境井仁

登録日:2021/02/16 Tue 23:30:08
更新日:2024/04/27 Sat 04:20:08NEW!
所要時間:約 6 分で読めます




境井仁とは、ゲーム「Ghost of Tsushima」の主人公である。
CV:中井和哉、平野潤也(幼少期)、ダイスケ・ツジ(モデル、英語版)

以下、ネタバレの宝庫となります。





対馬を治める地頭「志村」の甥であり、現境井家当主。
だが、蒙古の襲来に際し鎌倉幕府の脅威になりうる者となった。

時は文永11年(ユリウス暦1274年、鎌倉時代後期)の二夏(旧暦5月頃)蒙古襲来の折、その最前線となった対馬にて元朝軍を迎え撃つが、「武士」というものを学んだ将軍「コトゥン・ハーン」によって尽く撃破され、地頭である志村も捕らえられた。

しかし仁は辛うじて生き延び、蒙古に支配された対馬国を取り戻すために戦うこととなる。
最初は武士らしく正々堂々と戦っていたが、蒙古襲来を境に、残虐に手を染める「冥人(くろうど)」と化す。
やがてどっちが侵略者だと言わんがばかりに蒙古の兵たちを虐殺。
蒙古であれば新兵でさえも見つけ次第皆殺し。連れている動物も例外ではない。
それどころか生きたまま炎に包み殺害。食べ物や酒に毒を仕込み、苦しませて殺す。遠距離から矢や爆弾を放り込み惨殺。
熊を放って蒙古達が食料にされるのを眺める新しい技や鎧が手に入ったので試しになぶり殺す蒙古と同じ鎧を着て仲間だと思い込んだ蒙古の隙を突いて騙し討ちをする毒で混乱させ同士討ちさせる等々、蒙古の殺戮を楽しんでいた。
それだけでなく、(野盗や裏切り者の類であるものの)その刃は同じ対馬の者たちにすら向けられる事もあった。

更に「支配される存在」である民や百姓に「戦う事」「強いものに立ち向かう事」等の余計なことを学ばせ、彼らはいつしか鎌倉幕府の支配に抗う事すら考えるほどになっていた。
彼は対馬を蒙古兵の血で赤く染め上げた後、以降行方知れずとなる。




追記・修正は、冥人等というまやかしに囚われず、鎌倉幕府の下知の元行うように。
















   *   *
 *   + 一部うそではないです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y    Y  *



【本当の概要】

その正体は、未だ若いながらも「戦えぬ者らを護る」という信念のもと戦う真の武士である。
蒙古を討ち払い、対馬とその民の平和を取り戻すべく奮闘する。その為ならば己の信念=誉れをも捨て、鬼とすら呼ばれることになろうとも。
効率的に「夷狄殺し」を繰り返すその姿は時に民衆から恐れられ「お侍様の戦いじゃない」「人じゃないみたい」と囁かれることもある。
だが、「武士」が敵わなかった蒙古を蹴散らし民を救う仁の姿は人々の新たな希望でもあり、やがて対馬を守るため冥府から蘇った伝説の武者「冥人(くろうど)」として語られ、名を馳せていく。

【人物】

対馬五大武家の一つ「境井家」の七代目当主。
両親の死後、自らの面倒を見てくれた対馬の地頭にして伯父・志村の事を「主」として「師」として、そして「父」として強く慕っており、彼から教えられた「誉れ」に殉ずる一人の武士であった。
蒙古の襲来までは、志村の「武士として勇敢に、正々堂々と戦うこと」「虚に乗ずるは臆病の印、命を奪うときも誉れと情けを以て相手を見据えること」という言葉を胸に生きていた。

実直にして真面目な性格。自分には厳しいが他人には優しく、下々の者相手であっても(多少上から目線ながらも)敬意を示し、また無礼に接されても気にしない、害した場合や約束を違えた場合は頭を下げ詫びるなど、器が大きく作法はしっかりと心得ている。
だからといって言いなりというわけではなく、相手が間違えているとなれば目上の人間にも食って掛かる威勢の持ち主。
つまり彼は相手が人間であれば身分関係無しに平等に扱うのである。それは美点と言っても過言ではないが、そういった行為も「恵まれた者だからこそできる」事を彼は知らない。
彼本人もどこか頑固なところがあり、自分の価値観だけで物事を考えてしまい、更にストレートにぶつけてしまう為相手を怒らせたり怖がらせることもしばしば。
だが自らの考えと違うものを見ても決して否定せず、現実から目も逸らさない強さと優しさは様々な人を惹きつける、地頭を継ぐにふさわしい徳を有していた。

民への情も深く、敵であっても人格者であればその精神は認めたりする。困っている民は積極的に救ったり相談に乗ったりするのは序の口。
一騎打ちの勝負の果て、「来世では真の武士となれ」「おぬし、なかなかの腕であったぞ」と手向けの言葉を送ったり、敵と内通している人間に対しても即殺したりせず話を聞こうとすることも。

一方で蒙古や裏切り者・賊徒など、対馬の民を苦しめる者に対しては容赦しない。
人売りを生業とする賊を暗殺し、首をだんご3兄弟にして晒す。
蒙古へ寝返り、仁の恩人を害した牢人の一党「菅笠衆」は丸ごと成敗。ついでに新しい毒が手に入ったからと実験台にする。
蒙古に対しては特に苛烈なこと甚だしく 手段を選ばず必ず殺す 。蒙古部隊の意気減退の為に隊長格を斬首するくらい当たり前。そもそも人間として見ているかも怪しい。

戦いに置いては勇猛果敢で怖いもの知らず。だからといって怒りに囚われることは滅多に無く、冷静沈着に戦い抜く。

実は彼は幼い頃、賊に追い詰められた父に助けを求められたが、恐怖のため見殺しにしてしまったことがある。
それ以降「臆病」を非常に嫌悪しており、常に強くあろうとするなどメンタル面もかなり強い。ただし「時には逃げることも肝要」とも述べており、決して勇気と無謀を履き違えてはいない。
「誉れ」を第一とし武士としての姿を重んじていたが、小茂田の戦いと金田城でのハーンとの一騎打ちに敗れ、「誉れ」では強大かつ残虐な蒙古には勝てないと悟る。

以降は自身を助けてくれた野盗「ゆな」の言葉を受け、「誉れ」を捨て闇討ちや暗具の使用も行うようになる。
志村の、そして己の信念の一つである「誉れ」を捨てるということは仁にとって極めて大きな決断に他ならず、実際に暗殺や毒を初めて使った際には過去を思い出し、後悔する素振りも見せる。
特に強制的に同士討ちさせる「混乱毒」は仁的には誉度最悪。使ってる方は楽しいのだが。
「この技は蒙古にしか振るわん」「この毒は蒙古との戦いが終わったら捨てる」とも決意しており、これらの行為はすべて「民を守るため」という信念と覚悟の下に行っている。新しい鎧を手に入れた際「蒙古で試してみるか」とか言い出すけど。

ゲーム的には毒を仕込む、生きたまま焼く、熊を解き放って蒙古を餌にすると言った行為も作中で可能。むしろお誂えのところに蒙古が捕らえた熊が閉じ込められてたりと明らかに推奨されてる箇所もいくつか存在している。
しかし仁は決して楽しんでやっているわけではないあくまでプレイヤーの所業である。
蒙古の兵はかなりの鬼畜揃いで同情の余地が無いのも事実であり、この辺りは「仁という人間は善良で礼儀正しいが、そんな彼ですら卑怯な手を使わなければならない敵」というゲームデザインと言える。

なお意外とおちゃめな所もあり、酔い潰れた挙げ句「真の武士に鎧はいらぬ」と言い放ったらしい。
更にとあるイベントでは美人の女性を口説くも失敗し、「なんでもない」と誤魔化すと言った可愛い一面もある。
風呂に入りながら酒や女が欲しいと俗っぽい考えを巡らせたり、ゆなや幼馴染と他愛のない話で盛り上がったりと、本来の彼は等身大の若者であると言えるだろう。

「冥人」という肩書はあの凶悪な蒙古供を蹴散らした仁の姿に畏怖してしまった民衆を説得するために、ゆなが生み出した 100%アドリブの架空
当然伝承や逸話といった背景は一切なく、突然謎の概念を押し付けられた仁も困惑していた。

実父に対しては見殺しにしてしまったこと、母の死後非常に厳しくなったことなどが重なり複雑な感情に囚われている。
一方、見殺しにされた父は特に息子を恨んでいるわけではないのか、対馬の風となって仁を助けてくれる。同じく目的地ナビ鳥となった母上は方向音痴の為たまに息子を殺しかねないが。

【能力】

主人公ということもあり、武士としての能力は非常に高い。
様々な「型」を使い、多種多様の装備で攻めてくる蒙古の兵にも存分に立ち向かえる。
身体も丈夫であり多少敵に切り裂かれたり、ある程度なら高いところから落ちても死んだりせず、毒を食らっても気合で治せる
ゲーム開始当初から武士としては完成されていたが、更に対馬の各地に伝わる奥義や弓の技を得るのみならず、
蒙古との戦いでは彼らの持ち込んだ兵器、そして隠密・暗殺などの盗賊の技をも冥人として使いこなすことになり、当代屈指の守護者として育っていく。
仁もその事を自覚している為か、味方を民の護衛に回し一人で陣地に突撃することも多い。

また地頭の甥でそれなりに恵まれた地位にいたためか、勉学にも明るい。
手紙をしたためるのはもちろん、難しい話や伝承を聞いても戸惑ったりせずすぐ理解をし、策略や作戦を立てる能力にも長けている。
…え?作戦の殆どが仁さん一人で敵陣に闇討ちor突撃?気にするな!
本人は下手と言ってるが楽器や詩の心得もあり、それで仲間の心を落ち着かせたこともある。
殺害現場や足跡などの痕跡から真相にたどり着く観察力や洞察力も優れている。

なお、能力とは少し違うが、このゲームは仁の心境≒笛を吹くか戦い方により天気が変わり、暗殺や毒などといった不意打ちを繰り返していると天候が大荒れする
尤も天気が他の部分に影響することはそれほど多くなく、誉れ高いプレイをするか笛を吹けば天候が良くなる
一見天候を操っているようにも見えるが、荒れた天気なのにモブが「今日は良いお日柄」と言う事もある為、実際には仁にはそう見えているというのが正しいのかもしれない。

【その結末】



【父との決着】




【余談】

  • 本編では一切の言及はないが、日本語限定の裏設定として名前の本当の読み方は「さかい ひとし」であり、作中で呼ばれている「じん」というのは通称であるという設定がローカライズチームにより明かされている。
    *2という実際に存在した慣習に則った設定であり、この実名は主従を誓った相手以外の人間が呼ぶのは非常に無礼であるとされたものである。武士はすべて幕府の将軍に仕えているため、作中の登場人物が本名を呼ぶことはない、ということである。
  • 真っ直ぐ過ぎる為、時にめちゃくちゃストレートに意見をぶつける。特にお調子者の堅二や傲慢さの目立つ石川先生に対しては余りにもぶっこみすぎる為、シュールで「シリアスなギャグ」となっていることも多い。ついでに矢も突っ込む
  • 基本的に作中に登場する殆どの対馬の人間からは好感を持たれる。それは敵対することになった志村も同様。
    ただし幼馴染の竜三だけは、「恵まれた存在」であるくせに「自分と対等であろうとする」仁に対し嫉妬に近い感情を抱いている。やがて恵まれない立場にいる彼は蒙古側に付くが、そこで取り返しのつかない事をしてしまうこととなる。
  • 英語版では仁(Jin)はGhostと呼ばれるようになる。Ghost of Tsushimaとはそのものズバリである。
    しかし日本語で直訳の「幽霊」や「亡霊」ではインパクトに欠けるとしてGhostは「冥人」の造語で訳されることになった。その結果ゆなは新たな伝説の産みの親となり、ひいては行善によって冥人奇譚が紡がれることになった。








追記・修正は浜で死にました…。

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最終更新:2024年04月27日 04:20

*1 それぞれのサブイベントを完全にクリアすると道具が追加される

*2 いみな。いわゆる実名を指す