ラングリッサー

登録日:2020/10/17 (土曜日) 15:42:00
更新日:2023/09/28 Thu 23:40:31
所要時間:約 5 分で読めます





遥か伝説の時より、今に伝わる剣「ラングリッサー」。
この剣をもつ者は無限の力を得るという…。



『ラングリッサー』とは、メサイヤが発売したシミュレーションRPG。
うるし原智志による美麗なキャラクターデザインと骨太な難易度が売り。
MD版の時点ではそれほどでもないが、PCE版以降はキャラゲー的側面が強くなっていった。

ラングリッサーシリーズの第1作目で、メガドライブで発売後、PCエンジンに『ラングリッサー 光輝(ひかり)の末裔*1』のタイトルで移植された。
その後、PlayStationで『ラングリッサーII』とカップリングでリメイクされ、セガサターンやWindowsに移植。
2019年にはNintendo Switch、PS4、Steam向けに新規リメイクされた(以下、HDリメイク版と呼称)。

現在はMD版とPCE版がプロジェクトEGGで、PCE版がPCエンジンアーカイブスとWii Uバーチャルコンソールで、PS版ゲームアーカイブスで、HDリメイク版が各機種で配信中。


メインストーリー

ラングリッサーを封印するバルディア王国とラングリッサーを狙うダルシス帝国の戦いを描く。

物語は城が襲撃される場面から始まり、援軍を率いて城を奪還、帝国へと進軍する。
帝国との戦いの中、魔物たちが不穏な動きを見せ、やがてラングリッサーの真実と闇の勢力の存在が露になる。

ゲーム内容

ターン制のシミュレーションRPG。全20シナリオが用意されている。分岐はなし。

HDリメイク版のみルート&エンディング分岐があり、正史である光輝ルートの他に帝国、闇、独立軍ルートが存在。
帝国ルートは帝国と「同盟を結ぶ」という物であり、「II」の帝国ルートと違い「かつての仲間を敵に回す」という物ではない。所属もバルディア軍のままである。
闇ルートは人間も魔族も、誰も虐げられる事の無い世界を作るために、レディンがボーゼルになるという熱い展開が用意されている。
独立軍ルートはレディンが乱心して、それまでの仲間の大半を敵にするのをすっ飛ばして、人類が滅亡してしまう鬱エンドである。
プレイヤーはレディン率いるバルディア王国側を操作する。

本作の特徴は「傭兵制」を採用していることで、名無しの兵士で部隊を組んで戦う大軍対大軍の戦いを表現している。

ユニット性能

ユニットは「指揮官」と「傭兵」に分けられる。

指揮官にはレベルがあり、魔法が使え、能力的にも強力だが、指揮官が倒されると傭兵も全滅する。能力はクラスごとに固定だが、レベルが高いほど能力補正が行われ、魔法の効果範囲や威力が強化される。
なお、MD版とPCE版では指揮官撃破で全滅した傭兵の経験値は一切得られないので、基本的には傭兵を先に全滅させるのが望ましいとされる。PS版以降のリメイク版では経験値の半分を得られるようになった。
MD版のみキャラロスト制で、PCE版以降はロストしなくなった。ただし、PS版以降は一度でも倒されるとキャラの後日談がバッドエンドになってしまう*2

傭兵は移動と攻撃しか行えない。
能力値は同じく固定。所属する指揮官の指揮範囲内にいると能力が補正される。
指揮官の指令コマンドで作戦を設定しておけば自動行動してくれるので、一体ずつ動かす手間が省けるようになっている。

また、メサイヤから出されたものについてはⅢを除いてHPは10で固定されているのがシリーズの特徴のひとつ。
HPは攻撃回数*3に影響するので、適宜回復しないと不利になっていく。

クラス

全てのユニットにクラスが設定されている。レベルが10になるとクラスチェンジを行える。
クラスごとに基本となる属性があり、「歩兵」「騎兵」「弓兵」「飛兵」「水兵」「僧侶」「市民」「モンスター」のいずれかに属している。
ファイアーエムブレムシリーズと同様に歩兵<騎兵<弓兵<歩兵といった相性も設定されている他、地形によっては移動力が落ちたりそもそも入れなかったりする。
PS版からは『デア ラングリッサー』のシステムを採用し、「槍兵」が追加。相性も大きく変更されている。

指揮官はレベルを10に上げることで、より上位のクラスにクラスチェンジすることができる。
デアまでは指揮能力はクラスごとに固定されているので、クラスチェンジすると基本的に傭兵も強くなる。
魔法の耐性と基本性能はクラスとランクに依存する。だが魔法の威力はレベルで跳ね上がるので、クラスチェンジすると魔法の威力が劇的に下がる。
クラスチェンジはルーンストーンというアイテムで最初のクラスチェンジからやり直せるが、HDリメイク版では「CP」というポイントを貯めてクラスチェンジするようになっており、自由にクラスチェンジできるようになった。

ショップ・アイテム

MD版ではシナリオクリア時などに装備アイテムを入手でき、戦闘前に装備させることができる。
PCE版以降はショップが追加。自由にアイテムを売買してユニットを補強できるようになった*4

その他

シリーズおなじみの隠し要素としてシナリオセレクト機能があり、隠しコマンドを入力すると好きなシナリオを能力を保持したままプレイできる。
いわゆるデバッグ機能の1つが仕様になったものだが、HDリメイク版ではシナリオセレクトがデフォルトのシステムとして取り入れられるという大幅な変更が行われた。
また、PS版以降はキャラメイキングによって初期ステータスを上下させたりアイテムを手に入れたりできる。
隠しショップなども存在し、コマンド入力でほぼ全てのアイテムが買える。

登場人物

□□□ バルディア王国 / 光輝の勢力 □□□
◇レディン
主人公。バルディア王国の王子。専用クラスはキング、ヒーロー(PCE版以降)。
後半、言動が粗野になっていくが、これはラングリッサーの魔力に魅せられてしまったためであるらしい。
その結果、エンディングでは大陸統一を成し遂げる覇王となるという、ディゴスのことを全く責められない人物となってしまった。
しかし、その統一王国も数百年後には滅び、城はジェシカの魔法でラングリッサーと共に沈められた。
だが頭のティアラは王家の末裔の証として細々と子孫に受け継がれていく。
そして後続作品が増えるたびに設定が大渋滞を起こしていき、『転生』が『モバイル』で本作の少し未来から派生するパラレルワールドと設定が変更された結果さらに悪化した

◇クリス
ヒロイン。巡礼の旅をしていたクレリックの少女。専用クラスはセイント(MD版)、プリンセス(PCE版以降)。
サルラスへ向かう道中にシカ族に襲われたところをレディンに救われた。
4面でソーンと共に援軍として参戦して以降仲間となり、最終的にはレディンと結婚した。
魔物との戦いでは彼女の僧侶が役に立つ…とは限らない。でもメテオとテレポートは役立つ。
HDリメイク版ではルートによってヒロインが異なるため、原作ルート以外では基本的にろくな目に合わない。

◇ナーム
バルディア王国近衛兵団の隊長。専用クラスはドラゴンナイト、ドラゴンロード(PS版以降)と、PS版以降追加された隠しクラスのレンジャー。
飛兵の機動力は優秀だが、隠しクラスはその逆側のロードから入るのでヒール1を覚えられるのが難しいところ。ルーンストーンで弓飛兵は浪漫。道場の出番だ
後にランスと結ばれ、カルザス王国を興す。だが子孫の姫は代を経るごとに知能が低下する上に、シリーズに登場する祖先&子孫の中で唯一髪の色が違う事を『モバイル』でネタにされる事に…
HDリメイク版では帝国と和解ルートに進むと醜態を晒しまくるランスとフラグが立たないせいもあり、レディンと結婚する。

◇ジェシカ
バルディア王国の宮廷魔術師。専用クラスはアーチメイジ(MD/PCE版。PS版以降はアークメイジ)、エージェント(PS版以降)。*5
シリーズを通して登場する人物で、何度も転生しながら数千年を生きる魔術師なのだが知識量と裏腹に本分を忘れて水際に立ち水兵に絡まれ痛手を出したりするちょっと抜けたお方
HDリメイク版では闇ルートに進むと、闇の軍勢に参加したレディンのため、ルシリス様に怒られやしないかと不安になる勢いで魔術を駆使して大暴れし、最終的にレディンに見初められ、結婚する。

◇ヴォルコフ
バルディア王国の老練な騎士で、いわゆるジェイガンポジション。クラスはソードマスターで固定される。
MD版、PCE版では騎兵が雇えたためディゴスを倒せるほど強力だったが、PS版以降は最も弱いソルジャーしか雇えなくなってしまったのでヴォルコフディゴスを倒すことは不可能になった。
レディンの護衛役として共に城を脱出するが、序盤終わりごろにレディンをかばい…。

◇テイラー
元海賊という経歴を持つ騎士。専用クラスはクロコナイト、サーペンナイト(MD版はここで打ち止め)、サーペンロード(PCE版以降)、2にシステムを合わせたPS版以降は パイレーツ、キャプテン、サーペンロード。
自軍唯一の水兵だが、水兵か騎兵しかルートがないため屋内で絶対移動力落ちるマンになってしまっており、ヒール1も使えない。
しかもサーペンナイトがないので、バリスタが雇えないという致命的欠点も持つ。
おまけに終盤ほど屋内マップが多いため、必然的に使い難くなっていく不遇な存在。
どっちがマシかというと水兵かなあ…。

◇アルバート
バルディア王国辺境警備隊の隊長。専用クラスはなし。7面でNPCとして登場、仲間になる。

◇ホーキング
イルザック王の旧友で、サルラスを治める領主。専用クラスはなし。2~3面でNPCとして登場するが正式に仲間になるのは11面。
PS版以降は2面終了時にクラスチェンジできるが、騎兵にすると3面で家から出れなくなるので経験値泥棒を防げる。*6

◇ソーン
ホーキングの部下でサルラスの警備隊長。専用クラスはなし。2.3.4面でNPCとして登場、5面から正式な仲間になる。
というか、3人ともクラスチェンジするルートが同じで、傭兵の能力修正に差がある。A+修正が高く加入が早いソーンが最も役立つ。

◇イルザック
レディンの父でバルディア王。物語序盤で命を落とす。

◇コッセル
PCエンジン版から登場したバルディア王国の司祭。
シナリオ1のクリア条件を担うようになったナームの代わりとして部隊を率いる(MD版ではナームに隣接させる必要はなく、マップ端到達でクリアだったため)。
部隊はまあまあ固くアースクエイクを使えるが、あのゼルドと真っ向からぶつかってしまうこともあってジリ貧。

■■■ ダルシス帝国 ■■■
◇ディゴス
ダルシス帝国の皇帝。ラングリッサーを求めてバルディア王国へ侵攻する。
1面から圧倒的な実力を見せつけてくるが、実は倒せる。

◇ランス・カルザス
ダルシス帝国の近衛騎士団隊長。お約束な美形ライバルキャラクター。仲間になったら微妙な能力なのもお約束
メサイヤが発売した『重装騎兵レイノス』のライバルキャラが元ネタ。
PS版以降は1度目のクラスチェンジができないとソーン以外歩兵だらけになるのに1面で稼いでいないとそこまでギリギリ届くかどうか、という状態で格上かつ相性の良いナイトマスターで現れるためゲームそのものの難易度を跳ね上げている。だが囲んでヒール道場にすると後がヌルゲーになる
その後もライアスと共にちょくちょく登場する。
帝国の滅亡後は、レディンと共にモンスターを相手に共闘。後にナームと結婚してカルザス王国を興す。
HDリメイク版では原作準拠の光輝ルート以外、どのルートでもクリス以上にろくな目に合わない。
特に帝国ルートでは、「闇の軍勢に煽られてブチ切れし、第三軍化して敵に突撃する」を二度もやってくれる

◇ライアス
ランスの部下の若手騎士。ランスと共に光輝の勢力を追撃する。
HDリメイク版では仲間になるルートがいくつかできたが、最後まで生き延びられるルートは少ない。

◇レティシア
ランスの部下。密かにランスに想いを寄せているがモンスターとの戦いで命を落としてしまい、その想いが届く事は無かった。
HDリメイク版での追加ルートは、ライアスとセットで仲間入りする。

◇ゼルド
ディゴスの右腕的存在で、バルディア王国侵攻の指揮をとり、バルディア城陥落後には玉座に座っている。
PCE版以降はクラス&地形の補正とレディンの仲間の殆どがD+修正の補正しかないこともあって鬼のように固い。道場二号

◇セリア
ゼルドの副官を務める女性。

◇サー・ガリウス
ダルシス帝国の宮廷魔導士。PCE版から名前が加わった。
魔導士であるが故に1面の敵の中でも直接戦闘はさほど強くなく、初期状態のレディンでもなんとか倒せなくもない相手。

◇ベティ
HDリメイク版追加キャラで、ランスの妹。
その立場やデザインから活躍が期待されたが、彼女のメインの出番であり、ヒロインとなるルートは、敵も味方も秩序も混沌も、最終的には自分達までをも、とにかく斬りまくる…いわゆる破滅ルートである。
破滅ルート以外にも出番はあるのだが、帝国ルートで彼女が仲間入りするルートでは戦乱の火種を道連れにするためレディンと敵対したランスに殉じ戦死、闇ルートへの分岐条件がベティが撃破される
つまるところ、「出たらベティは死ぬ出ないルートと比べると死者が増える」という歩く破滅フラグと化している。
追加ヒロインの姿か?これが…

■■■シカ族■■■
シャーマニズム文化を持ち、神に捧げる生贄を求めて野盗のような真似をしている部族。
序盤にクリスやサルラスを襲撃するが撃退される。
実は200年前から存在している。

+ ネタバレ
■■■ 闇の勢力 ■■■
◇カオス
混沌の神。本作のラスボス。PS版以降はテレポートでレディン辺りを飛ばせば死ぬ

◇ボーゼル
闇の勢力の盟主でラングリッサーに封印されていた古の邪悪。PS版以降はテレポートでレディン辺りを飛ばせば死ぬ

◇ニコリス
闇の狂信者で本作の黒幕。ディゴスとナーギャを操り、ボーゼルを復活させる。
魔術師で囲んでメテオを打ち込みまくるという作戦はシンプルながら非常に強力。アミュレットを装備しよう。

◇ナーギャ
ヴェルゼリアの観光ガイドだったが、操られて闇の狂信者となった。

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最終更新:2023年09月28日 23:40

*1 現在ラングリッサーの版権を握っているエクストリームの社員は「こうき」と呼んだこともあるが、シリーズを通して「ひかり」で一貫されているのでそう呼ばれたことは一度もない

*2 しかしバグのせいで倒されないとグッドエンドにならないキャラもいる

*3 傭兵はHP=攻撃回数、指揮官はHPの半分+5=攻撃回数で端数切り下げ

*4 傭兵を雇う資金も必要なので、やり繰りを考える必要性が出た

*5 MD版ではセイントにクラスチェンジすることも可能

*6 シルバーナイトが特殊騎馬なので、通常の騎兵以上に屋内移動で制限を受ける