ひとみ婆さん(志村けんのだいじょうぶだぁ)

登録日:2020/07/19 Sun 20:58:00
更新日:2024/03/23 Sat 20:49:19
所要時間:約5分で読めます






ひとみと申します~ひーちゃんって呼んでください~ フンフンフンフン...




ひとみ婆さんとは、志村けんのコントの1つ。



こちらが、概要にございます~



老人芸に定評のある志村の人気コント。
志村扮する「ひとみ婆さん」が様々な職業の人物として登場し、その言動に客の田代まさし→肥後克広が振り回される、というのが鉄板の流れ。
時には西田敏行やお笑いコンビ・千鳥の大悟が被害者(ツッコミ)役になった事もある。


志村けんのだいじょうぶだぁ」で主に登場する他、バカ殿様などでもひとみ婆さんが「友情出演」することもある*1



大悟は、ひとみ婆さんのコントが幼いころから大好きで、志村の番組では必ずチェックするほどだったという*2




登場人物でございます~



  • ひとみ婆さん(演:志村けん)


シミだらけの顔に突き出た前髪、瓶底眼鏡と「お婆さんと言われて思い浮かべる人物像」をそのまま表したようなキャラクター。
場合によっては「ひとみ」と書かれたエプロンを着けていることもある。

しかし「ひとみさん」と呼ばれるのは好きではないらしく、「ひーちゃんって呼んでください」と注文を付ける。
バスガイドや旅館の仲居、ゴルフキャディーなどの職業で登場する。

...が、そのボケた言動で客の田代や肥後を散々振り回す。


まず客との会話がすぐにズレてしまい、全く噛み合わないことが多い。


中華屋コントを例に出すと

客がラーメンを注文してしばらく、ひとみ婆さんと会話後。

客「おい、何かラーメン遅くないか?」

婆さん「そう言われりゃそうでございますね?」

客「そう言われりゃそうでございますね、じゃなくて、中の人に早くしてって言ってくれよ。」

婆さん「誰にですか?」

客「中でラーメン作ってる人にだよ。」

婆さん「そんな人いませんけど」

客「じゃあ誰がラーメン作るんだよ?」

婆さん「この店はあたし一人でやってるもんだから、あたしが作るんですよ。」


客「だったら早く作れよ!!!」



という具合である。





また常に「フンフンフンフン」と変な息を漏らしている

これは「年を取ると息をするだけで声が出てしまうから。」らしい。


それを客に注意されると息を止め、途中で苦しくなって大声を出し、「息はしていいですか!?」→「していいよ!死んじゃうだろ!」
というやり取りが(ほとんどのコントで)交わされる。

さらにそのあとに「この前も孫がね、『おばあちゃん何でふんふん言ってるの』、って言うから『これは別に深い意味はねえだよ』って2人で大笑いしました。」とひとみ婆さんが大声で笑い出すのもお約束。
ちなみに、この孫についてはとんでもない秘密がある。後述のバスガイドの欄を参照。


老齢ゆえ、やはりと言うべきか目や耳も良くないらしく、コップに水を注ぐのが苦手だったり、客が話しかけてもなかなか気が付かなかったりする。
ただし大声を出されると驚き「年寄りを急に怒鳴るもんじゃねえ」と苦言を呈する。めんどくさいな


しかしひとみ婆さんに悪意があるわけではなく、これらは全て善意でやっていることである。
そう考えると、数々の失敗にも愛着が湧く...かも?


ちなみに、ひとみ婆さんのモデルになったのは、志村が若いころお世話になっていたスナックのママさんらしい。
コントに使用するカツラの制作時にはそのママさんを呼んで採寸したのだという。

その後彼女は亡くなっており、その店ももう存在していないということである。




  • 客(演:田代まさし→肥後克広)


ひとみ婆さんにひたすら振り回される役。
当然ながら立場も毎回異なり、会社員だったり建設作業員だったり旅館の客だったりする。




コントの紹介でございます~



  • ラーメン屋編
ひとみ婆さんで最もポピュラーなコント(おそらく)
ラーメン、餃子、ライスを頼もうとしたらタンメン、焼きそば、チャーハンになっていたり、箸が他の客の使いまわしだったりする。

回によっては「ひとみ婆さんが注文を間違える」→「客が本来食べたかったものを言うが、持ってきたものでいいと妥協する」→「ひとみ婆さんが『最初に注文したメニュー』を追加で持ってくる」

...のエンドレスで、テーブル一杯に料理が並んだこともある。

別のパターンとしては、ラーメン、餃子を頼もうとしたが、ひとみ婆さんが材料を買いに行こうとしたため、焼きそばの注文に変更したが、またしても材料を買いに行こうとしたため、チャーハンの注文に変更したが、またしても新しいフライパンがを買いに行こうとしたため、最終的に天津丼を注文したが、その天津丼は他のラーメン屋からの出前だったという設定もある。



  • ゴルフコント編
ひとみさんはキャディー役。
「打つときは静かにしろよ」と若い女性キャディーを指導するひとみさんだが、客が打つ瞬間に大声を出してしまう。
また「(コースの)右側はどうなってるの」との質問にいきなり観光案内を始めたりする。


  • 寝台列車編
珍しくひとみ婆さんが客の役。
「田舎の孫に会いに行く」という理由で寝台車に乗るひとみ婆さんだが、案の定騒動を起こしてしまい、他の客が全く眠れない事態に。


  • バスガイド編
ひとみ婆さんは修学旅行のバスガイド役。
他のバスの女性添乗員に「最近の若いのは〇〇だから~」と文句をつける。

ちなみにこのコントによると、ひとみさんが男性と体を交えたのは「中学生の修学旅行の時、同級生のヒロシさん」だけだという...
そしてその話を修学旅行生にする...
となると孫の存在から、子供ができたのは中学生時代ということになるが...


  • 仕立て屋編
ひとみ婆さんが仕立て屋として、客のスーツを作る...のだが、姿見がヒビだらけである。婆さん曰く「明治初期創業だから」。
男性の体に触れ、死んだ爺さんを思い出すひとみさんであった。


  • 介護士編
ひとみ婆さんが介護士役として、田代(肥後)の世話をするのだが、ミスが重なって逆に症状を悪化させてしまう。


  • マッサージ編
ひとみ婆さんはマッサージ師。
客の「疲れているから眠らせてほしい」との注文をよそに延々と同じ話を続ける。
志村が最後に演じたひとみ婆さんはこのマッサージ編で、大悟と全編アドリブのやり取りは必見。


  • 旅館の仲居編
ひとみさんは旅館の仲居役。
訪れた新婚夫婦に「お名前は?」「見合い婚か恋愛婚か」「子供の予定は」と同じ質問を繰り返す。潰れた饅頭は必見。


  • 小説家と家政婦編
ひとみ婆さんは家政婦役。
こちらも執筆中に後ろで話し続けるため、作家が全く仕事に集中できない。
またこのコントによれば、「爺さんが死んで80年になる」らしい...
ひとみさんって何歳なんだろう...?爺さん=前述のヒロシさんなのか...?
さらにこのコントでは、「小学校しか出てないから字が読めないんです」とひとみさん自らが語っている...中学は妊娠絡みで中退したということだろうか...?


余談になります~

このコントは、志村本人も「一番のお気に入り」と語っている。実際、志村のコントの中ではバカ殿や変なおじさんと並んで知名度があり、グッズ化やLINEスタンプ化も果たされている。

また1993年頃には、永井真理子が歌う「瞳・元気」という歌がコントの終わりに流れていた。(曲の発表自体は1987年)
「ひとみはいつも元気~」という歌詞で、海辺を走るひとみ婆さんを思い浮かべる人もいるのではないだろうか?



追記、修正お願いいたします~フンフンフンフン...




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最終更新:2024年03月23日 20:49

*1 中にはかつてのドリフターズのコントをベースにしたものもある。またひとみ婆さんではなくとも「奇怪な言動をする老婆キャラ」を志村が演じることもあった。

*2 生前の志村の番組で、ひとみ婆さんのコントに出演した際の発言から。