エヴァンゲリオン第13号機

登録日:2020/05/16 Sat 07:47:24
更新日:2023/07/16 Sun 20:38:39
所要時間:約 5 分で読めます






「ピアノと同じだ、2人一緒ならいいことがあるよ。シンジ君」



「行こう、カヲル君」



「「エヴァンゲリオン第13号機、起動!」」




CAUTION


New EVA-Unit


-Activation Signal Confirmed-


CAUTION

概要

エヴァンゲリオン第13号機とは、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に登場するエヴァンゲリオン
パイロットは碇シンジ渚カヲル

おおよそのボディカラーや各部の意匠などはエヴァンゲリオン初号機のそれを踏襲しているものの、よく観察してみると初号機との差異もそれなりに多く見受けられる。
主な違いとしては、左右それぞれ2段ずつの計4つの眼を備えるほか、通常の腕に加えて、必要に応じて胸部に隠されたもう一対の腕が展開、4本腕の異形となる。
コックピットには五線譜を思わせるディスプレイ表示がされ、本作にてシンジとカヲルが交流するきっかけにもなったピアノの連弾をイメージさせる独自の意匠となっている。
また、特異な特徴としてエヴァでありながらA.T.フィールドを持たない。そのため、装備された小型の防御ユニット「RSホッパー」が代わりにA.T.フィールドを展開、攻防一体のサポートを行う。
冬月コウゾウ曰く「最後の執行者」。

カヲルの認識していた本機の建造目的としては、「セントラルドグマを鎖ざしたリリスの結界の突破」。
また、「ドグマ最深部にあるロンギヌスの槍とカシウスの槍、2本の槍を持ち帰るには2つの魂が必要」だとされ、そのため本機には2人のパイロットが2つのエントリープラグで搭乗する「ダブルエントリーシステム」が採用されている。
これらの認識は正しい一方、建造したネルフ側にはまた別の隠された思惑が存在した。
碇ゲンドウ真希波・マリ・イラストリアスの言葉から、『Q』本編通り(あるいはそれに近い形)の流れでカヲルをトリガーとして「フォース・インパクト」を発動させること。その後「ゼーレ」の面々と併せてカヲルを排除し、トリガーとなったカヲルが失われても、もう1人のパイロット=シンジを乗せていることでフォース・インパクトを続行させる “保険” としてのダブルエントリーシステムであったことが判明。

最終的にはヴィレの介入で最悪の事態は阻止されたものの、この結末すらもネルフ……ゲンドウにとっては想定通りのものであった。

「セカンド・インパクト」の映像に登場した4体の光の巨人「ADAMS」との関連性は不明。アヤナミレイ(仮称)が搭乗するエヴァンゲリオンMark.09が「アダムスの器(正式名称・第1のアダムスの器(移行中間形態・ゼーレ仕様))」と呼ばれた一方、本機は「アダムスの生き残り」であるとされた。


劇中での活躍

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

前作『』のラストで引き起こされた「ニア・サード・インパクト」によって荒廃した世界のネルフ本部・ジオフロント内部でゲンドウらによって建造される。
ダブルエントリーシステムの第13号機と、ドグマにある第2の使徒「リリス」の骸に突き刺さったロンギヌスの槍とカシウスの槍、2本の槍を用いれば “世界の修復” も可能になる……。
本編中盤、そこに至るまでの出来事で精神的に限界まで追い詰められていたシンジはカヲルの説得により前を向き、世界への贖罪と、何より葛城ミサトたちに今一度認めてもらうべく、カヲルとともに第13号機を起動させる。
監視として随伴するMark.09とそのパイロットをシンジは疎ましく思いつつも、2人を乗せた第13号機はドグマへと降下していく。

14年間誰の侵入も許さなかったというリリスの結界を第13号機はいとも容易く突破する。
足を踏み入れたドグマの最深部には、リリスとみられる白い巨人の骸と、それに突き立てられた2本の槍ーー1本は自立型に改造されたエヴァンゲリオン・Mark.06の躰ごと貫かれている--が確かにあった。
目的を果たすため順調に歩を進めていく中、目の前の光景にどこか違和感を覚えるカヲル。
そこに現れたヴィレのエヴァ、式波・アスカ・ラングレー改2号機、マリの8号機と交戦。慌ててシンジが呼びかけるも、違和感の正体を掴めずにいるカヲルは応えない。
防御ユニット・RSホッパーによる支援にくわえ、必死の気迫もあってか、戦闘技術で上をいくアスカを相手に善戦。8号機がMark.09の相手に掛かり切りだったのも幸いし、改2号機が活動限界を迎えた隙を突いて大きく吹き飛ばすことに成功、そのままリリスに突き進む。

「槍があれば、全部やり直せる。世界が救えるんだ!」


カヲルはシンジを説得して進行を止めようとするものの、もはや一縷の希望に縋るしかない彼の耳には届かない。さらにはシステムから切断され、操作系に一切の干渉が出来なくなってしまう。
エヴァの覚醒を危惧した8号機から特殊弾頭アンチA.T.フィールド弾を撃ち込まれ、直撃するも、それを吸収・無効化。第13号機が特殊なエヴァであることの証左であった。
そしてついにリリスの許まで辿り着いた第13号機。カヲルがようやく感じていた違和感の正体に気づき、シンジに制止を促すも、時すでに遅し。解放された4本の腕は、一対の槍…… “2本のロンギヌスの槍” を引き抜いていた。

リリスの巨体が膨れ弾けると、Mark.06の中に潜んでいた第12の使徒が活動を再開。Mark.09によって斬首されたMark.06から噴き出すように現れると、たちまち第13号機を包囲、搭乗していたカヲルを侵食。
それによって第1の使徒だった彼が第13の使徒に堕とされると、第13号機は第12の使徒を捕食。肩部から翼状の突起が生え、純白の姿に二重の光輪を背負った疑似シン化第3+形態(推定)へと覚醒。
これに伴い「ガフの扉」が開かれたことで、フォース・インパクトが始まってしまう。
一体何が起こっているのか? 呆然とするしかないシンジ。一方、すべてを悟ったカヲルは、自身が犠牲となればこの災厄を止められることを告げる。起動するヴィレの覚醒抑止装置・DSSチョーカー。
こうなることを予期していたのか、「覚醒のリスクは僕が背負う」と、あらかじめシンジからチョーカーを引き受けていた。


「そんな顔をしないで。また会えるよ、シンジ君」


シンジの望まない結末を阻止するため、エヴァの体に自ら槍を突き立てると、作動したチョーカーによってカヲルは死亡する。何もできず、崩れ落ちるシンジ。
ダブルエントリーシステムの “保険” によって、なおも止まらないフォース・インパクト。それを察したマリの8号機によってシンジの搭乗するエントリープラグが強制排出されると、ようやく第13号機は機能を停止。ガフの扉は閉じられ、最悪の事態はその初期段階で防がれたのだった。
ヴィレの戦艦「AAAヴンダー」が所属のエヴァとそのパイロットを回収、戦闘区域を離脱していく一方、パイロットを失った第13号機は瓦礫の山へと墜落していった……。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||



武装

防御ユニット「RSホッパー」

第13号機の両肩に備え付けられたウェポンラックに計4機装備している。
小型ながら1つ1つがA.T.フィールドを展開し、体当たりの要領で直接攻撃することもできる。ガンダム世界でいう「ファンネル」のような武装。
ラグビーボールのような形状をしており、高速移動時には先端が傘が開くように変形しているのが確認できる。
A.T.フィールドを展開できない第13号機にとっての攻防の要。
シンジにとってはもちろん初めて扱う武器であり、カヲルが手伝わなかった戦力低下も重なってか、場数を踏んでいるアスカの改2号機の猛攻で全機破壊されてしまった。

クロスオーバー作品のスーパーロボット大戦シリーズではA.T.フィールドを足場にして空中から格闘攻撃を仕掛けたりと、やや奇抜な使い方をしている。

ロンギヌスの槍

周りの静止も聞かず急ぎすぎたシンジが抜いてしまった2本の槍。
正確には本機の武装ではないが、持っているシーンが印象的なため外部作品でも起用されるほか、フィギュアなどのグッズでも付属している。
『Q』本編で槍は手に持っているだけで、武器として振るうシーンはないが、クロスオーバー作品ではその見栄えの良さからか使われることが多い。

スパロボシリーズにおいては、主役の搭乗する機体にしては武装が前述の防御ユニットだけだと武器数が少なく、決め技も無いのでパレットライフルと共に追加されたのだと思われる。
相手に朱槍をねじ込む姿はなかなかの迫力。投擲するなど、参戦作品ごとに攻撃方法が変わっている。
『Q』を観た後だと2人してノリノリで槍を振るう姿の違和感がすごい。




他作品での活躍

スーパーロボット大戦シリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』にてシリーズ初参戦。
本作では『Q』は所謂「いるだけ参戦」でストーリーにはあまり絡んでこない都合上、擬似シン化等の要素はない。
武装も防御ユニットや槍を使ったものだけと少なめだが、ALL武器はないものの近距離・遠距離の武装を両方持つため、汎用性は高い。
パイロットは原作通りシンジとカヲルの二人で、防御ユニットによるATフィールドも持つが、アンビリカルケーブルがないので意識的なEN管理が必要となる。
ボス戦向きの精神コマンドを持つシンジと、サポート特化の精神コマンドを持つカヲルの二人がパイロットなのもあって性能的には優秀。
グレンラガンマジンガーZなどの他のスーパー系ほどは火力を出せないものの、プレイヤーの好みで使い続けられるだけのスペックは持っている。
ちなみに寺田貴信プロデューサー曰く、「13号機の味方参戦は駄目って言われるかと思ったら快諾された」とのこと。

スーパーロボット大戦V』では隠しユニットとして登場。
一応隠されてはいるのだが、共通ルートの39話で第9の使徒、第10の使徒をシンジが撃墜するだけでOK(しかもエースボーナスを取得していると片方だけで良い)と非常に楽に取得可能。
同作にて初登場したシン化エヴァからシンジを乗せ替えることで運用可能な選択式。
シン化に比べて最大火力は劣るものの、手数の少ないシン化に対して遠距離、中距離、近距離の全てをカバー可能な強力な技の数々に、
サポート向け精神コマンドが非常に優秀なカヲルとの複座式となり、汎用性に富む便利なユニットとなっている。
ロンギヌスの槍を使う戦闘アニメーションが特徴的。怖い。メチャクチャ怖い。まるで悪役レベルに怖い。
なお、シンジを本機に乗せている場合、一部イベントにおいてユニット内なら紫のプラグスーツを着ているものの、インターミッションでは白のプラグスーツを着ている不具合が発生する事がある。

にゃんこ大戦争

エヴァコラボでは疑似シン化第3+形態(推定)が登場し、槍を振るうほか使徒のような十字状のビームを放つ。
攻撃力・体力共に非常に高い上、ふっとばし・5秒間停止・25秒間攻撃力低下という強烈な妨害まで備えている。
コラボキャラという立ち位置でありながら、本ゲームにおいて誇張抜きで最強クラスの強さを誇っており、コラボキャラ限定の特殊能力「使徒キラー」を保持しているユニット無しでは勝ち目はない。

なお、「使徒キラー」は初号機や零号機を始めとしたエヴァが所有している特殊能力だが、何故かシンジやアスカ等のエヴァパイロットも所有している。そのため擬似シン化第3+形態(推定)にシンジやアスカがトドメを刺すといったシュールな光景も見ることが出来る。

余談

『新世紀エヴァンゲリオン』から『新劇場版』に至るまでエヴァのメカニックデザインを長年担当している山下いくとによると、元ネタは氏の著作である「それをなすもの 新世紀エヴァンゲリオン コンセプトデザインワークス」に描かれている「エヴァフォウチュン」。



追記、修正はダブルエントリーでお願いします。

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最終更新:2023年07月16日 20:38