成田空港駅・空港第2ビル駅

登録日:2020/09/06 Sun 14:10:52
更新日:2024/01/27 Sat 19:32:05
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成田空港駅(なりたくうこうえき)および空港第2ビル駅(くうこうだいにびるえき)は、JR東日本成田線(空港支線)と京成電鉄(本線、成田スカイアクセス線)の駅。

その名の通り、ともに成田国際空港(旧・新東京国際空港)に直結しており、勿論所在地は両駅ともに千葉県成田市。

本項では京成の初代成田空港駅である東成田駅についても述べる。

成田空港駅

JR成田線・京成線共に当駅が終点。
第1旅客ターミナルビルの最寄り駅。というか第1ビルの真下(地下)にある。
英語表記はNarita Airport Terminal 1 Station。かつてはNarita Airport Stationだったが、第1ビル直結であることを強調するために変更された。

現在の成田空港駅は2代目にあたる。
ちなみに初代の成田空港駅は現在の東成田駅(後述)にあたる。
元々は計画中止となった成田新幹線の予定地だった場所を在来線のために転用し、JR・京成ともに当駅に乗り入れるようにしたのである。
ちなみに駅の施設を保有しているのは成田空港高速鉄道という第三セクターの会社で、JR・京成ともに駅の施設を借りて使用している。

主な利用者層は成田空港第1ビルから飛行機に乗る人か、航空会社及び空港関係者だが、飛行機には乗らず空港内のショッピングモールに用事がある人や飛行機を見たい航空マニア、そもそも空港に用事がない人(鉄道マニア)も含まれる。

駅構造は以下の通り。

JR東日本

JRの成田空港駅は島式ホーム1面2線を有する。

大部分の列車は千葉駅から先の総武快速線、さらに東京駅から先の横須賀線横浜、逗子、久里浜方面)に乗り入れる。
千葉駅止まりの列車は1日に片手で数えられる程度の本数(普通列車3本と快速1本)しか運行されない。

時間帯にもよるが、基本的には
となっている。

ちなみに駅の案内放送はATOS型ではなく、東海道型が採用されている(これは空港第2ビル駅も同じ)。

列車種別

当駅始発列車の種別は以下の3種類がある。

主力の特急列車。
空港第2ビル駅から東京駅までの所要時間は最速50分くらい。

  • 快速
都賀駅までは各駅停車で、都賀駅から先で快速運転を行う。
多くの列車は横須賀線(大船、逗子、久里浜方面)への直通運転を行う。東京駅止まりは1日数本、千葉駅止まりは終電の1本のみ。
空港第2ビル駅から東京駅までの所要時間は最速で85分くらい。

ちなみに逆の成田空港行きの快速列車はかつて「エアポート成田」を名乗っていたが、「成田エクスプレス」と紛らわしいため名称だけが廃止されている。

  • 普通
千葉駅止まりのローカル運行。
各駅停車で1日3本しか運行されない。

かつての運行種別

  • 通勤快速
平日の朝に1本だけ運行されていた。
快速と違って物井駅は通過していた。


京成電鉄

京成の成田空港駅は単式1面1線と島式ホームを持つ。
島式ホームには4つの乗り場があるため、計5つの乗り場がある。

線路は3本あるが、そのうちの島式ホーム側の2本は経路別に乗り場を分け、停車位置を変えている。
というのも京成本線(京成成田、京成船橋方面)経由か成田スカイアクセス線(成田湯川・印旛日本医大方面、北総鉄道直通)経由かで運賃の計算方法が変わってくるからである。
ちなみに成田スカイアクセス線経由のほうが若干割高である。というのもこちらのほうが都心方面とのアクセスが良いため。

本線の乗り場を利用する場合は出入口の改札口とは別に、中間改札を通る必要がある。

ホームは以下の通り。

  • 1番線
この乗り場のみ単式ホーム。
スカイアクセス線経由のアクセス特急が発着する。

  • 2・4番線
同じ線路を使用するが、本線経由の列車が2番線を使用し、スカイライナーは4番線を使用する。
ただし平日朝の1本だけ、スカイアクセス線経由のアクセス特急も4番線を使用する。

  • 3・5番線
本線経由の列車が3番線を使用し、スカイライナーは5番線を使用する。

列車種別

京成電鉄の主力の優等列車。スカイアクセス線経由。
乗車の際にはライナー券*1が必要。
最高速度は160km/hで、新幹線以外の日本の鉄道車両としては最も速い。
空港第2ビル駅から日暮里駅までの所要時間は最速36分。

  • モーニングライナー・イブニングライナー
本線経由の準優等列車。ヒエラルキーとしてはスカイライナーに次ぐ上位種別であり、JRでいうホームライナー
朝の通勤時間帯に1本だけ成田空港駅始発・京成上野駅行きの上り列車として運行されている*2
イブニングライナーは3本が成田空港駅まで乗り入れる。

  • アクセス特急
スカイアクセス線経由。
名前に特急とあるが、車両は通勤形電車のものを使用しており、運賃のみで乗車可能。
大部分は都営地下鉄浅草線京急空港線直通(品川経由)で羽田空港発着の列車となり、京成上野発着の列車は平日は夕方以降に限られる。土曜日、休日は深夜に京成上野行きが1本だけ運行される。
この他、都営浅草線の西馬込駅発着の列車も一部存在する。

ちなみに空港第2ビル駅からの所要時間は、都営浅草線の日本橋駅まで最速60分、日暮里駅まで最速50分である。
スカイライナーには一歩劣るが、それでも特別料金が不要であることを考慮すると十分速い。

  • 快速特急(快特)
本線経由の特別料金不要な種別としては最上位。スカイアクセス線のアクセス特急と対をなす存在。
通勤時間帯を中心に運行される。特急より停車駅が少ない。

かつては快特(かいとく)と呼ばれたが、快速(かいそく)と紛らわしいため、現在は快速特急で統一されている。

  • 特急(京成本線経由)
ヒエラルキーとしては快速特急より下で、通勤特急よりは上。
スカイライナーと区別するために普通特急と呼ばれることも。
速達運転を行うのは京成上野駅~京成佐倉駅間で、京成佐倉~成田空港間は各駅停車。

  • 通勤特急
平日の通勤時間帯と平日/休日とも京成本線経由の京成上野行き終電に運行される。特急より停車駅がやや多い。
勝田台駅~成田空港駅間は各駅停車(特急が速達運転を行う勝田台~京成佐倉間も含む)。

  • 快速
昔は急行と呼ばれていた。ヒエラルキーとしては普通列車に次いで2番目に低い種別。
京成津田沼駅~成田空港駅間は各駅停車。
ほとんどが都営浅草線の西馬込行き。

  • 普通
京成上野~成田空港間の全線で各駅停車する。ただし、早朝と夜間に数本のみしか運転されない。
終電1本は宗吾参道行きの短距離運転となる。
また、早朝の普通成田空港行きも一部が宗吾参道始発列車である*3


空港第2ビル駅

第2旅客ターミナルの開業に合わせ、その3日前となる1992年12月3日に開業。
その名の通り第2旅客ターミナルビルの地下に存在する駅。
また、2015年(平成27年)に新設された第3旅客ターミナルビルの最寄り駅でもあり、第3ビルとの間には連絡通路がある他、無料のシャトルバスも運行されている。

日本の鉄道の駅としては珍しく、駅名にアラビア数字が含まれている(駅名では普通、漢数字が使用される。)。
かつての英語名は(Narita) Airport Terminal 2 Stationだったが、第3ビル開業後はNarita Airport Terminal 2・3 Stationに改名されている。

後述の東成田駅とは連絡通路を介して乗り換えが可能となっている。

駅構造は以下の通り。

JR東日本

単式1面1線のみ。
このホームは計画中止になった成田新幹線のスペースを流用しており、元々複線の予定だったものをJRと京成がそれぞれ片方ずつ使用することになった。
上り(千葉、東京方面)、下り(成田空港駅方面)共に同じホームから発車するため注意が必要。

京成電鉄

昔はJRと同じ単式1面1線のホームだったが、スカイアクセス線が開業する直前に島式ホームに改造した。
線路は2本だが成田空港駅と同様に経路別に列車停車位置を分け、4つの乗り場を有する形となる。
本線経由の乗り場に行く際は、成田空港駅と同様に中間改札を通る必要がある。

  • 1・3番線
同じ線路上にあるが、1番線がスカイアクセス線・北総線(成田湯川、印旛日本医大方面)経由、3番線が京成本線経由(京成成田、京成船橋方面)の乗り場となっている。
しかし、3番線ホームの有効長が6両分しかなく、8両編成の列車が到着するとスカイアクセス専用の1番線に2両分がかかってしまう*4
京成の車両は一部車両のみ開閉するドアカット機能を搭載していないため、到着時には全てのドアが開く。そのため、「京成本線経由の乗車券で当駅スカイアクセス線用ホームに降り、後続のスカイアクセス線列車*5に乗る」、「スカイアクセス線経由での乗車券で本線経由の列車に誤乗してしまう」ということが可能になる問題が発生してしまっている。
2019年3月からホームドアが設置されたが、1番線側にかかる2両分のホームドアも一緒に開いてしまうため問題は解決していない。
+ ...
ホームドアだけ閉めれば・・・→電車とホームドアの間に人が挟まる危険がある
ドアカットすれば・・・→車両は京成だけでなく北総や京急・都営と多数ある。その一駅のためにドアカット機能をつけるのは不経済。それ以前に国土交通省が新規のドアカットを認可していないという噂も・・・
ホームを延伸すれば・・・→構造物の関係でこれ以上の延伸は無理

  • 2・4番線
2番線がスカイアクセス線、4番線が本線の乗り場となっている。
こちらはどちらのホームも8両編成に対応している。


東成田駅

東成田駅(ひがしなりたえき)は、京成東成田線と芝山鉄道線の境界駅であり、当駅を跨いで直通運転を行っている。
成田空港の敷地内にあり、第2ビルには比較的近いが、第1ビルからは遠い。

実はこの駅は初代・成田空港駅で、東成田線も京成電鉄の本線扱いだった。
ただし、開業当初は旅客ターミナル(現在の第1ビル)からは遠く、当駅から連絡バスか徒歩での移動を余儀なくされたのである(ちなみに当時、第2ビルは未開業だった)。
また、かつては成田駅から空港にアクセスするバスが運行されていた。

なぜこんなことになっていたのかというと、実は成田空港へのアクセスとして成田新幹線が計画されており、空港直結のターミナル駅は新幹線の駅とする予定だったからである。
そのため、当時はターミナルビルの真下に京成線が乗り入れる余地がなかったのである。
ところが成田新幹線計画は採算面や反対運動などで国鉄末期に計画中止となってしまう。

その後当時の運輸大臣・石原慎太郎氏の一声でJR・京成ともに成田空港のターミナルビルの真下に線路を乗り入れることができるようにしたため、1991年に現在の成田空港駅が開業し、初代成田空港駅は東成田駅に改称されたのである。
同時に京成本線のルートが変更され、京成成田駅~初代成田空港駅間はローカル線の東成田線に名称が変更された。

昔はターミナル駅で飲食店や売店もあったが、現在では利用者数・列車本数が激減したため、秘境駅と扱われることも多い。
京成側でもこれを有効活用し、京成主催のツアーではコース内に同駅を見学するプログラムが必ずと言っていいほど入っている。
しかし今でも、空港に勤務する職員はこの駅を使う人もいる。
空港第2ビル駅とは連絡通路で結ばれている。移動距離は500mくらい。

現在、当駅に停車するのはほとんどが普通列車だが、上位の種別も僅かながら当駅に停車する便が存在する。

駅構造

島式ホーム2面4線の駅だが、そのうちの1面2線(旧・特急ホーム)は閉鎖されて立ち入り禁止となっているため、実質1面2線の駅となっている。

  • 1番線
京成東成田線の上り列車のホーム。
現在は全列車が芝山鉄道線からの直通列車となっているため、当駅始発は存在しない。
初代成田空港駅時代は3番線を名乗っており、普通列車のホームだった。

  • 2番線
芝山鉄道線(芝山千代田駅方面)のホーム。
初代成田空港駅時代は4番線を名乗っており、京成本線の上り普通列車のホームだった。

  • 3・4番線
現在は回送列車の留置線となっており、一般利用客はこっちのホームに入ることができない。
成田空港駅時代はこっちが1番線、2番線であり、スカイライナーを中心とした特急列車が発着していた。
前述のツアー列車ではこのホームに入線し立ち入りも可能。ホームは使用されなくなったコンコースに直結しているほか時刻表、当時のポスターなど30年以上そのままで残されているため一見の価値あり。



追記、修正は成田空港駅、空港第2ビル駅、東成田駅をすべて利用したことがある人にお願いします。



最終更新:2024年01月27日 19:32

*1 他社で言う座席指定特急券に相当するが、後述するように京成では有料ではない特急も運行しているためこの呼称を使う。

*2 モーニングライナー自体は他に3本存在するのだが、それらは京成成田駅始発のため成田空港駅には乗り入れていない。

*3 宗吾参道駅に車両基地がある関係で、入出庫列車が使用されている。

*4 当駅発着列車は8両編成で運用される快速以上の種別が大多数のため、終日この問題が発生する。

*5 特別券を購入していればスカイライナーに乗車することも理論的には可能。