レオポンさんチーム(ガールズ&パンツァー)

登録日:2018/12/22 Sat 11:25:00
更新日:2024/03/24 Sun 21:23:32
所要時間:約 20 分で読めます





「コーナリングは任せて!」

「ドリフトドリフト!」

「戦車じゃ無理でしょー」

「ミューが低い場所でモーメントを利用すれば出来なくも無いけど……雨が降ればなお良いねー」


レオポンさんチームとは、アニメ『ガールズ&パンツァー』に登場する戦車道チームの一つ。

大洗女子学園に属し、使用戦車はVK4501(P)(ポルシェティーガー)
エンブレムは「正面を見つめるレオポン*1」。

◆概要

大洗女子学園自動車部のメンバーで構成されたチーム。そのため「自動車部チーム」などと呼ばれる事もある。
試合中以外は全員オレンジ色の繋ぎを着用しており、本編中に於いて制服を着ていたシーンは皆無である。

レオポンさんチームとして戦車道チームに加わったのは全国大会決勝である黒森峰との対戦の際からであるが、自動車部の存在自体は戦車道の授業が開始した時点から言及されている。
なお、本編中での出番自体はかなり少なく、自動車部メンバーやポルシェティーガーが画面に映っていたシーンは 全部集めても5分に満たない
しかしその実、大洗が全国大会優勝を果たしたのは 彼女らが居たお陰 と言っても過言ではない。
それどころか、大洗は 戦車道を始める事さえ叶わなかった可能性が高かった のである。
戦車道なんて始めなくても自動車部に功績を挙げさせた方が早いのではないか

◆メンバー

各メンバーの名前と性格・通称は、何れも著名なレーサーが元ネタとなっている。
名字は日本の男性レーサー、名前は世界中の女性レーサーから取られている。また出身地も有名なサーキットがある町である。
学年は、ツチヤのみが2年生*2で他の3人は全員3年生である。
特筆すべきこととして、3~4人集まると必ず一人は巨乳キャラが混ざるガルパンに於いては極めて異例な事に、 明らかに巨乳なキャラが一人も居ない という珍しい集団である。
だが、公式二次創作ともいえる『もっとらぶらぶ作戦です!』や、ファンアートの影響を受けたのか、ホシノは公式の方でも巨乳化が進んでる様にも見受けられる。

ナカジマ(中嶋 麗羅(なかじま れら)

CV:山本希望(アンツィオ高校のアマレットを兼役)
ポジション:車長兼通信手。

出身地は鈴鹿サーキットのある三重県鈴鹿市。
146cmという全キャラ中でも特に小柄な体躯と外ハネの付いた短髪が特徴的。
『月刊戦車道』のインタビュー記事でのみ一人称が「ボク」であったが、それ以外では基本「私」である。
雨天時の外出を好み、「雨はナカジマ」と通称される。
全国大会では走行中に調子が悪化したポルシェティーガーのエンジンを 走行させたまま修理する という恐るべき離れ業を披露。
その際何故か赤ちゃん言葉になっており、彼女にバブみを感じる視聴者が続出した。
なお「通電させながら電気工事する」「防火服無しで火災現場に突入する」のと同等の危険行為なので 絶対に真似してはいけない

元ネタは雨天でのレースを得意とする事から「雨の中嶋」の異名を持つF1レーサーの中嶋悟氏と思われる。
因みに劇場版ではEPSで猛加速するポルシェティーガーを指して「行け! 超音速の貴公子!」と叫んでいたが、
これの元ネタは「音速の貴公子」の異名を持つF1レーサーのアイルトン・セナ氏と思われる。氏は中嶋氏のチームメイトであった。

初登場回のスタッフロールや初期の資料では本名は「中嶋 悟子」となっていたが、
これは企画段階の名前であり、最終章第三話にて正式に「麗羅」という名前が与えられた。
苗字と初期設定の名前の元ネタは中嶋悟。現在の名前の元ネタはイタリアの女性F1ドライバー、レラ・ロンバルディ。

ホシノ(星野 慶子(ほしの けいこ)

CV:金元寿子(カチューシャと兼役)
ポジション:砲手*3

出身地は筑波サーキットのある茨城県下妻市。レオポンさんチーム唯一の茨城県内の出身者である。
釣り目と常に繋ぎの上を腰に巻いたタンクトップ姿なのが特徴。
そのセクシーな格好故に、ファンアートではグラマーな体形で描かれる事が多い。
弐尉マルコ氏による作品「もっとらぶらぶ作戦です!」では柚子やノンナ程では無い物の華や桃と同程度の巨乳キャラクターとして描かれている*4
また、それと同時に無防備属性の持ち主として描写される事も多いが、元アニメでそこまでの描写は無い。
某イラスト掲示板ではレオポンチームのR-18率を高くしているのも彼女である。
最終章では季節が冬という事もあり、他のキャラが冬用のコートを着込む中で 一人半袖Tシャツ姿 だった。
雪のちらつく中で流石にタンクトップは寒かったのだろうが、見た目には半袖Tシャツでも十分寒々しい。暑がりなんだろうか?
「大洗一速い女」の異名を持つとされるが、戦車でのポジションが砲手なのは誰もが一度は「あれ?」と思うだろう。
本編は勿論、各種番外編を含め彼女が戦車・自動車を運転しているシーンは滅多に無い。
『戦車道のススメ』でウサギさんチームを乗せた事がある程度で、この時も普通に安全運転でファミレスから学校まで帰っただけの事である。
大洗一と称される速さが披露される機会はあるのだろうか……。
なお『ススメ』ではココアシガレットを本物のタバコの様な取り出し方で食べるという妙な一面が描かれている。
クールかつワイルドな外見と相俟ってやけに様になっていた。

元ネタは「日本一速い男」の異名を持つレーサーの星野一義氏と思われる。
下の名前はの元ネタは日本人女性レーシングドライバー・井原慶子氏か。

スズキ(鈴木 真莉阿(すずき まりあ))

CV:石原舞(オレンジペコと兼役)
ポジション:装填手。

出身地は富士スピードウェイのある静岡県駿東郡小山町。
短髪と褐色肌が特徴。
また身長168cmと長身で、これはバレー部の河西忍に次いで大洗中二番目、判明している中でのガルパン全キャラの中でもトップクラスの高身長である。
将来の夢は戦車道チームのオーナーとの事。これまた判明している限りでは大洗で戦車道が復活する前から戦車に関係があったのはみほと優花里と彼女のみである。
装填手というポジション柄試合中はあまり目立たないが、
大洗、延いては戦車道に投入可能な戦車の中でも屈指の巨砲である88mmの砲弾を淀みなく取り扱っている事から、体力はかなり高い方と推測される。

元ネタはF1レーサーの鈴木亜久里氏と思われる。浅黒い肌やレースチームのオーナーという点で彼に通じる。
ちなみに下の名前マリアの由来だが…女性レーサーの「マリア」は何人かいるのでいまいち不明である。

カバさんチームのカエサルも本名は鈴木だが、基本的に作中でもファンの間でも向こうはソウルネームで呼ばれているので混合されることは少ない。

ツチヤ(土屋 夢屯(つちや むうとん))

CV:喜多村英梨ダージリン、王大河と兼役)
ポジション:操縦手。

出身地はツインリンクもてぎのある栃木県芳賀郡茂木町。
糸目とそばかすが特徴。
糸目である事を抜きにしても常にニコニコしている。
身長は150cmとナカジマに次いで小柄。
自動車部で唯一の2年生(1年生とする資料もある)。3年生の卒業後の自動車部の未来は彼女の双肩にかかっている状況である。
彼女だけ学年が下だが他のメンバーとは対等の口を利いており、その事について咎められている様子はない。他の自動車部メンバーは「○○先輩」と呼んでいる。
ドリンクバーとドリフト走行が大好きで、毎週金曜日のドリンクバーをこよなく愛する事から「ドリキン(ドリンクバー・キンヨウビ)」の異名を持つ。
お陰で番外編や二次創作物ではドリンクバーで訳の分からないカクテルを作るキャラにされがち。

戦車道を始めた当初から戦車でドリフトを行う事を画策していたが、後に大会決勝であんこうチームがドリフトを決めた事からそのドリフト熱は部員全員に波及、
劇場版で遂にポルシェティーガーによるドリフト走行を果たした。
整備は行っていたとはいえ戦車に乗り始めてまだ日が浅いにも関わらず、極めて扱い辛いポルシェティーガーを手足の様に操り、
石橋を落とすといった小技や完璧な「昼飯の角度」を決めたり、挙句に戦車でドリフト走行を行うなどの実績から、
全キャラでも屈指の能力を持つ操縦手と言って差し支えないだろう。
因みに、演技の方針が定まっていなかったのかTV第10話はそれ以降に比べてやけに声が低かった。

元ネタは「ドリフトキング(ドリキン)」の異名を持つレーサーの土屋圭市氏と思われる。
Twitter上でのコメントから、土屋氏も彼女の事を認識している様である。

最終章で明かされた本名がすごく特徴的であるが、おそらく元ネタは世界ラリー選手権(WRC)を女性で初優勝した元女性ラリードライバー「ミシェル・ムートン」。

◆劇中での活躍

第1話~第7話

前述の通り、この間は存在が示唆されているだけで全く劇中に登場しなかったが、画面外にて戦車の整備・改修を一手に担っている*5事が諸所の台詞でうかがえる。
しかし大洗の戦車は発見時点で何れも 20年間に渡って全くの無整備 であり、中には 雨晒しだったもの
果ては 完全に水没していたもの も含まれているのだが、
彼女らはその様なスクラップ同然の戦車を一晩で、たった4人の人員で稼働可能な状態に仕上げたのである。
しかも最終的に大洗の戦車は8輌に増えたが、車種は勿論、国籍すら統一されておらず、
その内訳はドイツ車が3輌、チェコ車が1輌、アメリカ車が1輌、日本車が2輌、フランス車が1輌……と、規格から何までかなり広くバラけていると見られる。
1輌ごとに方法も使用機材も異なる整備を4人で行う という地獄の様な作業をずっと続けて来た訳であり、それでいて稼働率100%を叩き出していたのである。
彼女らの脅威的を通り越した 異常な整備能力 があったからこそ、大洗は大会優勝を果たすことができたと言っても過言ではない。

なお、『朝まで戦車道』では「レギュレーションを無視して良いのであればティーガーIで高級セダンの居住性とスポーツカーのハンドリングを提供できる」と豪語している。
彼女らの能力を考えればあながち冗談でもないだろう。
またあるドラマCDでは一人につき1輌で作業しているかの様な描写がされていた。

第8話

ようやく本編に初登場。
新たに発見されたIV号戦車用の長砲身を装備させたついでにIV号F2型に準じた改造を施した旨をナカジマが説明した。
この際、台詞こそ無いもののツチヤ、スズキ(後ろ姿)、ホシノ(膝から下のみ)も登場している。
後に彼女らが乗るポルシェティーガーも長砲身や後に風紀委員チームが搭乗するルノーB1bisと同時に発見されていたのだが、
発見箇所が船底部という事もあってサルベージ作業自体も難航、それによってレストアが間に合わなかったためプラウダ戦には参加できなかった。

第10話

黒森峰戦前。
ようやくポルシェティーガーの整備が完了、
試験走行を行うも 泥沼に嵌って立ち往生し、そのままエンジンが出火して行動不能になる という強烈なデビューを飾った。
杏会長はこの有様を見て 「戦車と呼びたくない戦車だねぇ」 と苦笑いしていた。
その後他の自動車部メンバーも登場、ドリフト走行させようとするツチヤに呼応して他の面々も「如何にすればポルシェティーガーをドリフトさせられるか」を、
専門用語山盛りで真面目に考察し始め、様子を見ていたみほを圧倒した。
それに前後してIV号に更なる改造を施してIV号H型仕様に仕上げた他、新たに発見された三式中戦車の整備も行っていた。
試合前夜にも遅くまで残ってポルシェティーガーの整備を続行、ホシノの買って来たカツカレー弁当*6を夕食とした。

決勝戦では序盤、もくもく作戦によって黒森峰の目を晦ましている間に他の戦車とワイヤーで連結、
低い登坂能力を補う事で黒森峰の想定以上の速さで台地の上を確保した。
台地からの撤収時には先頭を走り、黒森峰からの砲撃の盾となって強行突破を助けた。
その後の市街地への撤退の際にエンジンの調子が悪化するが、ナカジマが 走行させたまま整備を行い 撤退を続行、
更にわざと乱暴な走り方をしてルート上の石橋を落とし黒森峰の追撃を大幅に遅らせる事に成功*7、これにはさしものみほ達あんこうチームも唖然としていた。
市街地到着後にマウスの撃破に少々時間を取られた大洗が、その上でまだふらふら作戦を展開する時間があったのは、
橋を落とした事で黒森峰の追撃を遅れさせていたためと見られている。
ふらふら作戦中はあんこうチームとは別ルートでHS地点(フラッグ車同士の最終決戦の舞台となる廃校跡)へ移動、
あんこうチームとまほの乗るティーガーIが校内に侵入した直後、他の黒森峰戦車の侵入を阻むべく、唯一の出入り口をその身で以って封じる役割を担う。
その後集結した黒森峰の重戦車軍団から集中砲撃を浴び撃破されるもそれまでに3輌の戦車を撃破し、
更に撃破されてなお出入り口に居座り続ける事で黒森峰の侵入を最後まで阻止、弁慶の立ち往生の如き大立ち回りを演じた。
脚本段階ではマウスに随伴していたIII号戦車を撃破したのもレオポンさんチームだったとされ*8
この設定が生きていれば黒森峰戦での撃破スコアは4輌という事になり、これは判明している限り1試合中での撃破数としてはノンナ、ナオミすら抜き、
第63回全国大会では最高成績である*9
初陣にしてこれだけの大戦果を上げられたのは、やはり自動車部として車輌の取り扱いに慣れていたためであろう。
この後は徹夜で大洗戦車を整備したらしく、 一晩で8輌の大洗戦車を自走可能な状態まで修復した
しかも「とりあえず自走可能に」とは言っていたがその実、被弾箇所なども綺麗に修復されており、吹き飛んだIV号H型のシュルツェン以外はほぼ元通りになっていた。

もっとらぶらぶ作戦です!

相変わらず裏方担当が多いが、登場時の活躍は本編に匹敵するかそれ以上。
上記の通りホシノはお色気担当と化しており、暑さ対策と称してタンクトップを脱いで上半身が裸体の状態になった事もある。

OVA

これが本当のアンツィオ戦です!

船底からのポルシェティーガーの引き揚げ作業を行っており、天井に穴を空けたor吹き抜け部分まで移動させた上でクレーンで引き上げている様子が描かれた。
またこの際、引き揚げた戦車(=ポルシェティーガー)が相当マニアな品だった事に目を付けナカジマが興味を示し、レストア完了後の乗員として名乗りを上げていた。
なお画面には全員が映ってはいたが、台詞があったのはナカジマのみ。

エンカイ・ウォー

祝勝会では手品を披露していた。
最後には無断で拝借したバレー部の八九式をポルシェティーガーに変身させるという手品を行ったが、目隠しの後ろでは 謎の機械音や金属音 が響き渡っていた。
あまりにあんまりな扱いに八九式への多大な愛着を持つバレー部から猛抗議を受けるハメになった。
因みに、タネは八九式の前にポルシェティーガーのハリボテを置いただけであった。 尚更何の作業音だったというのか。
しかもよく見ると、ハリボテの向こう側に八九式のキューポラがちょっと見えている。自動車部にしては珍しくかなり雑な仕事であった。
なおこのシーンは極めて貴重な 自動車部が戦車とも自動車とも無関係な事をしている シーンである。
この事は自動車以外のネタが希薄な上に出番も少ない自動車部の貴重な個性として扱われており、
アプリゲーム『戦車道大作戦』では 自動車部は全員手品も得意 という設定で登場した*10

愛里寿・ウォー

センチュリオンのドライビングテクニックを歴女チームの如く様々なレーサーに例えていた。
愛里寿は車長なのでドライビングテクニックは関係ないのだが。
また学校をアピールする方法として「二十四時間耐久戦車レース」を提案したが、敢え無く却下される。

愛里寿との対面時には、劇場版にも登場したソアラらしき車を紹介。
改造箇所についていろいろと説明していたが、もしそれが本当でこの車がソアラだとすれば 常識的に考えてありえない改造を施した 事になる*11
自動車部の驚異のメカニズムの賜物であろう。

劇場版

音響がパワーアップした事を受け、ポルシェティーガーも画面に近付くと独特のモーター音が聞こえる様になった。
エキシビションでは撤退戦が主だった事もあり、動き回るより一ヶ所にじっとして相手チームを迎撃しているシーンが多く、
ゴルフ場や大洗町役場(OY防衛線)でのプラウダ戦車迎撃の際には陣頭指揮を執っていた。
プラウダ戦力増大に伴って防衛線を放棄し後退を始めた矢先に、おそらくはプラウダ戦車の集中砲火によって撃破された*12
撃破されるまでに最低1輌は撃破した可能性がある。
なおOY防衛線を構築していたポルシェティーガー以外の戦車は撤退に成功しているため、
上記の損傷の激しさと相俟って他の戦車を逃がす為に殿として居残ったのだと思われる。

その後、TV本編では見る事がなかった 自動車部の入浴シーンが遂に描かれた
小説版ではこんな時にも何かのレストア作業の状況について話し合っており、脇で見ていた沙織を呆れさせていた。
学園艦からの退去を命じられた後は「走り納め」としてトヨタ・ソアラと見られる車で艦内を走り回っていた。
ここでも運転手はツチヤ。大洗一速いと謳われるホシノは後部座席であった。
廃小学校での待機中には罰当たりにも磯前神社の境内でポルシェティーガーを走らせており、ドライビングテクニックの修練を積んでいた。
またこの間にルールブックを隈なくチェックし、「ルール上、エンジンには規定が存在するが、モーターには無い*13」事を発見、
最新の高性能なモーターに換装した上に後述する「EPS」を組み込んだ。

大学選抜との試合では、大洗連合としては貴重なM26パーシングを遠距離から撃破可能な火力を活かして多数の戦果を上げる。
そして 遂にポルシェティーガーでのドリフト走行を実現 、ドリフトからM26に奇襲を仕掛け撃破に成功したシーンも存在する。
ドラマCDではツチヤのみならず自動車部全員がポルシェティーガーでのドリフト走行実現に向けて燃えている様子が描かれており、*14
「履帯が千切れても構わないならドリフトも可能であるが、それではあんこうチームを超えた事にはならない」として、
ドリフト走行を実現し尚且つ履帯の断裂を回避するために様々な工夫を凝らしており、
結局そのドラマCD内では履帯を破損させないドリフト走行は出来ず終いだったのだが、努力が遂に結実したと言える。
因みにあんこうチームのIV号の他にBT-42やローズヒップのクルセイダー、三副官のパーシングなども履帯の断裂なしでドリフト走行しているシーンがあるが、
ポルシェティーガーの足回りはこれらよりも貧弱な上に重量も20~30t以上重いため、これらより難易度は遥かに高いと考えられる。

最終盤ではエリカのティーガーII、カチューシャのT-34と共に三副官を追撃、
遥か遠方のパーシング3輌に追い付くために最後の切り札の EPSスイッチ *15を発動、
スリップストリームを利用した高速走行でティーガーII、T-34と共に三副官に肉薄した直後にエンジンが出火、ここで脱落となった。
この戦闘によりエリカとカチューシャの戦車も撃破されるが引き換えにルミを撃破、バミューダアタックを封じる事に成功した。
直前のシーンを見ても分かる通り三副官の連携は極めて強力であり、愛里寿と三副官全員の合流を阻止できた事こそが大洗連合の勝因とする声も少なくない。
この推測が正しければレオポンさんチームの自滅は決して犬死にではなく、むしろ大洗連合勝利の遠因とさえ考えられる。
なお白旗が上がった際のナカジマの台詞からしてレオポンさんチームとしては捨て石になろうとした訳ではなく、そのまま一緒に戦うつもりだった様である。
因みに、大洗女子学園の戦車の内愛里寿のセンチュリオンによって撃破されていないのはレオポンさんチームとカバさんチームのみである。
単独戦果はパーシング2輌、最後のルミ車を含めるならプラス共同戦果1輌であった。
エンディングで大洗へ帰還するさんふらわの船内の様子が描かれた際もやはり車輌甲板で戦車の整備を行っていた*16

最終章

第1話

オープニング映像では雨の山道でカーブをドリフトしながら走るシーンが描かれている。
最早ポルシェティーガーでのドリフト走行は完璧にマスターした様である。

冬場になった事で他のチームが衣替えする中、彼女らはいつもの作業着のまま(ホシノはタンクトップからTシャツに変更)であった。
因みに、桃の志望校が戦車道のAO入試を受け付けている事に気付いたのはホシノである。
中盤は新たに加わったマークIVを、何故か美味しい匂いがする事を疑問に思いつつもノリノリで整備していた。

試合開始直後は偵察車として本隊から分離、安藤隊の動向を探っていたアヒルさんチームに対してこちらは押田隊を追う。
後にBC自由の策略が発動した事により大洗本隊が囲まれた事を受けて偵察を中断、
殿としてポルシェティーガーを足止めしていたARL-44一輌を、劇場版に引き続き健在であったEPSによる猛加速で振り切り、本隊の許に駆け付ける。
EPSは劇場版での反省か使用時間は5秒に限られたが、そのお陰か今回は使用後も火を噴く事無く戦闘を続行した。
この際重戦車にあるまじき異常な加速力を発揮したが、有志の検証によると 160km/h=BT-42やクルセイダーの最高速度の約4倍 が出ていたという。
舗装路、かつ瞬間的とはいえ化け物染みたスピードと言わざるを得ない。なお現用戦車の最高速度は舗装路で80km/h前後である。

その後は橋で追い詰められた大洗本隊を砲撃するBC自由チームの背後から接近、攻撃を仕掛け、BC自由チームを撤退させた後に大洗本隊と合流する。

第2話

本隊と合流後、カモさんチームによる離間計に際しては、
ウサギさんチームと共にBC自由チームの目を引き付けつつ敵戦車の位置を確認する役を担う。
この際、左右の履帯を少しずつ動かす事で昼飯の角度(おひるごはん)」を維持しつつ前進するという挙動を行う。
車体を斜めに向けたまま前進という無茶な支持にツチヤも一瞬面食らうも、具体的な操縦方法をナカジマに教わってからはすぐに実現してみせた。

カモさんチームが撃破されボカージュでの混戦になってからは、その火力で重装甲なARL-44を2輌、更に安藤のソミュアS35を撃破する活躍を見せる。
最終的に逃げ回るマリーのルノーFTをあんこうチームと共に包囲、そのどちらかの発砲により撃破し試合終了、
(描かれている限り)レオポンさんチーム4戦目にして初の「最後まで生存していた試合」となった。

なお、この試合でナカジマは偵察に当たり狙撃銃のスコープバイク用サイドミラーを金属棒に針金で固定したものを使用していた。
バイクのミラーはともかく何故スコープ……?

単独戦果は3(4?)輌であった。

知波単戦では常に本隊と共に行動、重戦車故に雨でぬかるむ森の中を走る苦労を語るも、
全く不調な様子は見えず、終ぞぬかるみに足を取られる様なシーンは描かれなかった。流石のドライビングテクニックである。
台地へ向けて移動する道中に沼に嵌ったルノーB1を牽引しようとするも上手く行かず、EPSまで使用するが結局B1の沼からの脱出はIV号の力を借りる事となった。

その後の池を背にしての戦闘時、接近して来た知波単戦車からフラッグ車を庇う為に前に出るも、
知波単の策にまんまと嵌められた格好となり、履帯を損傷させられ行動不能に陥ってしまう。
この際の台詞から、如何に自動車部といえども砲弾を浴びせられながら6秒以内の履帯修理や、履帯を損傷した状態での行動は不可能な様子。可能でたまるか!
その後知波単の突撃を受け、更にフラッグ車を狙うと見せかけたフェイントにより攻撃を捌き切れずエンジン部に被弾、撃破された。
これまで安定して戦果を挙げていた自動車部にとって初の、戦果ゼロでのリタイアであった。

第3話

前半は前話で既に撃破されていた知波単戦、後半は他校の試合の様子と試合開始直後の大洗vs継続戦だったため、出番はほとんど無し。
活躍は第4話に期待しよう。

ドラマCD

寄港中は陸の自動車整備工場で大人の男性作業員に混ざって作業の手伝いをしている事が判明した。
プロの大人からしてもやはり彼女らの能力は規格外らしく、彼女らが居ると 作業が5倍捗る という。
お礼としてオイルやグリス類の現物支給を受けており、しかも1度に全て運び込めない程大量にストックがあるため、
戦車の整備にも自動車部としての活動にも苦労はしていないらしい。
また、同時に戦車の部品は 旋盤加工で自作している 事が判明した。
劇場版から最終章までの間を描いた作品では杏らが卒業した後の生徒会にツチヤが立候補、
人数不足からアリクイさんチームとの連立政権樹立を目指す。
ツチヤは会長就任の暁には「自車通学義務化」「毎週学園艦GP開催」「 ナカジマ・ホシノ・スズキを留年させてもう1年一緒に自動車部 」を画策していた。
宣伝中は 選挙カーで校庭に侵入しドリフト走行を行う といういつも通りっぷりを披露、桃から怒られる事になる。
結果として得票数は僅か7票、ワースト3位であった。

リボンの武者

彼女たちのチート染みた修理、整理能力は普通の少女達から見てもえげつないらしく、作中では他の大洗チーム共々伝説のような扱いをされていた。
…だが豆戦車が主流のタンカスロンにおいてポルシェティーガーはオーバースペックということか戦車戦は行わなかった。

◆使用戦車

車種はVK4501(P)。ポルシェティーガーの俗称を持ち、自動車部の面々はこれを レオポン の愛称で呼んでいる。
発見時に描かれていた番号は弐。エンブレムは砲塔側面に描かれている。

ドイツ軍の試作戦車で、フェルディナント・ポルシェ博士の作。
後のティーガーIとなるヘンシェル社案とVI号戦車の座を争った重戦車である。
最大の特徴はガス・エレクトリック駆動と呼ばれる特殊な機構を有する点。
これは「ガソリンエンジンで発電機を稼働させ、その発電機で生み出された電力でモーターを稼働させ、駆動輪を回す」というもので、
流入電力の大小だけで回転数やパワーを調整できるため、変速機が不要になるという長所を持つ。
本車のような重量50tにも上る重戦車を稼働させる為に必要な変速機はかなりの重量を要する上に機構も複雑になる(=整備性が悪化する)ため、
「変速機が不要」という利点はかなり大きかったのである。
その思想自体は理に適っていたのだが、技術不足によりエンジンやモーターのパワーが余りに非力であった事、
しかもエンジン・モーター共に頻繁に故障する上に戦略物質である銅を大量に消費する事、また稼働に際して発生する電磁波が通信に悪影響を及ぼす事、
50t超という重量と採用された特殊なサスペンションの相性が非常に悪く、足回りが貧弱だった事……などが災いし、
結果「火力と装甲は良いとしても、整備性も生産性も悪く まともに走らせる事すら困難 な戦車」として出来上がってしまったのである。
当然ティーガーIの座はヘンシェル社案に軍配が上がり、あえなく不採用となってしまった。
前述の通り設計思想自体は間違っておらず、技術が思想に追い付いていなかったポルシェティーガーは生まれる時代が早過ぎたのである。

……しかしポルシェ社は正式採用を見込んで 100輌分も予備パーツを生産してしまっていた *17ため、最終的に10輌が生産され、
数両が実戦投入、残りは訓練用に使用された他、後の90両分のパーツは「エレファント重駆逐戦車」の車体としてリサイクルされたのであった。

大洗に於いては、この扱いの難しさを 自動車部の超人的整備技能で強引に手懐けて 運用している状況である。
火力・装甲共に貧弱な大洗にとって、本車の持つ88mm砲の火力と前面100mmの装甲は垂涎ものであり、
ライバル校の強力な戦車を遠距離から撃破可能、かつ他の戦車の盾となれる貴重な戦力として信頼を集めている。
また上記の通り生産数僅か10両という、何気にかなりのレア戦車だったりする。どっちかって言えばカスレアかもしれないが

劇場版ではルールの隙を突いて更なる改造を施し、
EPSと呼ばれる機構により極短時間に限り凄まじいスピードを発揮する事が可能になった。
但し連続で長時間使用し続けるとエンジンが火を噴き走行不能となるリスクを負う。
最終章第一話に於けるナカジマの言では安全に使用できる限界時間は5秒以下の様だ。
因みにEPSスイッチの隣には STEALTH VTOL と書かれたトグルスイッチも確認できるが、使用するとどうなるのかは不明。
ステルス垂直離着陸戦車……?

総じて、全国大会決勝戦からという遅い参戦ながらそれ以降は大洗の主力として広く活躍している。
ポルシェ博士も草葉の陰で泣いて喜んでいる事だろう。

◆余談

EMS-10ヅダとそのパイロットであるデュバル少佐との関連性が見出される事がある。
次世代主力の座を争って敗北した過去を持つ試作兵器、スピードを出し過ぎると自爆する危険がある、仲間の為に無理をして自らを犠牲にする形で脱落……
といった点で通じる。

大洗町の 豊年屋機工部 にはツチヤのパネルが設置されている。
店内にはツチヤを始めとした自動車部グッズが沢山飾られており、またレオポンさんチーム仕様の軍手も販売されている。








追記修正は自動車を整備しながらお願いします。


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最終更新:2024年03月24日 21:23

*1 ただし実物のレオポンが全身ヒョウ柄なのに対して、レオポンさんチームのエンブレムは首から下のみヒョウ柄である。

*2 資料によっては1年生とも。

*3 初期の資料では装填手となっていたが、後に修正された。スズキと混同されていたと見られる

*4 14巻のスパイ大作戦では完全に巨乳キャラとして分類され、他の大洗チーム巨乳女子達と一緒に青師団高校制服を着用している。

*5 発見直後の掃除や練習試合前後の塗り替えなど、各チーム毎で独自に行われていたものもある。また砲身の掃除や履帯の点検などの簡単な整備程度は各チームの搭乗員が行う事もある様である。

*6 ココ壱番屋のカツカレーと推測される

*7 みほの反応からして橋を落とす事は本来の作戦には無く、レオポンさんチームのアドリブである可能性が高い。

*8 劇中では発砲車輌が描かれていないため不明。

*9 アンツィオ戦に於けるアヒルさんチームも4輌であるため、アヒルさんチームと並んでの同率一位である。

*10 但し実際にはホシノとツチヤしか手品をしている様子は無い

*11 ツチヤ曰く、「ボアアップ(シリンダーの内壁を削る等して排気量を増加させる改造)により排気量を3Lから5Lに増加させた」との事だが、実際にはボアアップだけで2Lも増加させるのはまず不可能。例えばバイクなら数十cc程度の増加が精々である。Z20ソアラということでベースエンジンは7Mだと思われるが、1mmアップのボア84mm×ストローク91mmで3.1L辺りが限界

*12 最後に無事な姿が描かれていたのがIS-2の照準器に捉えられていた様子であったためノンナに倒された様にも見えるが、IS-2一輌に倒されたにしては損傷が激しく、また左右両面の側面装甲が傷付いていた事から。

*13 戦車道のルールでは基本的に1945年8月15日以前に搭載されていた、ないし搭載予定だった機材しか使用不可能と定められている

*14 曰く「あんこうチームにできて自動車部にできない訳はないし、やらない訳には行かない」との事。

*15 F1カーのERSが元ネタと思われる。ERSは回生ブレーキ(ブレーキによって発電機を駆動する仕組み)の要領でバッテリーを充電、その電力でモーターを駆動させる機能

*16 実際のさんふらわは航行中に車輌甲板に入るのは不可能である

*17 自社案が採用されると確信したポルシェ社が勇み足を踏んだ……という訳ではなく、正式採用されたら即座に量産を開始できるように、予備パーツを多めに生産しておくようにと予め指示されていた。