DTM(音楽)

登録日:2021/11/07 Sun 15:19:08
更新日:2023/09/30 Sat 02:02:43
所要時間:約 5 分で読めます




概要

DTMとはデスクトップ・ミュージックの略称。
パソコン上で音楽制作・編集作業をすること、もしくはそうした制作環境形態のことを指す。
元々はパソコン+音源などの環境を指したシステムの事を呼んでいた和製英語である。
音楽制作にはDAWが活用される。

かつて、五線譜とペンで行われていた作編曲やスタジオでないと難しかった録音・編集は、パソコンが総合的に管理するシステムへと進化していった。
PC上で行える編集ソフトウェアはそのまま一般PCでも扱える汎用性を意味しており、
それまで極めて高価かつ専門的だった業界にアマチュアの裾野が広がっていく事となる。

現在ではどちらかといえば「個人がパソコンで作編曲すること」をDTMと呼ぶ事が多い。
アマチュア向けという印象も強いが、プロであってもDTMを活用することは当たり前である。
特に商業音楽でプロを目指す場合はDTMでの音楽制作ができることは必須スキルといっても過言ではない
今や個人もスタジオもパソコンが司令塔な事が多いので、楽器演奏の対義語としても用いられることもある。

アニヲタWikiの諸兄に最も関わりがあると思われるDTMの契機は、音ゲーや動画サイトではないだろうか。
音ゲーはオタクが多様な音楽に触れる機会、クラブ・ミュージックに触れる機会を大幅に増やし、
動画サイトは配信も含めて宅録・作曲への需要を爆発的に高めた立役者と考えられる。

そうしてDTMは誰でも簡単に環境を揃えられるほどに身近になった。


そうは言っても


DTMに触れて多くの人は挫折する、だって分かりにくいから。
誤解のないように説明すると別にどんな業界も分かりにくい。
映像はもちろんプログラミングだって業界はなんでも専門用語のオンパレードだ。

ただDTMはちょっとだけその量が多いというだけである…たぶん。おそらく。メイビー。

元を辿ればスタジオにある機材からして複雑なのだが、DTMはそれに加えてソフトウェアの専門用語が加わるわけだから、さもありなん。
挙句、横文字が多い上に人によって呼び方が違ったりする用語も多い。どうしろと


作曲方法

DTMはMIDIDAW(ソフトウェア)とは切っても切れない関係にある。
現在のDTMは後述するDAWがメインになるのだが、ともあれ大きく分けて三つの手法がある。
択一でなく用途やパートに応じて併用する事が普通なので、
これからDTMを始めようと考える人はとりあえず最低限この三つは覚えておきたいところ。
なお、本格的な作編曲をするには音楽理論を別途覚える必要があるが、話が脱線するため本頁では割愛する。


・打ち込み(ピアノロール)
音の情報を打ち込む方法。マウスでタイムライン上に音情報をポチポチ配置していく。
配置した音の調整もしくは最初から音情報の数値を打ち込む方法もある。
なんといっても楽器を弾けなくても作れるというのが最大のメリット。
弱点は微調整に慣れがいること。機械的に配置するのは簡単だが、生音っぽく演出したくなると知識・経験が必要


・リアルタイム入力
主にMIDI信号を出力できる機器(MIDIキーボードなど)を使って生録音をするように演奏することで、
打ち込みの代わりにパパッと音を配置する方法。音の強弱などの情報もバッチリ入力される。
もちろんこれを行うには楽器を演奏するスキルが必要である。
またMIDI機器は演奏の感触が独特なので、これで入力した後に微調整する事も多い。


・サンプラー/生録音
打ち込みに似ているが、こちらは音声データ(サンプリングデータ)の切り貼りで作曲する方法。
録音しておいたデータやその場で生録音されたデータの他、音を収録したサンプル集パッケージも多数売られており、
リズム系の音だけサンプラーを使ったり、演奏した生音を追加するといった併用手法も多い。
デモを打ち込みで作った後に生音でレコーディングし、最終的にほぼ全てが生音に差し替えるというパターンもある。


DAW

DAW(ソフトウェア)とは録音や作曲などの作業をだいたい一つにまとめたワークステーションなソフトウェアのこと。
特に作曲作業は総合的にこれ一つでできてしまう最重要ツールであり、昨今のDTMはだいたいこれで完結する。
だがやっぱり使い方が滅茶苦茶分かりにくい
もちろんDAWの高機能のおかげで素晴らしい音が生み出せるのであまり悪く言ってはいけない、言ってはいけないのだが……。
専用機能や設定が多すぎる上に、サードパーティー製プラグインも独自路線を貫きすぎているので分かりにくさが天元突破している。

しかし、いくら各社のDAWが個性的だからといって全く共通性がないわけでもない。
ほとんどのDAWとて「楽譜情報を作り、それを音源で再生する」というのはMIDIの頃から続く基本中の基本である。

そういったわけで、大抵のDAWは
  • 使いたい音源を配置する(選択する)
  • それのピアノロールを開いて音階などの楽譜っぽい情報を配置していく
  • ハードディスクレコーディング(完成した曲をwavなどに書き出す!)
で作曲できるのだ。

また、現在は日本語で解説してくれる非常にありがたい解説サイトも増えているし懇切丁寧に教えてくれる動画もあるので、
ぶっちゃけ悲観するほど分かりにくくはない。


きっと、昔よりは挫折しにくくなっているはずだ。
メイビー。


では何が分かりにくいのか。それは機能と独自のUIが満載なところである。

たとえば今のDAWはミキシング・コンソールやエフェクターの機能を標準装備している。
これらはDTMにおいても音の調整から仕上げまで欠かせない必須装備なのだが、
本来別途配線が必要な外部機器である。
実物を模しているのだから当然だが、実物を知らない人が初めてこれに触れると大抵はデータの流れや配線で混乱する。

また多くのDAWは経験者向けに作られる傾向があるのだが、見た目のスタイリッシュさに偏重したUIが多く、
DTMに慣れた人ですら新しいプラグインは操作したい部分を探して右往左往するのが普通である。
モノによっては代表的な操作すらどこだよ!とかすら…。
よって慣れない人が「コレだけは買っとけ!」みたいなおすすめに沿って始めると、冗談抜きで眩暈がするはず。
じゃあどうするんだよ!と言われたらとにかく触って慣れるしかないのだが…。


VSTとAU

先ほどから「プラグイン」に触れているが、ぶっちゃけて言えばDAWが扱う代表的なプラグインは二つである。
正確にはプラグインの規格。VSTとAUである。

VST Steinberg's Virtual Studio Technology Win
AU Audio Unit Mac

これらはDAW上で動く音源やエフェクターの規格である。
たとえば買ったソフトウェア音源がVSTに対応しているのなら、ほとんどのDAWで扱えるということだ。
昨今のシェアを占めるDAWなら「VSTが使えて当たり前」のような状況なので、なおのこと汎用性があると言っていい。


DAWのページで扱ってもいい話なのだが、ここでDTMにとって何が重要かというと、
一歩進んだ事をしたい場合、プラグインは必要不可欠であるということ。
たしかに、DAWがそれぞれ標準搭載している音源だけでもDTMはできる。
できるにはできるが、基本的に貧弱で物足りないし、各社が得意とする範囲外となると当然物足りなくなるのだ。

例えばピアノに限っても
  • 「もっときれいでリアルな音が出したい」
  • 「もっと色々な種類のピアノ音が欲しい」
なんて事はいくらでもある。

というわけでサードパーティーのソフトウェア音源を探すことになる。
今はそれが当たり前の時代なので、充実したラインナップがすぐに見つかるだろう。
それこそ安価なものから超高価なものまで多種多様。

DTMにおいてプラグインは基礎知識だけでも押さえておきたい事柄の一つなのだ。


追記・編集はブラックフライデーセールでプラグインを爆買いした後にお願いします。


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最終更新:2023年09月30日 02:02