GUTS-SELECT

登録日:2021/07/31 Sat 00:01:17
更新日:2024/02/04 Sun 08:47:07
所要時間:約 11 分で読めます




「GUTS-SELECT」とは、『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』に登場する防衛チームである。




概要

地球平和同盟TPU*1シズマ財団の協力の元に結成した、対怪獣・宇宙人用のエキスパートチーム。
6年前の怪獣災害を契機に結成され、第1話時点で正式に活動開始が宣言されたできたてのチームで、ライドメカなどの戦力はまだまだ最低限だが、後述する携帯武装等の性能を見るに、成長する余地は多分にあると思われる。

制服は従来の防衛隊のようなレザー風で、黒をベースに赤と白で彩られている。掛け声や返事は「ラジャー」。
普段は巨大空中母艦・ナースデッセイ号を拠点にし、地球の各所を空中からパトロールしながら活動している。

組織風土としては、全体的にフレンドリー且つアットホームなもの。
一部隊員同士によるちょっとしたいがみ合いこそあるものの、基本的にチームワークが乱れることは殆どなく、怪獣災害や宇宙人犯罪に対しても一致団結して迅速に対応している。
また、もう一つの特徴として、前職が非戦闘分野であったり、現役高校生隊員も複数名いる等、構成する面々の年齢層やバラエティ色もかなり強めになっている。
メタな話もすると、ウルトラシリーズに限らず、過去に特撮作品に出演歴のある俳優陣が比較的多く起用されている。

主にケンゴ、ユナ、アキトにスポットが当てられ、他のメンバーは総集編のマルゥル以外スポットを当てられたことはない。
ただしキャラクター性が濃すぎるテッシンは主役回なしでも人柄が十分すぎるほど分かるように描かれ、逆に分かりにくいヒマリはスピンオフで経歴が断片的に語られている。
タツミ隊長も主役回と言えるものはないが、出番が多い関係上、どういう人物かは分かるように描かれている。
無理して全員に主役回を回さないという手法はどちらかと言えば昭和ウルトラシリーズを彷彿とさせる。


構成員

タツミ セイヤ


ナース・デッセイ号、発進!

演:高木勝也
38歳。
GUTS-SELECTの隊長。蓄えられた口髭が特徴。
医務室を抜け出したケンゴを諫めるなど、規律を重んじる厳格な人物だが、物事を柔軟に見極める観察力とリーダーシップも併せ持ち、個性派揃いのメンバーを纏める重要人物。
TPUでは怪獣と同じく危険な存在と認識されているウルトラマントリガーのことも、内心では共に戦う仲間と判断しており、自分の責任の下に援護を命令したこともある。
これだけ見ると真面目で堅物な人物に見えるが、ユナの誕生パーティーの準備をする際に、飾り付けが上手くできない不器用な一面を見せていたり*2、GUTS-SELECTアジアの総司令官に任命されたという幻覚を見せられた時は任務中にもかかわらず就任時のスピーチをニヤニヤしながら考えていたりと、実は割と親しみやすさのある人物でもある。健康診断では肝臓が悪かったらしいので、プライベートでは酒好きなのかもしれない。

劇場版『エピソードZ』では、TPU情報局に異動。後述するトキオカに隊長を任せることになる。


マナカ ケンゴ


スマイル♪スマイル♪

演:寺坂頼我
本作の主人公。
元は植物学者だったが、紆余曲折を経てトリガーの力を手に入れたことを切っ掛けにスカウトされた。
詳しくはウルトラマントリガーの項目参照。


シズマ ユナ


本当に居たんだ光の巨人…やっぱりお父様は正しかったって訳ね!

演:豊田ルナ
17歳。
シズマ財団の会長であるシズマ ミツクニの一人娘。地味に中々の巨乳。
現役高校生であり、歳はケンゴよりも下ながら、隊員としては先輩にあたる為、タツミの命令で彼の教育係を担当する。
両家の令嬢だけあって言葉遣いはどこか上品ながらも、明朗快活で面倒見のいい性格。
何かとぶつかりがちなケンゴとアキトの仲を取り持つことも多い。


ヒジリ アキト


これは俺がユナを守るために作ったんだ…!俺がこの手で光の巨人に…お前じゃない!!

演:金子隼也
18歳。
ユナと同じ高校に通う現役高校生だが、若くしてGUTS-SELECTの主武装やナースデッセイ号を設計した天才科学者としての姿も同時に持つ。
何処か無愛想で孤高な一匹狼気質で、ユナやケンゴ以外の人物とはあまり関わりを持たない。
また、元々は自身がトリガーになってユナを守ろうと考えていたが、アキト自身にその適性はなく、ケンゴがトリガーに変身する力を得たため彼のことを余り快く思っておらず、事あるごとに「ウザい」と一蹴してしまう。
一方で、ミツクニから彼のサポートを頼まれた際には、怪訝な顔をしつつも素直に従ったり、必要に応じて他の隊員の援護もする等、公私混同はせず、任務や責任には忠実。
それどころかケンゴから感謝の言葉を述べられても「ウザい」「ミツクニさんの頼みだから」といった理由で一蹴したがるツンデレ気質。
ケンゴはそんな彼の態度を最初からほぼ気にしていなかった上、アキトも憎まれ口を叩きながらなんだかんだでケンゴをウルトラマンとして当てにしており、かなり早い段階で信頼関係が生まれている。
初登場時はライバル枠になるかと思わせる描写だったが、いざ物語が進むと教育係を命じられたユナよりも日頃からの接点が多く、当初からケンゴの秘密を知っていたこともあって相棒のような立ち位置に収まった。
一部ではメインヒロインよりもヒロインらしいとか言われている。
彼の両親も科学者だったが、6年前に初めて『トリガー』世界に出現した『始まりの怪獣」デスドラゴに殺されてしまう。
以降は両親の知人であるミツクニに引き取られてシズマ家の一員となる。それ故にユナと兄妹同然ともいえる仲の為、彼女に密かに思いを寄せているが、その分彼女に気安く接する人物には容赦しない

エピソードZでは、大のお化け嫌いだと判明した。

演者はご存知の通り元てれび戦士


サクマ テッシン


世の中のすべての悩みは、筋トレすれば解決するんだよ!

演:水野直
40歳でチーム内最年長。
ナースデッセイ号の操縦士。
根っからの体育会系気質だが、決して押し付け的な物ではなく、誰に対しても気さく且つフレンドリーな豪快男児。
但し、少し礼儀に煩い面もあり、中々ラジャーと言わないヒマリに注意しているが、軽くあしらわれている。
ケンゴのことも後輩として可愛がっており、入隊時にも真っ先に歓迎。彼からユナの誕生パーティーを提案された際には一番先に賛成するほど。
上記の台詞からも分かる通り、大の筋トレマニアであり、空き時間には大抵筋トレしている。某ハーキュリーズの皆さんと比べてはいけない。あちらはガチのスーツアクターさんもいるので
リシュリア星人イグニスに二度も辛酸を舐めさせられる場面が目立つが、パワードダダ(POD-3)にナースデッセイ号のシステムをジャックされた際、マニュアル操縦によるド根性でナースキャノン砲の照準を逸らして都市への着弾を阻止した場面から筋トレマニアっぷりが口先だけではないことは確か。
トリガーのことは味方と信じて疑っておらず、TPUの決定には懐疑的。

演者は過去に『ウルトラマンジード』に出演しており、その縁で坂本監督からのオファーで出演が決まった。


ナナセ ヒマリ


一言多い…

よ~しファルコンちゃん!初陣、ド派手にいっくよ~!!

演:春川芽生
26歳。
ガッツファルコンの遠隔操縦士。
眼鏡をかけた知的な女性で、どこかアンニュイで口数も少ないクールビューティー。
何かと口喧しいテッシンとはあまり折り合いが良くないらしく、彼の細かい指摘も無視している。
その一方で、GUTSファルコンを「ファルコンちゃん」と呼んで溺愛しており、操縦席に座ると普段とは正反対のハイテンションでノリのいい性格に切り替わってしまう等二重人格レベルの二面性の持ち主
TPUの訓練教官であるホッタ ミチルの教え子であり、ミチルに技量を見込まれて推薦により入隊した経緯を持つ。
単独での大きな見せ場はなかったが、『エピソードZ』の最後に地味ながら大きな手柄をあげている。

演者は『ウルトラマンギンガS』以来の出演であるが、7年経過している上当時は10代だったため随分と雰囲気が変わっている。
余談だが本作の敵となる闇の巨人のリーダーの中の人とは、後に某競走馬擬人化プロジェクトで共演している。


メトロン星人 マルゥル


可愛いだって!?ふざけんな!俺様は由緒正しきメトロン星人のマルゥルってんだ。よろしくな?

CV:M・A・O

メトロン星人の少年。
怪獣や宇宙人の知識が豊富な解説役。
見た目は愛嬌たっぷりだが、口が悪くて意地っ張りであり、本人は可愛いと言われるのを嫌がっている。


トキオカ リュウイチ


よく頑張ってくれた。畳みかけるぞ!

演:中村優一

劇場版『エピソードZ』に登場。
最終回から2年後、タツミに代わりGUTS-SELECTの隊長を務めることになった。ただし、本人はあくまでも「まだ代理だよ」と称している。
TPU所属前は考古学者であり、ミツクニの片腕を務めたこともあってかその知識はアキトも舌を巻くほど。
戦闘・指揮も折り紙付きで、前線に立つ際はGUTSスパークレンスを巨大化させた大型レールキャノン『スパークガレオン』で怪獣に立ち向かう。
そんな彼には、意外な秘密が……。

詳細は該当項目にて。


戦力

ライドメカ

GUTS-SELECTの拠点である巨大空中母艦。
移動基地であるだけでなく、GUTSファルコンの遠隔操作を行う役目も担う。
操縦は基本的にタッチパネル式だが、非常時にはジョイスティックを用いて操縦することができる。
あの宇宙竜ナースの頭部を彷彿とさせるブリッジがある他、全体的なフォルムも、ナースの体を折りたたんだように見える。
というのも、そのモデルにはマルゥルがワイルド星人ザガーとの裏取引で入手した本物のナースから得られたデータが元になっているからである。
隊員それぞれの個室や、アキト専用の研究室もある等、生活空間としてもかなり上質。
主武装は機体右舷に装備された大型荷電粒子砲「ナースキャノン」

建造時点で変形機構が組み込まれていたが、変形させて運用できるだけのエネルギーを供給できなかったため、当初は空中戦艦としてウルトラマントリガーを援護するのが主な役割だった。
その後第15話にて、GUTS-SELECTはガンQキーを使い、アブソリュートディアボロのエネルギーを吸収
アブソリューティアンを快く思わない闇の巨人一味の介入もあって作戦は成功し、龍のごとき「バトルモード」の変形に成功する。
最大の必殺技は龍の口に施された大型キャノン砲から放つ「マキシマナースキャノン」
タツミ隊長が持つナースデッセイキーをGUTSハイパーガンにセットした後、トリガーを弾くことで最大出力の荷電粒子砲が発射される。
別のGUTSハイパーキーをセットすることで荷電粒子砲に特殊効果を付与することもできる。
防衛チームの兵器としては破格の性能を誇り、怪獣や宇宙人に致命傷を与えた回数も多く、ノーガードで攻撃を受けて無傷だった相手はいなかった。
バトルモード時は体をくねらせて動くため、ブリッジ以外の部屋がメチャクチャになるのが悩み。

名前の由来は、ナース+アートデッセイ号。命名者はシズマ会長。

序盤は空中戦艦としての後方支援が多かったが、中盤以降は主に巨大ライドメカとして最前線で活躍した。

  • GUTSファルコン
非戦闘時はナースデッセイ号にドッキングされている多目的無人可変ドローダーで、専用のゴーグルと座椅子型のコントローラーで操作される。
ナースデッセイ号からの遠隔操作で動くが、非常時用の簡易コックピット「メンテナンスブース」も設けられている。
普段は戦闘機のようなフォルムの「フライトモード」で高速接近しながら銃火器で敵を攻撃し、攻撃を当てたら高速で離脱するヒットアンドアウェイ戦法を基本とする。
戦闘機のような立ち回りが多いが、速度を落として中距離に留まる場合は攻撃範囲の自由度が高い「ハイパーモード」に変形して戦うこともある。
無人だけあって、パイロットの身体を心配する必要が無い分Gを無視したアクロバティック且つ高速な動きが可能だが、充電式の為、エネルギーが足りないと出撃出来ない難点もある。
ナースデッセイ号がバトルモードに変形するときは自動的に分離する。

携帯武装

  • GUTSスパークレンス
メンバー全員の標準武装。
銃の形をしており、そのまま光弾を放てるだけでなく、GUTSハイパーキーを装填することでそれに対応する特殊攻撃を発動できる。
詳しくはトリガーの項目参照。

  • GUTSハイパーキー
USBメモリのような形をした、GUTSスパークレンスの拡張アイテム。
アキトによって怪獣の力や、古代の石板から採取したトリガーの力が込められており、GUTSスパークレンスやサークルアームズに装填することで特殊攻撃や変身に用いられる。

  • GUTSハイパーランチャー
『エピソードZ』でトキオカが使用した武装。
携行できる武器としてはかなり大型のものとなるレールガン。
GUTSハイパーキーを3本装填して太い光線を放って怪獣を攻撃することができる。
さすがにデカすぎるので商品化の予定はない模様。

余談

  • 前作特空機で得られたものを活かし、「ウルトラシリーズお約束の防衛チームを登場させる」という演出上の事情と「防衛チームの装備を玩具として販売する」というスポンサー事情を上手く両立させている。

  • 防衛チームの武器は変身アイテムを兼ねるため、ウルトラマンのなりきり遊びのみならず防衛チームのなりきり遊びに使えるという超お得仕様。

  • 防衛チームが使うメカのほうは変形ギミックを仕込んでおり、プレイバリューを重視している。
    • 番組放送開始が7月であったにもかかわらず、ナースデッセイ号の玩具がすぐに発売されなかったのも15話になってから変形ギミックが登場するというストーリー展開との兼ね合いである。
    • GUTSファルコンの玩具には上部にドッキングジョイントがあったことや、ナースデッセイの形状が明らかに「折り畳まれた龍」だったため、変形するナースデッセイ号の玩具が出ること自体は想像できた視聴者は少なからずいたことだろう。


  • 今作から10年後が舞台の続編『ウルトラマンデッカー』にもGUTS-SELECTは名称そのままで続投。初代メンバーもマルゥルとユナを除いて宇宙開拓チームとして火星に異動するが謎の宇宙物体スフィアと戦いを繰り広げていることが判明した。
    第7話「希望の光、赤き星より」ではケンゴのみならずアキト、タツミが登場。画面には出ていないもののテッシンやヒマリの存在も台詞で確認されている。
    翌話の第8話「光と闇、ふたたび」ではユナが登場、父であるミツクニを補佐していることが判明している。
    なお、今作のメンバーは「初代GUTS-SELECT」、『デッカー』におけるメンバーは「新生GUTS-SELECT」と区分けされている。


追記修正は、ナースデッセイ号に乗りながらお願いします。

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最終更新:2024年02月04日 08:47

*1 Terrestrial Peaceable Unionの略。

*2 飾り付けが苦手なときのやり取りや、飾りを身に纏ったまま作戦行動を開始する珍プレーは中の人たちのアドリブ。自由にやれと言われてこのような展開が生まれたらしい