SCP-6154

登録日:2022/01/29 Sat 21:40:23
更新日:2024/01/26 Fri 07:23:15
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ページを更新しました。



SCP-6154とは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(SCiP)のひとつである。
オブジェクトクラスは「Thaumiel」。それも、みんな大好き「財団製Thaumiel」だ。


特別収容プロトコル

特別収容プロトコルは大きく分けて二つ。
  • この報告書は魔術に弱くない職員ならだれでも見ることができるよ。
  • むしろ、上に当てはまる全ての職員は毎年1月1日にアクセスすることを勧告されているよ。

たったそれだけ。え?Thaumielって最高機密じゃなかったの?と思われる方もいるかもしれないが、そもそも財団にカノン(=公式設定)は存在しない。きっと、この世界ではThaumielは機密情報では無いのだろう。それか、オブジェクトクラスが[編集済]になっているか、だ。


概要

SCP-6154は、SCP-6154の報告書そのものである。正確には、SCP-6154の報告書に1年に1度だけ起こる現象を指す。
さて、その現象とはズバリ、毎年1月1日にアクセスしたときのみ、本来ならSCP-6154の報告書が表示されるはずの画面に、こう表示されるのだ。

ハッピーニューイヤー(Happy New Year)


といってもSCP-6154の報告書が見られなくなるわけでは無い。ページを更新/再読み込みしたり、いったん閉じてから開き直したりすれば、正常なSCP-6154報告書を見ることができる。
ただし、それをしてしまえば最後、この「ハッピーニューイヤー」は来年まで見ることができなくなってしまう。


さて、ここからがThaumielである理由となる。
この、「ハッピーニューイヤー」を見た財団職員は、満足感の増加を感じる。
この影響は、特に新年について不安ストレスを抱えた職員ほど効果が高くなるらしい。
また、この文章を見た職員は、以降、職務・個人的な将来の計画に関する、意欲・熱意劇的に上昇するという。

なにより、この効果は、その年の12/31まで続くと見られている。これで、毎年お正月にこれを見るだけで仕事がテキパキと進むようになる、というわけだ。
Thaumielの扱いとしては、SCP-001-JPのsolvexの提言に近いと言えるかもしれない。


発見記録

さて、先ほどこのSCP-6154は財団製Thaumielだと述べたが、財団全体で研究して作った、というわけではない。このSCP-6154、財団職員の1人で、レベル1職員のスノー博士が独断で作成したのだ。

いわく、正月休みでさえも返上して、日々世界のために働く財団職員たちを励ましたかったのだとか。
もちろん、本来は公的な文章が登録されるはずの場所に「ハッピーニューイヤー」なんて書いたらバリバリに公私混同だ。そういうわけで、スノー博士は職務意識の低い行動をとった、ということで懲戒処分になってしまった。

しかし、このときの財団は、まだSCP-6154の異常性に気が付いていなかったらしく、あとあと調査してみたところ、前述のようなプラスの精神効果が確認され、財団職員の士気向上に役立つ、ということでThaumielに分類されることとなった。

ちなみに、その調査の過程で、スノー博士に微弱な奇蹟論*1行使能力があることが判明。その他にも遺伝由来の異常特性が判明した。魔法使いの家系みたいなものか。
その能力自体は弱すぎて今まで発覚してこなかったが、彼/彼女は「ハッピーニューイヤー」という文字列を投稿したときにこれを使ったのだという。

Thaumiel指定を受け、懲戒処分中であったスノー博士は短期の停職処分の後に以前の地位へ復帰。



年に1度見るだけで、みんなが1年中ずっと元気モリモリで働くことが出来、ストレスの軽減・満足感も得られる。
職員一人ひとりにとっても、全体にとっても良いオブジェクトなのであった。



余談

この作品を読んでいて、いくつかの点に疑問を持った方もいただろう。

「頭脳のプロフェッショナルなはずの財団職員が公私混同なんかするか??」「Thaumiel指定軽くね?」

といったものだ。

これについては全て、「財団にカノンは存在しない」という一言で片づけられる。例えば「Thaumielは最高機密である」なんていう公式設定は存在しないし、極端な話「財団は秘密結社である」「オブジェクトクラスはSafe→Euclid→Keter」なんていうものも存在しない。
あくまで多くの人がその設定を採用しているだけなのだ。

また、前者に関しては、かつての「lolFoundation(たのしいざいだん)」をほうふつとさせる、というコメントが英語版のディスカッション(コメント)欄に寄せられている。
しかし、「SCP財団」というのは決して、怖いもの、恐ろしいものだけしか投稿してはならない、というルールはない。作風ですらもカノンは存在しないのだ。
実際、日本支部のカノンハブの1つには、異常存在の数がとても少なく、そのほとんどがAnomalousかSafeの世界で、財団職員たちの日常を描く「ちいさなざいだん」というカノンもある。

ふだんのSCPとはかけ離れているかもしれない。それでも、こんな「平和な世界」もたしかに存在する、し得るのだ。

最後はシンプルに、このオブジェクトのメタタイトルを言って締めさせていただく。



サイト-██屋外。2022年1月1日0:00撮影。




SCP-6154

Happy New Year SCP Foundation!(ハッピーニューイヤー、SCP財団!)



小ネタ

実は、現在のSCP-6154は、最初のSCP-6154から削除された部分が1個だけある。
ディスカッション欄にて「不要だ」と言われて削除されたものだが、せっかくなのでここに記載しておく。

SCP-6154を作ったスノー博士。遺伝由来の異常性質を持っていたということだが、実はこの遺伝を辿っていくと説明が超難しいSCPに繋がるというのだ。
なるほど、問題の場所系SCP言葉に関係するオブジェクトだから、こんな文字列に奇蹟論(魔法)を仕掛けることもできたのだろう。


追記・修正は新年を祝ってからお願いします。



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最終更新:2024年01月26日 07:23

*1 分かりやすく言うなら「魔法」