宇宙戦国時代

登録日:2021/08/28 Sat 15:34:14
更新日:2024/02/22 Thu 03:04:59
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”おそらく”

こうして”宇宙世紀”は少しずつ…

血を流しながら終わっていくのだろう…



宇宙戦国時代とは、『機動戦士Vガンダム』及び宇宙世紀シリーズにおける特定の時代を指す呼称。


【概要】

『機動戦士Vガンダム』の時系列における背景設定であり、宇宙世紀0140年代以降の連邦政府の弱体化とコロニー間の対立が激化した時代とされる。
『V』本編においても、宇宙戦国時代という単語が登場して触れる場面が存在する。

機動戦士ガンダムF91』以前の宇宙世紀シリーズでは、戦争の理由が基本的には「スペースノイドVSアースノイド」「コロニーVS地球」という構図だった。
しかし、宇宙戦国時代の世界観は「スペースノイドVSスペースノイド」という対立構造になっている事が特徴である。
スペースノイドとアースノイドとの対立意識や地球の特別区域扱いが消えた訳ではないのだが、一年戦争から長い時間が経過したことでスペースノイドの地球への強い興味が消えつつあった。
「宇宙棄民の象徴」だったジオン公国軍への忠誠心やそれらの残党の活動についても、宇宙世紀0090年代の袖付きの壊滅やラプラスの箱の解放で一気に衰退していた。

宇宙戦国時代はジオンやロナ家の存在が完全に消えた『V』における新たな宇宙世紀を表現する役割がある設定である。
しかし、この設定はジオンなどの脅威の存在が消えてもなお宇宙世紀には暗い未来が待っていることを示しているのかもしれない。
また、シリーズの初代作品である『機動戦士ガンダム』の時点で望んでいたスペースノイドの野望が最悪の形で実現したとも言える。


【歴史】

発端(機動戦士ガンダムF91~機動戦士Vガンダム)

ジオン共和国の自治権返還以降、マフティー動乱を経てスペースノイドの連邦政府に対する武力を用いた強い抵抗意識は薄まりつつあった。
そんな風潮が強まる最中で宇宙世紀0123年、ロナ家率いるクロスボーン・バンガードと地球連邦政府の戦争(コスモ・バビロニア建国戦争)が勃発する。
戦争自体はロナ家の分裂騒動もあって数年で連邦の勝利に終わり、ロナ家が提唱したコスモ貴族主義は宇宙世紀の人類の思想には歴史的に大きな影響を与えることなく衰退した。

しかし、コスモ・バビロニア建国戦争における連邦政府の対応やコロニーにおける連邦軍の戦闘は褒められた内容でなかった。
連邦軍は各コロニーによる連邦軍駐留部隊の拡充などの要求を無視し、政府高官に至っては「酔っ払いの喧嘩みたいなもの」とまで言い放ち、このような対応はコロニーの不信感や独立機運を高めることになる。



画像:地球連邦軍の兵器は私設軍隊の兵器に性能差で大きく劣るようになっていた
画像出典:機動戦士ガンダムF91
1991年上映/©創通・サンライズ


……実際にはラー・グスタ隊など、練度の高い兵士の果敢な抵抗は確認されている。
また政府高官のいい加減な態度こそ報道されたが、現地の連邦軍としてはその後、割と早い段階で増援艦隊を派遣していた。
更に二度のオールズモビル戦役では連邦単独で勝利している(これに関しては相手の状況を見るに勝って当たり前と言えばそれまでだが)。
結果的に後のザンスカール戦争時の連邦のやる気のなさもあって、この時期までは何だかんだでまだ連邦の意識と戦力は高かったとも言えるだろう。
しかし、腐敗や負け戦の方が世間的には目立つというのが現実であり、連邦の活躍した一面については社会から無視される傾向にあったのかもしれない。

ついでに興味深い点として「各コロニーによる連邦軍駐留部隊の拡充などの要求」とは、連邦軍によるコロニー社会の管理を強化せよという要望であり、
ジオン残党が活発だった時代の「連邦はコロニー社会の自立を邪魔するな」という欲求とは180°異なる性質があることだろう。
この時代はコロニーの全てが反連邦的な自立意識があったとかいう訳ではなく、連邦の支配体制に従順な声も多かったために要望が矛盾しているという訳ではないが、マフティー動乱以降の微妙な意識の変化が見受けられる。

宇宙世紀0133年には、木星を率いるクラックス・ドゥガチが地球圏に侵攻する「木星戦役」が始まる。
これは新生クロスボーン・バンガードの活躍でドゥガチの野望は砕かれるが、この戦争でも連邦は大きな力を示すことが出来なかった。
実際にはこの戦争でもハリソン・マディンを中心とする連邦軍一部勢力の協力や奮闘もあったが、あくまでも一部勢力の行動ということもあってか威厳を示すには至らなかった。
ちなみに、新生クロスボーン・バンガードを支援していたコスモ・クルス教団は『機動戦士クロスボーン・ガンダム メカニック設定集』によると、後の宇宙戦国時代の影響で財政難に陥ってしまうという末路を迎える。

戦争が起きてもなお連邦政府は各コロニーによる軍事面での防衛要求を無視を決め込み、これを受けて各コロニーは自衛のために軍事補強を行う。
特にオールズモビル勢力が運用していたRFシリーズがオールズモビル戦役以降にオープンソース化してしまっていたこともコロニー勢力の軍事補強に繋がった。
元々各コロニー勢力では旧世代のレプリカMSの生産が流行っていたが、RFシリーズはモビルワーカーの生産さえできれば量産可能だったのである。
性能もある程度の力を持ち、第二期MSよりも大型でありながらも運用保守開発のコストも低いという正にスペースコロニー向けの兵器だったRFシリーズは防衛力として広く拡散した。

G-SAVIOUR』における年表によると、宇宙世紀0143年にコロニー主義や自治権要求運動は加速したようだ。
このようなコロニーの軍事補強と自立化に対して、連邦は新興勢力が多いことやコロニーの数を把握できなくなっていた事情が重なり、かつての一年戦争以前のスペースノイド勢力に対する規制行為が不可能になっていた。
自治権の要求までするコロニーも出てきたが、連邦は不干渉の意識でこれを容認することになる

……それはとりもなおさず、これまでジオン系を初めとするスペースノイドの武装勢力が求めてきた「スペースノイドの自立を連邦は邪魔するな」という欲求を、連邦が受け入れたということに他ならなかった。

かくして「連邦による管理」が無くなると、やがて「サイド主義」から「各コロニー主義」に変わった各コロニー間での経済格差や住民意識の隔たりが大きくなっていき、果てはコロニー同士での軍事衝突までが始まるようになる。
特に連邦政府が各コロニー政庁に自衛権を認めたことで、スペースノイドの意識はサイド国家主義からコロニー主義(コロニー単位の国家主義)へと変貌していたことが対立意識を加速させた。

連邦のコロニーへの無関心、スペースノイドの意識の変化、各コロニーの軍事力の強化。宇宙世紀0140年代のスペースノイドは荒んでいた。

考えて見ればある意味連邦の無干渉とスペースコロニーの国家としての確立という一年戦争のころからのスペースノイドの要求がいざ実現したわけだが、やってみたら思ったよりもうまく行かないし大変という表れでもある*1
連邦に助けを求めて見るにも連邦としてはせいで連邦軍も連邦政府も地球環境自体も何もかもガタガタなんだ。お前らも念願の独立なんだ、治安維持ぐらいやって見せろ」という心境かもしれない。
一応スペースノイドの長年の理想が達成されたと思えば結果は無惨な末路、という事態だった。

連邦という組織は各地の問題解決をするのが仕事の一環なのだが、最早開始から100年を経過した宇宙世紀の歴史において度重なる戦乱による消耗と一部政治家の腐敗で確実に弱体化しつつあった連邦にはその仕事をこなす力はなく、「どうせ問題が起きても連邦が解決してくれるんだから、自分たちは好きに生きればいいんだ」と無責任に考えられる状況ではなくなっていた。
そしてジオン以降の「連邦打倒による独立」を標榜する勢力も「連邦を打破するために事件を起こす」ことはあっても、「誰かが起こした事件を自分たちで解決する」能力には欠けていたのだ。

ザンスカール戦争(機動戦士Vガンダム)

宇宙世紀0140年代、サイド2においてスペースノイドの自治権を獲得する動きが活性化する。
その最中、フォンセ・カガチが宇宙世紀0146年に結成した政治結社「ガチ党」は民間団体を取り込んで勢力を拡大。翌年にサイド2のアメリア政庁の政権与党となる。
そして宇宙世紀0149年、マリア・ピァ・アーモニアをトップとするザンスカール帝国の建国を宣言。

ザンスカール帝国はサイド2のサナリィの支社、サイド4の一部のコロニー、月面のアナハイムの都市の吸収や軍事力の増強を行う。
この状況でも対抗策を連邦政府は取らず、その姿勢に業を煮やした「神聖軍事同盟」及びリガ・ミリティアがザンスカールに抵抗を試みる。
ザンスカール帝国は軍事組織ベスパを用いて地球への侵攻作戦を展開、宇宙世紀0152年にザンスカール戦争が開始された。



画像:ザンスカール帝国による地球クリーン作戦の光景
画像出典:機動戦士Vガンダム
1993年放映 第34話「巨大ローラー作戦」/©創通・サンライズ


弱体化した連邦軍を相手に優位に進んでいたはずのザンスカールだったが、
ムバラク・スターン大将の艦隊、およびムバラク大将のもとに集まった連邦軍の有志たちが「ムバラク艦隊」を結成。
この連邦軍有志からなるムバラク艦隊がリガ・ミリティアと連合したことでパワーバランスが逆転し、ついにザンスカール側が決戦に敗北して壊滅したことで戦争は終結した。
少なくとも150年代までは、地球連邦には地球圏を守るだけの底力が十分あったと言える。

塵どもの物語(機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST)

ザンスカール帝国は消滅したが、ザンスカールを倒した勢力は「レジスタンスであるリガ・ミリティア」という認識が全世界に広まった。
つまりこれはザンスカール帝国を倒すことに貢献した力は地球連邦軍ではなかったということであり、内外に連邦の弱体化を示した。

しかし同時に「リガ・ミリティアがザンスカールを倒せたのは連邦軍有志と手を組んだから」というのも紛れもない事実であり、しかもそちらは無視されていた
実際はリガ・ミリティア単独では、ザンスカールに勝つことはできなかっただろう。
一方でそういった有能で正常な連邦軍の勢力や人員が既に連邦の主流派ではなかったことは否定できず、確実に地球侵攻を進めていたザンスカールに対してあくまでも有志だけで動いたという状況は、仮にも地球圏を統治する組織としては確実に機能を失いつつあったことを示している。

ただし、「連邦にはもはや地球圏の問題を解決する力はない」という命題は、「スペースノイドには地球圏の問題を解決する力がある」ということと、イコールではなかった。
連邦には地球圏をまとめる権威が無く、スペースノイド国家には地球圏をまとめる実力が無い、となった結果、地球圏を主導する権力機構、地球圏の問題を解決しうる勢力が無くなったのだ

連邦という歯止めを失ったコロニーの独立運動は過激化し、気付けば各コロニーの覇権争いへと移行していった。
戦乱の長期化は人々の生活の安定を妨げて技術を低下させ、各コロニーは一部勢力を除いて次第に新型のモビルスーツの設計や量産を行える余裕がなくなった。
やがてコロニー勢力は、整備が難しい新型よりも、一年戦争から90年以上の戦乱で宇宙各所に散らばっていた既存機を年代問わずかき集め、無理矢理改修して運用する体制へと切り替わっていった。
なお、同時にビーム兵器に関する技術も衰退し、かつてそれを運用できた兵器も、外装を流用した実弾銃を使う事が当たり前になっていた。
それどころか連邦軍の勢力ですらも旧世代のMSを改修した低レベルな兵器を用いていた。


画像:宇宙は過去の大規模紛争の骨董品…「亡霊」で溢れていた
画像出典:機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST 1巻
2016年~2021年連載/©長谷川裕一・角川書店・ガンダムエース


低レベル・低性能なモビルスーツしか使えなくなったことで大規模な戦争は起こらなくなったが、代わりに絶え間なく小さな紛争が乱発するようになった。
各コロニーではジオンやコスモバビロニアやザンスカールの名前を利用する勢力が乱立し、宇宙世紀の人民の精神は諦観の姿勢で荒れていった。
サイド7近くの資源衛星であるルナツーでは「讃美歌の国」を名乗る勢力とそれに抵抗する一部勢力による比較的規模の大きい紛争が勃発している。

終焉(未知の世界)

宇宙戦国時代がどのような末期を迎えたのかは、現時点で正史における末路は明らかにされていない。

『V』や『DUST』よりも後の時系列である宇宙世紀0200年代を描いた作品には『ガイア・ギア』と『G-SAVIOUR』が存在する。
しかし、この2作品は様々な事情から現時点では宇宙世紀作品としての公式の認識が不明瞭となっており*2、扱いが宙に浮いた状態が続いている。
そもそもこれらの作品は『V』や『DUST』の時系列よりもかなり先の未来世界であり、展開時期の都合から作品内の描写には『V』や『DUST』と齟齬がある。

『ガイア・ギア』は作品の連載期間がVガンダムの展開以前というメタ的な事情の問題があり、作品内では宇宙戦国時代に関する言及や示唆する描写は一切ない。
この作品の世界観における地球連邦政府や連邦軍の軍事力はとんでもなく弱体化しているが、これは宇宙戦国時代が影響しているのか(そもそも起きているのか)は不明。
また、作中の描写から推測する限りでは宇宙移民から200年近く経過している影響からコロニーの老朽化という問題が一層悪化しており、スペースノイドの生活は貧富の格差の激化やスラムが乱立するなど悲惨さが加速している。

そして、宇宙戦国時代を経た遥か未来…
宇宙戦国時代により衰退した世界は、宇宙世紀という年号を捨て、リギルドセンチュリーという新たな時代を迎える事になるのだが、それはまた別の話である…



画像:宇宙世紀0200年代の世界ではマンハンター後継者が暴れているとも言われている
画像出典:ガイア・ギア 4巻
©富野由悠季・角川書店・ニュータイプ


『G-SAVIOUR』は映像本編では宇宙戦国時代への言及はないが、小説版や背景設定では宇宙戦国時代のその後については多少解説されている。

地球連邦政府崩壊(G-SAVIOUR)

宇宙世紀0170年前後、宇宙戦国時代が本格化した。
宇宙世紀0200年代に秘密結社イルミナーティが本格的に活動を開始すると、この組織は各コロニーの調停役や警備役として役割を果たす。
度重なる紛争で弱体化していた連邦政府内部では、サイドへの反発心から地球至上主義が力を付ける。

宇宙世紀0217年、好き放題に動くサイドについに地球連邦政府は痺れを切らして武力制圧を行う。
この強硬策は各サイドの自治政府の反発を買い、サイド駐留軍と連邦の侵攻部隊による大規模な武力衝突が発生する。
最終的に連邦寄りのサイドの働きによって紛争は調停となるが、各サイドに対する強制力を失った連邦政府は事実上崩壊した。

一昔前は連邦の軍事介入を求めたこともあるコロニー勢力だったが、いざ乗り出してみたら状況は既に軍事介入に対して否定的だった。
ただし、連邦側からすればスペースノイド(というかコロニー勢力)の態度がコロコロ変わっており、文句ばかり言われているような感覚ではあっただろう。
地球圏を主導していた時代には反連邦活動や自立の動きが盛んとなっていたり、いざスペースノイドから距離をおいて見たら荒れたので、また介入してみたら抵抗されたりと、振り回され続けた(まあ状況によって主張が変わること自体は別に不思議でもないし、スペースノイド全体の意志と簡単に決めつける話でもないが)。
「高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処しろ」といわんばかりである。この発言が出た国はやがて滅びた。
実際の問題として連邦が軍事介入まで考える原因となった「各サイドの好き放題」は、スペースノイド社会では全く解決されず、ほったらかしにされたままだった。

一方で、連邦の軍事介入の決断は反サイド主義がついに爆発したとは言っても宇宙戦国時代開始から70年近くも経過しているわけで、当時のサイド側からすれば「何故このタイミングなのか」という感想が出たであろうことは想像に難くない。
ついでに言えばこの時期の連邦は間違いなく軍事力は大きく低下しており、明らかに各サイド勢力を武力で強引に抑える力など無かった可能性が高く、単純に戦略面を見ても判断が遅すぎたと言える。
しかも連邦は勝つどころか完全に自滅するオチに終わったため、戦争の結果だけで見れば何がしたかったのかと思われても仕方がない状況ではあった。

結局は長期間における戦乱が影響でもしたのか、連邦もサイド側も互いに「正当性」はなく我儘を極めたと言える。
そんな世の中だからこそ、イルミナーティのような組織が世界のバランサーとして発展していったのかもしれない。



画像:宇宙世紀0200年代の各サイドは払い下げられた量産機を用いていたらしい
画像出典:G-SAVIOUR
2000年上映/©1999 SUNRISE,INC. SOTSU


結局、連邦政府は各サイドを地球と同等の権利を持つことを認め、差別的な意図があったコロニー(植民地)という名前はセツルメント(入植地または居住地)に改称。
一方で連邦政府を構成していた地球上の国家と親連邦のサイド2、サイド3、サイド5、サイド7はセツルメント国家議会という事実上の連邦の後継組織を結成する。
というか、なんだかんだでセツルメント国家議会に所属する親連邦派のサイド・スペースノイドのほうが多勢だった。その中には旧ジオンや旧ザンスカールのサイドも含まれる。独立運動とはなんだったのか。
月とサイド1、サイド4はセツルメント自由同盟を結成し、この2つの勢力が対立する不安定な状況で秩序を保つ世界となった。

宇宙戦国時代のスペースノイド同士の対立の時代は終わり、人類は新しいアースノイドとスペースノイドの対立の時代を迎えるのである*3

年表

宇宙戦国時代が始まったとされるVの前史の時代からG-SAVIOURの前史である地球連邦政府崩壊までの時代で起きた出来事をまとめた年表。
映像作品で確認できる出来事については、備考欄にて★マークを記している。

年代 事件 作品 備考
U.C.0139年 民間ネットワークによって「神聖軍事同盟」構想が発足 機動戦士Vガンダム
U.C.0141年 サイド1のアルバニアン政庁にてマリア・ピァ・アーモニアが活動を開始
U.C.0143年 コロニー主義が台頭し、自治権の確立運動再燃 G-SAVIOUR
U.C.0144年 マリア・ピァ・アーモニア、民間団体「マリアの光の教団」を発足 機動戦士Vガンダム
U.C.0146年 フォンセ・カガチ、政治結社「ガチ党」を結成
U.C.0147年 政治結社「ガチ党」がサイド2アメリア政庁の政権与党になる
U.C.0148年 神聖軍事同盟、リガ・ミリティアという軍事的組織へと発展
U.C.0149年 政治結社「ガチ党」がサイド2に「ザンスカール帝国」の建国を宣言
リガ・ミリティアがザンスカール帝国への対抗策としてモビルスーツ開発計画「Vプロジェクト」を開始
U.C.0152年 ザンスカール戦争開始
ズィー・ジオン・オーガニゼーションが「シャア・コンテニュー・オペレーション」を開始 ガイア・ギア 小説版では不明
U.C.0153年 ザンスカール戦争終結 機動戦士Vガンダム
U.C.0155年 ズィー・ジオン・オーガニゼーションが反地球連邦組織としての活動を開始 ガイア・ギア 小説版では不明
U.C.0157年 サイド7にてコロニーレーザー修復の計画を開始した連邦軍に反発する反対派による暴動が発生 機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
U.C.0169年 ルナツーにて「賛美歌の国」が「再灯火の日」として独立宣言
武装輸送団「無敵運送」によってコロニーで地球の大気圏に突入する難民避難計画「DUST計画」が開始
U.C.0170年(前後) 宇宙戦国時代本格化
秘密結社イルミナーティの前身組織が発足
G-SAVIOUR
U.C.0184年 「シャア・コンテニュー・オペレーション」成功、シャア・アズナブルのクローン体が秘密裏に地球に移送 ガイア・ギア 小説版では不明*4
U.C.0186年 地球連邦政府、既存のマンハンター組織と異なる新たな秘密警察的組織「マン・ハンティング部局((MHA)」を設立 小説版ではこの設定は存在しない
U.C.0197年 地球連邦政府がマンハンター及びマハ組織の権限拡大を承認
マハの軍事力増強と地球上の不法居住者摘発が激化
小説版では不明
U.C.0200年(前後) 秘密結社イルミナーティが発足 G-SAVIOUR
U.C.0203年 マハの反乱開始
ビジャン・マハの壊滅と反地球連邦組織メタトロンの地球連邦軍への吸収によって同年に終結
ガイア・ギア 小説版では具体的な明言はされていない
U.C.0217年 地球連邦軍と各コロニーの駐留軍による紛争が各地で勃発 G-SAVIOUR
U.C.0218年 地球連邦政府崩壊、各サイドが独立を達成してスペースコロニーがセツルメントへと改名
地球連邦政府とサイド2、3、5、7を母体としたセツルメント国家議会が結成、月とサイド1、4によってセツルメント自由同盟が結成

【余談】

  • 『G-SAVIOUR』の製作に関与した井上幸一氏は『HJメカニクス02』において、富野氏の宇宙戦国時代の構想について「コスモバビロニア紛争をキッカケに100を超える国家が誕生したが、ザンスカール帝国がその最後の勢力だったのではないか(=ザンスカール戦争が宇宙戦国時代の最後の全盛期)」と推測している。
    ただし、この推測を採用した場合は「ザンスカール戦争による宇宙戦国時代の激化の加速と小国の更なる乱立」という設定を世界観にしている『DUST』などの設定と決定的な齟齬が発生する。
    上述したように『G-SAVIOUR』と『DUST』は展開時期が違う事情などもあるので、単純にこの2作がパラレル的関係にあるとも解釈できるが。更に言えばあくまでもスタッフの発言なので、この推測が『G-SAVIOUR』の設定に具体的に反映されているという訳でもない。

  • シャアによるアクシズ落としが成功した場合、この時代が数十年程度先倒した形で発生したのではないかと考察される事がある。*5
    また、フル・フロンタルやジオン共和国の「サイド共栄圏」構想が成功しない理由として宇宙戦国時代の未来が挙げられることがある。メタ的に言えば『機動戦士ガンダムUC』が『V』より後年に展開された作品なので、成功しないことを前提に作られていると思われるが

  • 宇宙戦国時代を舞台にした作品の展開を望む声は多いが、現時点では長谷川裕一氏の漫画作品など少数に留まっている。
    長谷川氏はザンスカール戦争後の宇宙戦国時代が舞台の『DUST』の時代設定については『機動戦士クロスボーン・ガンダム メカニック設定集』において「サンライズからよく許可が出たなと思った」「『V』を超える技術はNGという注意を受けた」と述べている。
    また、長谷川氏は『クリエイターズカフェ月光』では「『DUST』は『ゴースト』から50年くらい飛ばそうとしたが、歴史がどうなるか分からないので」と発言しており、『V』の先の宇宙戦国時代を描く難易度の高さが窺える(長谷川氏の初期構想の「宇宙戦国時代の50年後」を実行した場合、上述した公式的に扱いが浮いている作品群に当たってしまう)。

  • 宇宙戦国時代のモチーフとなったのは、1990年代初頭に東西冷戦が終結後、共通の敵が消えたことでアメリカやそれ以外の資本主義国同士の利害対立が表面化し、西側陣営の団結と自由の保持という理想の喪失と、あるいは旧ソ連や東欧諸国といった東側陣営で共産主義体制が破綻・崩壊していく中で民族紛争が頻発していった時代とされている。




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最終更新:2024年02月22日 03:04

*1 歴史上では、ジオン公国が最初に独立した国だったが「ジェガンやヘビーガン等のマイナーチェンジで精一杯」だったこの時代のコロニーとは異なりむしろ、ア・バオア・クーやキャリフォルニアベース、オデッサ、ソロモン等の拠点を複数所有し更に比べ物にならないほどの量産機、試作機、MAを作っている。

*2 『ガイア・ギア』は作品の権利関係のトラブルや執筆時期の問題、『G-SAVIOUR』は日米共同制作の実写作品という形式や当初は宇宙世紀作品として作られていなかったという問題がある。ただし、『ガイア・ギア』については近年正史に考慮されていることを示唆するような公式関係者の発言も存在する

*3 ただし、ジオン勢力の存在していた時代や宇宙戦国時代全盛期と比べると、各地を支配する勢力的な意味での対立構造はあるが比較的人種差別的な風潮はマシになっているらしく、親善野球試合ユニバースシリーズが毎年開催されているなどの温厚な交流もある

*4 ただし、アフランシ・シャアの年齢から察するに小説版もラジオドラマ版とほぼ同じ時期だと考えれば、小説版でもこの時期前後に「シャア・コンテニュー・オペレーション」が成功したと解釈は可能

*5 同時にガンダム・センチネルも同様。ニューディサイズと手を組んだエアーズ市が月面都市国家設立に成功したら同様のことになっていたと言われている。