オクト・エキスパンション

登録日:2021/06/01 Tue 18:32:41
更新日:2024/04/26 Fri 15:11:38
所要時間:約 6 分で読めます











蛸壺や はかなき夢を 夏の月

























「おーーーィ、タコ!」






「起きんかい、このタコやーーーィ!!」



概要

オクト・エキスパンションとは、Nintendo Switch専用ソフト『Splatoon2』にて2018年6月4日に発売された有料追加コンテンツであり、これまでプレイヤーと敵対してきたオクタリアンがメインとなるストーリーモード。価格は税込1,980円。
ハイカラスクエア右奥の地下鉄入り口かメニューから入ることができる。

記憶を失ったタコのNo.10008もとい8号が外の世界を目指して「深海メトロ」の各駅に点在するミッションを攻略していくことが目的となる。
内容としては従来のヒーローモードに近いが、その難易度はヒーローモードのそれとは比にならないほどの歯ごたえあるチャレンジどもが待ち受けている。

見事にエンディングを迎えることができれば、そのご褒美としてナワバリバトルやサーモンランなどで使える新しいアバターとして、タコボーイ/タコガールが追加される。
ちなみにインクリングたちは100年の時の流れでタコの存在を忘れ去っていて、彼らがかつての戦敵だったとは思わず、変わった髪型が流行っていると思っているんだとか。種の存亡をかけてナワバリバトルしたのにさすがはインクリングである

キャラクター

  • 8号
本作の主人公である記憶喪失のタコ。個体番号はNo.10008。ヒメからはハチと呼ばれている。
「約束の地(地上)」に向かうために必要な4つの「アレ」を集めるべく、ミッションを攻略していくこととなる。本作ではボーイのタコが初登場した*1
髪型はガールが従来のタコゾネスの髪を少し短くしたものとポニーテール、ボーイが昭和の元ボクサーコメディアン「たこ八郎」を思わせる髪型とアフロヘアの2種類ずつ用意されている。
ちなみに背負っているインクタンクのモチーフはおそらくボブルビーの『BOBLBEE 25L』。

  • アタリメ司令
前作にも登場した老齢のイカにして大ナワバリバトルの英雄であり、シオカラーズたちの祖父。フルネームは「アタリメヨシオ」。
何者かによって深海メトロに連れて行かれたらしく、脱出のために8号と行動を共にする。
8号のことは「魂にシオカラ節のグルーヴを宿したタコ」であるとしてかつて敵対してきたオクタリアンでありながら友好的。
ミッション中はアドバイスをしてくれる他、車内で話しかけるとラップを聞かせてくれる。あと絵が凄く上手い。ネーミングセンスは酷い
ミッションがある程度進むとテンタクルズの2人とのチャットが見られるが、チャットになかなか慣れない彼の会話は必見。
深海メトロが気に入ったらしく、エンディング後もそこに居着いている。

  • 3号
連れ去られたアタリメ司令を探して深海メトロに乗り込んだ前作主人公。
ストーリー途中でアタリメ司令に聞かれる質問で容姿が決まる。
騙されてネリモノに加工されそうになった8号とアタリメ司令を救出する形で登場するが、デンワによって顔につけられたネリモノで洗脳され、脱出を目指す8号に多数のスペシャルウエポンを用いて襲い掛かってくる。
全ミッションを自力で攻略すると格段に強化された、8号が思い描く理想のヒーロー「心の中の3号」との戦闘が可能になる。かなりの強敵だが、勝つことができれば限定ギアの「金のつまようじ」が手に入るため、是非とも挑戦したい。

  • ヒメ&イイダ
テンタクルズの2人。
アタリメ司令が落とした通信機を偶然拾ったことでこちらとの会話が繋がり。遠隔でこちらをサポートしてくれる。
そのサポートはゲーム中のアドバイスやヘルプにとどまらず、ストーリー中においても持ち前の財力と機械技術を駆使して八面六臂の活躍を見せてくれる。
アタリメ司令とのチャットでは2人の過去について明かされる。
また、本作の2人のコスチューム(私服の模様)は実在したラッパーであるノトーリアスB.I.Gと2Pacの格好がモデルとされている。

  • ナマコ車掌
深海メトロの綺麗なナマコの車掌。たくさんいる。性格はかなり機械的。
ミッションのスタート地点で足を伸ばしたり空中を仰いだりしている他、話しかけるとミッションについての説明をしてくれる。あと壁に張り付いている場合は撃って落とせる。

…と、ここまで書くと案外友好的な雰囲気があるが、一部の条件付きミッションで条件を失敗すると8号のスーツの爆破装置でこちらを容赦なく爆破して強制的に1ミスにしてくるというおっかない一面もある。あくまで職務に忠実なだけなのだろうが…

エンディング後で主を失ったあとであっても、彼らの手で深海メトロは動き続ける。タワレコで開催された展示会、及び後に発売されたハイカラウォーカーで確認できる資料によれば造られた存在らしい。

  • グソクさん
深海メトロに乗車しているダイオウグソクムシのおじさん。見た目は強面だが、SFなセリフをよく口にする穏やかなロマンチスト。
自力挑戦では序盤で詰んだので8号のネリメモリーに興味を持っており、路線ごとのシリーズのネリメモリーを色付きでコンプリートするごとにギアをくれる。
職業は本人曰く「深海の掃除屋」との事だが、何分恰好が恰好なので物騒な仕事にしか見えない。*2
貰ったギアはエンディング後に使用できるようになる。

  • デンワ
深海メトロ中央駅に設置されたレトロな電話。
約束の地への案内役だが…
その正体はただの電話ではなく人工知能「タルタル総帥」。12000年前に人間に代わる新たな知的生命体を見つけるべく、ジャッジくんの飼い主である科学者によって創られたが、ナワバリバトルに明け暮れるばかりのインクリングに失望し、世界をネリ返して作り直すべく人間型兵器「ネルス像」を起動。8号たちとの死闘の末、ネルス像ごと破壊されて計画は阻止された。

  • 消毒済みオクタリアンたち
ネル社の実験施設に足を踏み入れたことで消毒されてしまったタコたち。
職務にとんでもなく忠実になり、同族であるはずの8号に襲い掛かってくる。
中にはヒーローモードにも出現した戦略タコツボ兵器の強化版も存在する。
脱出ステージのひとつにオクタリアンたちが消毒される施設を見ることができるが、その中には前作にしか登場しないタコボールの姿も。

  • 乗客たち
深海メトロの乗客。
面長なクラゲやマッチョなクリオネ、壁や天井にびっしりと張り付いたオオグチボヤのように深海というだけあってハイカラスクエアでは見られない奇妙な見た目の乗客が数多く存在する。
話しかけることはできないが、触るとプルプルしたり音がなったりと面白い。

  • Dedf1sh
直接の登場はないがここに記載。
本作には様々な劇中のアーティストがBGMを手掛けているという設定があるが、オクト・エキスパンションの大半については彼女がその担当名義となる。
理想の音楽を求めて実験施設に足を踏み入れ、半ば望んで消毒されて以降は無心で作曲に打ち込むようになったタコゾネス。本名は「ミズタ アハト」*3、元ネタは実在のEDM作家「deadmau5」か。

用語

  • 深海メトロ
ネル社が地下に築いた実験施設をつなぐ地下鉄。イイダ曰くこの世ではあり得ない強度の磁場によって時間の進みが地上より遅いらしい・・・。
ステージ背景や駅名には1980年代に流行った、いわゆる「レトロ」な物品や言葉が使われており、元ネタと比べてみると楽しいかもしれない。

  • NAMACO端末
ミッションに挑戦する8号にNAMACOポイントカード共々支給された各駅間の移動に必要な端末。
プロジェクターとアナログスティックによる操作となっており、よく見ると8号の指の動きとプレイヤーの操作が連動しているのがわかる。
デザインのモチーフは2002年まで運用された潜水艦「しんかい2000」。なお後継機でロボットボムのモチーフとなった「しんかい6500」もとあるミッションにてこっそり登場している。

  • ネリメモリー
8号の記憶が形となったもの。各ミッション達成の報酬として獲得することができ、劇中のキャラクターやアイテム・アイコンの形をした消しゴムのような見た目の物体であり、調べると短歌のような文章が見られる。
後述するヘルプで面スキップしてしまった場合は改めてクリアするまで灰色の「なんかのメモリー」になり、短歌も「あまり思い出せない…」でマスクされる。
ちなみにタカラトミーにてこれらを模した消しゴムがガチャガチャで販売されていた。一回300円。
そんな大事そうなものを消しゴムにしてもいいのか
+ ネタバレ
開発陣インタビューによると、デンワもといタルタル総帥が「実験体達がこの世に存在していた証」として残しているもので、どこかに8号以前の実験体10007体分のネリメモリーが保管されているのだという。しかし、グソクさんのように途中リタイアした者もいるため、正確な総数は誰も把握していない模様。

  • エイトボール
8」と書かれた大きな玉。ミッションにおいて度々登場し、撃って運ぶことになる。
基本的にゴールポイントまで持っていくことでクリアとなり、 ステージ外に落とすと即ミスになる ので取り扱いには要注意。

システム

最初にミッションの入り口にあるドレッサーで指定されたブキの中からひとつ選び、改札でNAMACOポイントを支払うことでミッションがスタート。そして達成するとクリアの証にネリメモリーが貰え、次の停車駅のミッションが解禁される。
残機数はミッションごとに異なるが、ガチマッチ式制限時間制(残機無限)やボス戦(3〜5機)などごく一部の例外を除き 基本的に1~3機限り である。
残機が尽きた場合はポイントを支払ってチェックポイントか最初からのコンティニューになることになるうえ、さらにその残機はチェックポイントで回復しない。ブキを間違えた場合は最初からになる。

ミスを繰り返してゲージが最大まで貯まった場合、ヘルプを使用可能となる。テンタクルズに頼んでハッキングしてもらうことによってそのステージを飛ばしてしまい、ネリメモリーは不完全になる。後で自力で攻略すれば正常なネリメモリーが手にはいる。

特定の駅をクリアすることで突入可能になる脱出ステージは、当初はブキのない丸腰なので敵から隠れながら進む。もし見つかると、どこからともなく現れるタコにタコ殴りに。道中でボムとオクタシューターを入手してからは攻撃が可能になり敵や仕掛けを正面から突破していく。
余談だがこの脱出ステージには他のシーンではたいてい用意されている「スタート地点」ことリスポーン装置がなく、チェックポイント装置しかないが、そのせいかミスすると本当に死亡していると言う設定らしい…心の余裕的にもやさしくない

余談

ストーリ開始時シオカラ節をバックに映る俳句は実在する松尾芭蕉のもの。
「明日捕まって食われるとも知らずに月に照らされ蛸壺で夢見るタコ」を詠っている。
気になって検索した人はぼんやりと8号の道行きが見えたかもしれない。



追記・修正は全部のミッションを自力で攻略してからお願いします。

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最終更新:2024年04月26日 15:11

*1 一応人型のオクタリアンの男性はヒーローモードのエリアボスであるタコツボザムライが初出。また前作のミステリーファイルにはDJタコワサ将軍の人型が写っているため、そっちを初出とすることもできる

*2 現実のダイオウグソクムシも、海底に沈んだ魚などの死骸を食べて分解する「掃除屋」である

*3 ミズタはおそらく世界最大体格を持つタコであるミズダコ。アハトはドイツ語で8。