ばれた、超大型サイバー・ムーンの一枚。

覚醒前はドロー時の山札トップの確認、覚醒後は置きドロー効果を発揮する。
置きドロー効果は非常に強力なのだが、覚醒条件が小型クリーチャーに依存した物かつ最低4体は場にクリーチャーがいる状況を求められるために難易度が高い。
覚醒後は解除による一定の除去体制はあるが、結局は覚醒条件の厳しさからあまり当てにはならない。
使用するプレイヤーのデッキ構築力及びプレイング能力の質が求められる一枚となる。

効果が地味に思えると言われるが、よく考えると他の覚醒獣があんまりにも強烈なだけな気がする。

ドスコイ・イチバンボシ R 水/火文明 (5)
クリーチャー:サイバー・ムーン/ビッグマッスル 5000
M・ソウル
K・ソウル
マナゾーンに置く時、このクリーチャーはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーを1体選んでもよい。そのターン、そのクリーチャーはブロックされず、シールドをさらに1枚ブレイクし、「パワーアタッカー+5000」を得る。
その容姿にサイバー・ムーンファンからは否定的な声もある初の多色クリーチャー。

cipと場を離れた時にアンブロッカブルと追加ブレイクとパワーアタッカーを他のクリーチャーに付与する。
追加効果が豊富なうえにシンプルに強い物ばかりで、追加効果付与の起動条件から何らかの手段で場を往復させれば面白い動きになる。

不遇な種族同士の組み合わせに反して能力自体は非常に優秀なカードと言える。
それに種族も不遇とは言っても腐ってもサイバーなので活かせる機会は十分に多い……ビッグマッスル?知らへんがな。

ルナ・ダークイーグル C 水文明 (4)
クリーチャー:サイバー・ムーン 4000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのクリーチャーは、次の自分のターンのはじめまで、攻撃もブロックもできない。
新章のデュエル・マスターズにて初めて姿を見せたサイバー・ムーン。

相手クリーチャーの限定的な行動制限は弱くはない…が、水文明にはこの手のライバルが多いのが悩みの種。
《氷結カッチ・コチーン》《凍結のカルマ フラペチーノ》の他、《奇天烈 シャッフ》の存在が痛い。
サイバーカテゴリであることを活かしたいが、サイバーデッキに入れるかというと優先しにくいと言うところ。

イラストがかなり《ルナ・ブライト・ホーク》に近いデザインで、DMRP-02における古参ファンへのファンサービスである。
名称も《ルナ・イーグル》に近い(強制的に動くイーグルと相手を強制的に動かせないダーク・イーグルと効果は対照的)。
でもサイバー・ムーンを覚えているファンは、パロディカードよりもサイバー・ムーンのフィーチャーが欲しいと思う。

それにしてもイラストのドラゴンっぽい敵はドラゴンのいない世界なのに一体何者なのか……。

ルナ・ブルーダイナソー VR 水文明 (5)
クリーチャー:サイバー・ムーン 4000
ブロッカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引いてもよい。
このクリーチャーは攻撃することができない。
ハーフデッキの切札として収録されたサイバー・ムーンで、cipで1ドローのブロッカー。

手札消費をしないブロッカーという事で一部デッキではそこそこ出番があった。
今では優秀なドロー効果のあるブロッカーも多く、言ってしまうとブロッカー自体のインフレが激しい現在では地味で中途半端な中量級では付いていけない。
ベリーレアっぽいスペックではないという声もあるが、入手容易なハーフデッキのカードだからそこはしょうがない。



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最終更新:2023年05月06日 23:00