ゲーミングうちゅうじん

登録日:2021/09/03 Fri 00:34:36
更新日:2024/01/03 Wed 22:08:46
所要時間:約 7 分で読めます




ゲーミングうちゅうじんとは、パワーマンしゅら作(グラフィック協力・CKS)のWeb漫画。
pixivやTwitterなどで不定期連載中。

概要

タイトルからわかる通り、謎の宇宙人がゲーム(対戦格闘ゲーム)にハマる漫画。
対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』や『ゲーミングお嬢様』のように割と最近増えてきた対戦格闘ゲームをテーマにした漫画である。

ただ、これらの作品とは異なり作風としてはコメディというよりはガチガチのスポ根ものに近い(コミカルなシーン自体はある)。
「初めての競技に触れる→あっさり負ける→何がいけなかったのか考える→修行を重ねてテクニックを身に着ける→昨日勝てなかった相手に一矢報いることができるようになる」……という王道の流れを踏襲しており、同時に「格ゲーの本質的な楽しさ」を段階を踏んで理解できる内容になっている。
また作中で披露されるテクニックはあくまで実際の格ゲーでも使えるもののみであり、『ゲームセンターあらし』などで披露された「超人的テクニックによる必殺技」のようなものはなく、宇宙人というぶっ飛んだ存在こそ出るが対戦部分に関してはリアル寄り
総じて、あの日ゲーセンに通い詰めたガチゲーマーには懐かしさを、初めて格ゲーに触れる初心者には未知のワクワク感を感じることができる作品であり、評価は概ね高い。
やや作品内での文章による解説が多い感はあるが、読み飛ばしても大体の話の流れはつかめるので、興味がないなら漫画の部分だけを読んでも大丈夫。もちろんこれらも読んでおくとより作品への理解が深まる。

また、作中の架空のゲーム『ユニバスター』の作り込みが異常なまでにマニアックなのも特徴(後述)。

登場人物

  • うちゅうじん
ある日突然宇宙の彼方からやってきた謎の宇宙人。目的や素性は一切不明。
作中で示唆されている情報からすると、どうやら強いものを求めて地球に来たらしい。
どことなくミュウツーやフリーザを思わせるような異形。身長は175㎝(可変)。
物理的戦闘能力に関しては非常に強い。……ぶっちゃけ強すぎて比較対象がいないため、どのぐらい強いのかよくわからないが、とにかく地球のほとんどの存在は相手にならなかったらしい。
また謎のレーザーを放つ能力や念動力も身に着けている。
単に強いだけでなく、地球に来て間もないにもかかわらず、地球語(日本語)をほぼ完璧にマスターする高い知性と洞察力・観察力・推理力を持つ。
感情が高ぶると七色に発光する体質(これが作品名の由来)。

性格はストイックで極端な負けず嫌い。格ゲーを初めて見た際も「あえて相手のルールに合わせて遊んでやる」と豪語するほど。
初めて触れた遊戯(格ゲー)で負けても、
「ルールもよくわからない遊びなんだから負けたってしょうがない」ではなく、
「たとえ相手の方が経験が長くても、負けた上に情けをかけられた」ことに屈辱を感じる性格。
ただ、立ち直りそのものは極めて速く、自らの失態をすぐに認めて改善点を洗い出そうとする向上心も併せ持っている。

超人的な肉体能力を持つが思考能力は人間と同程度の様で、フレーム単位で見極めて超人的な入力をしたりといった事はしていない。
初心者同士での対戦となった際もかなりテンパっており、こういった点では一般人と変わらない。
(メタ的に言えばこれらの面で超人的な能力があると漫画の趣旨が変わってしまうというのもありそうだが。)

「地球のサブカルにハマってしまった宇宙人」というと割とありがちな設定ではあるが、彼(?)の場合ゲームにハマってこそいるが、基本的に地球人と慣れ合うつもりは毛頭なく、地球人とまともに会話を交わした描写もほとんどない。
ただし、別に地球人を皆殺しにしたり侵略したりするつもりもなく、気まぐれに助けることもある。
なお、「格ゲーは人類史に残る、非言語コミュニケーションである」と作者は発言しているので、うちゅうじんが地球人と会話を交わさないのもある程度狙った設定と思われる。

『ユニバスター』にドはまりしてゲームセンターに通い詰めているが、100円玉の資金源は不明。そういえば第一話でコンビニや犯罪組織を襲撃していたことが報道されているが……?

  • UG
本名吉澤裕二。いかにも古典的なオタクらしいボサボサヘアに黒縁メガネと無精ひげというファッション。
うちゅうじんの最初の対戦相手でありある意味全ての元凶
ごく普通にゲーセンに通っては『ユニバスター』を嗜むゲーマーだったが、ある日突然向かいの席にうちゅうじんが座ったところから物語が始まる。
そのまま流れで初心者であるうちゅうじんをフルボッコにしてしまい、さらに「ゲーム教えてあげようか?」という敗者の傷口に塩を塗り込む発言(本人は完全な善意だが)を重ねて、うちゅうじんのプライドをいたく傷つけた張本人。
ただ、そのことを気まずく思う良識はあり、悪人ではない。
その一方で、その翌日うちゅうじんがゲームへの理解を深めた(と自分では思って)リベンジを挑んできた際には「あえて」うちゅうじんの知っているだろう手札だけを駆使して再度ボコボコにするなど、対戦に関してはガチ。
うちゅうじんの当面の目標ともいえる人物だが、実は『ユニバスター』の実力は「中の上」ぐらい。「丁寧すぎて怖さが足りない」とのこと。

本名志田麟太郎。ややチャラい雰囲気の若者であり、UGに続いてうちゅうじんの壁となったプレイヤー。
波動拳コマンドを覚えて調子に乗っていたうちゅうじんを更なるテクニック「キャンセル」で返り討ちにした。
……が、彼の方もやや調子に乗りやすい嫌いがあり、さらに「キャンセル」を身に着けたうちゅうじんに一本を許すなど精神面で甘さもある。
プレイヤーランクはUGと同じかやや下ぐらい。

  • 初心者(仮)
プレイヤー名は不明。うちゅうじんにとって初めての「実戦」の相手となったプレイヤー。友人らしきプレイヤーと一緒に喋りながらプレイしている。
うちゅうじんと同格程度の腕前であり、プレイもたどたどしく、ミスが目立つが、それでもうちゅうじんをギリギリまで追い詰めた。
が、最後の1ゲージの削り合いに敗れて敗北。

用語

  • ユニバスター(UNIVERSTAR)
作中で主に登場する格闘ゲーム。待機画面の描写からすると2000年稼働と思われる、結構古めのゲーム。
内容的には明らかに『ストリートファイターⅡ』っぽいが、単純なパロディというよりは「『ストⅡ』のヒット後に各メーカーから雨後の筍のように出た、『ストⅡ』を模倣しつつもなんとかオリジナリティを出そうとしていた黎明期の対戦格闘ゲームの一つ」のように見える。なお、作中でも『ストファイ』は『ストファイ』として存在しているらしきことは示唆されている。
主にパワーマンしゅら氏の変態的こだわりにより、漫画的イラストではなく、一からドットを全部打って描写されるというとんでもない描かれ方をしている。キャラクターだけでなく、体力ゲージやタイマーも完全に一から作るこだわりよう。
そのために、他の格ゲー漫画と比べても異様にリアルな対戦風景が描写されるに至っている。ちなみにインストカードも完全再現されている。
また、作中では全く触れられないがストーリーなども設定されている。
プレイヤーキャラは作中の描写では9人だが、選択画面に明らかに空きスペースがあるので恐らくタイムリリーズで最大16人まで増えるものと思われる。

  • ケンゾー
現状のうちゅうじんの持ちキャラ。おそらくは『ストリートファイター』における「リュウ」に近い立ち位置の主人公キャラ。
所持する必殺技は波動拳コマンドの飛び道具「流星弾」、昇竜拳コマンドの対空技「昇流星脚」と来ればもう一つは竜巻旋風脚コマンドかと思いきや、まさかの逆波動コマンドの地面殴り技「星砕き」という斬新な主人公。
ちなみにUG、新も使用しているが、彼らにとってはあくまでサブキャラの立ち位置らしい。

  • プティングマン
プリンのような体色をしたよくわからない人型のキャラクター。多分宇宙人。意外とスマートな体型をしている。色替えでは水色という微妙に気色悪い色にもなる。
恐らくはダルシム枠で、自由自在に伸縮する手足を活かした遠距離での立ち回りを得意とする。ただ、近距離でも剣(?)を用いた攻撃を行っているので、遠距離特化というわけではないのかもしれない。
前述の初心者コンビの持ちキャラで、その変幻自在の立ち回りはうちゅうじんを大いに苦しめた。
他にもCPU操作でうちゅうじんの技の練習相手になっていたりと、やられ役としてちょいちょい登場している。

  • スペースステーション北雨沢店
本作の主な舞台となるゲーセン。定期的に大会が開催されるなど、格ゲーマーが多く集まる店らしい。
客たちは当初は驚いていたが、いつの間にかうちゅうじんが来店することを普通に受け入れており、客及び店員の状況適応能力が異常なまでに高いことが特徴。
それどころか最近は「うちゅうじんが来る店」として有名になりつつあるようだ。
実はちょくちょく出てくるモブ含めてちゃんと名前が設定されている。


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最終更新:2024年01月03日 22:08