妖しのセレス

登録日:2011/01/23 Sun 21:23:40
更新日:2024/03/13 Wed 11:04:11
所要時間:約 6 分で読めます





週刊少女コミックにて連載されていた、渡瀬悠宇による漫画。
本作の派生作品に外伝および続編(完結編)を描いた小説(ノベライズ作品)がある。

TVアニメ版はWOWOWで2000年に全24話が放送された。
OPは岩男潤子の綺麗な歌声に反して、ヤッてる映像が見物。

【あらすじ】
御景妖は、御景財閥を擁する御景家の一族ではあるものの、
両親と双子の兄である明と共に、ごく普通の女子高生として暮らしていた。

しかし、16歳の誕生日に、本家に呼び出された時から人生が一変する。
一族が揃う中、妖は自らが、御景家の祖先であり一族の災いの元になるという天女の力を最も強く引き継ぐ生まれ変わりであることを知る。
その場で災いを恐れる親族一同に殺されそうになるが、危機を察した天女の血を引くという女性梧納涼に助けられる。

納涼とその義弟雄飛に保護された彼女は、梧家に居候することになり、やがて妖は自らの先祖である天女セレスに目覚めていく。


【主な登場人物】

  • 御景 妖

今時の女子高生であり、実はセレス(天女)の生まれ変わり。
「更科高校の安室奈美恵と呼ばれた女」と自称するぐらいにカラオケが趣味。
先祖代々から保存されていたセレスの生前の肉体ミイラの手を見せられた際、呪力を発動させ、御景の親戚に命を狙われる。
父親は自分を身を挺して守ろうとして殺され、母親は夫の死に精神的ダメージを受け昏睡状態となり、
双子の兄(明)さえも前世の関わりによって敵対することに。
戦いの中で次第に十夜と相思相愛になり、彼との子を身ごもる。作中ヤリすぎである。
アニメのイベントで男性声優陣からこぞって「嫌な女」と評され、原作者がそれを必死にフォローした。

  • セレス

もう一人の御景妖で、妖艶な美女。
かつて天から来た天女だった。羽衣を奪い、自分を辱め、子を産ませた御景一族の始祖を憎んでいる。
始祖に奪われた羽衣(マナ)を御景家から取り返すのが目的。
御景家への憎悪が強い為に敵対する者には冷酷だったが、雄飛にだけは最初から心を開いて優しかった。
また、難病を抱える子供にも思いやりを見せ、そのあたりに本来の性格が垣間見える。
この作品は、彼女と元夫の壮大で傍迷惑な痴話ゲンカの物語だったと言える。

  • 十夜

記憶喪失の青年。記憶を取り戻す為に、御景各臣のところで働いていた。
妖の監視や天女の捕獲の命を下されていたが、次第に妖を愛して御景一族を離反する。
何を考えているかよくわからない事が多く、真逆な雄飛とは妖を巡って度々対立する事が多かった。
手首から短剣が出てくるなど謎の多い存在だったが、その正体は羽衣によって創り出された特異体質の人間。
一度脳天を撃たれて死亡し、復活すると同時に記憶と能力を完全に取り戻す。
背中から翼を生やしたり水中で自在に行動するなど、まさに究極生物そのものであり、妖の窮地を救った。
最終的に妖と結ばれ一児の父親になるも、羽衣を手放したことで長く生きられない体になった…………が、結局は死ぬ死ぬ詐欺だった。

  • 梧 雄飛
CV.伊藤健太郎

日本舞踊家元梧家の三男坊で、ストレートな熱血漢。
梧家の調理場で働いていた女性に梧家当主が生ませた子で母親は彼が幼い時に梧家を出たため、彼は妾腹という事で冷遇されてきた。
父や次兄を恨んではいるものの、分け隔てなく接してくれた長兄(故人)や、その妻で義理の姉である納涼と強い絆で結ばれている。
やがて妖に好意を抱き、彼女を守り抜こうと尽力するが、最終的には二人の幸せを願って身を引き、見守る事に。
少年漫画ならほぼ間違いなく主人公になれた漢で、どこぞのカワイソーマと同様、出る作品を間違えてしまった。*1
そんな彼の武器は鉄製の菜箸…………そう、料理を掴んだりかき混ぜたりするあの菜箸である。(特注品)
ただの人間にもかかわらず、菜箸ひとつで銃を使うプロや超能力を使う人外に敢然と立ち向かい無事に生還したまさに料理人の鏡。
因みに彼の夢は好きな子と一緒に店を出すこと。
まさに料ry

  • 小田玖
CV.くじら

梧家の家政婦で、ある意味作中最強の存在。
顔はオバケのQ太郎そっくりで、最高のセキュリティシステムさえ顔パスした(これには理由があったが)。
どんな乗り物でも操る特技を持ち、最終的にはヘリを操縦する等、実はかなりハイスペック。

  • 御景明
CV.千葉進歩

妖の双子の兄。始祖(ミカギ)の生まれ変わりで、天女の血を引く。
先祖代々から保存されていたミイラの手を見せられた時、体から切り傷が現れ、異常現象に苦しめられる。
妖を思う優しい兄だったが、覚醒したことで前世の人格に完全に支配されてしまった。
それ以降、双子の妹にガチで襲いかかる変態となる(彼自身に非はない)。

  • 御景各臣

御景財閥の当主で、妖たちの最大の敵。
冷徹非情で感情をほとんど表さず、天女の力を利用する為にC計画を発動させる。
衛星放送とはいえ、涎を引きながら妖にディープキスをかます姿は凄まじかった。
幼少時に母親の連れ子として御影家に入ったために、御影の血は一切引いておらず、それを遠因に劣悪な家庭環境で育った。*2
御影本家で見つけた天女の写真に心惹かれ、天女(セレス)に母親としての憧れを持ち、固執しているマザコン。
ただし、その執着心が何千人も平気で犠牲にできるほど常軌を逸していただけだった。
最終的には己の罪を悔い、炎上する船と共に海の藻屑へ……………ならず、完結編(ノベライズ)で生存が確認。

  • 佐原 美緒里

美保の松原を訪れた妖が出会った瓜二つの顔を持つ少女で、記憶を失う以前の十夜の恋人とされる。
実際には記憶操作した十夜を再び懐柔すべく各臣に送り込まれた妖の従姉妹。
セレスの姿にも変身できる上、妖に次ぐ呪力を持ち、戦闘力だけなら作中でも3本の指に入る強敵だった。
父を早くに亡くし、母子家庭で育った。
駆け落ち同然で結婚していた母は生活苦から祖父に援助を頼む為に御景家に訪れた際、セレスに覚醒した妖に殺害されている。
妖への復讐を果たすべく各臣と結託し、偽りの記憶を与えた十夜を自分の恋人にしようとしたが失敗。
だが、十夜への想いは紛れもない本物であった。
また、「人の親殺しといて男と恋愛中? ふざけんじゃないわよ」はある意味真理を突いていた。
最期は二人を完全に引き裂くため、二人の目の前で空から落下して自害を遂げた。






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最終更新:2024年03月13日 11:04

*1 後の作品に似た境遇の虚宿がいる。

*2 各臣の実母は息子を虐待した挙げ句に精神に異常をきたしたため入院生活を送っている。各臣が犯罪者として業界から追放された後の詳細は不明。