The Surge

登録日:2020/07/27 (月曜日) 20:53:20
更新日:2024/04/08 Mon 10:10:47
所要時間:約 11 分で読めます




The Surge(ザ サージ)は、ドイツのDeck13 Interactiveが開発したハードコアSFアクションRPG。
対象人数は一人、CERO:Z(対象年齢18歳以上)
対応機種はPS4、Xbox One、およびPC(Steamなど)。


ストーリー

西暦2080年、環境破壊と紛争の果てに荒廃しつつある近未来。
車いすで過ごしていたウォーレンは、強化外骨格「エクソ・リグ」の恩恵を受けるため、
世界的大企業であえるCREO社の工場へと就職した。
だがその最初の出勤日、エクソ・リグの手術中に原因不明のトラブルが発生。
麻酔なしでインプラント手術をされたウォーレンは気絶してしまう。
次に目覚めたとき、ウォーレンの目の前にはスクラップの山が広がっていた……。



概要

主人公であるウォーレンを操り、巨大な工場施設を探索する高難易度アクションRPG。
マップ構成や雰囲気など、ゲームデザイン全体にDark Soulsの影響を強く受けており、シビアな戦闘バランスにもそれが表れている。
攻撃方法はほぼ近接武器のみであり、高い敵の攻撃力やスタミナの存在、限定された回復手段などが戦闘時や探索時に緊迫感をもたらしている。
というか、敵の発見方法が目視と足音ぐらいなので、行け行けどんどんでうかつに進むと物陰から不意打ちを受けた挙句囲んでボコられあっさり死ぬ。
タイマン戦では無敵の熟練ウォーレンも2対1では素直に逃亡したほうがいいレベルになっている。

また、本作の重要なシステムとして部位破壊が存在しており、敵の特定部位をロックオンしてそこに攻撃を集中させることで破壊、切断することができる。
弱点を攻撃して素早く倒したり、相手のダウンを狙いやすくなるなど戦闘の根幹を担っている他、
特に相手が人型の場合は手足や頭をロックオン可能であり、相手の武器や装備を手足ごともぎ取り入手できる。
もぎ取った相手の装備はリグや武器の強化に必要となるため、慣れてくると積極的に相手の手足を切断したがるようになる。


そのせいか、ついたあだ名が「SF版DARK SOULS」「重機ソウル」「DEAD SPACEとDark Soulsの悪夢合体」など。
手すりのない場所で落下すると敵も味方も即死するあたりも共通である。

敵を撃破時に入手できるテックスクラップが通貨代わりになっており、後述するギアやリグの強化、装備の生産に使用する。
ウォーレンが死亡するとその時所持していたテックスクラップを死亡位置にすべて落とし、制限時間内に回収できなかった場合消失してしまう。
後述するメッドベイにて預けることができるが、アクセスと同時に敵が復活し、連続戦闘ボーナスもリセットされるため悩みの種になりやすい。
消える前に回収しようと焦り、うっかりたどり着くまでに力尽きるのがお約束。
数百万単位のテックスクラップをどうやって運んでいるのか悩むのもお約束。


登場人物

  • ウォーレン
「なんたって歩けるんだ こんな日が来るなんて夢みたいだ」

本作主人公。下半身の障害により車椅子生活を送っていたが、現状を変えるため、エクソ・リグを求めてCREO社に入社した。
入社初日から大事件に巻き込まれるが、それでも自分の足で歩ける喜びを叫ぶなどメンタルはだいぶポジティブ寄り。
半壊したオペレーションで出会ったサリーに導かれ、現状解決のためにエグゼクティブフォーラム、役員室を目指すことになる。
本人はいたって普通の元無職のおじさんなため、戦闘経験も特殊技能も武器も防具も現場の地理感もない。
そのため、その辺の工具を拾って武器に、設計図をもとに備え付けの自動組み立て機械で防具をつくり、救援を求めて施設内を探索していく。

その過程で、錯乱した作業員の手足を引きちぎり、警備兵の首をはね、巨大な防衛兵器すら殴り倒して世界を守るための戦いへ挑むことになる。
というか、本職の警備兵の攻撃を軽くかわして打ちのめし、巨大兵器のミサイルを誘導して相手にぶつけ、両腕から爆炎を放射しながらバック宙するあたり、
某ジャーナリスト型陸戦兵器宇宙最強のエンジニアといい勝負できるんじゃないだろうか?

DLCで恋人がいることが判明した。
下半身が不自由になってからは疎遠となってしまっているようだが、それでもお互いを大切に思っているようだ。
追加エリアでは、かつての幸せだったころの音声記録や二人が笑顔で撮った写真、みなが沸き立つコンサートの観客席で一人、車椅子でうなだれるウォーレンの写真を見つけることができる。

  • サリー
「とにかく今はあなたをサポートするわ」

半壊したオペレーションでホログラム通信機越しに助けを求めていた医療関係の女性。
事故の影響で閉じ込められ、解決のためにとウォーレンをエグゼクティブフォーラムへ誘導する。

  • ドン・ハケット
「CREOへようこそ」

施設のあちこちで流れるムービーにて、CREO社の理念や事業内容などを演説しているPRディレクター。
耳触りのいい言葉でつづられているが、よくよく聞くとどうにもきな臭い内容ばかりになっている。

用語説明

  • CREO社
世界全体への環境再生計画「リゾルブ・プロジェクト」を推し進める巨大企業。
環境再生効果のある薬品を生産し、ロケットによって大気圏上層へ射出、地球全体へ拡散させる作業を行っている、
本作の序盤で舞台となる工場はそのうちの一つ。

施設は非常に高度な自動化が施されており、その巨大さに対して作業員の数はかなり少ない。
しかし冒頭の事故の影響で工場内はほとんどの設備が異常動作を起こして停止、エレベーターやリフト、ドアなどが機能停止状態で止まっている。
これらの機能を復旧させ、ショートカットとして利用しながら探索を進めていくこととなる。
しかし、作業機械、警備ドローン、さらにはトラブルの影響で錯乱した作業員や警備員までもがウォーレンに襲い掛かってくる上、
一部では汚染物質や毒ガス(可燃性)が漏れだし、耐性のある装備を身につけないとスリップダメージを受けるという惨状になっている。

この手の常というべきか、作業員の労働環境は非常に悪い。
常態化した残業及び副作用のある思考加速、高精度VRによる休暇時間の削減、組織内での隠蔽や不和などが各所のメモや音声記録から見えてくる。
また、乱雑に積まれたコンテナや資材、補修されないままの床の穴、前述の汚染物質など、工場内部の危険性も高い。
半面、後半の舞台となる営業・管理者区画は非常に整備されており、その落差もこの世界の現状を際立たせている。


  • エクソ・リグ
生体結合型の強化外骨格。体の各部にハードポイントを埋め込み、そこに取り付けられたフレームにより装着者の動作を補助する。
操作は頭部に埋め込まれたインプラントによる神経制御で、同時に神経制御物質や各種薬品を体内へ注入し、装着者を様々な面からサポートすることを目的としている。
大人一人の筋力補助にとどまらず、百キロはあろうかという大型工具を片腕で平然と振り回すハイパワーを発揮する。
それまで半身不随だったウォーレンが手術直後から平然と歩行、ダッシュ、ジャンプ、高所からの着地までこなし、そのまま戦闘を行っているため、操作性及び薬品の効果は非常に高いことがうかがえる。
インプラント自体がCREO社の医療ネットワークにつながり体調管理や相互の連絡まで可能なので、緊急時の対応も万全とされている。
当然ながら取り外しはほぼ不可能で、結果として装着者にプライバシーなど無くなっているが、より効率化するために無視されるようだ。真っ黒。
後述のインプラント用オプションをリグの種類ごとに設定されたスロット数まで装備できる。

物語の進行に伴い、より高性能なリグを入手することができるようになる。
ただしそのうち一つは任意入手かつヒントも少ないため、気づかない人も多いようだ。

アトラス・パワーコアと呼ばれるエネルギーユニットを動力源にしており、テックスクラップを消費して最大出力を強化することができる。なお作中で原理の説明は一切ない。
施設の配線をスパークさせ回路を焼き切るレベルの超大出力を基本状態ですら放てる未来科学な存在。すげぇ。


  • ギア
エクソ・リグの上から身にまとう作業用外装部分。見た目は完全に鎧。
様々な種類があり、現場作業から汚染物質除去、警備業務に加えて宇宙空間での作業を想定したものまで登場する。
初日だったウォーレンは基本となる初期支給品しか持っていないため、敵の作業員や警備員が装備しているギアを(手足ごと)奪い取り、そのデータを基にギア・アセンブリで生産することで装備可能になる。
奪ったギアをコンポーネント(素材)化し、それを用いて性能を強化することもできる。
装備部位は頭、胴体、両腕、両足の4種6箇所。全身を同じシリーズでそろえることでセットボーナスが発生する。

装備変更はいつでも可能。いったいどこにしまっているのだろうか。


  • インプラント
エクソ・リグの取り付け時に頭部に埋め込まれた部品のことだが、作中ではそれに後付けで組み込むオプションパーツも一括してこう呼ぶ。
大まかに3種類に分類される
  • ホットスワップ:常時発動。対象の状態(体力)を視界に表示する、エネルギータンクの増設、毒ガスの無効化などの機械的サポート。
  • ハードワイヤー:常時発動。体力やスタミナの増強、瀕死時ブースト及び体力自動回復といった生体的サポート。
  • 注入物質   :任意使用。即効性の止血/回復剤や一時的な神経加速剤といった薬剤サポート。一部を除き使用回数に制限あり(2~3回)。

これらはすべて探索や敵の撃破で入手可能なものであり、言い換えれば工場内で普通に配布、使用されているものでもある。
一部のインプラントには常習性や副作用があり、事故の前から錯乱した作業員も頻繁に見つかっていたらしい。でも常用。倫理など無い。

ホットスワップ以外はメッドベイでのみ付け外しが可能。
またインプラントごとに消費エネルギーが設定されており、前述のコアの出力限界まで装備可能。
高性能なインプラントほど消費エネルギーが大きいため、そのあたりも悩みの種になっている。


  • ドローン
工場受付を訪れた際、エラーを起こした案内用ドローンがそのままついてきている。
モジュールを変更することで遠距離射撃や突進、火炎放射、バリア展開など何でもこなす優れもの。案内用じゃねーの?という質問はついぞされなかった。

中盤に動力源をヴォ―テックスコアに交換したことで、ウォーレンの手の届かない位置の回路に接触、スパークさせて焼き切れるようになった。すげぇ。


  • オペレーション
探索の拠点となる全自動手術/整備施設。
内部にはメッドベイ(手術台)、ギア・アセンブリ(装備組み立て機)、通信ターミナルなどが設置されており、体力回復や補給、装備の生産、強化、インプラントの変更が可能。
また入り口はシャッターが設置されており、危険を感知して自動的に閉鎖し緊急時のシェルターとしても機能するようになっている。敵に追われて逃げ込もうとしたウォーレンがよく締め出される。
各地にあるこの施設を経由しながら探索を進めていくことになる。
なお、なぜか設備にアクセスすることでほぼすべての敵が復活する。(もしかして:篝火灯り鬼仏)
死亡したウォーレンも最後に訪れたオペレーションで復活する。
その理由についての説明は一切ない。


  • 武器
襲い掛かる脅威に対抗するため、ウォーレンが振るういろんなもの。
武器として扱ってはいるが、その大半は作業用の工具や廃材、大型機械の一部などで、武器として作成されたものはごく一部しかない。一応民間企業なのだから当然といえば当然か。
代表的なものとしては、おなじみ鉄パイプ、その辺に落ちてたピストン、大型万能レンチ、プラズマトーチ、フォークリフトの爪、
防衛兵器の電磁ブレード、警備ロボの足、もぎ取ったブースター、もぎ取った溶接バーナー、謎のナノマシン集合体など。
最後のほうは確実に手持ちの運用を想定されていないはずなのだが、平然と装備できる。ブレードは稼働してるしブースターは火を噴ける。
ウォーレンに細かい加工ができるとも思えないのでリグの基本機能と思われるが、凄まじい汎用性である。

入手方法としては主に二つ。落ちているのを拾うか、装備している敵を倒して奪い取るか。蛮族みたいだが非常時だから仕方ない
相手が人型の場合は武器を持っている腕を切断して奪い取る必要がある。
ボス撃破時に自動入手できる武器はノーマルとVer.2の二種類があり、後者は一定条件を満たしてボスを撃破する必要がある。
そのため全武器コンプリートには最低2周以上の周回が必要。しかもラスボスも同様に条件撃破があるため、使えるのは3周目以降になってくる。



DLC

便利グッズを入手できる有料DLCが1つ、武器やギアを追加する無料DLCが複数と、追加ステージを遊べるようになる有料DLCが2つ配信されている。
武器追加のDLCを本編と同時に購入するのはゲームバランスの面からもあまりお勧めしない。
新たな武器を手に入れるには当然ながらそれを装備した敵を倒し、手足ごともぎ取る必要がある。装備した敵がかなり強いのだ。

  • A Walk in the Park
本編で起きた事故の影響により崩壊したテーマパーク「CREOワールド」が舞台の追加シナリオ。
本編とは打って変わって明るい雰囲気のステージを、狂ったマスコットロボや発狂したレスキュー隊員が徘徊する悪夢のような場所になっている。
施設の裏側? 当然のごとく真っ黒です。


  • 善玉、悪玉、改造漢
ウェスタン調に作り上げられたCREO社の研究実験施設を駆け抜け、ゴールの報酬を手にしよう。
小さなステージをつなげたチャレンジミッションに挑むDLC。
事前に条件を設定することで難易度と報酬を引き上げることができる。当然ながら無理は禁物。
ステージの入り口は粗暴な博士のがなり声が教えてくれる。
ついでにプレイ中にもあちらこちらでやかましく騒ぎ立ててくれる。完全攻略すれば黙らせることもできるが、ないと少しだけ寂しい気分になる。


追記修正は麻酔なしでインプラント手術を受けてからお願いします。

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最終更新:2024年04月08日 10:10