早川アキ(チェンソーマン)

登録日:2021/01/23 Sat 08:36:00
更新日:2024/04/13 Sat 01:23:24
所要時間:約 8 分で読めます





自分の死に方には興味ない

俺は俺が殺したい奴を殺せれば後はどうなってもいい


早川(はやかわ)アキとは『チェンソーマン』に登場するキャラクター。

CV:坂田将吾、村瀬歩(少年期)
舞台版:梅津瑞樹


概要

公安に所属するデンジの3年上の先輩であるデビルハンター。チョンマゲのような髪型が特徴の美青年。本作屈指の公式イケメン。

かつて両親と弟のタイヨウを銃の悪魔に目の前で殺されており、悪魔への復讐の為にデビルハンターとなった。
公安に入ったのは銃の悪魔の肉片を所持することが唯一許可されており、唯一銃の悪魔本体の居場所に辿り着ける可能性がある為*1
そのような経歴から悪魔に対しては強い憎悪を抱いており、強くなるためには危険な代償も厭わない。当然ながら悪魔に対する敵意も強く、公安に所属している悪魔や魔人に対しても敵意は隠さない。

作中では、公安対魔特異4課の責任者として、デンジとパワーの監督役兼有事の際の処刑する役を任されており、彼等の事実上の直属の上司となる。そして特異課襲撃後は、再編成された特異4課の事実上の副隊長のポジションになる。

愛煙家でよくタバコを吸っている。タバコはバディで先輩の姫野に教えられたもので銘柄も同じである。昔は「骨が腐る」としてタバコは嫌っていた。ちなみにピアスも姫野に空けられた。
特徴的な髪型については、詳細は後述するが悪魔との契約によるもの。ただし、その悪魔との契約が切れた後も同じ髪型を続けており、完全に癖になっているらしい。
幼少期や悪魔と契約する前の過去編では短髪である。

性格

家族を皆殺しにされた経験から悪魔の存在を憎悪し、一見すると非常にドライな言動を取るクールな人物。
「(デビルハンターを長くやって)生きてる奴はみんな根っこに信念があるヤツだけ」という持論を持ち、当初は「優しさ」と称して、同僚となったデンジを路地裏で殴り倒して退職に追い込もうとすることまでやっていた。
悪魔に対しては一切心を開かず、パワーや天使に対しても非常に強い不信感を抱いており、あくまで利用するだけで有事の際には処刑することも公言している。

しかし根はとても面倒見の良い良識人。仲間に対する情も深く同僚だった姫野によれば、身内が死ぬと陰ですぐに泣いていたらしい。
情に絆されやすい性格で、当初は毛嫌いしていたデンジも銃の悪魔を殺すと宣言し戦う姿を見た結果、「胸糞悪い野郎だが銃の悪魔に立ち向かう気概のあるデビルハンターが1人でも多くほしい」という理由で身内からのデンジへの攻撃を身を挺して庇ったり、マキマの指示でデンジとパワーを預かり同居生活を営んだ結果、口では何だかんだ言いながらも彼等とは擬似家族を構築するまでに至っていた(通称「早川家」)。

そもそも最初のデンジに対する暴行も、アキの目線で見れば女性目当てで公安にやって来たと公言するデンジなどあの時点では論外でしかなく、むしろ普通ならば距離を取って関わらないようにするようなところを、早死にしそうだからと言う理由でデンジを生かす為に、わざと悪役を演じて暴行を振るったと言う流れなのでこの時点で本当にただのお人好しである*2

特に、デンジに対してはおおよそまともな生活など知らない彼に、まともな社会生活や社会常識を教えたのは彼であり、特に第2部以降でデンジが社会性を持ってまともな生活を過ごしているのは間違いなくアキの功績である。特にアキがデンジに教えた料理のスキルは最終局面で思わぬ形で活かされることになる
パワーに対しても同様で、作中ではどんどん事実上この2人の保護者か兄のような立場になっていった。同時に色んな意味でぶっ飛んでいるこの2人に振り回され続ける本作屈指の苦労人ポジションである。
さらに本編でも回を経る毎に、デンジ達の世話焼きな保護者色が強まっていくその姿は、ファンからは「最早兄貴というよりオカン」と言われるようになっていったのだが(アニメで追加された早川家の日常風景での言動は、完全にオカン以外の何者でもなかった)、とうとう公式小説でも「お母さんみたい」と評され、パワーからは「チョンマゲママ」と呼ばれて爆笑されてしまった。

後に、バディとなった天使の悪魔に対しても、台風の悪魔との戦いでは「目の前で死なれるのだけはもう御免だ…」という動機から寿命を吸われることすら覚悟で、台風の悪魔が作り出した暴風に飛ばされかけた天使を救出する行為も見せ、それ以降は何だかんだで天使とも打ち解けていった。

姫野は公安の先輩であると同時に、デビルハンター就任時から数年に渡ってバディとしてやっている仲である。当初は互いの事情から色々とあったが、現在ではバディとして強い信頼関係で結ばれている。さらに岸辺は研修生時代の師匠なので、姫野とは姉弟弟子の関係にもある。
姫野とも岸辺の紹介で知り合っており、その岸辺とは特異4課再編後は彼が隊長となったことで、直属の上司と部下にあたる関係になった。

上司のマキマに対しては好意を抱いており、本人曰く「恩人」とのことだが詳細は不明。ただし、デンジのことについてマキマが何か隠しているのではないかという疑念を抱き、それとなく探りを入れようとするなど、決して盲目的に従っている訳ではない。

総じて、「頭のネジが吹っ飛んだ狂人ほど生存しやすい」という、デビルハンター業界の定説に逆行するかのような真っ当な善人である。
そのキャラクター性から、色んな意味でぶっ飛んだ狂的な主人公であるデンジと比較して、ファンからは「デンジよりよっぽど王道主人公感がある」と言われることもしばしばである。というか色んな意味で少年漫画の常識の枠からはじけ飛んだようなヤツばかりである本作の主要キャラ4人の中で、唯一真っ当なキャラ付けがされているのである意味安心して見れるキャラでもある。まあそれだけに本人は苦労が絶えないのだが…

このような人物なので、業界内からの評判も良く、対魔2課などの他部署のデビルハンターや、警察の中にも仲の良い知り合いはかなりいた模様。そしてバディの姫野からは好意を寄せられていた。
しかし、姫野や岸辺からは「デビルハンターには向かないまともな性格」と評され、特に姫野からは「このまま銃の悪魔を追い続ければ殺される」と確信に近い感情を抱かれており、その為に姫野は何とかしてアキに公安を辞めさせようと度々民間への転職の誘いをかけていた。

能力

他のデビルハンターと同様に基本的には悪魔の力を借りて戦う。
ただし、本人の身体スペックもあくまで常識の範囲内ではあるものの人間組の中では高い方で、呪いの悪魔の補助ありきとはいえサムライソードともある程度渡り合える程である。沢渡などからも「いい動きをする」と評価されている。
特に刀の扱いに長けているらしく、小説版によると悪魔と契約する前の研修時代から主に刀を武器していた模様。

当初は、狐の悪魔の力を主力としていたが、狐の悪魔に事実上契約を切られた上に、寿命の問題から呪いの悪魔の使用を禁じられたことで、戦略変更を余儀なくされる。
その後は、バディとなった天使の悪魔ことエンジェルが生み出した「寿命武器」と、新たに契約した未来の悪魔の未来視を駆使し、近接戦を主体として戦うようになる。

未来の悪魔の力を借りた結果、前以上に動けるようになったばかりか、未来予知によってクァンシのような格上の攻撃も受け止める等の活躍を見せる。
そして敵のインフレがさらに進んで以降は、周囲に起こる危険を事前に予測して回避するように立ち回ったり、周囲のメンバーに警告を発したりと、どちらかと言うと前衛として戦うよりもサポートキャラとしても活躍するようになった。


契約悪魔

狐の悪魔


こいつはヒルの悪魔だね 飲み込んでいい?


最初期からアキが契約している悪魔。通称「コン」
狐と言っても、白い体毛を生やして顔全体に無数の異形の目がついた、推定体長10メートルを超える巨大な狐の化け物の姿をしている。性別は女性で本体は京都にいる模様。

公安の管理下にいる悪魔の一体であり、人間に友好的な悪魔で数多くのデビルハンターと契約している。ただし、契約しているのは男性だけであり、しかも面食いな為に強力な噛み付き攻撃ができる頭部分は、自分が気に入ったイケメンにしか使わせない。平凡の容姿の男性に対しては、前足による一撃だけで済ませている。
しかも機嫌を損ねると、契約に応じなくなったり勝手に帰ったりと、かなり気難しい性格の持ち主である。
因みにアキがチョンマゲを作っているのは、契約の代償でその部分を食べさせると喜ぶ為。

身体の一部*3と引き替えに、狐のハンドサイン(頭の使用を許されている者は狐の頭、足しか許されていない者は狐の前足にようなハンドサイン)を結んで、それを攻撃対象に向けて「コン」と呼びかけることで顕現し、前足の場合は具現化した巨大な足と爪の一撃で相手を引き裂き、頭の場合は巨大な口で相手を一瞬で噛み砕いて捕食し、その一撃を加えると去っていく。
このように非常に強力な悪魔であり、しかもその割には代償も比較的軽いことも、多くのデビルハンターから重宝されている理由だと思われる(荒井の例を見ても新人の契約悪魔としても積極的に斡旋されている様である)。

かく言うアキも、頭の使用を許されていることや、その代償の軽さや扱いやすさもあって初期は主力としていたが、サムライソード戦でサムライソードを飲み込むも、逆に内部から切り裂かれたことで機嫌を損ねてしまい、以降は一方的に契約を拒否して呼び出しに応じなくなった。
その後も、狐の悪魔自体は他のデビルハンターの契約悪魔として何度も登場しているが、ボムを飲み込んだ結果サムライソード戦でのトラウマから勝手に帰ったり、サンタクロースの人形の学習能力や物量戦に対処しきれなかったりと、敵のインフレによって限界が露呈している。

メタ的に言うと、狐の悪魔はその設定上モブのデビルハンターの契約悪魔として出しやすく、そしてモブは基本的に噛ませにしかされない為に、冴えない活躍が続いているのだと言える。
誰が言ったか配布SR。


呪いの悪魔


打て!

CV:上田ゆう子

最初期からアキが契約している悪魔。通称「カース」
アキの切り札たる悪魔であり、アキが初登場時から持っていた刀を通して契約している。ちなみに後に登場したトーリカの師匠も契約していたことから、どうやら公安が管理している悪魔ではないらしく、自主的に人間と契約しているフリーの悪魔だと思われる。

この刀は刀身が釘になっている専用武器で、この刀を最大四回対象に突き刺すことで能力を発動する。作中では「打て!」という掛け声と共に、カースの指を召喚して刀を弾かせて相手に突き刺すというやり方で、サムライソードを三回突き刺したが、そこで刀を手元から弾かれた為に、四回目を省略して能力を発動した。
能力を発動すると、呪いの悪魔が対象の動きを封じて空中で磔にし、相手に噛み付くことでそのまま呪殺する。ちなみに呪いの悪魔本体の姿は見えないので、呪殺された本人や第三者の目からは、突然対象者が空中に浮いてそのまま死んだようにしか見えない。
呪いの悪魔本体は基本的に見えないらしく、釘を刺す際に女性の唇が出現して3~0までのカウントをする他、刀を抜いて呼びかけると出現して契約者に残りの寿命等を教える。

どんな相手でも確実に殺せるという非常に強力な悪魔であり、有事の際にはデンジ達にも有効として見られていた為か、作中ではデンジ達にも詳細は伏せられていた(姫野も呪いの悪魔のことはデンジ達には隠していた)。
ただし、その代償は当然重く要求される代償は「寿命」である。しかも一度の使用でかなりの寿命を持っていかれるらしく、特に上記のように能力を省略したり呪いの悪魔の手を借りるとその代償はさらに重くなる模様。

しかし作中では、この能力で一度サムライソードを殺したものの、武器人間であるサムライソードは沢渡によって蘇生させられてしまった為に、何の意味もないまま終わってしまう。そのくせ代償として寿命を残り2年まで減らされてしまい、泣きっ面に蜂の状況に陥ってしまった。
それ以降は、これ以上の刀の使用には耐えられないと言う判断から、呪いの悪魔の刀は公安側に没収されてしまい、代わりに下記する未来の悪魔と新たに契約する流れになった。


未来の悪魔


イェイイェイ 未来 最高 未来 最高

オマエも未来最高と叫びなさい!!

CV:裕樹

狐の悪魔と呪いの悪魔を失った後、京都から派遣されたデビルハンターの黒瀬と天童によって斡旋される形で新たに契約した悪魔。
公安が生け捕りにして管理している悪魔の一体であり、その中でも特に強力な悪魔である。

樹木と男性の身体を合わせたような大柄の体躯に、枝のような2本の角と六つ目の頭、全身は獣のような毛皮で覆われていて、さらに足が一本しかないのが特徴的な悪魔であり、常時T字姿勢のポーズをとっている。悪魔らしく不気味でありながらもどこか神々しさも感じる容姿であり、ファンからは「もののけ姫のシシ神様に似ている」とよく言われる。

腹には、大きな目玉が一つ浮かぶ木の洞のような空間があり、そこに人が顔を突っ込むことで、その人間のそこから先の生涯に渡る全ての未来を知る事ができる。
そして、契約時の代償の内容の判断は「相手の未来が面白いかどうか」
アキの前にも公安内に契約者が2人いるらしいが、彼等の場合は代償として片方は「寿命半分」を払わされ、もう片方は「両目と味覚と嗅覚」を払わされたとのこと。

一人称は「俺」または「僕」
性格はその近寄りがたい外見に対して、陽気かつハイテンションで「未来最高!」が口癖で良く叫んでいる。おまけに神出鬼没の気分屋なのだが、契約内容の基準からも分かる通りその本性は生粋の邪悪な愉快犯。分かり易く言えば愉悦部的な性格である。
こいつが言う最高な未来と言うのは「人間がより苦しんで死ぬ未来」であり、人間の運命を弄びそれを見るが為に人間と契約している*4。加えて契約者に呼ばれなくても勝手に出現する場合もあり、契約者が望んでいないタイミングで望まない未来を強制的に見せて楽しむなど、非常に悪趣味な陰湿さも持っている。
それでも比較的人型に近い悪魔な為か、人間に対して敵意がある訳ではないらしく、人間を弄ぶことを目的にしているものの、人間にはあくまで一貫して協力する立場の悪魔である。むしろ下手に人間に敵対する大半の悪魔より質が悪いと言える。
ある意味、本作に登場する悪魔の中でも最も悪魔らしい悪魔である。

契約した人間の目には「未来視の力」を授ける。非常に有能かつ強力な能力であり、戦闘時に相手の動きが先読みできるばかりか、周囲の環境や周囲の人間に起こる未来まで事前に視ることができる。
この為、事前に視えた未来に対処するべく動いたり、周囲の仲間を助けたり警告を発したりとサポート面でもかなり優秀な能力である。
ただし、視える未来は数秒先の上にあくまで見えるだけなので、予知した未来を自動で回避できる訳ではなく、回避できるかは契約者の身体能力と技量に左右される。尤もこれ自体はこの手の未来視系の能力を持つキャラにはあるあるの弱点だが。
また、主導権は悪魔側にあるので悪魔の采配によって、契約者の意志とは関係なく遠い将来の未来を見せることも可能。

元々は、公安の地下牢に閉じ込められており、アキとの初対面の際はアキのあまりに素っ気ない態度に「過去最悪な態度だぞオマエ!」と落胆を露わにしていたが、彼が将来『最悪な死に方』をすることを観測して態度を一転。
観客として、その死を直接見て楽しむ為に「アキの右目に住まわせる」という破格の軽い代償でアキと契約を結ぶと、アキの右目に未来視の力を与えた上で自身も宿った。
悪魔を嫌うアキとの関係は極めてドライで、契約後も普段は特に会話などもしない。「未来最高!と言えば出てくるよ!」という未来の悪魔の言葉も一蹴している。
ちなみに作者曰く、デザインモチーフは「案山子」。ファンからは普段のT字のポーズから、他にもイエス・キリストもモチーフではないかと言われている。

第1部終了後にどうしているのかは長らく不明だったが、第2部の吉田と飢餓の悪魔の会話の中で再登場する。どうやら公安の地下牢に戻っていたらしく、ノストラダムスの大予言の真偽を分析するために、公安が司法取引で用意した死刑囚30人と契約を結んで彼等の未来を視た結果「30人中23人が1999年の7月に死ぬ」という予言をした。


武器

アキが呪いの悪魔の釘刀を没収された後に、代わりに与えられた新しい武器。
天使の悪魔の力で作られた寿命武器の一つであり、本来物理的に干渉できない幽霊の悪魔を斬ることができる等、通常の武器にはない特殊な性質を持っている。
アニメ版では、刀身が淡く青色に輝いているのが特徴。


劇中での活躍

当初は、軽い性格でチンピラのような態度のデンジを軽蔑し、さらに魔人であるパワーのこともあくまで利用するだけで信用はしていないことを公言しており、両者共に悪魔ということもあって、いざという時は殺処分する処刑人の役割も兼ねて自分の下で監視していたのだが、マキマとそういう行為をする為に銃の悪魔を倒すと言い放ったデンジの気概に触れたり、義務教育すら受けていないデンジの境遇に衝撃を受けて彼に社会常識を身に着けさせようと共同生活をするうちに、彼をデビルハンターとして認めるようになった。

サムライソード戦では、バディである姫野を失ったが、そのリベンジ戦において沢渡によって、姫野の契約悪魔だった幽霊の悪魔と戦わされることになる。しかし、幽霊の悪魔に残っていた姫野の遺志に助けられ、恐怖が消え去ったことで「恐怖で相手を認識する」という幽霊の悪魔の死角を突いて撃破。コベニの助力もあって姫野の仇である沢渡を拘束する事に成功した。
そして、もう一人の仇であるサムライソードとの決着後は、「最強の大会」をデンジと交えてさらにデンジとの親交を深めた。この場面では全編の中でも珍しい程に楽しそうなアキの姿が見られる。そしてサムライソードのキン○マは潰れた。
アニメ版では、サムライソード戦勝利の早川家の祝勝会の後に、アキが幽霊の悪魔(その中にいた姫野の幽霊)から返された「easy revenge」のタバコを、一人で一服するオリジナルシーンが描かれている。
そして、原作ではその後タバコの箱をゴミ箱に捨てる描写があり、以降アキがタバコを吸うことは2度と無かった。

自宅でデンジに加えてパワーと同居することになって以降、食べ散らかすデンジやトイレを流さないパワーに、イライラしながらもキチンと面倒を見る苦労人の素顔も見せ始める。
また、姫野に代わる新たなバディとなった天使の悪魔とも、最初は悪魔ということで反目していたが、ボム戦を経て信頼関係を築き、加えて人間の記憶を残した魔人である暴力の魔人との共闘もあって、次第に悪魔全体に対する敵意も薄れ始める。
そうして、銃の悪魔への復讐に己の残りの人生の全てを捧げるつもりだった彼の心境は、デンジとパワーと共に過ごす内に徐々に変化していき……


デンジ、パワーとの同居生活を送るうちに、アキは2人に対して本当の家族のような情を持つようになり、「二人に死んでほしくない、生きて幸せになってほしい」という思いを抱くようになった。
さらに刺客編での闇の悪魔との戦いで、危うくデンジとパワーが殺されかけた件が決定打となり、2人を失うことへの恐怖が復讐心に勝って復讐に対するモチベーションが消えてしまい、デンジとパワーを危険に晒したくないという思いから、家族の仇である銃の悪魔討伐を自ら辞退するまでに至る。

しかし、マキマが討伐作戦にデンジとパワーを参加させる意志を示した*5ことから、彼は再び作戦に参加することになるのだが、そこで銃の悪魔の現状と顛末を知らされたことに加えて、銃の悪魔討伐作戦の本当の目的を察したこともあって、銃の悪魔を倒すこと自体に意味がなくなってしまい、事実上復讐というこれまでの人生の目的を完全に失った。

さらに、その直後に未来の悪魔に告げられた「デンジによってパワーと自分が惨殺され、悪魔に最も恐れられる悪魔が現れる」という予言を受けた彼は、二人を守りたいという思いと、マキマならこの予言にも対処できるのではという天使の悪魔の提案から、マキマに直接直談判しに行く事になる。
涙ながらにデンジ達を死なせたくないという気持ちを吐露し、その為ならどんな悪魔とでもどんな契約もすると宣言したアキに対し、マキマは「それじゃあ私と契約しようか」「早川君の全てをくれるなら私が力をあげる」と告げる。
狼狽したアキに対してマキマが口にした言葉は……


これは命令です

契約すると言いなさい


間もなく、マキマの力で天使の悪魔共々洗脳され支配下に置かれ、自覚も無いままマキマと銃の悪魔の戦いに巻き込まれて、銃の悪魔の攻撃で死ぬことになる。



余談

名前の由来は、『世界で最も多く使われた軍用銃』という負のギネス記録を持つロシア製自動小銃AK-47。カラシニコフの名前で有名。作者のタツキ氏によるとこの顛末は設定段階からの既定路線であり、銃の名前に関連付けたらしい。
また、マキマへの好意の根本は元々無い設定だった為に「空き(アキ)」という意味もあったという。

何気に4巻の表紙の背景が銃の的だったり、巻タイトルが「銃は強し」だったりと実は伏線は随所にあった。
一部では「チョンマゲが銃の撃鉄に見える」という意見もある。

また、アニメ化に合わせてモンスターストライクへコラボキャラとして登場した際の友情コンボ(味方が接触すると発動する弾幕攻撃)が、「超強反射分裂弾」と「マーキングミサイル」なのだが……
「超強反射分裂弾」→壁に接触すると分裂する玉を放つ。玉は一定回数まで分裂できるのでまるで銃を乱射するかの如し弾幕が画面中に広がる(しかも水属性なので降りしきる雪や飛び交う雪玉にも見える)。
「マーキングミサイル」→敵一体をロックオンし、着弾地点で爆発を起こすミサイルをターンが終わるまで執拗に撃ち続ける(さらにターゲットを絞って攻撃する姿はキャッチボールをしているようにも見える)。
と、悪意満々な原作再現にしか見えない構成となっており、原作ファンのトラウマを抉りまくった。

そのキャラクター性や最終的な結末もあって、本作の登場キャラの中でも屈指の人気を誇っているキャラであり、第一回人気投票では3位(男性キャラの中では1位)で、第一部完結後に行われた第二回人気投票では、2位のマキマと大差をつけてぶっちぎりの1位に輝いた。
アニメ版の監督もアキのことは「事実上の真主人公のようなキャラ」と捉えていることをインタビューで言っており、実際にアニメ版は原作よりアキの視点やアキに焦点を当てた描写が増えている。

さらにそのキャラクター性やポジション等や、コンと言う名前の使い魔を召喚して戦うなどの共通点から、「呪術廻戦」の伏黒恵とよく比較される。
しかも伏黒の玉犬・渾(こん)と、アキの狐の悪魔のコンの初登場回がジャンプ本誌での連載時に同月号で被るというミラクルも起きており、呪術の作者の芥見氏もファンブックでそのことに触れている。
ただし、アキは伏黒と違って既に成人している社会人のキャラであり、むしろ主人公のデンジの監督役兼有事の処刑人という立場は、呪術で言えば五条悟に近いポジションである。

一方で、アニメ版の過去編に登場した短髪のアキは、呪術の乙骨憂太に似ていると言われることもあった。
さらにアニメ版の髪を下ろした時のキャラデザインは、ファンからは「ハウルの動く城」のハウルに似ていると評されている。


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最終更新:2024年04月13日 01:23

*1 銃の悪魔は強力な為に、一定以上の量の肉片が本体へ移動して再生しようとする特性があり、それを利用して公安は銃の悪魔本体の居場所を追っていた

*2 実際に、この時突き飛ばした先がゴミ袋の上だったり、火のついたタバコを服の上に投げた後で燃えないようにツバを吐いて火を消したり、金的ばかりを狙うデンジにあくまで正面から拳を交えようとするなど、暴行を振るいながらも端々から甘さの片鱗が見えていた

*3 体の皮膚の一部や髪

*4 未来を視る力がありながら公安に囚われているのも、効率よく人間と契約する為にわざと捕まっているのではないかと考察されている

*5 デンジとパワーには人権が無く、成果を出さなければ処分される恐れもあった