憑依

登録日:2018/08/24 Fri 15:33:00
更新日:2023/12/05 Tue 13:21:59
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憑依とは霊などの精神体が他の何か(生物や物体)に取り付く(取り憑く)特殊能力のことである。
ある意味では合体のバリエーションでもあるが当項目では憑依する側の理由についても述べていく。

寄生とは何かに取り付くという意味では同じだし紙一重で似た能力だが、
そちらは物理的に取り付いているケースが多いのでここでは省略する。


概要

憑依する宿主は人間は勿論のこと動物や昆虫など生物に留まらず鎧や人形といった無機物等例を挙げればキリがない程多い。
そして憑依主も邪悪な人間ややむに已まれぬ事情で憑依してしまった勇者、狸とか狐とかの畜生、長年使われてきた為に自我を持った物体などさまざまである。
憑依の段階は大まかに分けて三つあり…

  • レベル1
宿主にくっついているだけで(基本的に)何の干渉もしないし、宿主も自覚がない。
干渉したとしても精々厄災が降りかかってくるとか妙に運に恵まれるとかのレベルである。
伝承でいえば憑き物がこれにあたる。
但し生命の危機的状況や睡眠時等の特殊な状況下で意志に働きかけたりレベル2に移行したりすることがある。
  • レベル2
宿主の心に話しかけたり宿主の意志を封じ込めて、体を操る事が出来る。
但し、意思を封じると言ってもあくまで体をコントロールできるだけで当人の意志が残っていて反抗してきたり*1眠っている、植物状態、精神が希薄と言った自分より低レベル、無抵抗の存在しか操れない等の制約がある。
更に、意思を封じる関係上対象の記憶などは読み取れないので行動や言動は憑依主の地が出てしまう上に宿主の知識や(記憶を用いた)技能等は使えないというデメリットもある。
宿主が合意の上で憑依させている場合もたいていこのタイプに属する。その場合憑依者の意識が出ていても宿主の意思が普通に残り、宿主と憑依者の間で会話したりなんてこともある。
肉体の乗っ取りも参照。
  • レベル3
宿主の「意志も」完全にコントロールできる。
つまり宿主の知識、能力を完全に使用でき憑依していた時の記憶を都合のいい様に作り替えたり、更に意思を作り替える事で宿主から離れた後も憑依者の望む様な行動を取らせると言った事が行えてしまう。

この他「体も意思も操れないが、宿主と話はできる」「体内には入り込めないが宿主にだけ姿が見えるので付き纏っている(これは「憑りつく」とは言っても「憑依」とは言わないことが多い)」など細かく分類すると無数のパターンがある。

その特性上この能力を使うのは、大抵何者かの幽体か怨念といった不可視の存在である事が多い。


使用される用途やメリット、デメリット


能力の関係から真っ向からの戦闘にはあまり向いておらず、
子供等の弱い者や親しい知人に取り付いて悪意のない存在を装って標的に接近し、
目的を果たすという知略を生かした作戦に向いた能力である。
勿論、身体能力の高い宿主を手に入れたり宿主を強化して力押しで攻めるという方法もあるが精神が強い、強くなって憑依主がはじき出される可能性もある。

宿主次第では人質にもなる上、迂闊に攻撃すると宿主だけが負傷してしまう宿主が有力者や子供などの弱者だった為に犯罪者にされる
非常に厄介であり、仮に宿主から追い出しても今度は自分自身や味方に次々に取り憑く危険性もあるので
それ自体の対処にも非常に困難が伴うといった一面も。
また、憑依している存在があまりに強力すぎると宿主の体が負担に耐えられず、
抜け出た後に死亡してしまったり憑依中でも宿主の肉体が徐々に自己崩壊してしまうという悪質なケースがある。

一方でこうした能力持ちの共通点として何かしらの弱点を持っているケースが多く、
それを使われると宿主と強制的に分離させられてしまったり下手をするとそのまま倒されてしまうなんて事も。
他には非常に稀ではあるのだが憑り付かれた方が強大だったり強い精神力を持っていたりすると
逆に憑り付いた側が取り込まれてしまったり抑え込まれて逆に憑依者の知識や技能を利用されてしまったりするというケースも存在する。
また、憑依しているときに何かの拍子に憑依している者の癖などのボロが出てしまいバレてしまう事もある。
憑依した対象の意思が残っている場合、そちらの抵抗などを受けて行動が阻害されたり追い出されたりすることも多々ある。

異性の肉体への憑依はTSF(ジャンル)の一種でもあり、宿主の意識の有無など様々な条件の違いごとに萌えを見出す者達がいる。

上記とは違いあえて宿主が憑依させるケースもある。
憑依させる事で…
  • 憑依させた霊の情報、知識を知る。
  • 憑依させた霊の能力を用いる。
  • 祖先、神を憑依させて強化する。
と言った恩恵が受けられる。
勿論、対象が強力過ぎるとそのまま乗っ取られてしまったり憑依者のパワーについていけず死亡、寿命の減少といったリスクもある。
降霊術を参照。

憑依する目的


代行

生前に行えなかった目的を果たす、或いは再びぶり返してしまった因縁にケリをつける為に他人の体を借りて目的を果たす。
敵が行う事もあるが、味方の先祖やかつての仲間が憑依するケースもある。
味方の憑依の場合かつての仲間に再会しても信じてもらえなかったり、宿主の知人に詰め寄られたりして葛藤するというシーンがあったりする。
エロ目的だと女の子に憑りつき痴女と化したりして本人の意思と無関係にエッチなことをするとかもある。
行動さえできれば良いという場合、上記の通り人間でないどころか生物ですらない物に憑依するケースもあり、
極端なケースでは石川賢の漫画『[闇狩り師 九十九乱蔵』で
織田信長(戦国武将)の怨霊が憑依した宇宙開発用ロボットが大暴れ という凄い光景が描かれた。

ゲームでは、主人公が精神体や幽霊で、様々な敵に憑依して行動するというケースもみられる(例:『レリクス』『ファンタジア』)。

本作品の主軸となる怪人。本人たちの目的としては「肉体が欲しい」というものであるが、
彼らを送り込んだ者にはまた別の思惑がある。
ゴーストイマジンは後述の「人質」としての利用もしたことがある。


メッセンジャー

当人が既に亡く、文字通りの「死人に口なし」の状態の時に他人に乗り移ってメッセージを伝える。
憑依者が強引に乗り移るケースもあるが、恐山のイタコのように情報目的で生者の側が話を聞きたい霊を呼び出す例もある。
旧連邦軍のニュータイプでジャミルの憧れだった女性。第七次宇宙戦争中に精神が破壊しつくされ、その優れたニュータイプ能力と僅かに残った戦争を憎む心を利用するため、生体ユニットとして精神波活用兵器・Lシステムに組み込まれた。
戦後は「ローレライの海」の底にシステムと共に眠っていたが、サルベージされた際に封印が解かれて覚醒。同じニュータイプのティファと接触。
彼女の体に憑依してジャミルに「再会」。Lシステムを戦いに悪用されないよう、フリーデンの力を借りる。

人質

標的の恋人や子供など大切な存在に憑依し、手が出せないことをいいことに一方的に蹂躙してしまう。
ただし目的が目的なので標的の怒りを買いやすく、宿主から出た途端に思い切りボコボコにされてしまうリスクも高い。

挑発

上記の人質と似たケース。こちらも恋人や子供に取り付いてやれるものならやってみろと標的を挑発する。
こちらは必ずしも相手を攻撃するわけではないので示威目的が多いか。

暗殺

悪役が能力を使う場合恐らくもっとも多いと思われるケース。
子供や老人等のか弱い者に憑依して接近、寝首を掻いてしまう。
こちらも標的の怒りを買うリスクは高い。
但し、油断を誘いやすいし仮に失敗してもそのまま逃げてしまえばいい&憑依したのが一般人や有力者ならそのまま上記の人質に移行、仮に攻撃してきても相手を犯罪者扱いに出来るのでかなり有効な手段である。

東光太郎=ウルトラマンタロウを暗殺するため少女に憑依して接近した。
しかし暗殺のために無力な少女に憑りつくという卑劣な手段を使った結果
タロウの怒りを買ってしまい超必殺技と名高いウルトラダイナマイトで爆殺されてしまった。

完全復活

元々何らかの原因で本来の肉体が封印され、魂のみとなった存在が本来の肉体を取り戻す為に一時的に宿主の肉体を借りるもの。
真の目的を悟られぬよう、特に狡猾に立ち回る事が多い。
なお復活が成った場合、宿主の肉体は消滅したり、用済みとばかりに処分されたり、そのまま放置(生死問わず)されたりとパターンは様々。

ご存知ウルトラマンネクサスのラスボスにしてウルトラシリーズ屈指の破壊神。
ウルトラマンノアとの戦いで活動不能に陥り、ある人間に憑依していたが
それは意外な人物であった…

龍神族やレティスとの争いに敗れたせいで魂は神鳥の杖、身体は聖地ゴルドの女神像に封印されていたメタボ暗黒神。
トロデーンから杖を奪ったドルマゲスを第一の依り代とし、自身の完全復活の障害となる七賢者の末裔を殺害すべく世界中を飛び回る事となる。
ドルマゲスが倒れた後も、ゼシカやレオパルド、マルチェロなど憑依先を転々と鞍替えし暗躍し続けた。

ご存知ゼルダの伝説シリーズの魔王。
同作では最初は霊体であり、ザントを傀儡とした後にゼルダ姫に憑依するが
この一連のイベントは一部でトラウマになった人もいるとか。

  • 主人公、プラトン、アールモア先生(ヘラクレスの栄光Ⅳ)
プレイヤーキャラが肉体を持たず特定人物に乗り移りながらストーリーを進めていくという珍しいケース。
アールモア先生は敵として登場し、能力を駆使して暗躍してくる。

憑依による復活

上記と違い、憑依し肉体を得る事そのものが「自身の復活」というゴールとなるケース。
宿主の元々の魂は取り込まれてしまったり、抑圧あるいは快く受け入れ表に出ることがなくなったりする。
しかし追い出されて幽霊または精神体になるというパターンも存在する。

大きなダメージを負い瀕死であった妖狐・蔵馬は妖力を回復するため、緊急避難的に南野夫妻の胎児に憑依した。
しかし急いでいたためか魂が癒着して離れることができなくなってしまい、そのまま南野秀一として育てられることとなった。
秀一本来の魂は徐々に蔵馬に吸収されていき、いずれなくなってしまうとのこと。

  • シンタロー、ジャン、アス(南国少年パプワくん)
+ 凄まじく長いため、説明は隠す。
赤の秘石の番人ジャン青の一族を監視するため一族が興したガンマ団に潜入していたのだが、総帥であるマジックの長弟ルーザーに気付かれ殺されてしまった。
しかしこの間にジャンは末弟サービスと親交を築いていたためこれが兄弟間のすれ違いと確執を生み、ルーザーは戦死してしまい慕っていたサービスドクター高松マジックルーザーの子をすり替えた。
この事実はサービスが自らルーザーの子供(マジックの実子)グンマに語るまでの24年間気付かれることは無かった。
肉体を修復する間動けないジャンは再びマジックの長男(ルーザーの実子)に分身である影を送り込んだのだが、青の秘石に察知され消されてしまう。
青の秘石は代わりに影を回収するための融合を行った際ジャンの肉体を乗っ取れるよう仕組んだ、ジャンに似せた青の番人アスの影を送り込んだ。この本来の肉体を持たない精神体がシンタローである。
シンタローは気付かぬまま24年間を過ごし、パプワ島から帰還後にマジックの次男であるコタローの攻撃からマジックを庇い死亡、幽霊と化して肉体は本来の人格であるキンタローとして目覚める。
肉体を失ったシンタローはジャンの語る真実を知り融合するが、青の秘石の計画通りシンタローはジャンの肉体を奪いジャンフルチン幽霊となる。
チンジャンは後に波長が合ったリキッドの肉体に憑依し革ジャンになり、リキッドの意思はジャンに抑圧され表に出れなくなる。
そして青の秘石の仕込んだ罠に気付いたジャンはシンタローを殺害、しかしシンタローはアスとして目覚めてしまう。
だがシンタローの肉体は赤の番人ジャンであったためか足が臭くて馴染み切れず影であるシンタローの回収にも失敗、アスはシンタローに肉体の主導権を奪われてしまい表に出ることができなくなってしまう。
そこでアス青の秘石の手引きで死後密かに回収し修復していたルーザーの肉体を得て復活、しかしここでも覚醒したルーザーに主導権を奪われてしまい、ルーザーアスもろともキンタローの手で死ぬことを選んだためアスは再び肉体を失った。
後に後日談でジャンが、PAPUWAでアスも番人をクビになる代わりに新たな肉体を貰っていることが判明した。
ちなみに全員が憑依して肉体を手に入れた後は自分本来の姿になっていたが、ルーザーの肉体に入ったアスはわざとなのか本来の姿に戻らなかった。

SCP-963「不死の首飾り」と呼ばれるルビーのペンダントに触れた人に問答無用で憑依してしまう博士。ちなみにペンダントは破壊できない。
離せば元に戻るが、30日程触りっぱなしにすることで元の人格を消滅させ、ペンダントなしでもブライト博士になってしまう。
普段は死刑囚やサルに憑依している。

  • 鵜足の郡の女(今昔物語集)
巻20第18話「讃岐の国の女、冥途に行きて其の魂、還りて他の身に付く事」より。
山田の郡の布敷の氏という女性が重病にかかり閻魔王の使いの鬼がお迎えに来たが、
この鬼が走り疲れたところで食べたお供え物の恩を返そうと鵜足の郡の同姓同名の女を連れて行った。変なところで融通利かせるお迎えって意外と多いのか
すぐに人違いに気づいた閻魔王は改めて山田の郡の女を連れて来させ、確認の後、鵜足の郡の女を帰らそうとしたが、
鵜足の郡の女の体は既に火葬されていたので、山田の郡の女の体に戻した。
鵜足の郡の家に帰った女は生前のことをこの顛末と生前のことを離したことで信じてもらい、
また山田の郡の両親も魂が別人であると知りつつも娘として援助し、やがて女はこの両家を相続したという。
この話の教訓としては、「鬼をもてなすと良いことがある」らしいが、いいのかこれで。

中国の代表的な仙人である八仙の一人。
肉体を離れて太上老君に会いに行く際に、「魂の抜けた身体を見守り、七日経っても帰ってこなければ身体を焼く」ように弟子に指示していたが
六日目に弟子の母が危篤との知らせを受けた弟子が一日早く焼いて旅立ってしまったため、
帰って来た李鉄拐は近くにいた足の不自由な物乞いの遺体を借りて蘇った。
そのため李鉄拐は高名な仙人でありながらボロボロの服を着て足の不自由な姿をしている。
兵法三十六計の第十四計・借屍還魂の語源となった逸話。

共生

特に憑依の影響もなく共存するタイプ。肉体の主導権も大抵は宿主側にある。
なぜ憑依したのか憑依者自身にも不明というケースもあり、その場合は共生生活を営むうちに記憶を取り戻して目的のために行動を始める(又は宿主に協力を求める)事が多い。
憑依して復活した場合も、対象の意思を追い出したり出来ず妥協してこのパターンに落ち着くことも多々ある。

人間の母胎に憑依してともに成長する怪異
憑かれている側は特に自覚はなく、ごく普通に人間として暮らす。
怪異の方も特に目的があるわけではない「そういう生態の怪異」というだけ。
憑依先が半身吹き飛んでも問題なく治癒させてしまう再生能力を持つが、憑依先が通常の寿命を迎えれば転生してまた新たな憑依先にとりつく。

支配

王様などの最高権力者に憑りつき、国を自分の思うままに動かし、作り変えてしまう。
ともすれば回りくどいと突っ込まれそうだが、影響力は非常に大きく、憑依した側にとってリターンが大きい。
「王様は最近人が変わっちまった」とその国の民が嘆くのもよくあるパターンだが、目的を果たすまでは表向きは名君として振る舞い気取らせない、といった知能犯も居たりする。

その知能犯がコイツ。邪神の力によって憑依能力を身に着けており、その力で過去にいくつもの国を滅ぼしてきた。
デルカダール王に憑依し、勇者として生まれた主人公を「悪魔の子」と糾弾させ、主人公を一国の兵力全てを以て執拗に追い詰める。

延命・蘇生

瀕死または死亡済の宿主を生かす為に取り憑くケース。
宿主に意識があればトレードオフな関係になって上述の代行をする事もあるが、憑依側の力で生き長らえているためかいずれ弱っていき、片方あるいは両者共に限界が訪れることもある。
対象に意識が無ければただの操り人形として使い捨てられることも多い。

このケースの代表例。以後の弟分達も地球人に擬態するか、似たようなケースで憑依する例が多い。
一説には「赤の分量が多いと本人が変身し、銀の分量が多いと憑依する」とも
後の時代には彼らの真似をして防衛基地に潜入する悪い宇宙人が出たことも。

  • 将軍ゾンビ・大将軍ゾンビ(風来のシレンシリーズ)
ぼうれい武者系のレベル3と4。
将軍・大将軍を倒したしばらく後に発生して攻撃せず逃げ回るのは同じだが、隣にいる敵が倒されると憑依して復活させるという能力を持つ。

結果としてこのタイプになったパターン。
ニンジャスレイヤーの味方のテレパスニンジャで元鍼灸医の男。第二章中盤で肉体を失い、情報生命体となって生きながらえていたが、同章の最終決戦において敵アジト内で受肉した肉体が爆発四散してコトダマ空間へ拡散しそうになり、緊急避難として敵ボスのニューロンに特攻したところ、心停止した敵組織の下っ端女ニンジャイグナイトの生への渇望のパルスに引き寄せられて憑依してしまい、イグナイトの意識が復活した。
第三章において彼女の体に寄生(シルバーキーの意識覚醒時はイグナイトの意識は眠っているが、イグナイト覚醒時はシルバーキーは起きているなど、体の支配はシルバーキー優位)したまま過ごしつつ、自身の体を復活させイグナイトに体を返す方法を探すこととなる。
またイグナイトへの憑依によって能力が変質し、制限の多い憑依能力主体の戦法になっている。イグナイト覚醒時に複数の敵に囲まれた際ははシルバーキーが敵の一人に憑依して使い捨て肉盾にしつつイグナイトが他の敵をぶちのめすという凶悪なコンボでこれを撃退した。

  • 飯嶋孝弘(百鬼夜行抄)
主人公飯嶋律の父親(婿養子)だが、実は本来の孝弘の魂は息子の幼少期にある事故で消失しており、肉体的にも死亡している
だが孝弘の妻絹の父飯嶋伶(蝸牛)が、孫律を怪異の脅威から守るため自身が使役する妖怪「青嵐」を孝弘の身体に憑依させることで婿の肉体だけを蘇生(青嵐が抜けていると死体状態に戻る)。
無論中身は全くの別人なので律(及び勘のいい一部親戚)以外の絹含めた周囲には「臨死状態からの復活の後遺症で脳障害が起き、箸の持ち方等を含めた全ての記憶を喪失した」と誤魔化しており、作中で孝弘の親戚達と出会った際にはその変わり様に驚かれていた。


人理保障機関カルデアで行われた、人間に英霊を憑依させる実験の結果、マシュに英霊が憑依した事態となった。
成功率も高いものではなく、憑依させられた英霊サイドもあまりの非人道的対応に呼びかけに全く応えようとしなかった。
しかし、英霊が離れるとマシュが死んでしまいかねないため英霊はそのままマシュに憑依された状態を保ち、黙ったまま力を貸すことにした。
憑依させた側の目的は強化だが、憑依した側が憑依を続ける動機は延命という状態。
後に退去していることが判明したが、その時点ではマシュは健康体となっていた。


魔力持ちであったために生来病弱な元々のマインは高熱により5歳にして死の床についた。
一方で現実世界にいた本須麗乃はとにかく本が好きで大学卒業後に司書になることも決まっていたが、自室で地震に遭い本の山に埋もれ未練たっぷりに死亡する羽目になった。
しかしこれが何の因果かマインに本須麗乃の記憶が引き継がれ、いわゆる異世界転生を果たすことになった。
だが記憶こそ本須麗乃のものだが、行動や感情自体は年相応に幼い少女マインであるため色々なトラブルを引き起こすこことなる。


強化

自分が憑依するのではなく、他の霊体などを呼び寄せて自分や武具などに憑依させ、その力を得るというもの。吸収に近いか。

自分の属性に応じたモンスターを操ることができる6人の少年少女たち。
自身と自身に応じたモンスターを墓地に送ることで、そのパワーを得た強化形態である憑依装着に成長することができる。

作品の根幹を成している技。
憑依合体は、シャーマンが心を通わせた幽霊(持霊)を「ヒトダマモード」に変えて自分の体に取り込むことで、霊が生前持っていた能力や知識を、シャーマン自身の肉体で再現する。
これを応用し、その例に所縁のある物体や霊的な神具などに無理矢理霊を憑依させることで霊的アイテムを生成し、人間技では不可能な霊的攻撃を繰り出すのがオーバーソウルである。

  • 憑依システム(エミルクロニクルオンライン)
憑依によるプレイヤーの強化や共闘をシステム上の売りとしていたMMORPG。
自分の装備品に憑依して他プレイヤーに使ってもらう「自己憑依」と、他プレイヤーの装備品に憑依する「直憑依」がある。自分の装備品に憑依したままログアウトする、通称「憑依落ち」も可能。
憑依した部位の装備品は耐久値が減らなくなり、憑依者は一部のスキルで宿主を支援する事が可能。憑依落ちしていればログアウト時でも機能する憑依スキルもある。
また宿主が戦闘で得た経験値の一部が憑依者に分配されるため、低レベルキャラが高レベルキャラに憑依して経験値効率の高いマップで戦ってもらい大量の経験値を得たり、高性能かつ耐久値の減らない装備品で存分に暴れるなどの共生関係が成立する。
多くのプレイヤーが集う街中では、強化済みの高性能装備が憑依落ちの状態で大量に遺されている光景がよく見られた。

「融合騎」と言う独特の人格を持ったデバイスで、主人と融合(ユニゾン)してその魔力運用のサポートを行う。
融合しなくてもそれなりに強い(前者はタイマンでも作中最強クラス)のだが、融合した際の実力は想像を絶する。
ただし融合事故を起こすこともあり安全性が確立されているわけではない。

不明

主にゲーム作品などで理由なしに行われる、深い意味があるのかないのかわからない行動。

魔列車内でのみ一時加入するゲストキャラクター。敵に憑り付いて自分もろとも即死させるという恐るべき固有コマンドを持つ。
この「とりつく」は必中でこそないが、成功すれば敵のあらゆる耐性を無視して問答無用に葬り去ってしまう。
ただし使うと自分もパーティから消えてしまい、再度列車内をうろついている幽霊を見つけて加入させないといけない。
通常プレイでは魔列車脱出直前で離脱してしまうので正規雇用はできないが、
フラグ進行が行方不明になる「飛空艇バグ」を使うとストラゴス・リルムの枠と引き換えに正式加入も可能。
「とりつく」を使ったり戦闘不能になると勝手にパーティから離脱するが、そのたびに飛空艇で再度編成すれば何度でも敵を成仏させてくれる。

敵として現れ、「無差別憑依」という技で憑依してくる雑魚モンスター。
内容は対象の種族によって異なり、ヒューマンorメカの場合は装備の空き枠に強制装備、妖魔or半妖の場合は妖魔の武具に憑依、モンスターの場合は技欄のどれかを上書きする。
後者2つはただの迷惑だがヒューマンorメカが対象になった場合は純粋にアイテムをドロップしてくれたのと同義であり、装備から外せなくなるグリランドリー以外は一切のデメリットもなく付け外し自由。
しかしグリランドリーはヒューマンor妖魔or半妖が装備すれば全ステータスが上昇するという強力な効果があり、複数装備すればその分強くなれる。
だが妖魔は各種ステータスが成長せず積極的にグリランドリーを装備したい、メカはステータス上昇効果が働かないという事情があるため、それらを強化していくのであれば確率はかなり低いものの憑依させず倒してドロップを狙いたい。
ヒューマンにもステータスが高くなればなるほど成長しにくくなるという仕様があるため、極限まで強化するのであればしっかり成長するまで憑依させないようにしたい。

二振りの大剣を携えた竜骨の戦士。中盤から終盤にかけて現れる。
倒すと他の敵がいればその敵に「憑依」し、対象のHP全快+倍化&全能力が強化されるというトンデモ性能。
更に同じ種族が最大2体出現するパターンもあり、理想は憑依されないように同時に倒す事なのだが、高HP&STRのせいでそれもままならない事もしばしば。(特に大魔法が気軽に使えない中盤)
変態ロリコン魔術師はこいつ2体をお供に連れてくるという鬼畜編成でもって多くのヴァルキリーを苦しめた。

古代ニンジャの魂だが、現代人への憑依直後に自我が消える。
憑依目的は謎であり、そもそもソウルの側は宿主を選べないのではないかと思われる事例も報告されている。
なお、ニンジャスレイヤー(キャラクター)に憑依したナラク・ニンジャは自我が残るレアケースであり明確に上記「代行(忍殺)」目的であることを表明している。
他にもいくつかレアケースが確認されており、その中には宿主を「宿り奴隷」と表現した者もいる。もしかすると「憑依による復活」目的だが、それが果たせないだけかもしれない。

その他(特殊なケース)


「自らの肉体を媒体として霊体となった超人を憑依させ、人質にする」という変則的なケース。
キン肉マン戦では最初は動揺させて善戦したのだが、
他者への情などないサイコ野郎には全く通用しなかった。

雑魚敵に憑依し移動や攻撃を肩代わりしてもらう。
大抵はジャンプとか簡単な行動しかできずはしごも使えないが、使ってみるとなかなか楽しい能力。
おそらく憑依の中でもトップクラスに深い理由がなく、単純に攻撃目的100%という珍しいケース。

  • ブリックヴィンケル(Ever17)
三次元世界を観測している四次元的存在。いわば憑依しているプレイヤーを指している。
「倉成武」または「記憶喪失の少年」から物事を見て行動を選択している。
実際はプレイヤーキャラクターのような謎の存在が誰かに憑依している存在である。
意思も記憶も持っている「2017年の倉成武」は自分の意思かのように行動を選択していくが、「2034年の少年」はブリックヴィンケルそのものとなり自分を「2017年の少年」と思っているため鏡で自分の姿を見て錯乱してしまう。

平安時代に非業の死を遂げた天才棋士・藤原佐為が、千年の時を越えて現代の少年・進藤ヒカルに憑依する。
当初は佐為の碁に対する未練が魂を現世に固執させ、
それ故に碁の才能を秘めていたヒカルに憑依したのだと考えられていたが、
後にある出来事がきっかけで、自分の魂が千年もの時を永らえた本当の意味は全く別のところにあったと佐為自身が気付かされることとなった。

  • 乱崎凶華(狂乱家族日記)
「災厄の末裔」を集めて誕生した即席家族乱崎家の傍若無人な猫耳少女お母さん。
が、その正体は養女の一人であるクラゲ型宇宙生命体「月香」の「妹」にして災厄伝説の元の一つでもある「破壊神」SYGNUSSの体に、
魔界を追われ記憶喪失となった精神生命体「魔族」の女王ヴァネッサ=エルドラゴンが憑依したことで誕生した第3の人格だった(猫耳等がヴァネッサ要素)。
さすがに本人もこの事実を知った直後は自身の自己同一性の儚さに衝撃を受けたものの、家族がいたおかげですぐ立ち直り、後半では緊急時にSYGNUSSから離れ別の物体に憑依することもいとわぬ様になった。
またSYGNUSS人格ともなんやかんやでうまく付き合えるようになりむしろ凶華よりまともとも、外伝でヴァネッサの記憶・人格部分が「凶華」から分離する事を選んだため、無事凶華の存在は安定している。
ちなみに肉体的な意味での姉である義理の娘月香もまた、かつて彼女たちと共に過ごし逝った女性「泪雨夜」の残留思念を肉体に保存しており、弱体化した際生前の憎悪が蘇った泪雨夜に身体を乗っ取られた事がある。

  • ぼうれい武者(風来のシレンシリーズ)・ネオン系(チョコボの不思議なダンジョン2)
攻撃はせず逃げ回り、他の敵に憑依して対象のレベルを1段階上げる。
ぼうれい武者は鬼面武者を倒したしばらく後に発生して、ネオン系は瀕死になった時にこの行動を行う。
レベルが上がったモンスターは当然脅威度が増すが経験値も増すため、よく稼ぎに使われる。レベルが最大のモンスターに対しては効果がなくただ消滅するだけである。
ぼうれい武者は初代とGBまでは鬼面武者系全てで発生していたが、レベル2以降が追加されぼうれい武者系なってからは鬼面武者でのみ発生する。
またレベル2のぼうれい般若は攻撃を反射する能力を持っており、逃げ回らず普通に攻撃もしてくる上憑依もしない。

刑事「小林洋介」の中に存在した「多重人格」の一人であり、タイトルの「多重人格探偵」にあたる人物。
その正体はかつてある組織が人為的に複数の人格を元に構築した「プログラム人格」であり、中盤にてもう一人(?)のプログラム人格「西園伸二」が身体の主導権を握っていた際、ヒロインの一人伊園・アリワン・美和の手で伸二(小林)の身体から美和の心に雨宮が強制転移
しかし美和は彼の人格を維持し続けられないため、伸二の複製的存在であり部分的にだが雨宮人格を宿す器も持つ少年「西園弖虎」へと「雨宮一彦」は託され、直後伸二が小林の身体ごと射殺されたため弖虎の体に雨宮は宿ることに。
だが雨宮人格が宿ったものの主導権は弖虎にあり、かつ弖虎自身も少しづつ進む人格融合を恐れ薬物などで可能な限り雨宮を抑圧したため稀に雨宮の口調が出る程度だった。
狭義の憑依と言うには雨宮が主導して憑依してないので微妙なのだが、「人格を宿した」と言う意味では憑依かも知れない。
+ そして…
最終巻で弖虎人格がラスボスを倒すため、ラスボスの身体と運命を共にし、その直前弖虎人格が身体から離れたため雨宮人格が覚醒。結局弖虎の身体で、彼に宿った雨宮だけが生きることになった。
…ラスト頁では「弖虎の身体」が「伸二」とも「弖虎」とも取れる台詞を告げていたが、これは2人の影響を雨宮が受けていたのか、それともどちらかが復活したのかは不明。
ちなみにラスボス自体も長い時を身体を乗り換えて生きていた憑依人格だったのだが、最期の時宿主の人格が弖虎が切っ掛けで覚醒し自害を選び、身体を換えようにも周りにいたのが雨宮とおっさん刑事だけだったため弖虎共々巻き込まれ斃れる羽目に。

  • 千川つとむ(鉄腕バーディー)
良くも悪くも普通でちょっと直情的な地球に住む高校生。
…だったが、ある日宇宙から来た女性捜査官バーディー・シフォンの戦いに巻き込まれ重傷を負い、宇宙で身体が治療されるまでの間バーディーの身体に人格を移される事に
その際バーディーの身体につとむへの擬態能力も追加されたため表向きは普通に日常を過ごせているが、結果的に宇宙人の身体に地球人が憑いているウルトラマンの逆バージョンに。
ただ前例がほぼない実験的な措置だったためバーディーとつとむの人格融合の危険が作中で示されており、本編内ではつとむ人格でバーディーモードなんて事故が起こったり、つとむとバーディーの衝動がシンクロして暴走した事があったり。
なお都合3年以上もかかってつとむの身体自体は治ったが、色々なごたごたやバーディー&つとむの衝動的行動による宇宙規模の混乱により、結局本編中でつとむは元の身体に戻してもらえなかった…。

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最終更新:2023年12月05日 13:21

*1 目から涙を流す、憑依主の行動を妨げようとする等