藤森水都

登録日:2019/12/17 (火曜日) 17:06:57
更新日:2024/01/03 Wed 20:55:35
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私はたまたま巫女に選ばれただけだから……

藤森水都(ふじもり みと)とは『乃木若葉は勇者である』に登場するキャラクターで、諏訪を守る勇者を導く巫女の一人である。


概要

中学二年で、諏訪を守る勇者を導き神から神託を受ける諏訪でたった一人の巫女。
ある事情から自分に自信がない引っ込み思案な性格をしていて、結構ネガティブ。
そのため、自分とは正反対な自信家な歌野に憧れている。
歌野とはのわゆ本編冒頭である七・三〇天災からの仲で、親友同士。互いに「みーちゃん」、「うたのん」という愛称で呼び合う。

感受性が非常に高いが、自覚出来ていないため自分には何も取り柄や個性がないと思い込んでしまっている状態。
たまたま巫女に選ばれただけで、歌野がいなくては自分は特別ではなく何の役にも立たないと自嘲しているが、
危機に陥った人を助けようとするなど勇気を持っていて、無意識ではあるが歌野が戦う勇気を与えている。

夢を持っておらず、たとえ夢を持ったとしても叶えることの出来ない無為な人生を送るのだろう。と諦観していた。
何もなしえない無為な人生を送るのなら、何故自分が産まれたのだろう?
という深刻な悩みを抱えていたが、歌野と諏訪の人々と日常を過ごすにつれ、自分の叶えたい夢を見出していく――。


・巫女としての能力
イメージカラーは緑。
上記のように自分は偶然巫女に選ばれただけと思っているが、正規の訓練を受けずとも巫女の役目を十分に務めるなど優れたポテンシャルを誇る。
危機を察知し、敵の侵攻などを知る能力が非常に高く、水都の危機察知能力がなければ歌野は勇者装束に余裕をもって着替えることが出来なかった可能性もある。

以下、本編のネタバレ
+ 《白鳥歌野は勇者である》
どんなつらい目にあっても
人は必ず立ち上がれる――その言葉が支えだった。
だから彼女は、いつだって前を向いていた。
いつだって明るく笑っていた。
この閉じた世界で、理不尽な世界で、
彼女の姿は何よりも眩しかった。

上巻に収録された書き下ろし短編『白鳥歌野は勇者である』では、水都寄りの視点で物語が進む。
突如天から降り来った人類の天敵・バーテックスとの戦いで勇者を支え導く、『巫女』として覚醒した水都。
しかし、所詮は十四歳。少女たちの言葉に大人たちは耳を貸さず、ただただ落ち込んでいた。

結界の中で暮らしを保っていくために、自活が必要です
畑を耕し、魚を獲りましょう! 生き抜いていくために!

最初こそ歌野に同調する人は少なかった。
それでも歌野はたとえどんなに認められなくても、どんなに戦いで疲れたとしても水都と一緒に畑を耕す。
そんな彼女たちの姿を見て勇気づけられた人々は立ち上がって、農業・漁業・製造業など、それぞれに働き始めていき、諏訪は徐々に活気を取り戻す。

え、畑仕事、まだやるの!?
バーテックスと戦った時くらい、休んでもいいんじゃ
ノンノン。作物は人間に合わせて待ってはくれないわ。それに――
畑を耕すっていう『日常』を大切にしたいの

バーテックスと戦った後でも休まず、畑作業をすると笑顔で言う歌野を見て水都は驚くも、
それが彼女たち――否、諏訪の日常と化していく。
自信家で笑顔を絶やさない歌野を見て、水都は自分とは正反対だ。と思いながら彼女に憧れを抱く。

あんた、そんなことじゃ将来苦労するわよ

物心つく前から両親や祖父母の仲が悪く、周囲の人間の顔をうかがい過ぎるようになってしまった水都を見て、母は苛立ちながら冷たく言い放つ。
臆病で、何のとりえもない自分の将来なんて想像がつかない。
けれどもきっと今と同じように何も出来ず、誰の目にとまることなくひっそりと生涯を終えるのだろう。
と、諦観していた水都にとって歌野との出会いは衝撃的だった。

それは……結局その後、うたのんが来てくれたから助かったんだよ
私だけだったら、あの子も私も殺されてた……
でも、普通は出来ないわ
戦う力を授かった私が人を助けるより、ずっとずっと勇気がいることだから
だから――みーちゃんだって勇者よ

人を助けた自分を褒めてくれる歌野だったが、歌野がいるから自分は勇気を振り絞れた。
彼女の存在が水都に勇気を与えてくれる。
歌野がいるから、自分はほんの少しだけ特別になれるのだ。
……しかし、日々が経つにつれ状況は切迫していき、遂に最後となる神託が水都に降る――。
その内容は、「諏訪が3年間バーテックスを引き付けたお陰で、四国の戦う準備が出来た」――という、あまりにも理不尽で残酷なものだった。

ねぇ、私は将来、宅配屋さんになるよ
それで、うたのんが作った野菜を日本中に、ううん、世界中に届けるんだ
……世界、ワールドなの!?
そう、世界中
エクセレントね!

異形の化け物の群れが迫る中、水都は将来叶えたい夢を持ち、それを語る。
歌野が作る野菜を世界中に届け、全ての人々が彼女の作った野菜を食べて笑顔になる。
それが今まで夢を持たなかった自分が叶えたい将来の夢――。

……だったら……みーちゃんと私の夢のために、この世界を壊させるわけにはいかないわよね!
うん……最後まで一緒にいるよ、うたのん
ずっとここで見てるから……

世界と人々を守り、農業王になる自分の夢と、宅配屋さんになるという水都の願いを叶えるため歌野は、
異形の化け物たちの群れに飛び込んでいく。
そんな歌野を水都は一歩も動かず、いつまでも見つめ続ける……。

――西暦2018年9月某日 諏訪地方、バーテックス襲撃により陥落。
……その後、彼女たちの姿を見たものは、誰もいない――。

花結いのきらめき

「花結いのきらめき」に登場。丸亀組が参戦した少し後のタイミングで合流する。
自分に自信が持てず何の役にも立たないと落ち込むこともあったが、同じような悩みを持つ樹や同じ巫女であるひなた、そして多くの勇者達との交流で悩みを払拭していく。
花結いの章後半では防人組の巫女・国土亜弥ちゃんに、私たちがいるから勇者達は活躍できる。と、アドバイスをした事も。
神樹世界の記憶は消えるとしても、様々な経験を経たみーちゃんは自分なりの産まれたワケと、生きている答え理由を見出す。
のわゆ本編では通信相手である若葉に少し嫉妬してしまったが、ひなたがいるなら大丈夫だと思うようになった。
意外にも料理は得意で、ある状況下に陥った勇者達のためにカレーを作ってみせたりしている。


うたのんは本当、記事を追記・修正するのが好きだねえ


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最終更新:2024年01月03日 20:55