ヴェノム(遊戯王OCG)

登録日:2020/08/01 Sat 20:50:49
更新日:2024/02/16 Fri 19:23:00
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この毒沼の中では、貧弱なヒーローはあっという間にあの世逝きだぞ!



「ヴェノム」とは遊戯王OCGに存在するテーマのひとつ。
アニメ遊戯王GXのプロフェッサー・コブラが使用。
続編の遊戯王作品でも登場はした…したのだが…(後記)


概要

モンスターは/地属性のどちらかであり、蛇モチーフの爬虫類族で統一されていた

属するカードのほとんどが「ヴェノムカウンター」に関連した効果を持っていて、
各種ヴェノムでヴェノムカウンターを相手のモンスターに置き、スワンプやスプラッシュで被害を与えるコンセプトになっている。
まさしく毒属性攻撃でじわじわ相手を衰弱させる陰湿なデッキ。


なのだがそのデッキパワーは、GX期ということを差し置いても弱い。

+ ちょっとめんどくさい閑話
このように現在は「サポートももらえずに放置されて10年以上経つ弱小テーマ」といった位置づけだろうし、
現在のプレイヤーには「当時からすでに評価が低かった」と思われているだろうが、実際には当時のプレイヤーからの評価は決して低くなかった。

これは当時のプレイヤーにとって、【爬虫類族】と【ヴェノム】がほとんど同一視されていた(区別をつける必要がなかった)」ことが原因。
爬虫類族にまともなサポートがない上にヴェノミノン・ヴェノミナーガという特定カテゴリに大きく関係した(ように見える)カードがフィニッシャーになったので混同しやすかったのだ。
《毒蛇の供物》が来てからは動きと強みが分かりやすくなったため、それなりに人気を博した。
現在なら「ヴェノミノン軸の【爬虫類族】」と言った方がいいだろうが、当時はそれが【ヴェノム】とは呼ばれていた。
そしてこのすぐ後に急激なインフレが始まったこと、後に登場した《邪龍アナンタ》とのディスシナジー、《ワーム・ゼロ》+《未来融合-フューチャー・フュージョン》(エラッタ前)の胡散臭すぎる墓地肥やしもあって、ヴェノミノンの存在すら急速に忘れられていったのだった。

一方で、《ヴェノム・スワンプ》を利用したコントロールデッキも一部プレイヤーの間で研究されていた。
当時はシンクロ召喚すら存在せず、《おジャマトリオ》が規制されていたことからも分かる通り、モンスターがフィールドに維持されやすい環境だった。
さらにこの時期は《大嵐》《サイクロン》がそれぞれ制限カードであり、魔法・罠に依存した戦略が今とは比べ物にならないほど強い時代だった。
こういった環境を利用し、ロックパーツや高い守備力を持つモンスターなどで相手の攻撃をいなしつつ、《ヴェノム・スワンプ》による攻撃力低下と各種サイクル・リバースやスピリットでじわじわと攻めていくというものだ。
《デス・ラクーダ》《スカラベの大群》《イナゴの軍勢》《ステルスバード》あたりでリソース勝負に持ち込んでいくという、今ではとても考えられない素朴な戦略である。1:1交換すら怪しい《スナイプストーカー》ですら制限カードになるレベルのデフレ環境だからこそ成り立ったデッキだろう。
しかしこんなタイトなデッキに事実上バニラのヴェノムモンスターなんて入れたら邪魔なだけなので、ヴェノムモンスターは1枚も入らなかった。

こういった事情があり、「ヴェノム=ヴェノミノンやヴェノミナーガを軸にした爬虫類族デッキ」という見方が強かった。
コメントにも「ヴェノム結構強かったじゃん使ってて楽しかったぞ、とか思ったが、よくよく思い返してみると自分が使っていたのはヴェノミノンとヴェノミナーガ入れたレプティレスだった」というものがあるが、かつては割とこういう認識のプレイヤーが多かったのである。

ちなみにヴェノム……というか第五期中盤のテーマには非常に面倒くさい性質がある。それはカウンターを多用するという点。他にも雲魔物やエーリアンなども存在する。
そのためミラーマッチになるとカウンターの管理が面倒なのはもちろん、【雲魔物】あたりと戦うとカウンターの管理がしっちゃかめっちゃかになる
当時あったジョークに、「この手のカウンターを大量に乗せるデッキを用意して対戦相手を混乱させて情報アドバンテージを稼ぐデッキ」なるものがあった。まだジャッジキルという言葉が広まっていなかった頃の素朴な話題である。
また、ヴェノミノンとヴェノミナーガがともにレアリティがやたら高く、組もうと思うとこの2種類だけで大変お金がかかってしまったデッキでもある。

そんなわけでヴェノム全盛期を知る老人の一人として言うと、まぁ……どんな戦略を取るにせよ、そんなにいいデッキじゃないよ、とだけ。
実際この手のデッキの問題点は、付き合わされる側の「じくじくと対抗策を奪われてイヤな気分になる」というものはもちろん、
使っている側も「簡単に出せる『切り札』でこれまで築いてきた戦陣をたやすく否定される」ことにもある。
つまり現在の遊戯王とは、戦略以前に思想自体がことごとく噛み合っていないのだ。

ただしC チェーンとは違ってデッキの方向性自体は明確なので、「このままほったらかされるのは気の毒だ」と強化を望む声は多い。
実際「毒で相手を弱らせる」という戦略は、現在の遊戯王ではむしろ物珍しく見えることだろう。
しかしヴェノムの個性は「フィールドにいるモンスターをじわじわ弱体化させる」ことにある。当然だが現在の環境でそんな悠長なことができるわけがない
もし強化されるとすれば、高速でヴェノムカウンターをのせて弱体化と破壊を狙う形になるなど、ヴェノミノンとヴェノミナーガだけは残したまったく別の動きをするデッキになることだろう。

現状ではヴェノムモンスターやヴェノムカウンターを活かす方法は後述の「ヴェノム・スプラッシュ」によるバーン狙いほぼ一択。
それもデッキの象徴であるはずのヴェノミノンやヴェノミ・ナーガ、ヴェノム・スワンプと併用する意義があまりない。

モンスター


ヴェノム・スネーク

効果モンスター
星3/地属性/爬虫類族/攻1200/守 600
1ターンに1度だけ、相手フィールド上モンスター1体に
ヴェノムカウンターを1つ置く事ができる。
この効果を使用したターンこのモンスターは攻撃宣言をする事ができない。

ヴェノム・ボア

効果モンスター
星5/地属性/爬虫類族/攻1600/守1200
1ターンに1度だけ、相手フィールド上モンスター1体に
ヴェノムカウンターを2つ置く事ができる。
この効果を使用したターンこのモンスターは攻撃宣言をする事ができない。

ヴェノム・サーペント

効果モンスター
星4/闇属性/爬虫類族/攻1000/守 800
1ターンに1度だけ、相手フィールド上モンスター1体に
ヴェノムカウンターを1つ置く事ができる。

メインデッキのヴェノムモンスターであり、それぞれ起動効果でヴェノムカウンターを乗せる効果を持つ。
だがそれ以外の効果は一切持っておらず、しかもスネークとボアは効果を使ったら攻撃ができなくなる始末。
ヴェノムカウンターを置くことでスワンプやスプラッシュに効果をつなげることはできるのだが
逆に言うとスワンプやスプラッシュがなければヴェノムカウンター何の意味もなく
これらのモンスターカードも事故札にしかならないことが多い。

ヴェノムカウンターは沢山置いてナンボのカウンターなのだが、1つ2つチマチマとしか置けないくせに
展開効果も自己特殊召喚効果もヴェノムモンスターを展開するカードも一切ないのは頂けない。
展開力が絶望的過ぎて真面にカウンターを置くこともできない。
ボアに至っては並の下級より低い攻撃力の5つ星モンスターで、この有り様なのだから気の毒である。

《ヴェノム・スワンプ》が発動し、かつ相手モンスターにヴェノムカウンターが乗っている前提ならばそれぞれ戦闘では攻撃力2600・1700・1500相当のパワーを発揮できる。
…が、そこまで条件が揃ってようやく標準レベルの打点、しかもサーペント以外は攻撃できないというデメリット付きかつ他に有用な効果もないのでは……。

そしてサーペントは「カウンターを置いても攻撃できる」「キングレムリンの素材になれる」という理由で
他の二枚と異なり「マシなカード」と高評価を得ているのだから、ヴェノムデッキそのものが気の毒なレベル。

ヴェノミノンやヴェノミナーガの活用を真面目に突き詰めていくと真っ先に抜けるというすさまじい構造矛盾を抱えている。
実際【ヴェノム】の黎明期に《スネーク・レイン》で真っ先にデッキから落とされてたくらいで、さらにそのうちデッキからも抜けるようになった。ヴェノム抜き【ヴェノム】ってなんだよ

ちなみに後にコナミから出てきたゲームに登場する同姓同名の男、ヴェノム・スネークとは関係はない。


ヴェノム・コブラ

通常モンスター
星4/地属性/爬虫類族/攻 100/守2000
堅いウロコに覆われた巨大なコブラ。
大量の毒液を射出して攻撃するが、その巨大さ故毒液は大味である。

高い守備力を持つ通常モンスター。
低攻撃力、通常モンスター、レベル4と恵まれたステータスの持ち主であり、真っ当な運用方法は色々ある。
ウサギちゃんから呼び出して、爬虫類族デッキの命綱キングレムリンの素材になれるとか。
ただ守備力2000の壁に頼れる環境でもないため基本的には攻撃力の高いエーリアン・ソルジャーガガギゴが優先され、特に前者は属性も同じ。
低攻撃力・高守備力やヴェノムであることを活かせるサポートを使うか、エーリアン・ソルジャーに次ぐ地属性バニラが必要なら採用できる。

攻撃力100なので、ダメージ=レプトルでほぼ確実に特殊召喚できる。
しかし、墓地に爬虫類族が十分溜まっているなら下記のヴェノミノンを出した方が良い。

効果を持たないカードが「ヴェノムで一番使いやすい」と言われるのがとても皮肉。


毒蛇王ヴェノミノン

効果モンスター
星8/闇属性/爬虫類族/攻 0/守 0
このカードはこのカード以外の効果モンスターの効果では特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、「ヴェノム・スワンプ」の効果を受けない。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
このカード以外の自分の墓地の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。


効果モンスター
星10/闇属性/爬虫類族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
「蛇神降臨」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚できる。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、
このカード以外のカードの効果の対象にならず、効果も受けない。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
このカード以外の自分の墓地の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、このカードにハイパーヴェノムカウンターを1つ置く。
このカードにハイパーヴェノムカウンターが3つ乗った時、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。

蛇神降臨

通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在する「毒蛇王ヴェノミノン」が戦闘以外で破壊された時に発動できる。
手札・デッキから「毒蛇神ヴェノミナーガ」1体を特殊召喚する。



単体での性能は個別項目を参照。

【ヴェノム】の切り札として設計されたであろうカードだが、爬虫類族である以外にシナジーがあるとは言えない。
攻撃力強化の条件はヴェノムモンスターではなく爬虫類族を墓地に溜めることなので、ヴェノムよりも強力なモンスターで固めた【爬虫類族】に採用すればいいだけである*1
カテゴリとして纏められていたのは当時【ヴェノム】と【エーリアン】程度だった*2が、今ではより選択肢が増えている。
ヴェノミナーガの特化デッキであればヴェノムカウンターの弱体化の戦闘補助もいらないし、運用にヴェノムカードは一切必要ない。

そこをおして【ヴェノム】で採用しようにも、
ヴェノムにヴェノミノンの召喚を補助する手立てがあるわけでも無く、
自壊に特化してるわけでもないので、ナーガ様を呼ぶ蛇神降臨のトリガーも汎用頼み。
墓地肥やしが得意なわけでもなく、そもそも種類が少なすぎて攻撃力も確保できない。
絶望的にヴェノム自体の展開力が低い…というかほぼ種族サポート頼みな以上、他の爬虫類カテゴリのほうがよっぽど相性がいい。

というかそもそも、当時のプレイヤーですらヴェノム関係のカードをあらかた抜いて別の爬虫類にすることの方が多かった
一番ヴェノムカウンターをうまく使っているのが、後述の《ヴェノム・スワンプ》コントロールという始末。ほんとになんなんだこのテーマ

現環境では破壊耐性対策等で破壊以外の除去手段も豊富なので、蛇神降臨のトリガーとなるカードは自分で用意しておくのが基本。
激流葬や毒蛇の供物の破壊に巻き込んだり、スネーク・レインでヤモイモリを墓地に送るといった方法が考えられる。
特にリミット・リバースはヴェノミノンの蘇生と破壊を1枚で担えるので使いやすい。
ヴェノミナーガに進化しづらい場合でも、ヴェノミノン自体はダメージ=レプトルやリミリバで出しやすいアタッカーとして利用可能。


魔法


ヴェノム・スワンプ

フィールド魔法
お互いのターンのエンドフェイズ毎に、フィールド上に
表側表示で存在する「ヴェノム」と名のついたモンスター以外の
表側表示で存在する全てのモンスターにヴェノムカウンターを1つ置く。
ヴェノムカウンター1つにつき、攻撃力は500ポイントダウンする。
この効果で攻撃力が0になったモンスターは破壊される。

ヴェノムデッキの生命線。
このカード自体もヴェノムカウンターを置く効果を持つが、
ヴェノムカウンターの数に比例した弱体化効果が最大の特徴である。
攻撃力が0になれば相手モンスターの破壊まで狙える。

自分フィールドにヴェノム以外の表側表示モンスターがいた場合、そいつらも服毒してしまう。
その点、スピリット妖仙獣など自力で手札に戻れるモンスター、エンドフェイズに裏守備表示に戻れるサイクル・リバースモンスターとは相性がいい。
そのため各種サイクル・リバースモンスターと併用したコントロールデッキを試す人もいた。《デス・ラクーダ》《スカラベの大群》《イナゴの軍勢》《ステルスバード》あたりがじくじくとアドバンテージを稼いでくるのは、それはもう恐怖そのもの。
特にプレイヤースキルの高い人が使うこれらのデッキは、ガチデッキ使いすらたじたじになるような堅実なポテンシャルがあった。そして大体強カードで布陣を壊されて大逆転劇されて終わる

生命線だがヴェノムカウンターを置く手筈のモンスターは御覧の有り様で、
スネークとボアの「攻撃できない」制約がここにきて重く圧し掛かる。何のための弱体化だ
このカードのヴェノムカウンター生成タイミングもエンドフェイズ時と遅く、戦闘補助の役割を果たせない。
またヴェノムカウンターによる弱体化はスワンプがないと発揮できず、除去の的になる。
このカードに耐性も無く、また耐性を与えるヴェノムカードもないのは時代だからとしても
スワンプ中毒のデッキのくせしてサーチ・サルベージ手段も持っていないまでくると流石に話にならない。せめて《E・HERO キャプテン・ゴールド》みたいなヴェノムがいればなぁ……。

さらには
  • じっくりと弱体化を狙う戦術では欠伸が出るくらいデュエルが高速化
  • ヴェノムカウンターを置かれてもEXモンスターの素材にしてリセット
  • 除去手段が豊富になり、フィールド魔法の破壊なんて誰でも当たり前にできる
  • そんなワケで毒にやられる生半可なモンスターにお目にかかる機会がそもそもない
と、環境のインフレによる新たな弱点が浮き彫りになる始末。

といっても《ヴェノム・スワンプ》軸のコントロールデッキは、ぶっちゃけやっていて不機嫌になるプレイヤーも多いようなデッキだった。
そのことを考えれば、こういったカードが相対的に弱体化するのは仕方のないことだろう。

ちなみにオシリスの天空竜の召雷弾と同様にこのカードの効果で攻撃力を0にしなければならないため、
元々場で攻撃力0のモンスターにはヴェノムカウンターを置く効果(とこの状態では基本的に意味をなさないが攻撃力ダウン効果)しか適用できない。
この点を利用して攻撃力0のモンスターと併用するという戦術もあったので、この点は一概に悪いとは言えない。当時だと攻撃力を0のまま運用するカードはかなり珍しかったし。

なお、お互いのフィールド魔法が《ヴェノム・スワンプ》同士だと、エンドフェイズにヴェノムカウンターが2個乗り、それぞれの弱体化効果で合計2000も一度に弱体化することになる。
普通にやるとヴェノム同士のミラーマッチというかなり特殊な状況でしか起こらないが、《土地ころがし》を使うとフィールド魔法を送りつけることができるため、自分のカードのみでも成立はする。
実用性は少ないが、弱体化数値はまだ実用性が出てくる。


ヴェノム・ショット

通常魔法
自分フィールド上に「毒蛇王ヴェノミノン」、「毒蛇神ヴェノミナーガ」
または「ヴェノム」と名のついたモンスターが表側表示で存在する時に発動する事ができる。
自分のデッキから爬虫類族モンスター1体を墓地に送り、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体にヴェノムカウンターを2つ置く。

爬虫類族の墓地肥やしと、ヴェノムカウンターの生成を行う。
しかし爬虫類族の墓地肥やしカードは、手札コストがあるとはいえ一気に4枚墓地送りにできるスネーク・レインがあり
モンスター1枚だけ墓地に置くなら、条件もコストも無いおろかな埋葬で十分。

差別化点としてはヴェノムカウンターを置けることであり、後述の「ヴェノム・スプラッシュ」のバーンを狙うなら1400分のダメージになるため使う意義はある。
ヴェノムモンスターが必要という点もヴェノムカウンターを貯める必要があるデッキなら採用できる。


ヴェノム・スプラッシュ

通常罠
ヴェノムカウンターが乗ったモンスター1体を選択して発動する。
そのカードのヴェノムカウンターを取り除き、
取り除いたヴェノムカウンターの数×700ポイントダメージを相手ライフに与える。

ヴェノムカウンターを置くもう一つの理由。
…というか、ヴェノムカウンターを置くカード及びヴェノムの効果モンスターを使う唯一の意義かもしれない。
ヴェノムカウンターの数に応じたバーンダメージを与える効果で、倍率はまあまあ高め。
ヴェノムカウンターをすべて取り除くのでスワンプの弱体化がリセットされてしまうが
上手いこと毒とデッキが回れば、引導火力として期待できるくらいのポテンシャルはある。
ただし、肝心のヴェノム・スプラッシュをサーチする手段が乏しいのが問題。

「トラップトリック」でサーチしてセットが可能なので、ヴェノムカウンターを乗せるモンスターを上手く展開できれば1ターンで結構な火力は出る。
このカードの火力で勝利を狙う場合、「ヴェノム・スワンプ」があるとヴェノムカウンターを乗せた相手モンスターが破壊されることになり、むしろ併用しない方がよかったり。


蛇神の勅命

カウンター罠
手札の「ヴェノム」と名のついたモンスターカード1枚を相手に見せて発動する。
相手の魔法カードの発動と効果を無効にし、それを破壊する。

ヴェノムデッキ用のカウンター罠。

こちらのアドを減らすことなく効果を無効にできるのは優秀なのだが、如何せん対応しているのが魔法カードのみと狭く
しかもヴェノムを手札に握らないと発動できない部分が長所を消している。
通常モンスターの《ヴェノム・コブラ》を握っておき次のターンに展開するといった事は可能にはなるが。


反撃の毒牙

通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在する「ヴェノム」と名のついたモンスターが
攻撃宣言を受けたときに発動する事ができる。
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。
その後、攻撃モンスターにヴェノムカウンターを1つ置く。

ヴェノム専用の防御札。追加効果としてヴェノムカウンターを置く。

攻撃反応罠に対する信頼性も今よりはるかに高かった時代のカードなので、
「低ステータスのヴェノムを野ざらしにして、反撃の毒牙が破壊せずに攻撃することを期待する」部分を責めるのは野暮ではある。
それならそれで共通の合言葉「和睦でおk」で済んでしまうのが悲しいかな。
たった1つしかヴェノムカウンターを置けないのに差別化もクソも無いのは当時から変わっていない。


新たな希望?

なにかと散々な扱いのヴェノムカードだが、アニメ遊戯王ARC-Vにて新規「ヴェノム」カードが登場!



魅惑の香りで虫を誘う二輪の美しき花よ
今ひとつとなりて、その花弁の奥の地獄から、新たな脅威を生み出せ!

融合召喚!現れろ、飢えた牙持つ毒龍!






スターヴ・「ヴェノム」・フュージョン・ドラゴン!


融合・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2000
トークン以外のフィールドの闇属性モンスター×2
(1):このカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。
相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選び、
その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をターン終了時までアップする。
(2):1ターンに1度、相手フィールドの
レベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。
エンドフェイズまで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
(3):融合召喚したこのカードが破壊された場合に発動できる。
相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。


……既存のヴェノムと効果の関連性は全くない。
それもそのはず、たまたま既存のカテゴリーの文字が入ってしまった事故だから
このカードの使用者のデッキも「爬虫類のヴェノム」とは全然関係ないデッキで、完全な肩透かしであった。

それでも「蛇から脱皮してドラゴンへ昇華した」なんて冗談も言えればよかったのだが、シナジー以前の話しとして
既存の爬虫類ヴェノムが論外なレベルで弱いので、ヴェノム同士を合わせるという選択肢が無い。

魔法罠については、「スワンプの弱体化を受けない」「ショット、反撃の毒牙の発動条件を満たせる」という利点が生じる。
ただし反撃の毒牙は論外の性能なので利点としてカウントできない。
さらにスターヴ・ヴェノムは(超融合という召喚手順も含めて)相手の場を荒らす効果をもともと備えているので
わざわざスワンプでチンタラ弱体化を狙う理由も隙も無い。

なお、ARC-Vでは他に覇王眷竜スターヴ・ヴェノムやグリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンと覇王紫竜オッドアイズ・ヴェノム・ドラゴンが登場しているが、
どれももれなく【ヴェノム】と特に相性が良くない。むしろ【ヴェノム】を相手にする場合ちょっと有利になる程度。



そんなわけで明日を夢見るには厳しいテーマと言わざるを得ない。もちろんチェーンよりは全然ましなのだろうが、それでも厳しいと言わざるを得ない。
一番の問題は《スネーク・レイン》があまりにも強すぎるせいで、下手に強化すると環境が悲惨なことになってしまうということだろう。



暇な時間に覆われた巨大なアニヲタ。
わずかな知識を射出して追記修正するが、だいぶ昔の記事故その内容は大味である。


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最終更新:2024年02月16日 19:23

*1 先述の通り、GX当時の【ヴェノム】はこのような【爬虫類族】デッキのことを指すことが多かった。

*2 ただしTAEV当時の【エーリアン】は「何をすればいいかよく分からない、まとまりのないテーマ」といった趣だった。デッキを組む人が頻繁に見られる程度の人気テーマになったのは《宇宙砦ゴルガー》登場後である。こういった評価はガイザレスが来る前の【剣闘獣】、女王が来る前の【アマゾネス】、他にも【電池メン】【忍者】【マシンナーズ】など様々なものが該当する。《歯車街》の登場前後で動きが別物になった【古代の機械】も入れていいかもしれない。