サンダーバード(テレビ番組)

登録日:2022/01/06 Thu 23:31:02
更新日:2024/04/07 Sun 20:55:32
所要時間:約14分で読めます






デーン!
デーン!
デーン!
デーン!
ゴゴゴゴゴゴゴ…

THUNDERBIRDS ARE GO!


『サンダーバード』(原題:Thunderbirds)とは、1965年からイギリスで制作・放送されたITC配給の特撮人形劇。日本での放送開始は翌年の1966年から。
その優れたメカニック描写のリアルさと、単純ながらスリリングにして前向きなストーリーから、日英両国で大ヒットしただけではなく、その後の特撮作品、とりわけメカ描写に多大な影響を及ぼした。今なお色褪せない名作である。



【制作】

本作はAPフィルムズ製作による特撮人形劇である。
しかしながら、人形では難しい手や足のアップシーンなどでは実写映像を用いている。また、ジェリー・アンダーソンによる技巧で登場人物の唇が内部の電磁石で動くのも特徴*1。1960年の人形劇『スーパーカー』から始まったこのジャンルは、「スーパーマリオネーション*2と呼ばれている。

メカ描写に関しては、細部までこだわって作られた造形もさることながら、ロケット噴射や土埃などの描写も相まって圧倒的なリアリティを作り出した。
また登場人物の服装なども当時の流行を取り入れており、本来のメインターゲットの男子だけでなく、女子からも支持を得たとされる。

更にバリー・グレイによる音楽も本作の魅力の一つだろう。本作で音楽が流れている場面は登場人物が台詞を発していないことが多いが、そのためBGMは台詞を邪魔しないように周波数帯域を調整したりする必要がなく、オーケストラの素の魅力を存分に活かした分厚く聞きごたえのある楽曲が映像を彩ることとなった。

そしてストーリーの主題はあくまで人命救助なので、スリリングでありながらも前向きで健全であるとして子供の敵親世代や識者からの反発もなかった。
元々は30分番組の予定で実際に9話分の撮影が終わっていたが、完成した第1話を観たTV局のプロデューサーはその完成度の高さに驚嘆し「これはテレビ番組ではない、もはや映画だ!映画なら1時間の尺にしないと!」と判断。完成していた分も追加撮影を行い、それ以降は最初から1時間尺として制作された。
そしてこれらの要素から放送開始されると瞬く間に大好評となり、第二シーズンという形で6話分のエピソードが追加制作された*3


【ストーリー】

西暦2065年*4。進んだ科学力は人々の生活を豊かにした反面、事故や災害が起こった際に被害を大規模化させていた……。
そうした中で人々を救うべく秘密裏に組織された「国際救助隊(IR―International Rescue)」の活躍を描く。


【国際救助隊(IR―International Rescue)】

元宇宙飛行士のジェフ・トレーシーが私財を投じて設立し、一家で運用を行なっているボランティアによる秘密組織。
表向きはリゾート地の孤島を丸ごと私有地化したトレーシー島でのんびりと暮らす富豪一家……だが、屋敷の地下には巨大な秘密基地が作られており、一度救助要請が入るとスーパーテクノロジーを駆使して圧倒的な速さで直ちに現場に急行する。
また何度も類似した事故を起こすような場合には救助の後に根本的な原因究明に乗り出すこともある。
人命の優先度が低くなることを防ぐと共に、スーパーメカに用いられた科学技術の悪用を防ぐために活動は徹底的に秘匿されている。そのため緊急性の低い案件には出動しないし、人命救助や二次災害防止のためであれば重要施設であっても破壊も辞さない(それなりに加減はしてくれるが)。
そして、救助隊の秘密を探ろうとしたり、救助活動を妨害したりするなど悪意を持った輩に対してはかなり容赦がなく、場合によっては抹殺もする
一方で、慈善目的や子供ののためなど正当な理由のある場合であれば出動や救助活動を口外することを許すなど、私設組織ならではの柔軟さも併せ持っている。


【主なキャラクター】

声はオリジナル/『55』の順。

国際救助隊メンバー


  • ジェフ・トレーシー
(CV:小沢重雄/大塚芳忠
国際救助隊司令。アメリカ合衆国カンザス州出身。
空軍に入隊後、宇宙局事業団に参加して月面に立った*5。このため宇宙絡みの開発事業や航空事業には関心を示すことが多い。
妻ルシルとの死別を切っ掛けに退役し、土木事業を興してそれによる利益とブレインズの特許で巨万の富を築き、それらを元にして国際救助隊を設立した。
なおジェフの妻かつスコット以下息子達から見れば母であるルシルの存在は作中本編では全く描写されず設定のみの存在となっている。

冷静で判断・指揮は的確。浮き足立つ隊員(=息子達)のみだりな出動を諌めたり、機密保持のためならば過激な行動を命じたりすることもあるが、人命の尊さを誰よりも理解し、それは隊員に向けても何ら変わることはない。
子供たちに休暇を取るよう勧められても首を縦に振らないなど、ワーカホリックで頑固かつ厳格……と思われがちだが、おばあちゃん*6の料理をつまみ食いする、航空ショーの招待状を受け取ってはしゃぐ、たまたま基地に潜り込んだ子供に(隊員に対しては秘密を喋らぬよう言いながら)国際救助隊の活動を自慢しまくるというお茶目な一面も。

  • スコット・トレーシー
(CV:中田浩二/森川智之
長男で、サンダーバード1号のメインパイロット。
救助活動においてはまずスコットが1号でいち早く現場に向かい、陣頭指揮や2号の装備品に対する指示を行う。またジェフが休暇中の場合は代わりに作戦の総指揮を行うなど、国際救助隊の副官的な立ち位置である。
オックスフォード大学とイェール大学卒業後に父と同じくアメリカ空軍に入隊し、パイロットとして多くの功績を上げていた。その経歴を買われて不審な事故が続いていたファイヤーフラッシュ号のテストパイロットに指名されたこともあった。
生真面目かつ温厚な性格で父親には従順だが、説教する彼からジョンを庇うなど弟達にとっても良き兄貴である。

  • ジョン・トレーシー
(CV:桜井英一/櫻井孝宏
次男で、アランと交代でサンダーバード5号に常駐。ハーバード大学で天文学を学び、専門書を執筆したこともあるという。
救助活動ではまずジョンのサンダーバード5号から本部に救援要請通信内容を連絡して救助活動が開始される。
物静かで無口な性格。宇宙空間に1人で居ても、星が好きな彼には苦ではない。その為滞在常駐シフトはジョンが3ヶ月、アランが1ヶ月で交代する事になっている。
なのでか、番組中で救助活動に直接参加したのは『オーシャンパイオニア号の危機』が最初で最後。

  • バージル・トレーシー
(CV:宗近晴見/日野聡
三男で、サンダーバード2号のメインパイロット。デンバースクールで最先端科学を学んでおり、機械の操縦に優れる。2号に搭載された各種マシンの操縦も行う。
強靭な肉体と精神力を持ち、思慮深さも兼ね備えている。また意外にも兄弟一の芸術家肌でもあり、アランのレース優勝を祝して前衛的肖像画を描いたり、1話のラストではピアノを弾いていたりした。ちなみに、設定では『サンダーバードのテーマ』は彼が作曲したことになっている。

  • ゴードン・トレーシー
(CV:和田一壮/江口拓也
四男で、サンダーバード4号のメインパイロット……にして射撃の名手でもあるため、荒事の想定される場面に赴くこともある。そのため作中では兄弟の中で銃撃戦に巻き込まれた回数は最多。
オリンピックの水泳で金メダルを獲得したり、海洋救難組織「WASP」*7に所属していたりした。更にバージル以上の鋼の肉体を持ち、ボートレースの事故に巻き込まれても4ヶ月の入院で済んでいるなど、兄弟随一の肉体派と言える。なおゴードンのみ大学に関する設定が無く、宇宙や航空関係の資格も保有していないようだ。
どちらかといえば落ち着いたバージルに対し、ゴードンは陽気で明るく、良くも悪くも無鉄砲な一面が強い。赴く任務の都合上トレーシー島で留守番となることも多いが、いざ出動となると完全に見せ場を独占するほど大活躍する。

  • アラン・トレーシー
(CV:剣持伴紀)
五男で、サンダーバード3号のメインパイロット。他にも5号の交代要員だったり、1号を操縦したり、アシスタントとして現場に同行したりする。コロラド大学卒。
末っ子気質で誰からも可愛がられており、ミンミンと付き合っている。カーレーサーとして世界チャンピオンになったこともあるが、その縁で個人的に狙われたことも。
家族だけあってよく似ているトレーシー一家の中でも、特に関根勤によく似ている。
『55』ではトレーシー一家で唯一、セリフなしでの登場だった。

  • ブレインズ/ホラチオ・ハッケンバッカー
(CV:大泉滉/堀内賢雄
国際救助隊のマシンを開発・設計した天才科学者。作中では専らニックネームのブレインズと呼ばれている。頭の回転が早すぎて言葉を口に出す速度が追いつかないので吃音という設定。
救助活動に対して科学的なアドバイスを送ることが多いが、現場に赴いて直接参加することもある。また民間機の設計などの対外活動もしている。
一方点検や整備などのメンテナンスは雑らしく、ミンミン着任前の第1話では高速エレベーターカーが故障するなどシャレにならない事態が起こっていた。

  • ミンミン
(CV:里見京子)
トレーシー家の執事キラノの娘。ハーバード大学卒業後にジェフの反対を押し切って国際救助隊に入隊し、整備士兼アシスタントとして働く。
アランと付き合っているが、ボーイフレンドが多数いるため、そのことで彼を落ち込ませてしまったこともある。
原語ではTin-tin(マレーシア語)だったがそのまま置き換えるとチンチンになってしまうので日本版ではミンミンになった。*8
しかし、2004年の実写版では日本語吹き替えでもティンティンになっていた。

  • ペネロープ・クレイトン=ワード
(CV:黒柳徹子/満島ひかり)
ロンドン支部秘密諜報員。世界的なファッションモデルにして、イギリス貴族お嬢様。執事のパーカーと共に救助活動以外の諜報活動を行っている。
諜報部員は他にも世界各地にいるのだが、フットワークの軽さと各方面に顔が利く社会的地位により、何かとジェフから依頼が入ることが多い。
彼女の乗るピンクのロールス・ロイス(FAB1)はボンドカー並みにさまざまな装備が搭載されている。

この項目を読んでビックリした人もいるかもしれないが、日本語吹き替えを担当したのはあの黒柳徹子女史。『徹子の部屋』や『ザ・ベストテン』で有名な氏であるが、女優としての代表作として本作が挙げられることも多い。リブート版『サンダーバード ARE GO』にもペネロープの大叔母役でゲスト出演している。
余談だが、ビジュアルのモデルはオリジナル版の中の人(ジェリー・アンダーソンの妻のシルビア・アンダーソン)という説がある。

  • アロイシャス・パーカー
(CV:今橋恒/井上和彦
ペネロープの執事。ニックネームは「ノージー」。強いコックニー訛*9を話す。
一見すると赤い鼻の冴えない男だが、元々は凄腕の金庫破り。ペネロープに逮捕され、出所後に彼女の執事となった。
表向きは「どんな金庫でも時間を掛ければ開けられる」ということにしているが、実際は「どんな金庫でも秒で破る」という凄まじい技術を持つ。
金庫破り時代の腕前は健在で、銀行からテストのため金庫破りの依頼が来たこともあった。
お嬢様気質のペネロープに振り回され、そのことを他の使用人に愚痴ることもあるが、執事としての誇りは高い。
しかしペネロープが進水式で使う予定のシャンパンを水とすり替えて全部飲んでしまう、ペネロープの船を勝手に賭け金にした上に負けるなど時々とんでもない行動に出ることも……。

敵対者

  • フッド
(CV:西田昭市/立木文彦
武器商人の男。頭頂部のとがった禿頭が特徴。東南アジアっぽい雰囲気のアジトを構えている。
兵器やその技術の密売で利益を上げ、またサンダーバードの技術や秘密を探ろうとしたり、そのために彼等を誘き寄せるべく度々大事件を起こしたりする極悪人である。
……が、登場する度にあと一歩というところで国際救助隊に撃退され、或いは成功しても最後の最後で運に見放され、マヌケな姿を晒すオチがお約束である。
また催眠術や黒魔術らしき能力も持っており、術を使うと目が光る描写がある。
国際救助隊の宿敵とも言うべき人物であり、トレーシー一家もまたその秘密を付け狙う彼には乗っている車を爆破するなど容赦無い攻撃を加えている。
ジェフの執事キラノの(キラノの娘であるミンミンは姪となる)でありそのためにキラノには特に催眠術の類をかけやすいらしくよく 一時的に操っている
なお、トレーシー一家は特定の人物がしつこく自分たちを付け狙っていること自体は認識しておらず、接点があってもただの迷惑な一般人と見て対応しているという関係性。
この「トレーシー一家の知らないところでサンダーバードをしつこく狙う」という彼の立ち位置が物語に適度なスリルをもたらしている。


【メカニック】

全て原子力駆動である。

  • サンダーバード1号
最高時速15000マイル=24000キロ*10の超音速航空機。
壁の大きな絵がどんでん返し式に反転して地下格納庫にある機体のコックピットに直接繋がるようになっており、そこから移動してトレーシー島のプールに偽装したハッチの下から発進する。
地球のあらゆる場所に1時間以内で到着できるように高速・高機動性が重視されている。そのためロケットの様に一旦垂直に打ち上げる形で離陸して、一定高度に到達後に水平飛行へと移行する。
この他には情報確認のためのホバーカメラ、障害物破壊及び自衛用のマシンガンなど、地味ながら救助の開始に特化した役割を持つ。
スコットがこれで現場に先行到着して状況確認や準備、2号の装備品の選定を行い、その後は現場指揮所になる。
また機密漏洩防止のためにシャッター音やフラッシュを感知するカメラセンサー、電磁波によるフィルム感光装置なども搭載している。
設定では飛行時の航跡を航空管制設備などから遮蔽する「M.I.D.A.S(マイダス)システム」が1号、2号、3号に搭載されていてこれによって移動時の航跡の逆探知などから
トレーシーアイランドの位置を解析されないよう秘匿する。
感光させられないメディアを持つ人に対しては直接破棄させるしかないため、応じない場合は先のマシンガンを向けて脅迫することもあった。

  • サンダーバード2号
超音速輸送機。壁の絵が上下反転する仕組みになっており、滑り台式でコックピットに乗り込む。
ちなみに機体の大きさはジャンボジェットことボーイング747とほぼ同じでイメージし易い。
格納庫の入り口はトレーシー島の滑走路の奥にある岩壁の中に隠されており、発進時は壁の隠し扉を開いて出入りする。
滑走路の両脇に立ち並ぶヤシの木は2号の翼に干渉するため、発進時は邪魔にならないよう外側に倒れる仕掛けがある。
救助用マシンの輸送や、乗員が実際にマシンへと乗り込んで救助活動を行うのが主な役割となる。
1号で先行したスコットの指示に基づき、マシンを搭載して出動する。
胴体部分が丸ごとコンテナとなっており、発進時に換装して着陸脚をリフトダウンして合体する。
そして現場に到着するとコンテナを外してリフトアップすることでマシンが活動できるようにする。
コンテナは1〜6までのナンバーが割り振られており、各マシンがあらかじめ搭載されている。それぞれ

●1番→トンネル探索車、防火エレベーター、消防車、超音波中和機、風圧クッション車
●2番→磁力運搬機
●3番→高速エレベーターカー、ジェットブルドーザー、吸着ハンド車、ジェットクレーン車
●4番→サンダーバード4号
●5番→ジェットモグラ、磁力牽引車、鉄の爪タンク、レーザー切断車
●6番→予備コンテナ*11

となっている。また5番コンテナにはブレインズ用の研究室やアランのレースカーも内蔵されている。
2号本体には周囲の確認・監視用のビデオカメラ、ウインチ式の耐熱ケージ、大型クレーン、護衛用のミサイルポッドやマシンガンが搭載されている。
メインスラスターは機体尾部の赤いドラム缶型のスラスターだが垂直尾翼上部の繋がった部分もエンジンスラスター機能が有る。
ちなみに劇中ではスタッフのミスから「四つの着陸脚収納部からホバリング噴射炎が噴き出している」が本来は機首と機体後部に存在する赤い左右一対の丸の描かれた部分が
ホバリングスラスターであるとの事。

そのスマートな外見とギミックあふれる構造から、登場メカニックの中では一番人気を誇っており、関連商品も大量に製品化されたほか、デアゴスティーニのパートワーク誌*12でも登場した。

小さな主翼であの大きな機体が飛行できる事に関してリフティングボディ云々とか言われたりするが、コンテナポッドを外した状態でも普通に飛べるので的外れな指摘である。
精々「コンテナポッド装着時はリフティングボディ形状のおかげで揚力を稼げるので飛行時の負荷が多少減る」程度の内容。

  • サンダーバード3号
単段式宇宙ロケット。ソファが地下の格納庫へと繋がっており、3人同時に乗り込めるようになっている。
大気圏外救助活動用で、実際の救助参加は3回だけだが、平時は5号への物資輸送や人員交代にも用いられている。
他のサンダーバードと違い、基本的に救助活動は救助対象に可能な限り接近して宇宙服を着た隊員が直接救助するのみ。
ロケット遠隔操作用の電波発信装置も搭載しているが、2号搭載の電波発信車より出力が劣る上に長時間最大限に発信すると機体の出力がそちらに持っていかれ、逆噴射エンジンの点火に支障が出てしまう。

  • サンダーバード4号
潜水艇。2号によって現地へ輸送され、海の場合はコンテナごとそのまま着水してそこから発進する。
沼や湖などの内陸部では他のコンテナ同様に扉が開いた後、スロープで水面まで向かい、トレーシーアイランドから直接出動する際は2号用滑走路の端に偽装スロープが設置されていてそこから海面に降りる様になっている。
最も小型ながら装備は充実しており、水中探照燈兼用のドーザープレート、電磁吸着パッド、小型ミサイル発射管、多機能マニピュレーター、レーザー切断機を搭載。
また魚雷程度では損傷しない防御力を持ち、サンダーバードの中では唯一救助作業中に不具合を起こしたり外的要因で行動不能になることがなかった。

  • サンダーバード5号
有人宇宙ステーション。
世界中をモニター盗聴しており、あらゆる言語でのSOSや救難信号を振り分けできる。
普段はトレーシアイランド上空、地上445キロの静止衛星軌道上に座し、秘匿のためにレーダー波変更装置や自動周回軌道変更装置を搭載している。
また任務の為の滞在期間は月単位と長期に亘るので人口重力装置が配され、ほぼ地上と変わらない状態で生活可能になっている。
単体で特別なアクションを起こすことはないが、劇中では物資輸送や人員交代の目的で3号とドッキングするシーンがある。
その性質上救助作業に参加したことはないが、5号による通信ができなかったために通常より過酷な作業となったこともあるなど、国際救助隊の活動になくてはならないメカである。


【各話リスト】

日本では人気の高さから再放送も頻繁に行われており、本放送のNHKだけでなくTBSテレビ・フジテレビテレビ東京でも放送された。
だが本作は制作順と放送順が一致しておらず*13、さらには放送順もイギリス放送とNHK放送、民放放送の3種類が存在し、おまけに1話1時間そのまま放送するか、1話30分の前後編の場合もあり……と大変カオスな状態となっている。順番が全て一致しているのは1話と2話のみのため、リストではこの二つのみ話数表記はひとつだけとする。
順番の変更により日本ではエピソードのつながりがおかしくなったりもしている。イギリス放送順に見直してみると新たな発見があるかも。
そのためリストでは多くのアニヲタに馴染みがあるであろうNHK放送順に並べ、各話末のカッコ内の左にイギリス放送順、民放放送順を記載する。またサブタイトルのうち右側はTBS放送時のもので、記載がないものは変更されていないもの。


  • 第1話 「SOS原子旅客機/国際救助隊出動」
  • 第2話 「ジェット“モグラ号“の活躍」
  • 第3話 (英国11話、民放3話) 「ロケット“太陽号"の危機/ロケット“太陽号"を救え」
  • 第4話(英国10話、民放27話) 「ピラミッドの怪/ピラミッド爆破作戦」
  • 第5話(英国15話、民放12話) 「世界一のビルの大火災/炎の海から救出せよ」
  • 第6話(英国14話、民放21話) 「原子炉の危機/放射能の恐怖」
  • 第7話(英国12話、民放14話) 「原子力機・ファイアーフラッシュ号の危機/SOS原子旅客機」
  • 第8話(英国9話、民放17話) 「の谷」
  • 第9話(英国3話、民放15話) 「ペネロープの危機/ペネロープ危機一髪」
  • 第10話(英国4話、民放16話) 「ニューヨークの恐怖/恐怖のニューヨーク」
  • 第11話(英国5話、民放4話) 「超音ジェット機レッドアロー/超音ジェット機“レッドアロー”」
  • 第12話(英国13話、民放5話) 「死の大金庫/死の大金庫を破壊せよ」
  • 第13話(英国24話、民放6話) 「火星人の来襲/救助隊の秘密を守れ」
  • 第14話(英国6話、民放18話) 「火星ロケットの危機/4号ミサイルを発射せよ」
  • 第15話(英国23話、民放7話) 「大ワニの襲撃/大ワニを倒せ」
  • 第16話(英国19話、民放22話) 「オーシャンパイオニア号の危機/地中海の怪電波」
  • 第17話(英国7話、民放23話) 「スパイにねらわれた原爆/ねらわれた原爆」
  • 第18話(英国26話、民放9話) 「秘密作戦命令/小さな侵入者」
  • 第19話(英国20話、民放24話) 「オートレーサー・アランの危機/レーサー・アラン危うし」
  • 第20話(英国・民放8話) 「湖底の秘宝/アナスタ湖の秘宝」
  • 第21話(英国16話、民放29話) 「にせ者にご注意/秘密隊員の活躍」
  • 第22話(英国21話、民放19話) 「公爵夫人の危機/公爵夫人を救え」
  • 第23話(英国22話、民放26話) 「恐怖のモノレール/死のモノレール」
  • 第24話(英国18話、民放13話) 「危険な遊び/スパイ衛星の謎」
  • 第25話(英国17話、民放10話) 「情報員MI.5/秘密諜報員MI・5)
  • 第26話(英国27話、民放28話) 「海上ステーションの危機/隊長ただ今休暇中」
  • 第27話(英国28話、民放25話) 「クラップロガーの暴走*14/大暴走」
  • 第28話(英国25話、民放31話) 「魅惑のメロディ/危険なメロディ」
  • 第29話(英国29話、民放30話) 「恐怖の空中ファッションショー/ファッションモデル・ペネロープ」
  • 第30話(英国30話、民放32話) 「太陽反射鏡の恐怖」
  • 第31話(英国32話、民放20話) 「すばらしいクリスマス・プレゼント/すてきなクリスマス・プレゼント」
  • 第32話(英国31話、民放11話) 「宇宙放送局の危機/宇宙放送局KLA」

【続編など】


サンダーバード 劇場版

テレビシリーズの成功から劇場映画の企画がスタートし1966年に公開、ゲストメカZERO-X号を巡って物語が展開されるため国際救助隊の出番はあまり多くない。
ジェリーは自身の妻を当時としては珍しい女性プロデューサーに抜擢、しかし興行収入は思うように振るわず、夫婦仲も悪化するも妻が妊娠していたことで破局は免れている。
劇場公開のために都合上カットされた場面が合計で15分以上あると言われているが、今のところ存在は確認されていない。
興行的には失敗したもののZERO-X号は人気が高く、ZERO-X号が主役の漫画が連載された他機首に接続されている火星探検車は次作「キャプテンスカーレット」にも登場している。
公開当時イマイからプラモデルが発売されただけでなく、数十年後にもプラモデルやダイキャストモデルが出るなどゲストメカとしてはファイヤーフラッシュ号に並ぶ人気メカである。

サンダーバード6号

1968年公開、先の劇場版が失敗した理由が分からなかったものの製作が決定、スタッフはそれまでとは違うサンダーバードを模索し、更にイギリスで起きた航空事故をモチーフに制作された。
撮影に実機の複葉機を使うなど制作に気合の入った場面があるものの、ストーリーはブレインズが作った飛行船で国際救助隊の面々が世界を旅するが
実は飛行船の搭乗員が国際救助隊を探る組織の人物とすり替わっており、敵組織と対峙するという内容なため人形劇が劇中の多くを占めている。
時折ジェフから新たに6号の制作を依頼されたブレインズが様々なメカを考えるも没になるというくだりはあるものの、国際救助隊のメカが活躍するのは終盤だけで前作以上に出番が少なかった。
結果2作続けて興行的には失敗に終わり、以後2004年の実写映画まで新作が作られることはなかった。

実写映画

2004年には米国主導企画で実写化され、またトレーシー一家の日本語吹き替え及び主題歌はV6が担当した。
……が、ストーリーの主軸をアランの成長物語に置いている故か国際救助隊の活動がほぼ冒頭だけで終わる、諸々の設定がTV版から変更となっている、といった要素のせいではっきり言うとあまり評価は高くない。

『サンダーバード ARE GO』

2015年から2020年まで制作されたリブート版。こちらはニュージーランド主導で企画・制作されている。
基本的にはCGアニメーションで描かれるが、一部はミニチュアセット類も使用。
基本設定は本作に準じているが、国際救助隊の存在が公にされていて国連軍相当組織「GDF」の外郭下位協力団体扱い*15されている、原子力技術の忌避化とそれに伴う衰退、など制作時の時勢に沿った設定変更・刷新がなされ、メカニックデザインも現代的にリファインされた。しかもジェフは最終回近くになるまで登場せず、行方不明という設定になっている。ちなみに当作品ではミンミン相当のニューキャラとして、タヌーシャ・キラノ/ケーヨ(CV:寿美菜子)*16が登場しており、フッドの姪という部分まで同じ、ただし父親のキラノ相当のキャラは台詞内で存在が言及されたのみ。

『サンダーバード55/GoGo』

2015年にクラウドファンディングで制作された新作映画。
音声ドラマ版のエピソードを新たに人形劇化したもので、スタッフやセットなども可能な限り当時のものが起用された正真正銘の本家の新作
当初は出資者限定でソフトが配布されるのみだったが、2022年に日本でも劇場公開された。
日本語吹き替え陣は一新されている。

『サンバーダード』

フジテレビ系で放送されていた『とんねるずのみなさんのおかげです』のパロディコント。
配役は2号が石橋、3号が清水アキラ、4号が木梨。パーカー役には顔が似ているという理由だけでザ・ワイルドワンズのベーシストである鳥塚しげきが起用された。
なお、1号はオープニングで発射に失敗して倒れるという出オチ要員のため基本登場しない。
内容は「転落しそうな車を救おうとしてうっかり落としてしまう」「不発弾を回収しようとしてやっぱり失敗」「2号を六本木に路上駐車、おまけにディスコでナンパした女の子を2号に乗せてしまう」など無茶苦茶なもので、オリジナルと異なりサンバーダードが一般市民から鼻つまみ者にされている描写も。
また、放送当時ならではの時事ネタや内輪ネタもちらほらと織り混ぜられている。

オープニングや特撮シーンは本家同様ミニチュアで撮影したり(さすがに本家に比べると造りは安っぽいが)、セットを組んで人間で強引に再現したり、登場人物には人形を模したたらこ唇を付け、意図的にカクカクした動きで演じて台詞はアフレコで加えたりするなどこだわりが強く、おバカながらも全体的に完成度の高いパロディとなっている。ぶっちゃけ後の実写版よりも高クオリティ。


【余談】


発進シークエンスは非常に印象的で、『ウルトラセブン』『太陽の勇者ファイバード』など、後年の様々な作品でオマージュやパロディが見られる。

1995年にJR西日本が導入した681系特急電車は、その愛称が「サンダーバード」である*17。デビューの際には本作とコラボしたCMやグッズも製作され、続編として1997年にデビューした「はくたか」でもコラボを実施した。
直訳したら確かに同じ意味とはいえ、雷鳥とサンダーバードは同一の存在ではないのは内緒だ*18




「パパ、僕らの初仕事です。項目の追記・修正です。」

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最終更新:2024年04月07日 20:55

*1 リップシンクという。

*2 スーパーマリオネットアニメーション(super + marionette + animation)のこと、某配管工のゲームは関係ない。

*3 NHK放送順の26・27・29〜32話。

*4 一時期は劇中のカレンダーを基にした2026年の設定があったが、現在は2065年で統一。以降の記述も基本的にオリジナル版で統一する。

*5 初期設定では「人類初の月面着陸を果たした」ことになっていたが、アポロ11号の月面着陸成功に伴い「人類初の月面旅行をした」「人類初の月面ステーションを作るための宇宙飛行士」などと設定が変えられた。

*6 トレーシー兄弟目線での呼称でジェフ目線では実母

*7 本作以前に制作された『海底大戦争 スティングレイ』に登場する組織。

*8 Tin-tinの発音をカタカナ記述すると「テンテン」が近いので、そちらでもよかった気がするが。

*9 ロンドンの労働者階級に見られる訛。

*10 劇中での最高速度での飛行は『オートレーサー・アランの危機』にて披露。

*11 電波発信車、ジェットブルドーザー、トンネル探索車、ブースター・ガン、サンダーバード4号が作中では確認できる。

*12 いわゆる毎号付属する部品を少しずつ組み立てて完成させる雑誌のこと。

*13 これ自体は本作に限らず、昔の番組にはありがちなこと。

*14 「クラブロッガーの暴走」の表記もあり。

*15 GDFの命令によって出動停止が可能など

*16 「ケーヨ」は「ノックアウト」を意味する『K.O.』の捩り。

*17 当初は「スーパー雷鳥サンダーバード」の列車名だったが、1997年に列車名も「サンダーバード」と改称された。

*18 「ライチョウ」の英語訳は「Grouse(グラウス)」や「Ptarmigan(ターミガン)」で現実に存在する。対してサンダーバードはネイティブ・アメリカンの神話に登場する空想上の鳥のことを指し、ライチョウとは関係ない。