イート・ザ・ミート(Seraphic Blue)

登録日:2018/08/25 Sat 18:16:30
更新日:2024/04/26 Fri 06:12:59
所要時間:約 9 分で読めます






「肉食え、肉!」



「イート・ザ・ミート」とは、フリーゲーム『Seraphic Blue』(セラフィックブルー)に登場するボスキャラクターである。

スクウェア・エニックス(旧スクウェア)の『SaGa』シリーズで戦闘勝利曲として流れる同名曲とは関係ない(名前の元ネタなのかもしれないが)。


概要


歓楽都市エンヴィの裏通りにあるスラム街「エンヴィ・ケイオス」(ケイオス)内のチンピラ組織「ミート一味」のボス。
ゲーム序盤が終わり、中盤の初めに差し掛かったころ(プレイ時間にして10時間程度)に戦う事になる。

「ミート一味」とは、作中の会話を見る限り、
ケイオスに流れてきた適当なカモを撲殺して人食(カニバリズム)する集団のようである。
事件終結後はモブの女性キャラが「いつも人肉臭くてたまらなかった」と苦言を呈しているなど、スラムの他の住民にもあまり好かれてはいない模様。

「頭は欠陥品、力は一級品」と形容されている通り、粗暴で知性は皆無に等しいが腕っ節は相当。
実際の戦闘内での評価については後述。

映画的なウィットも入りつつ全編を通してほぼほぼシリアスでまとまっており、
特にフリーゲームにありがちな素人然としたパロディ・ギャグ要素はほぼ皆無であるセラブルにおいて、
ひときわ異彩を放っているあからさまにギャグに走った敵である。
とは言いつつも、「スラム街のカニバリズム集団」という、余りに荒唐無稽で「ねーよw」という雰囲気を醸し出しつつ、
実際現実的に考えるとこういう倫理観の飛んだ世界では絶対起きなくも無さそうな設定は、セラブルらしいと言えばらしいのだが。
こんな日々の食事にも苦労するような場所じゃ肉食なんかまともに出来る訳がないし。


ストーリー


歓楽都市エンヴィにやってきたレイク達一行。
見聞を広げるためにエンヴィ・ケイオスを見学したいと言い出したお嬢様のミネルヴァに対し、
余りに危険で自分の腕力だけでは手に余るとボディーガード(?)のハウゼンは大反対。
何しろケイオスは無法が跋扈しており、1日帰ってこなければ死亡扱いが普通という危険地帯なのである。

押し問答を続ける二人にうんざりしてきたレイクが「俺が偵察して来る」と言いだし、
イーヴルスイーパーとして危険には慣れていると自負するレイクは「散歩のつもりで」ケイオスへと向かうのであった。

……が、程無く「よう兄ちゃん。見ない顔だな」とチンピラに絡まれてしまう。
時既に遅し、退路を他のチンピラに塞がれており逃げようとするが捕まってしまう。
レイクに向けてチンピラ共は組織名「ミート一味」で自己紹介する。
「何かと思えば、ゴロツキの格好した肉専門の美食サークルかよ」と皮肉るレイクを笑いつつ、ミート一味はボスを呼び出す。


「ボーーーーーーース!」
「一名入荷ですぜーーーーー!」
「ゲヘヘヘヘ!待ってたぜ!」






(出典:セラフィックブルー 作者:榊本祐 フリーゲーム:2004/05/15公開)

レイク「また濃いのが…」

やって来た「大ボス」ことイート・ザ・ミートは、ハート様を思わせるスキンヘッドの巨漢であった。
RPGツクールのデフォルメされた2.5等身歩行グラフィックではその巨体が表現できないためか、
バトルグラフィックを小型化してフィールド用グラフィックとして用いている(人間キャラではコイツだけ)。

一味の下っ端にさえ本人の目の前で「大デブ」と紹介されているように、自分の体型には全く引け目を感じていないようで、
レイクに対して「てめえ細っこいな!肉食え、肉!」
「男だったら俺みたいに! 分厚いハラのナイスガイ!」などと逆に太るよう勧める始末。
レイクが「ブタは屠殺場へ行け」「ブタが人間に成り損ねたか?」と皮肉を飛ばしても効果ゼロ。
「肉食え、肉!」「たらふく食え!」

カロリー消費がてらにレイクを肉塊<ハンバーグ>にしようと襲って来たイートと戦うことになる。
もう字面の意味がわからない

「レッツ! 撲殺<クッキング>!」


戦闘



クソ強い。

なんかネタキャラ臭い奴が出て来たからイベント戦闘みたいなもんかと思ったらのコレである。
人によっては「一番苦戦したボス」に挙げられるほど強い。

要因は主に3つ。

  • ①:1vs1戦闘である
そもそもパーティがレイク1人で戦わなければならないという状況が厳しい。
一応イートは見た目通りの脳筋キャラなので魔法防御力が低かったりするのだが、
レイクは剣士系なので何の助けにもならない。ついでに弱点の破属性もまともな攻撃手段がなくほぼ突けない。
見た目の割にそこまで鈍足でもなく、レイクよりちょっと遅いぐらいであるため、連続行動を狙うのも厳しい。

一応最序盤にレイクが1人旅している間にも2度ボス戦があったが、
そいつらはHPの1/5~1/3くらいを削る単調なダメージ攻撃しかしてこなかった。
こいつは「状態異常」や「1ターン溜めての強攻撃」、果てには「HPを1桁にする攻撃」まで持っている始末である。


  • ②:回復手段の乏しさ
1人戦闘なので、当然レイク1人で回復と攻撃を兼ねなければならない。
レイクの回復魔法スフィア装備レベルは2。
スフィアを装備しても回復魔法はほぼ最低ランクの「ヒール」しか使えないので、魔法での回復は選択肢から外れる。
そのためアイテムでの回復しかないのだが、この時点の単体回復は「Dヒールボトル・ハイ」の1000が最高。
次点は普通の「ヒールボトル・ハイ」の500である。
普通のレベルで来ていれば一発平均400~500ダメージ程度受けてしまうので、回復は「Dヒールボトル・ハイ」一択となる。
かなり運かレベルが強くない限りそれ以外はきつい。

……ということが分かっていればそこまで問題ないのだが、ここで問題がある。
「Dヒールボトル・ハイ」は店売りの「ヒールボトル・ハイ」2つを「アイテムエクステンド」(これも店売り)というシステムで合成して手に入る。
……のだが、ここまでは回復は回復役のヴェーネに回復魔法を撃たせるので十分であり、
この時点で「アイテムエクステンド」という機能をまともに知らないプレイヤーが結構多い。
一応メニューから普通に飛べる機能でマニュアルにも詳しく書いてあるが、それでも気付かないプレイヤーは少なくない。

戦闘不能を自動回復するスフィア「リヴァイバー」を付けておくと保険がきき、少し楽になる。
もっとも、リヴァイバーはこの時点で1個限定の非売品かつ隠しアイテム扱いの上に、見つけていたとしても回復役のヴェーネに付けてしまう場合も多い。
ヴェーネはこの時点で離ればなれになっておりレイクには付け替えられないので、結局付けられない…ともなりがちである。


このイベント中、歓楽都市エンヴィから出ることが出来ない。
表町に出て買い物やセーブは出来るが、戦闘ができないので、
レベルが低すぎたり金が尽きて、予備のセーブデータを持っておかないと最悪詰む。
一応ディレクターズカット版では話しかけると何度でも戦闘できるチンピラが配置され、この問題は解消。
とは言え、効率が悪いので持っているなら1つ前の村のセーブデータからやり直した方が恐らく早いが。

+ 使用技
  • 通常攻撃
一番弱い。外れることもあるので使ってくれればラッキー。

  • 体当たり
通常攻撃の次に弱い。外れることはないが使ってくれればラッキー。

  • 鉄拳制裁
普通のダメージ。

  • 喰いちぎる
若干痛いが回復してれば基本死なない。問題なし。

  • 腹肉圧死プレス
強制的にHPを1桁にする。特に使用頻度が低い訳ではなく普通に使ってくる。
こいつのお陰で回復のし過ぎは無駄。一撃死圏内近くに入ったら回復、で凌ぐことになる。

  • 口内悶死フレグランス
肉ばっか食ってるからか口臭がヤバいらしい。
ダメージは大したことないが、毒・病気・忘却・メランコリー(鬱)という食らいたくない状態のオンパレード。
TP(いわゆるMP)が減る忘却はまだマシな方で、残りの状態異常はこの状況では即回復レベル。
毒・病気は上の腹肉圧死プレスと被ると死亡確定。

  • 火酒を口に含む
このターン特に何もしない。
……しないが、「火酒(ウォッカ)」、同時に流れるイートの「ゲヘヘヘヘ!超ウェルダンにしてやるぜ!」というセリフを見て、
「あ、1ターン何もしないんだ、ラッキー!」と呑気にしていられるプレイヤーは少ないと思われる。

  • 大炎上焼死バーベキュー
上記「火酒を口に含む」の次のターンに必ず使用。
やっぱり肉はちゃんと焼かないとね!病気とかあるし!……ということなのか、焼かれる。
恐らくイートが口から吹いた火酒をブッ掛けられ火でブッシャーなのだろうが、既に前者の精神的ダメージがヤバい気がする。

2ターン掛けるだけあって威力は凄まじく、レベルや装備にもよるが無対策で直撃するとHP満タンでも死ねる。
このゲームには防御がノーマル(ダメージ半減)とハード(ダメージ1/4)の2種あるので、適宜それで耐えよう。
防御効果を1.5倍にする「アドヴァンスドガード」を付けていれば前者でもだいぶダメージは減る。
なお、火属性なので属性防御でもダメージを減らせるが、これ以外の技は違うので他の策を取った方がベター。



倒すと、
「何てこった!」
「この俺がッ! こんな若造にッ!」
「肉足りねえよ、肉!」
「うぉぉぉぉぉッ!」
とか断末魔を上げて死亡。

なお、勝利後にドロップアイテムとして「高級肉」(換金アイテム)が手に入る。
……こいつの肉? いや、こいつが食おうと思って取っていた肉だな。そうに違いない。
……そっちも人肉じゃねぇか。

とにかく、ボスを倒したため、ミート一味は壊滅。
これでケイオスを好きに通れるようになる


とでも思っていたのか?



ミート一味



ボスが負けたら散り散りになって退散する……と思われたミート一味だが、そうは問屋が卸さなかった。

ミート一味の掟、それはボスが倒された際の「人間狩り」である。
これはボスを倒した者を全員で追い回し、そいつを殺した者が次のボスになるというもの。
ということで、レイクの戦いはまだ終わらず、ここからミート一味の下っ端達との戦いが始まることになる。
幸い、流石に上記のボスから連戦ということは無く、一旦メニュー開閉(装備変更)とセーブはさせてもらえる。


ここからミート一味との連戦(計5戦、「ミート一味」2体→2体→2体→3体→3体)が始まるのだが、
こっちはこっちでクソ強い。

とにかく数の暴力で押してくる上に、素早さの関係で相手方が全員行動しきってからこっちのターンになることが殆どで、
2~3体の攻撃をとりあえず受け切らないと攻撃がほぼできない。
しかも火属性魔法「ファイアリィ」→発生した火エレメントを使っての「グリル・ファイアダンス」のコンボがかなり痛く、
レイクの成長具合によっては攻撃を諦めて回復に回ることも覚えなければならない。

最悪なのは「砂塵撃」でたまに付加される視野狭窄(いわゆる暗闇)の状態異常。
視野狭窄は命中率大幅ダウンに加え、物理固有技が使えなくなる効果まであるため、事実上自然回復まで防御・回復で凌がざるを得なくなる。

なお、こちらもセーブポイントから戻れないため、下手すると詰む。
ただ、こちらはイートを倒していることが前提であり、イートが倒せるレベルならクリア不能にはほぼならないと思われるが。
セーブポイントが近いので、危なくなったらリセットを繰り返すのもあり。



土地勘のあるミート一味に対し、初めてケイオスに来たレイク。
次第に奥に追い詰められていってしまい、しかもミート一味のゴロツキ共は倒してもまるで減る様子がない。
連戦に疲弊して後がなくなるレイク。
そのレイクに手を差し伸べたのは……



追記・修正は大デブ呼ばわりされても怒らない人にお願いします。

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最終更新:2024年04月26日 06:12
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