アーノルド・シュワルツェネッガー

登録日:2021/08/23 Mon 15:59:23
更新日:2024/04/21 Sun 09:54:02
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俺の筋肉がNoと叫んだ時、俺はYesと答える。

When My Muscles Say No…I Say Yes.


「Muscle Builder & Power」1977年1月号より アーノルド・シュワルツェネッガー



アーノルド・シュワルツェネッガーとは、ボディビルダー出身のハリウッドを代表するアクション俳優である。
日本においては、淀川長治氏がその独特かつ長い姓から一部分を取って命名した「シュワちゃん」の愛称でお馴染み。



■概要

本名は「アーノルド・アロイス・シュワルツェネッガー(Arnold Alois Schwarzenegger)」。

1947年7月30日、オーストリア共和国のシュタイアーマルク州タール町で、共にチェコ系の父グスタフ・シュワルツェネッガーと母アウレーリア・シュワルツェネッガーの次男として生まれる。

ボディビルの知名度の向上に非常に大きく貢献した点などで、ボディビルの歴史においても特に重要な人物とされている。
子供時代は病気がちで痩せっぽちだったが、カーリング競技のチャンピオンであった父の影響からスポーツに興味を持ち、スティーヴ・リーヴスの主演映画を見た事がきっかけで1962年にウエイトトレーニングを始め、学校と食事、風呂、睡眠以外の時間は全て納屋を改造したトレーニングルームでずっと己を鍛えて過ごしたとも言われる。
18歳の時に徴兵によりオーストリア連邦軍に入隊して第4戦車大隊の戦車兵となるが、この基礎訓練期間中にジュニア・ミスター・ヨーロッパ大会で優勝する。
……が、このコンテストに参加するために無許可で離隊行為を行っていた事が発覚し、1週間の収監処分を受けている。

その鍛え抜かれた肉体は「オーストリアン・オーク(オーストリアの樫の木)」の愛称で親しまれ、
先述のジュニア・ミスター・ヨーロッパやミスター・ワールド、5回のミスター・ユニバースなどのタイトルを総なめにしている。
中でもボディビルの世界最高峰とされるミスター・オリンピアでの活躍は目覚ましく、1975年の彼を含めた選手たちの戦いを描いたドキュメンタリー『パンピング・アイアン』はボディビル人気に一気に火をつけ、同時にゴールドジムを一躍世界最大のジムにまで成長させた。
戦績の面でも、1969年に当時のチャンピオンのセルジオ・オリバに敗北したものの、1970年にセルジオを破って優勝を勝ち取って以降は無敗で、6連勝という記録を作り上げた。
1975年のオリンピア優勝後に競技生活の引退を宣言するが、1978年には「世界で最も筋肉が発達した男」として当時のギネスブックに掲載されている。
1970年頃より、かねてから興味を持っていた俳優業への転身のためアメリカへと移住。以降様々な映画などに出演し、その地位を高めていく(詳細は後述)。

2003年、当時のカリフォルニア州知事がリコールされたのを機に共和党候補としてカリフォルニア州知事選挙に出馬し、当選を果たす。
もともと1980年代からジョージ・ブッシュ大統領を公に支持するなど、政界、とりわけ共和党とは縁が深かった。
民主党の強力な地盤であるカリフォルニア州において、逆境ともいえる共和党からの立候補だったが、リコールで失職したグレイ・デイビス前知事への反感も手伝い、民主党票をも取り込んで有権者の約半数の支持を受けて当選した。
州知事としては、前知事の失政などにより陥った電力危機などによって60億ドルにも上る負債を抱えた州の財政をどう再建するか、州経済をどのように活性化させるかが特に重要視され、彼は「増税なき財政再建」を掲げたことで注目された。
共和党に所属しながらも、環境問題や同性婚の成立には積極的で、同性愛者の人権保障やドメスティック・パートナーシップを支持するだけでなく、カリフォルニア独自の国民皆保険を制定しようとしたり、銃規制にも賛成するなど、政治的にはリベラル寄りな立場をとっていた。
一方で改心したストリートギャングについて彼が行ったとされる殺人事件を否認し謝罪を拒否したことから世論の反対を押し切り死刑を執行。死刑廃止国でありシュワルツェネッガー氏の生誕地であるオーストリアでは彼の名を冠したスタジアムが改名された。
また、2007年にはカリフォルニアを襲った山火事に素早く対応し、2日で鎮火を完了させた手腕は高く評価された。

2011年に任期満了で知事を退任すると、翌年の『エクスペンダブルズ2』で俳優に復帰している。

ただ、ボディビルダー時代に禁止されていたステロイドと大麻を使用していた事を告白している他、
1986年にケネディ元大統領の姪であるマリア・シュライバーと結婚し、作家となる娘のキャサリンと俳優になる息子のパトリックの2人の子を設けるが、
1997年に当時の家政婦との間に隠し子(ジョセフ・バイーナ)が生まれていたことが2011年頃に発覚し、別居の末離婚に追い込まれており、
州知事時代にもヒスパニック系議員に対する差別発言で謝罪するなど、評価されるばかりの人物ではないのも事実。
しかしそれでも、「薬を使っていたとしても彼は誰よりもストイックに、誰よりもヘビーなトレーニングを自らに課していた」と当時の関係者が語るなど、彼の生き方は今なお尊敬を集めている。



■映画俳優として

1970年の映画『SF超人ヘラクレス』でハリウッドデビューを果たす。
しかし、この頃の彼はお世辞にも上手いとはいえない演技に加えてオーストリア訛りがひどかった事が災いしてパッとせず、70年代には俳優としては苦しい日々が続いていた。

転機となったのは、1982年に『コナン・ザ・グレート』の主演に抜擢されたこと。
この映画はロバート・E・ハワードの小説『英雄コナン』シリーズの映画化作品で、その小説の人気を呼んだフラゼッタの挿絵の姿を鍛え上げた肉体美で見事に再現したと話題になり、一躍ハリウッドスターの仲間入りを果たす。

その後の1984年に、ジェームズ・キャメロンのSFスリラー映画『ターミネーター』で殺人ロボット・ターミネーターとして出演。
本作と彼の演じたターミネーターT-800は、90年代以降のその続編の存在と相まって彼の代名詞になるに至った。
更に翌1985年の『コマンドー』では、ターミネーターでの無機質なイメージから一転し、肉体を存分に活かしたアクションに加え、
温かみのある一児のシングルファーザーとしての姿や随所にちりばめられたセンスのいいジョークを披露し、この作品で正義の味方としてのイメージを確立すると共に、アクションスターの地位を不動のものとした。
その後も『ゴリラ』『バトルランナー』『プレデター』『レッドブル』『トータル・リコール』など、数多くの映画を成功させている。

1991年の『ターミネーター2』出演が商業的なピークとされ、それ以降はキャメロン監督の『トゥルー・ライズ』や2度目のゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した『ジュニア』、アクションスリラー『イレイザー』などでは一定の成功を得るものの、
1993年の『ラスト・アクション・ヒーロー』など振るわずに終わる作品も出始める。
久々に悪役を演じた『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』以降は背中を痛めて療養しており、その後の『エンド・オブ・デイズ』『シックス・デイ』『コラテラル・ダメージ』はいずれも興行が振るわずに終わり、彼の映画キャリアと興行成績は低迷する。

知事就任後は映画の出演はカメオ程度になるが、2010年のシルヴェスター・スタローンが監督及び主演をつとめたアクション映画『エクスペンダブルズ』での出演が話題になった。

州知事退任後は、俳優への復帰にあたっていくつかの作品のリメイクを出演を検討していることを明かしたが、先述の隠し子問題の発覚が影響し中止。
本格的な復帰は2012年の『エクスペンダブルズ2』となり、翌年の『ラストスタンド』の老保安官役で10年ぶりに主演を務め、同年の『大脱出』ではスタローンとダブル主演を果たした。

そのスタローンとの関係はライバル兼親友といったところで、1980年代から90年代にかけての肉体派アクション俳優の代名詞としての存在を二分し、つねに比較され本人たちも互いを意識していた。
しかし両者が直接わだかまりを作るような出来事はなく、互いの映画作品内で相手を笑いの種に使うなど、関係は良好だった。
ちなみに『ラストスタンド』撮影中に怪我をした後手術室から出てきた後、そこに入れ違いでスタローンが運び込まれた、というエピソードがある。

『ターミネーター』における台詞「I'll be back(また戻ってくる)」もしくは「I'm back(戻ったぞ)」は、以後の出演作品でもしばしば使われたことで世界的に有名になっており、日本のみならず海外のマスメディアのインタビューの際も、必ずこの台詞を発している。


■シュワちゃんを吹き替えた声優たち

日本における今日のシュワちゃん人気を印象付けているのは、吹替の存在があるといっても過言ではない。
『コマンドー』を始めとしたシュワちゃん出演の映画での数々の名言の吹替をMADに使ったものがニコニコ動画などで一分野を築いているのも、やはり吹替版の存在が一因に他ならない。
それらのMADについては「コマンドーアニメ吹き替えリンク」などで調べていただくとして、ここではシュワちゃんの吹替を行っている声優について紹介する。

ご本人公認の吹き替え声優。
1989年元日放送の『コマンドー』のテレビ朝日版の反響が大きかったことで、以降のほぼ全ての作品での吹き替えを玄田が担当している。
幽☆遊☆白書』に登場するシュワルツェネッガーをモデルにした「戸愚呂(弟)」の声を始め、
クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦』や『瀬戸の花嫁』『ダンベル何キロ持てる?』などといった作品で登場するシュワルツェネッガーをモデルにしたようなキャラクターには決まって玄田氏が起用されている。
長らく2人の間に直接の縁はなかったが、2015年の映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のジャパンプレミアに来日したシュワルツェネッガーと玄田氏が舞台上で遂に共演を果たし、
かねてより海外で自身をどのような人物が吹き替えているのか興味があったというシュワルツェネッガー本人から「これから先も僕の声を100年務めてほしい」と名実ともに永久専属声優として公認された。
ちなみに、2019年の映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』のジャパンプレミアで二人は再会している。

かつての担当吹き替え声優。
『コマンドー』以後の1980年代の作品のテレビ版、1990年代の作品のソフト版を多く担当。
80年代まではシュワルツェネッガーの最多担当声優で、1990年公開の劇場版『ちびまる子ちゃん』のパンフレットでは「アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えでもお馴染み」と紹介されていた。
20世紀FOXの『吹替の帝王』シリーズのインタビューでは「当時の事はほとんど覚えていないが、シュワルツェネッガーの体格などはあまり意識せず自分なりの演技をした」との事。
次第に玄田氏の担当が増え始め、氏が担当した作品を観るにつれ「シュワルツェネッガーは玄田さんだと思った」と語り、20年近く経っての追加収録に際して「当時に比べると声が変わったと感じ、演技的にも未熟な感じがして恥ずかしかった」と回想していた。

その他、大友龍三郎大塚明夫、菅生隆之、古田信幸、津嘉山正種、銀河万丈、壤晴彦、堀勝之祐、大塚芳忠などが吹き替えを担当した作品もある。


■日本においての人気

日本では90年代の金曜ロードショーなどTVで放送される洋画の全盛期と活躍した時代が重なったことなどから人気を博し、CMにも多く起用され「だいじょうV!」などの名フレーズも生み出したことで親しまれることになる。
鍛えられた肉体による豪快なアクションや銃撃戦の間に挟まれる小粋な言い回しのジョークという作風を好む日本のファンたちは「イレイザー」に登場するシュワちゃん演じる主人公に味方するオッサン達が終盤に名乗った「港湾労働者組合」に因んで“組合員”と呼ばれたり自称されることが多い。



(追記・修正のために)また戻ってくるぜ。

戻り過ぎじゃないか、俺が戻ってくる。


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最終更新:2024年04月21日 09:54