祭殿/Shrine(MTG)

登録日:2020/06/27 Sat 17:13:00
更新日:2022/03/18 Fri 22:03:17
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祭殿/ShrineとはMagic the Gatheringにおけるエンチャント・タイプの一つである。
このタイプを持つエンチャントには、神河物語で登場した本殿サイクル5枚、基本セット2021で登場した聖域サイクル6枚、神河:輝ける世界で登場した御神体サイクル5+1枚が存在する。
共通点は祭殿/Shrineの数を参照する能力を持った伝説のエンチャントであること。
単体では貧弱だが、レジェンドルールにより同一のものを複数コントロールしておくことはできず、そのため複数種類の祭殿を合わせて使うデザインになっている。

本殿サイクル

すべての悲しみから、
その炎はかつて自分を崇拝した者どもに向いた。


すべての悲しみから、
その風はかつて自分から知恵を学んだ者どもの心の中の罪を見つけた。


すべての悲しみから、
その闇はかつて自分を密かに寝ずに護っていた者どもを掴みつぶした。


すべての悲しみから、
その怒りはかつて自分をたぎらせた者どもにあてられた。


すべての悲しみから、
その網はかつて自分に編む手を貸した者どもを絡め取る罠となった。

5色に各1つずつ割り当てられた伝説のエンチャントのサイクル。
共通して、アップキープの開始時に祭殿(Shrine)の数を参照する誘発型能力を持つ。

■性能
Honden of Cleansing Fire / 浄火の本殿 (3)(白)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたのアップキープの開始時に、あなたがコントロールする祭殿(Shrine)1つにつきあなたは2点のライフを得る。
ライフゲインを能力として持つ白の本殿。単体性能は1マナ増えて消散が消えた《回春の間/Rejuvenation Chamber》。
延命としてそれなりに使えるため、単体でコントロールデッキなどにピン挿しされることも。
祭殿シナジーを重視したデッキ(以下祭殿デッキ)ではマナカーブに沿って本殿を置いていけば毎ターン4点以上のライフゲインが見込める。

Honden of Seeing Winds / 風見の本殿 (4)(青)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたのアップキープの開始時に、あなたがコントロールする祭殿(Shrine)1つにつきカードを1枚引く。
ドローを能力として持つ青の本殿。《研ぎすまされた知覚/Heightened Awareness》のほぼ上位互換。
単体でもそこそこ優秀な継続ドローカードであり、祭殿シナジーは無視して単体で採用されることも。
祭殿が並んでいれば莫大なハンドアドバンテージをもたらすが、その下準備に加え5マナという重めのコストもあり、置いた時点でもう手遅れという展開もあり得る。

Honden of Night's Reach / 夜陰の本殿 (3)(黒)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたのアップキープの開始時に、対戦相手1人を対象とする。あなたがコントロールする祭殿(Shrine)1つにつき、そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。
ハンデスを能力として持つ黒の本殿。継続的なハンデス能力であり、置ければそれなりに強力。複数の祭殿が場にあれば、あっという間に相手の手札を0にできる。
しかしネックとなるのはやはりマナコスト。設置するまでに時間がかかり、アグロ相手ならばこのカードが機能しだすころには手札はほぼ使い切られており、コントロールならばそもそも設置させてもらえない。

Honden of Infinite Rage / 激憤の本殿 (2)(赤)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。激憤の本殿はそれに、あなたがコントロールする祭殿(Shrine)の数に等しい点数のダメージを与える。
バーンを能力として持つ赤の本殿。最軽量の本殿であり、能力もそれなり。
場の祭殿が1枚で毎ターン《焦熱の槍/Scorching Spear》、2枚で《ショック/Shock》、3枚で《稲妻/Lightning Bolt》になる。
しかし働きだすのは(マナ加速がなければ)最速4ターン目。そのころに1点ダメージ程度で戦況を変えるのは難しい。長期戦になればフィニッシャーもになり得るのだが……
リミテッドでは除去しにくい継続火力として非常に優秀。

Honden of Life's Web / 生網の本殿 (4)(緑)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたのアップキープの開始時に、あなたがコントロールする祭殿(Shrine)1つにつき、無色の1/1のスピリット(Spirit)・クリーチャー・トークンを1体生成する。
トークン生成を能力として持つ緑の本殿。単体では非常に貧弱なので、祭殿シナジーを利用したデッキにしか採用の余地はない。
祭殿が並んでいればもりもりとトークンを生成してくれる。長期戦になれば強力だがそれまで生き延びられるのか。

■弱点
能力の誘発タイミングがアップキープ開始時なので、置いたターンには何もしないことが大きな弱点。返しのターンで除去されれば目も当てられない。

全体的なマナコストの重さもそれに拍車をかける。
全て3マナ以上のため、効果を発揮できるのは最速でも4ターン目のアップキープ。アグロなら既に盤面を揃えているし、コントロールも十分動けるよう整えているだろう。合計21マナということで何らかのコスト軽減やマナ加速を使わなければ悠長と言わざるを得ない。

また、伝説のカードゆえ戦場に複数並べられない、すなわち同種の2枚目以降が手札で余ってしまう。
なので祭殿の採用枚数は少なめにしたいが、かと言って減らしすぎれば引けずに困る。きわどいバランスの見極めが必要となる。
《鏡の画廊/Mirror Gallery》があればこの弱点は無視できるが、このカード自体が5マナと重め。

祭殿シナジーを重視するなら当然5色デッキにならざるを得ず、その分土地事故も多くなる。マナシンボル自体は緩いので多色土地が豊富ならある程度改善可能。


■活躍
なし。なにせ神河物語を含む神河ブロックの前は、かのミラディン・ブロックだったのだから。
ミラディンと言えば?そう親和です。
当時の環境はまさに親和の冬。本殿どころか神河ブロックのカードそのものが使われないという状況。(詳しくは当該項目を参照)
一応《不朽の理想》デッキの登場後は、この本殿を絡めたデッキも考案されたようだが、あまり大成せずに終わったようである。1枚しか戦場に出せないくせにさすがにちょっと重い。
なお《鏡の画廊》を用いたタイプの祭殿は、下手にハマってしまうとかなり凶悪。たとえば《激憤の本殿》が2枚なら、コントロールする祭殿に等しい点数のダメージを2回飛ばせる。つまり1枚だと1点を1回なのが、2枚だと2点を2回、と二乗として増えていくのである。うまいことレジェンドルールを無視できれば、結構強いサイクルなのである。
そこまでする意味?…んー

■ストーリー
各色の本殿は色に対応した明神*1に関係しており、それらの住み家であることが明かされている。だが、神の乱によって破壊されてしまった。

■余談
何気に初の伝説のエンチャントで初のサブタイプ持ちエンチャントである。
伝説のエンチャントはゲーム的には複数張り出来ないというだけでしかないが、クリエイティブ*2的にはこれをどう表現すべきか、どういった意味を持たせるか、という点に頭を悩ませていたようだ。*3
1枚しか出せないエンチャントに意味を持たせる方法あるのか、という結論として別のエンチャント同士に「横の繋がり」を持たせたわけである。
結果としてゲーム上でこの「横の繋がり」を実現するためにエンチャントに初めてのサブタイプ「祭殿」が生まれたのである。
「え、初のサブタイプってオーラあるじゃん?」と思われるかもしれないが、個別エンチャントが「オーラ/Aura」というサブタイプを得たのは祭殿の登場より後だったりする。
「『神河物語』は全体として大好評とはいかなかったが、祭殿は好評だった。」とマローも述懐している。

なお祭殿サイクルではないが「祭殿/Shrine」という名前を持つカードは多い。 というかこのサイクルより枚数が多い


聖域サイクル

曇りなき
静けき心
調和せむ


真実の
沈む淵から
溢るる知


虚鎖
果てぬ力で
断ち捨てよ


内に秘む
怒り 恐れを
灰と化し


花の下
新緑唄う
御魂かな

5色に各1つずつ割り当てられた単色の祭殿5枚と、多色の祭殿1枚の計6枚からなる伝説のエンチャントのサイクル。
本殿サイクルと異なり、誘発型能力ではなく起動型能力を持つ祭殿も登場した。
能力の誘発のタイミングが本殿サイクルの"アップキープの開始時"から"戦闘前メイン・フェイズの開始時"に変更されている(《万物の聖域》を除く)が、これは《豊かな実りの聖域》や《万物の聖域》の能力との兼ね合いであろう。

■性能
全体的に本殿サイクルよりマナコストが軽くなっているほか、祭殿サーチ能力をもつ多色の祭殿も登場し、本殿と比較して大幅な強化を受けている。
色ごとの能力も変化しており、前述の本殿サイクルにおける弱点をフォローするような形でデザインされていることがわかる。

Sanctum of Tranquil Light / 穏やかな光の聖域 (白)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
(5)(白):クリーチャー1体を対象とし、それをタップする。この能力を起動するためのコストは、あなたがコントロールしている祭殿(Shrine)1つにつき(1)少なくなる。
クリーチャーをタップする起動型能力を持った白の聖域。祭殿の数によって能力のコストが軽減される。
マナコストは1と非常に軽いが、能力は貧弱。祭殿の数を増すためだけのカードと割り切ろう。

Sanctum of Calm Waters / 静かな水の聖域 (3)(青)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたの戦闘前メイン・フェイズの開始時に、あなたはカードをX枚引いてもよい。Xは、あなたがコントロールしている祭殿(Shrine)の総数に等しい。そうしたなら、カード1枚を捨てる。
ルーティング能力を持った青の聖域。地味に任意効果である。
ドロー枚数は場の祭殿数によって増えるが、ディスカードは1枚固定なので祭殿が2枚以上あれば手札が増える。
祭殿デッキではダブついた祭殿など捨てるカードには困らない。手札の整理とライブラリーの掘り進めでデッキの安定性に大きく貢献できる聖域である。

Sanctum of Stone Fangs / 石の牙の聖域 (1)(黒)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたの戦闘前メイン・フェイズの開始時に、各対戦相手はそれぞれX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。Xは、あなたがコントロールしている祭殿(Shrine)の総数に等しい。
ドレイン能力を持った黒の聖域。単体性能はおおむね軽くなった《不正相続/Ill-Gotten Inheritance》。
2マナと軽いため序盤から設置でき、祭殿デッキの延命兼フィニッシャーとして機能する。

Sanctum of Shattered Heights / 廃れた高地の聖域 (2)(赤)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
(1),土地・カード1枚か祭殿・カード1枚を捨てる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体を対象とする。廃れた高地の聖域はそれにX点のダメージを与える。Xはあなたがコントロールしている祭殿(Shrine)の総数に等しい。
手札の祭殿と土地を火力にする赤の聖域。手札でダブついた祭殿や余った土地を火力に変換できるので便利。
祭殿が並べば打ち消されにくい火力として運用可能。プレイヤーを直接焼けないのが難点。

Sanctum of Fruitful Harvest / 豊かな実りの聖域 (2)(緑)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたの戦闘前メイン・フェイズの開始時に、好きな色1色のマナX枚を加える。Xはあなたがコントロールしている祭殿(Shrine)の総数に等しい。
自ターン限定のマナ加速ができる緑の聖域。好きな色のマナを選べるため、土地事故の軽減ができる。
各種祭殿を素早くそろえたり、後述の《万物の聖域》を素早く出すなど、祭殿デッキでの重要度は非常に高い。

Sanctum of All / 万物の聖域 (白)(青)(黒)(赤)(緑)
伝説のエンチャント — 祭殿(Shrine)
あなたのアップキープの開始時に、あなたはあなたのライブラリーやあなたの墓地から祭殿(Shrine)カード1枚を探し、戦場に出してもよい。これによりあなたがあなたのライブラリーからカードを探したなら、あなたのライブラリーを切り直す。
あなたが祭殿を6つ以上コントロールしている間に、他の、あなたがコントロールしている祭殿の能力が1つ誘発するなら、その能力は追加でもう1回誘発する。
祭殿のサーチ能力を持った5色5マナの聖域。ライブラリーと墓地の両方から祭殿をサーチできるため、破壊や打ち消された祭殿、《廃れた高地の聖域》のコスト、《静かな水の聖域》で捨てた祭殿も回収できる。
これにより、デッキ内の祭殿の採用枚数を減らして安定性を高められるようになった。
サーチのタイミングの関係上、本殿サイクルの祭殿(アップキープ開始時に能力が誘発する)はサーチされたターンに能力を誘発しない。
また、2つ目の能力(地味に強制効果である)にはあまりお目にかかることは無いが非常に強力。
スタンダードなら全聖域が戦場に出ている場合に条件が満たされるため…
《静かな水の聖域》で12枚ドロー2枚ディスカード、
《石の牙の聖域》で12点ドレイン、
《豊かな実りの聖域》2色12マナ生成。
そのマナと手札を使えば《廃れた高地の聖域》で6点ダメージを連発して相手の場を更地にできる。オーバーキルである。
《穏やかな光の聖域》なら12体以上のクリーチャーをタップできる!
大抵の場合、そうなる前に試合が終わるため見る機会は少ない。

■活躍
スタンダード
目立った活躍はないが、現スタンダード(ラヴニカのギルド~基本セット2021)ではエンチャントとシナジーを持つカードが多数存在しており、それらと組み合わせたデッキが考えられる。
例:
 エンチャントのコスト軽減、《星原の神秘家/Starfield Mystic》
 エンチャントが出るたびドロー&強化、《セテッサの勇者/Setessan Champion》
 エンチャントにプロテクション付与、《命の恵みのアルセイド/Alseid of Life's Bounty》
 エンチャント・クリーチャーにして土地事故対策&土地加速、《イリーシア木立のドライアド/Dryad of the Ilysian Grove》
 エンチャントを捨てれば3ドロー1ディスカード、《意味の渇望/Thirst for Meaning》
などなど。
3色土地の各種トライオームが登場したのも追い風。

現スタンダードでは相性の悪いカードが多く*4、カードパワー自体も微妙なので環境で結果を残すことは今後とも期待できない。
カジュアルデッキとして見れば割と面白い動きをするので、組んでみるのも一興。

ヒストリック
ヒストリック・アンソロジーIIIにて本殿サイクルが収録されており、驚異の祭殿11種類デッキが組める。
マナコストの軽い白黒聖域や祭殿シナジーを活かしつつマナ加速できる緑聖域の存在により、当時は最低3マナからスタートだった本殿の能力も大幅に強化されている。

マナカーブに沿って《穏やかな光の聖域》→《石の牙の聖域》→《激憤の本殿》と設置すれば、4ターン目から毎ターン相手に6点ダメージ(うち3点はクリーチャーやプレインズウォーカーに割り振れる)+3点ライフゲインとバカにならない威力。
《豊かな実りの聖域》のマナ加速により1ターン2本殿など、当時ではまずできなかったプレイも可能。
《万物の聖域》でサーチできるため、素引きしたくない祭殿(主に本殿)は枚数を減らし、デッキの安定性も上がっている。
空いたスロットにどのようなカードを入れるかはバリエーション豊富だが、全体除去を多めに入れた除去コントロール寄りのもの、またはマナ加速を取り入れたランプデッキ寄りのものが比較的多いようだ。

スタンダード同様、環境上位には及ばないが祭殿が並んでもりもりアドを稼ぐ様は快感。なかなかに楽しいデッキである。

ちなみに11種類の祭殿が全部戦場に出ている場合
22枚ドロー(強制)、22枚ドロー2枚ディスカード(任意)、22枚ハンデス、22点ドレイン、任意の対象(対戦相手)に22点ダメージ、44点ライフゲイン、22体の1/1トークン生成、2色22点のマナ生成、が起こる。さらに赤聖域のダメージが1発11点になる。そのうえ白聖域は1マナでクリーチャーをタップできる!

御神体サイクル

思いやりをもって行動する者を探し、友情をもたらす。


好奇心に突き動かされる者を探し、啓蒙をもたらす。


心に憎悪を抱える者を探し、復讐をもたらす。


怒りに飲まれている者を探し、燃える刃をもたらす。


荒々しい魂を持つ者を探し、野生の力をもたらす。

まさかの再訪となった神河:輝ける世界の祭壇はエンチャントクリーチャーとして登場。クリーチャータイプは有しておらず祭殿はクリーチャータイプではないので、《仮面林の結節点/Maskwood Nexus》を設置してクリーチャー全部が祭殿なんてことはできないので注意。
延々置物を並べるデッキだった従来の祭殿デッキとはまた異なる動きが要求される。サイクルは単色の5枚と、統率者デッキに収録された1枚から成っている。
能力の誘発タイミングは終了ステップ開始時で、この時に1マナ支払うことで能力が誘発する。次の自分のターンまで耐えなければならなかった他の祭殿と違って即効性に優れている。

■性能
Go-Shintai of Shared Purpose / 共同目的の御神体 (3)(白)
伝説のクリーチャー エンチャント — 祭殿(Shrine)
警戒
あなたの終了ステップの開始時に、あなたは(1)を支払ってもよい。そうしたなら、あなたがコントロールしている祭殿(Shrine)1つにつき1体の無色の1/1のスピリット(Spirit)・クリーチャー・トークンを生成する。
1/3
白の御神体はトークン生成。クリーチャーとしての性能はかなりしょっぱい反面、トークン生成源としては優秀。生網の本殿の欠点だった遅さをある程度克服している。

Go-Shintai of Lost Wisdom / 逸失叡智の御神体 (1)(青)
伝説のクリーチャー エンチャント — 祭殿(Shrine)
飛行
あなたの終了ステップの開始時に、あなたは(1)を支払ってもよい。そうしたとき、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードX枚を切削する。Xは、あなたがコントロールしている祭殿(Shrine)の総数に等しい。
0/4
青の御神体はデッキ破壊…なのだが、あまりにも効率が悪すぎる。2マナで8枚削る《荒れ狂う騒音/Maddening Cacophony》や3マナで合計20マナ分削る《ターシャズ・ヒディアス・ラフター/Tasha's Hideous Laughter》に対し、祭殿5体並べて5枚切削ではまったく割に合わない。墓地利用を前提に自分のデッキを削るのが賢い使い方だろう。
変わったところでは、タフネスをパワーに変換する能力を軸にしたデッキでも採用できる。2マナでタフネス4と頑丈なうえ、飛行で確実にダメージを通せる。

Go-Shintai of Hidden Cruelty / 隠避残虐の御神体 (3)(黒)
伝説のクリーチャー エンチャント — 祭殿(Shrine)
接死
あなたの終了ステップの開始時に、あなたは(1)を支払ってもよい。そうしたとき、タフネスがX以下であるクリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。Xは、あなたがコントロールしている祭殿(Shrine)の数に等しい。
2/2
黒の御神体はクリーチャー破壊。単独でもタフネス1を始末し続けられるのでトークンやシステムクリーチャーの掃除はできる。もちろん祭殿が並べばより大きな相手も破壊できるし、いざというときには接死で相討ちも狙える。

Go-Shintai of Ancient Wars / 古伝戦争の御神体 (2)(赤)
伝説のクリーチャー エンチャント — 祭殿(Shrine)
先制攻撃
あなたの終了ステップの開始時に、あなたは(1)を支払ってもよい。そうしたとき、プレイヤーやプレインズウォーカーのうち1つを対象とする。古伝戦争の御神体はそれにX点のダメージを与える。Xは、あなたがコントロールしている祭殿(Shrine)の数に等しい。
2/2
赤の御神体は本体&プレインズウォーカー火力。出した直後にマイナス能力を使って忠誠度1になっている《蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen》《放浪皇/The Wandering Emperor》あたりが狙い目。本体火力としては悠長なのは激憤の本殿と変わらず。
リミテッドでは先制攻撃で壁になりつつじわじわ相手を弱らせられる。

Go-Shintai of Boundless Vigor / 無尽活力の御神体 (1)(緑)
トランプル
あなたの終了ステップの開始時に、あなたは(1)を支払ってもよい。そうしたとき、祭殿(Shrine)1つを対象とする。それの上に、あなたがコントロールしている祭殿1つにつき1個の+1/+1カウンターを置く。
1/1
緑の祭殿は祭殿クリーチャーの強化。単品だと強化ペースの遅さが気になるが、祭殿が複数並べられれば加速度的に強くなっていく。強化先は自身の他に飛行持ちの逸失叡智の御神体も有力。
除去の少ないリミテッドでは危険性が跳ね上がる。最優先で除去しないと際限なく大きく強くなっていく。

Go-Shintai of Life's Origin / 生命起源の御神体 (3)(緑)
伝説のクリーチャー エンチャント — 祭殿(Shrine)
(白)(青)(黒)(赤)(緑),(T):あなたの墓地にあるエンチャント・カード1枚を対象とする。それを戦場に戻す。
生命起源の御神体か、これでもトークンでもない祭殿(Shrine)1つがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、無色の1/1の祭殿クリーチャー・エンチャント・トークン1体を生成する。
3/4
神河:輝ける世界の統率者デッキに収録された、全祭殿ファン待望の祭殿デッキ用統率者。祭殿が出る度に祭殿トークンを生み出すため、他の祭殿の効果が爆発的に増幅されていく。万物の聖域を出せばそれだけで祭殿6個が達成され、誘発回数が倍増する。
祭殿以外でもエンチャントが場に出ることで誘発する星座などの能力とも相性がよく、起動型能力も《全知/Omniscience》などをコストを踏み倒して出せる。
ただし、多人数戦である統率者戦ではそれだけ自分のターンが回ってくるまでに時間がかかり、祭殿デッキの弱点である遅さがさらに響いてくる。可能な限り長期戦に持ち込みたい。

Shrine Steward / 神社の世話役 (5)
アーティファクト クリーチャー — 構築物(Construct)
神社の世話役が戦場に出たとき、あなたは「あなたのライブラリーからオーラ(Aura)や祭殿(Shrine)であるカード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。
3/2
祭殿サポートクリーチャー。リミテッドで祭殿デッキを組む際にサーチ役として使える他、オーラ呪文も実質除去呪文の《ねじれた抱擁/Twisted Embrace》や疑似除去の《仲裁者の拘束/Intercessor's Arrest》もサーチでき意外と便利。構築では5マナと重すぎるのがネック。


■ストーリー
単色の5体は神河の住民がこしらえた小さな社に神が宿り動き出したもの。血生臭い願いから生まれた隠避残虐や古伝戦争には相応に邪悪な神が宿っている。
生命起源の御神体は死せる神々の残滓が社に集まり動き出した存在で、その後も神河を彷徨い成長を続けている。


■活躍(エターナル環境)

モダン
比較的古い時代の話になるが、「白単エンチャントレス」というデッキが台頭してきた時期があった。白のエンチャントを大量に並べて《ニクスの祭殿、ニクソス》でマナを産み、《ニクスの星源》などでクリーチャー化して倒すというデッキである。
このデッキは白特有のドローソースの不足に悩まされていたため、様々なアプローチが取られることになったのだが、その中に青をタッチして《風見の本殿》を採用するというものもあった。
他の候補には、4マナだが手札に加わるカードが必ず平地となる《終わりなき地平線》というカードがあったが、こちらは1マナ重く色も違うとはいえ「確実に1枚ドローを引きませる上、その引き増せるカードが土地ではない」というところが重要だったのだ。
ただしこの5マナという重さや、このカードのためだけに青をタッチする必要性、そもそもドロー狙わずにもっと別のカードを使った方がいいということで主流になることはなかった。実際5マナという性質のせいで使用感もかなりもっさりとしており、ドローに悩んでいるというので善意で勧めたプレイヤーに、使用者がうんざりして説教をかますシーンも見られた。


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最終更新:2022年03月18日 22:03

*1 伝説のスピリットのサイクル。手札から唱えると神性カウンターが乗った状態で戦場に出て、神性カウンターを消費すると強力な効果を発揮する

*2 フレイバー部分の制作を中心にカードのデザインを行うチーム

*3 神河は伝説性をメインとしたブロックであるため、伝説性の付与理由を「カードパワー」には出来なかったと思われる

*4 テンポアドバンテージを奪いつつ追加のアドをとってくる《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》&《厚かましい借り手/Brazen Borrower》、1章も2章も激烈に刺さる《エルズペス、死に打ち勝つ/Elspeth Conquers Death》、-X能力で更地にしてくる《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》等々。