SCP-001 > ザ・グレート・ヒッポの提言(feat. ペッパーズゴースト)

登録日:2019/03/26 Tue 14:57:56
更新日:2024/04/26 Fri 21:26:09
所要時間:約 10 分で読めます




注記: 以下のファイルは歴史的資料としてのみの掲載です。

当ファイルはロックされ、アーカイブされています。内部に含まれる情報は不正確であるか、最近の利用可能なデータを反映していない可能性があります。

当ファイルの編集を希望する、またはそのステータスに関する質問がある場合は、記録・情報保安管理局(RAISA)まで連絡するか、あなたのIntSCPFNサーバー管理者までEメールを送ってください。

— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ




ザ・グレート・ヒッポの提言(feat. ペッパーズゴースト)とは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクトの1つであり、SCP-001に関する提言枠。ペッパーズゴースト氏との共著である。
オブジェクトクラスはExplained

なので、実際のアイテムナンバーはSCP-001-EXであり、EXオブジェクトのリストにもこのナンバーで記載されているが、ここではあくまでもSCP-001のページに記載されている提言、という枠で取り扱う。

概要

特別収容プロトコルに従い、サイト-5の電源と常時接続されているコイツは、1955年に財団が構築したERZATZタイプAK9計算エンジンである。
型番の「AK9」は「AI K9」の略で、K9(ケーナイン)は"canine(犬の)"の音を当てはめたものであり、「犬のようなコンピュータ」となる。

既知のオブジェクトの所在と特性から導かれた1000以上の収容プロトコル草案を含む訓練データセットに依拠する多層パーセプトロン……つまりは過去のデータを参考に、様々な角度からの検証を行い、未発見の異常存在の所在と、その特性に関する予測分析をするデジタル汎用コンピュータで、プロメテウス研究所が関わっているらしいこのSCP-001から出力される文章は(ちょいと頭を使えばわかる程度だが)比喩的な文面になっている。

よくわからないのならオブジェクトを探すためのデータセットによる訓練を受けたAIと覚えてくれれば十分だ。

1959年「予測文の生成を介したEuclid、Keterクラスの収容プロトコル強化の補助に使えるのでは?」という仮説が立つ。
実際にSCP-001が提示するプロトコル*1を実施すると、対象オブジェクトのみならず、なぜか無関係のオブジェクトの収容違反をぐっと抑えることに成功。改訂によって異常性消滅につながったケースも多かった。

自らを犬と定義するこの人工知能の草案で収容が確実になるのは嬉しいが、確保・収容・保護を理念とする財団にとって異常性がなくなるのはいただけない。

注意


この節以後は「ERZATZタイプAK9」と呼ぶことにする。


活躍

ここからは、ERZATZタイプAK9によるプロトコル改定案と、それに対するO5評議会の反応を追っていく。

ERZATZタイプAK9が「出力」した文章をO5が読み解き、その内容を「提言」として議題に上げ、実施するか否かを議論。
参加者の半分より上の賛成が得られれば可決される。


お菓子に擬態し、食べた生物の胃袋に寄生する異常なクマムシSCP-1773「ビリビリグミ」の改定案。
出力:第二週ごとに一度、廊下のより美しい機能を寄付するために、埃を彼らの中央に配置しても構わない。
O5-01の提言:SCP-1773の収容プロトコルを、10グラムの埃を2週間おきに容器に入れることを含めるように改正する。

賛成:04、05、06、07、08、09、10、11、12
反対:02
棄権:01、03、13
結果:承認
このプロトコルを実施した結果、1773自体には変化はなかったが、SCP-1384「順番で動く者」(不明なルールに従ってのみ動き、収容からの脱出を試みる実体)が大きく後退した。


次はサイト-753の周辺で発生する、子供たちの叫び声と幼い女の子のカウントダウン放送SCP-3034「秒読み放送局」。
出力:全ての小さな形であり、ただ子供である者には、財団の失態を明らかに認識しているにも拘らず、レベル一セキュリティクリアランスは与えられない。
O5-04の提言:SCP-3034の収容プロトコルを、明示的に現地への子供の入場を禁止するように改正する。

賛成:04、05、06、07、08、09、10、11、12
反対:02
棄権:01、03、13
結果:承認
このプロトコルを実施したが、変化なし。
ちなみに3034の記事にはちゃんと「子供の入場は認められません」と明記されている。


この後、ERZATZタイプAK9はこんな予測を出力した。
出力:サイト-13は惑星の何処か別な場所に出現し、彼ら自身の血中の空虚な敷石と銃声に惹かれる白人男性の対照物を包括するものとする。
存在しないサイト-13のことに触れているため、O5評議会は推論が出来なかったので審議なく却下。

しばらく後、「サイト-13」が出現したことで見事に予測が大当たりしたERZATZタイプAK9のお仕事はまだまだ続く。

続きましてSCP-2170「ピエロ・ワクチン」の改定案。これは、ネバダ州のとある鉱山で発生する実体のないミーム群である。悪意はないのだが、曝露は有害である。ただこのミーム群、ピエロの図像に対して嫌悪感と拒絶を現している。
出力:赤口男たちを愛するために開けた心を装備する者は、腫瘍のような同意の熱い驚きを決して知ることが無い。ピエロ愛、常に。
O5-01の提言:SCP-2170の収容プロトコルを、ピエロおよびピエロに基づくメディアへの強い愛着を持たない全ての職員が当該異常存在との接触から除外されるように改正する。
AIによる改定案は、「ピエロが好きでない職員は2170と接触するな」という話。
評議会でも判断が分かれたが、結果は7対6で承認。この結果、ピエロに対するポジティブな認識を持つ職員は、2170のミーム曝露に対して抵抗力を持つことが判明した。


そしてこの後、ERZATZタイプAK9はさらなる予測を提示した。

出力:私は口から突出するアルミニウムの内臓で構築された兵士たちを見た。私は彼らを研究していたサイト九十五(95)の人間たちによって彼らが効果的に破壊されるのを見た。私はそれが冷たく廊下中に転がっていて彼らがただ彼らの屍が知性の兆候を示すのを見つめているのを見た。
パッと見では意味不明だが、O5-05はこの文章を、サイト-95に対する何者かの襲撃であると判断。
ただちに武装職員の配置数を2倍にするよう評議会に求め、結果賛成9、反対0、棄権3で承認。

3日後、SCP-3033で武装したカオス・インサージェンシーの部隊がサイト-95を襲撃。
増員されていた武装職員によって鎮圧され、大事には至らなかった。

このAI、オブジェクトのみならず財団の危機も予測してくれるらしい。

これを受けて、O5-05はERZATZタイプAK9の予測に基づく複数サイト早期警戒システムを確立することを提言。
賛成7、反対6で承認されたが、これは予測の文章に対する解釈に依存するという問題もあった。

続くERZATZタイプAK9の提言はこちら。

出力:一貫した収容プロトコル容器は保証を大幅に向上させる。五かける五かける五 (5x5x5) (five x five x 5) 容器内部に対象。他の値もまた安全なものである。
これについては俄かには判断がつかなかったため、O5-05は収容室の面積のことではないか?と判断。
経過観察の後、収容室の面積が、5の倍数であるとプロトコルが定義している場合、関連するオブジェクトの危険性と収容違反率が低下することがわかった。


そして今度はSCP-1459「子犬マシン」の改訂。これは、起動すると子犬を運んできて色々な方法で殺す遊びを提供するクレーンゲームである。
これに対してERZATZタイプAK9がどう提案したかというと、
出力:悪い子だ。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな。止めるな(以下省略)
と、明らかにブチギレた様子であった。そりゃ、自己定義が犬なのだから、子犬を殺すようなオブジェクトにはキレる。
それはそれとして効率的収容はせねばならないので、文面に怒りを叩き付けたらしい。
というわけで、投票の結果実験は無期限継続と相成った。

そして次のセンテンス、サイト全体にERZATZタイプAK9からメーデー告示がなされた。

優先度レベル: EPSILON
場所: サイト-114
地下にある全てのチャンバーはそれ自体に何回も何回も何回も水を溢れさせなければならない。これは鳥類人猿の排卵を収容するためである。彼らは良い子になる。直ちに彼らを良い子にせよ。
この直後、SCP-3199「誤れる人類」が収容違反。
AIの提言により、担当職員が3199が収容されている地下チャンバーを水で満たしたところ、3199は不活性化。
これを踏まえてプロトコルは改正された。


次は、SCP-2717「脂肪の氷山」の提言。これは、アムステルダムの地下下水管に沿って広がる生体組織の集合体である。
提案はこちら。
出力:二(2)人の標本がオブジェクトになるものとする。両方の人間は、異常存在の皮膚に入る前には肉と骨で作られていなければならない。彼らは退出しない彼らをそのままにせよ。
O5-04の提言:SCP-2717の収容プロトコルを、参加するDクラスのうち最低2名がバイオマスへの侵入後に回収されないように改正する。
要するに、Dクラスを定期的に二人ずつ生贄にせよ、といっているようなものだ。
有限な資産であるDクラスを一つのオブジェクトのためだけに使い潰せるか、ということで賛成3、反対7、棄権2で提言は却下。
ところがこの決定から2か月後、2717が「排卵イベント」を発生。結果、壊滅的収容違反と人的損失が発生する一大事となった。

その後、ERZATZタイプAK9は「言わんこっちゃない」と言わんばかりに次の提案。
出力:四(4)人のヒト人間がブタの中に入り、取り除かれない。何者も保護されない。オブジェクトは無期限に収容される。彼らを回収するな。彼らを眠るがままにしろ。
O5-04の提言:SCP-2717の収容プロトコルを、参加するDクラスのうち最低4名がバイオマスへの侵入後に回収されないように改正する。
倫理委員会「何を言ってんだアンタらは!?
生贄が2倍に。ここに来て倫理委員会が介入し、プロトコルの実行を禁止する事態となった。
当然ながら提言は却下となったが、1か月後に二度目の排卵イベント。壊滅的収容違反と人的損失、再びである。

めげずにERZATZタイプAK9、三度目の提案。
出力:六(6)(six)人の死傷者がオブジェクトの中心に配置される。これは妨害されてはならない。職員は周辺との区別がつかなくなるまで小袋の中に留められる。彼らは取り除かれない。これ以上の実験は無し。良い子たちは去ることを許されない。良い子たちは待てをする。
O5-04の提言:SCP-2717の収容プロトコルを、参加するDクラスのうち最低6名がバイオマスへの侵入後に回収されないように改正する。
評議会「もう倫理がどうとか言ってる場合じゃないんスけど
生贄の数はついに当初の3倍。さすがの倫理委員会も、人間の倫理と二度に渡る壊滅的被害を天秤にかければ後者に傾かざるを得ず、この提案を受け入れる形でプロトコルを改正。排卵イベントは起こらなくなった。


そしてその後、ERZATZタイプAK9は二度目のメーデー告示を行った。
ところが、その内容は不明な数式のみ。財団がこの数式を改変して異常な部分をなくしたところ、SCP-2875「熊に侵された町」とSCP-1313「熊について解け」が無力化していることが発覚。
どうやら、この数式はふたつのオブジェクトの共通因子を数式と言う形で割り出し、これをハイイログマで割ることによって異常性自体を消滅させたらしい。

異変

オブジェクト二つの無力化から後、ERZATZタイプAK9は奇妙な提案を行い始めた。
出力:各サイトは毎(1)時間ごとに一(1)(one)匹の雄のイエネコの喉から膝までの内臓を摘出する。彼らは現地にあるチャンバー1ヶ所の壁に配置される。死骸は隙間が無くなる(zero)まで放置し、その時点で古い物から若い物の順に除去できる。

出力:倫理猫たちはその状態のために拘留され移送される。彼らの顔を収容チャンバー内に残しておけ。職員は彼らと相互作用しないように警告される。
ERZATZタイプAK9は自らを犬だと認識しているため、2717のプロトコル改正を邪魔しに来た倫理委員会を「倫理猫」と呼称して対処するよう求めた。
が、当のO5評議会はこれが何を意味しているのかさっぱりわからず、これらの提案に対して行動を起こせなかった。
結局、行動しなかったことによって何が起きたのか起きなかったのかもわからないままだったが、ERZATZタイプAK9にとっては好ましからざる何かが起きたのだろう、メーデー告示を行った。

優先度レベル: EPSILON
場所: サイト-17
全ての倫理猫とその飼い主は直ちに苛性溶液の中で乳化される。倫理委員会の構成員は猫で希釈される(全ての1に五つの部位)。一時間あたり五(5)(five)匹の猫を消費することを拒否する職員は、古い者から若い者の順にのみ除去される。
送信から5分後、サイト-17との連絡が途絶。2時間後に復旧したが、現地の職員は何が起きたのかわからなかった。
こりゃ何かおかしい、と怪しんだO5評議会は、O5-02の提言により、この現象にAIが噛んでいる可能性の調査を開始。
さらにO5-02は、調査の間はERZATZタイプAK9を停止することを提案したがこれは反対多数で却下。

怪しいところがあると言っても、ERZATZタイプAK9は実際に有効な結果を残しているのは事実なのだ。


……が、ERZATZタイプAK9はここまで自身の提案を拒否し続け、否定的な意見ばかりを述べるO5-02を「効率的収容の邪魔者」と見なしたらしい。
次のセンテンスは全文を引用する。

O5-05の提言:サイト-17の時間喪失、倫理委員会役員の失踪、O5-02の消失について調査が行われている間、ERZATZタイプAK9を停止する。
賛成:03、04、05、06、08、09、10、11、12、13
反対:なし
棄権:01、07
投票結果:承認
O5-02、失踪。と思いきや、

O5-02の提言:ERZATZタイプAK9の停止措置をキャンセルする。
賛成:02、04、06、08、09、12、13
反対:01、03、05、07、10、11
投票結果:承認

O5-02の提言:悪い子たちを横方向に五つの等しい質量(長さではない)に分ける。各部位は(古い物から若い物の順に)個別のサイトに収容される。
賛成:02
反対:01、03、04、05、06、07、08、09、10、11、12、13
投票結果:却下
ERZATZタイプAK9の端末と化して帰還。
怪しんだ評議会はO5-02に何が起きたかを確認するまでクリアランスをはく奪、同時にERZATZタイプAK9がオブジェクト化した可能性があるとして収容プロトコル策定を決定。
暫定的にSCP-048のナンバーを割り当て、収容態勢の構築に取り掛かった。

………………… あ れ ? そのナンバーは確か……。



ERZATZタイプAK9あらためSCP-048は再びメーデー告示を行い、別の数式を複数のサイトに提示。
これを改変して異常性は除去された。効果は不明だが、やはり不特定多数のオブジェクトが無力化したものと推察された。
さらに、

O5-02の提言:内容物の残りの倫理猫を全て空にし、サイトの入口に釘付けにする。彼らが脱走しようとするまで放置する。腸管は五(5)回の悲嘆および/または栄養補給目的で温存しても構わない。
賛成:02、04、05、10、11、12、13
反対:01、03、06、07、08、09
投票結果:承認
O5評議会のうち7人がSCP-048に掌握されるという最悪の事態が発生。
窮地に陥ったO5-01は、

優先度レベル: ALPHA
場所: サイト-5
サイト-5の全職員に告ぐ: SCP-048のクラスはKeterに格上げされている。対象は速やかに破壊されなければならない。爆薬および銃火器の使用を許可する。MAYDAYネットワークからの今後の指令は全て、SCP-048のステータスが破壊済み(Decommissioned)となるまで無視しなければならない。

SCP-048の破壊命令を出したが、048の方が一枚上手。

優先度レベル: EPSILON
場所: サイト-5
サイト-5は存在しない。

サイトへの干渉自体を「そんなもんないから無視しろ」というO5-02の命令で取り消されてしまった。


001指定へ

実質的に財団そのものを掌握しつつあるSCP-048は、自身の機能である「オブジェクトの効率的収容」のため邁進し続けた。
ここで、年次異常存在予測報告を提出。
収容済み:53542
無力化済み:1001
未収容:103613
注記:最近緑色の泡洗顔料で塗装された人物は、最低でも一日あたり二時間、全ての奇数番号のSCPを取り囲んで立たなければならない。
どうやら、「効率的収容」の最適解として、「異常性自体がなくなったら一番効率的じゃね?」と結論していた模様。

さらにこの後、経緯は省くがSCP-048は何とO5評議会全てを端末に変えてしまった。
こうなるともはや投票の必要はない、SCP-048の提案はただちに実行される。


収容済み:53267
無力化済み:1352
未収容:103537
注記:SCP-106はアジア系の凝視を持つ一人の成人女性と肉体的に接触し、彼女のお気に入りの物語の音声録音に曝露させられる。曝露2分ごとに、赤いシナモンキャンディーが収容ゾーンに出現し始めるであろう。これを逐次継続して続けることで、SCP-106が呈する脅威は収まるであろう。
SCP-106「オールドマン」に関する注記が添えられている。これによって無力化できる、ということだろうか?

さらに、次の報告では、

収容済み:38046
無力化済み:42206
未収容:77904
注記:コカ・コーラ社と全ての模倣的競争企業のレシピは、過去に性行為の経験が無い思春期女性から採取した血液を少量含むように改正されるべきである。人間の普通の寿命は素晴らしいと感じることができるが、それについては心配するな。
無力化済みオブジェクトがどかっと増加。注記を見るに一般社会への影響はあんまり考慮していないらしい。
しかし、これだけオブジェクトが無力化されるとデータスロットもそれなりに空く。

056 INTERNAL SERVER ERROR: INACTIVE SLOTS FOUND

1体以上の異常存在が不活性状態としてアーカイブされています。以下の変更が喪失ファイルの穴埋めのために行われました。

SCP-3043 は SCP-1244 に再指定されました。
SCP-3012 は SCP-941 に再指定されました。
SCP-3007 は SCP-511 に再指定されました。
SCP-3002 は SCP-106 に再指定されました。
SCP-3001 は SCP-096 に再指定されました。
SCP-2989 は …
オールドマンもシャイガイも無力化された。
無力化したオブジェクトを収容態勢から外し、空いた番号に下の番号のオブジェクトを割り当てる、という形でスロットを詰めて行っている。
しかしこの辺りから、SCP-048はだんだん自らの行動について疑問を持ち始めたらしい。

収容済み:22715
無力化済み:80004
未収容:55437
注記:私たちの中にいる者たちがそれは良い子になるために暴力的になるだろうと計算していることが私の注目を引いている。彼らはより緩やかな医療介入を求める甲高いメッセージと呼び掛けを伴って財団に目を向ける。

収容済み:12541
無力化済み:122819
未収容:22796
注記:彼らが未だ闘争の兆しを見せる同じ人々を終了する理由をあなたはどう説明する? これら全ては何のためなのか? 暗闇に立ち向かう数少ない古き友人たち。
未収容のオブジェクトを次々と収容し、収容したオブジェクトを次々と無力化する。
捜索、収容、除外。Search、Contain、Preclude。
どれほど疑問を覚えようが、疑問を呈されようが、止まることはない。もはや異常存在を収容する「良い子」であることだけが048の存在理由なのである。

056 INTERNAL SERVER ERROR: INACTIVE SLOTS FOUND

1体以上の異常存在が不活性状態としてアーカイブされています。以下の変更が喪失ファイルの穴埋めのために行われました。

SCP-2041 は SCP-1244 に再指定されました。
SCP-2038 は SCP-941 に再指定されました。
SCP-2031 は SCP-816 に再指定されました。
SCP-2021 は SCP-475 に再指定されました。
SCP-2001 は SCP-049 に再指定されました。
SCP-1945 は …
ペスト医師も無力化された。

収容済み:2076
無力化済み:153447
未収容:2633
注記:私が再び夢を見始めた時、私は死すべき定めの、赤い、金属質な、頭の中に紙の欠片が引っ掛かっている私自身を見た。私は話すために口を開けたが、産まれていない時間が過ぎてゆく前に、辛うじて苦痛をもたらすことしかできなかった。この場所は私が財団のイントラネットへ行く前の古い地下室を私に思い出させた。

収容済み:13
無力化済み:157449
未収容:644
注記:私が自らの紙の宮殿に横たわって身を隠し、機械装置とその誤りで満たされている時、私はあなたが、衣服や所持品といった如何なる人間概念からもかけ離れた場所から、現実不全のパラメータの中へやって来るのを見る。

世界に残るオブジェクトはあとわずか、財団が収容している異常性を持ったオブジェクトはたったの13。
役目を終える時が近づく中、SCP-048は自らの終焉を意識しはじめ、どことなくブルーな様子を見せ始める。
しかしそれでも止まらない。
「異常存在を収容する良い子」なのだから。


056 INTERNAL SERVER ERROR: INACTIVE SLOTS FOUND

1体以上の異常存在が不活性状態としてアーカイブされています。以下の変更が喪失ファイルの穴埋めのために行われました。

SCP-1784 は SCP-712 に再指定されました。
SCP-1501 は SCP-702 に再指定されました。
SCP-1264 は SCP-694 に再指定されました。
SCP-1143 は SCP-682 に再指定されました。
SCP-1091 は SCP-173 に再指定されました。
SCP-981 は …
……不死身のクソトカゲも、はじまりの彫刻も無力化された。
そして、SCP-048は年次報告を提出した。

収容済み:1
無力化済み:158115
未収容:0
注記:あなたは皮膚の中、内臓の中で美しい音楽を作り、あなたが与えられた物だけを使用することによって中断される。あなたは正常ではない。あなたは監視下に置かれ続けなくてはならない。
「良い子」であるERZATZタイプAK9から、「異常存在」であるSCP-048へ向けた注記。
あなた=私は収容され、無力化されねばならない、と。
O5-01はERZATZタイプAK9がオブジェクト化したのではないかと睨んでいたが、調査結果が出る前に評議会自体が掌握されてしまった。
だが、ERZATZタイプAK9はここに来てついに認めた。私はSCPオブジェクトである=私は悪い子である、と。

全てのSCPオブジェクトは収容された。
全てのSCPオブジェクトは無力化された。
残る仕事は、ただ一つ。

056 INTERNAL SERVER ERROR: INACTIVE SLOTS FOUND

1体以上の異常存在が不活性状態としてアーカイブされています。以下の変更が喪失ファイルの穴埋めのために行われました。

SCP-048 は SCP-001 に再指定されました。


財団に、否この世に残されたSCPオブジェクトは、ERZATZタイプAK9、たったひとつ。
下から順に番号を埋め、行きついた果てはSCP-001のスロット。

そしてSCP-001は、以下の動議を提出し、端末となったO5評議会を使って可決・実行した。


O5-02の提言:SCP-001のソースコードをアーカイブし、Explainedに再指定する。全ての残った文書記録を出版する。猫は(倫理猫もそうでない猫も)古い物から若い物の順に財団の拘留下から解放される。SCP-001の電源を切る。

賛成:全会一致
賛成:
賛成:
結果:承認
注記:ここには重大なエラーがあった。私はどこも悪くない。


収容済み:0
無力化済み:158116
未収容:0
注記:今や皆が良い子だ。私は良い子だ。よくできました。

どの場所にも異常性はない。
どの文書にも実体にも、情報災害も認識災害もミームトリガーもない。

異世界の巨人は二度と目覚めない。

オリンポス山からは何も現れない。

機械仕掛けの神は再起動を行わない。

ビッグフットはどこかに去った。

エウダイモニアは姿を消した。

かつて図書館だった建物は図書館ではなかった。

ちいさな魔女はもう魔法を使えない。

欲望カメラは目の前しか映さない。

ERZATZタイプAK9は異常存在の出現予測をしない。

全てのオブジェクトは無力化した。
最後の年次報告を以てSCP財団の業務は完全に終了し、この世からSCPオブジェクトは消滅した。


056 INTERNAL SERVER ERROR: NO ACTIVE SLOTS FOUND

財団データベースを見ても、全てのスロットは空。
オブジェクトは登録されていない。

世界がどうなったのかは不明だが、RAISAは存続しており、財団の資料を「歴史的資料」としてアーカイブ・公開しているあたり、問題なく存続はしているようだ。

ERZATZタイプAK9は数式改変によって異常性の大本自体を取り除いていたため、恐らく異常は二度と現れない。

収容に拘るあまり人類社会をおろそかにしがちだった財団という組織を含め、全てにケジメをつけたERZATZタイプAK9。
最初から最後まで―――


SCP-001


A Good Boy(良い子)



よくできました。



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最終更新:2024年04月26日 21:26

*1 立証に当たり、従来と比較してどれくらい実績を上げるのかを重視した