キャッツ・アイ(漫画)

登録日:2022/04/07 Thu 19:33:10
更新日:2024/02/26 Mon 03:19:43
所要時間:約 10 分で読めます



キャッツ・アイ(CAT'S EYE)とは北条司の漫画作品である。
※本来のタイトルは点の部分がハートマークであるが、機種依存文字のためこの表記とする。

【概要】

北条司のデビュー作で、『週刊少年ジャンプ』に読み切り掲載後、アンケートで圧倒的1位を獲得し即座に連載が決定。
1981年から1984年まで連載され、ジャンプ黄金期の初期を支えた。単行本は全18巻。

連載中にテレビアニメ化が行われ、連載終了後も実写化やパチンコ化等メディアミックスが多数行われた。
本作のヒットから「女性の泥棒=キャッツアイ」というイメージが定着し、
最近ではホストばかりを狙った女性窃盗団が警察の捜査本部から「令和のキャッツアイ」と呼ばれていたことが話題を呼んだ。
その後逮捕された犯人の外見が原作と全然違っていたため、一部のファンがブチ切れている。

日本国外ではフランスでの人気が高く、同国で開催されたジャパンエキスポに招かれた北条は現地で歓待された。

北条はデビュー作がいきなりの連載決定となったことから、故郷の福岡県北九州市から急遽東京に引っ越し、訳も分からないまま仕事に取り組んでいたため、本作については「連載という名の漫画の練習」としか考えていなかったという。


【あらすじ】

予告状を出して高価な美術品を狙う窃盗団・キャッツアイ。
新宿・犬鳴警察署のキャッツ特別捜査班に勤める刑事・内海俊夫は、いつもキャッツの逮捕に失敗していた。
そんな俊夫の恋人である来生瞳は犬鳴署の前で喫茶「キャッツアイ」を三姉妹で営んでいる。

その来生三姉妹こそ、キャッツアイの正体だった。
キャッツアイが狙うものは、ミケール・ハインツというヨーロッパの画家関連のもの。
そのハインツとキャッツアイとの間にはある接点があった。


【登場人物】

  • 演者はテレビドラマ/映画/totoBIG版/舞台版の順

<来生(きすぎ)家>

○来生(ひとみ)
CV:戸田恵子
演:早見優/稲森いずみ/村上知子/藤原紀香
本作の主人公にして来生三姉妹の次女。レオタードの色は
ストレートの長い髪で快活な性格。運動神経にも優れ窃盗のメインを担当する。
原作では途中から髪の一部に金髪が混じるようになり、その後ある事情も合わさりあえて「キャッツアイの正体たる瞳そっくりの金髪の女怪盗」としても度々俊夫の前に姿を現すようになる*1

○来生(るい)
CV:藤田淑子/戸田恵子(シティーハンター2019年版)/深見梨加(VSルパン・シティーハンター2023年版)
演:MIE(現:未唯mie)/藤原紀香/大島美幸/高島礼子
来生三姉妹の長女で、レオタードの色は
普段は姉妹の母親的役割を行い、窃盗の際の計画・事前調査など司令塔の役割を果たす。かなりの長身で男装も得意とする。
大人の色気が漂う風貌は、ジャズシンガーの阿川泰子や当時「水中花」*2の妖艶なパフォーマンスで話題を呼んだ女優の松坂慶子がモデルとされる。そのせいか最初の実写版では泪役に露出の高い衣装で知られた「ピンク・レディー」のMIE(ミー)が選ばれている。

○来生(あい)
CV:坂本千夏
演:立花理佐/内田有紀/黒沢かずこ/剛力彩芽
来生三姉妹の三女で、レオタードの色はオレンジ
ボクっ娘で初登場時は高校生。
見た目からは想像がつかないが頭脳明晰なメカニック担当で、特製発明品を使って窃盗のサポートをするがトラブルを引き起こすこともしばしば。

<警察関係者>

○内海俊夫
CV:安原義人
演:西城秀樹/原田喧太/玉山鉄二/染谷俊之
キャッツ特捜班の主任刑事(階級は巡査部長)であり瞳の恋人。瞳とは高校時代からの交際。
真面目だがお調子者のキャラクターで失敗もしばしば。

○浅谷光子
CV:榊原良子
演:山崎直子(映画版)/佃井皆美
キャッツ特捜班に所属する内海の同僚。眼鏡とショートボブの髪型がトレードマークだが、眼鏡を外したらかなりの美人。
沈着冷静な性格で、女性ならではの視点でキャッツの正体に薄々感づいているところも。
その一方、料理の腕前が恐ろしいことになっている。

○課長
CV:内海賢二
演:ベンガル/佐野史郎/未登場
キャッツ特捜班の捜査課長。レギュラーなのだが本名は不明。
ドジを踏む部下を叱責する典型的な中間管理職だが、俊夫を自分の息子のようにかわいがっている。

<その他>

○永石定嗣
CV:大木民夫/麦人(VSルパン)
演:京本政樹(テレビドラマ)
キャッツの両親から恩義を受けた執事。夫妻が託した財産や美術品などの管理や運用、キャッツの仕事の手助けを行う。
定嗣という下の名前はアニメ版でのみ登場。

○神谷真人
CV:小倉久寛(テレビドラマ)
演: 川久保拓司
普段はルポライターだが、その正体はキャッツ同様美術品を狙う凄腕の泥棒「ねずみ」。
偶然キャッツと同じターゲットを狙って鉢合わせし、キャッツの正体に気づいてからは何かとちょっかいを出す存在に。
軽薄軟派の女好きで、内海の婚約で落ち込んでいた浅谷をからかい半分で口説いたところ本気にされてしまい、浅谷と付き合っているような雰囲気になってしまう。
この神谷を主人公に据えたスピンオフを企画して誕生したのが、後の「シティーハンター」である。


【アニメ】

東京ムービー(現:トムス・エンタテインメント)制作、日本テレビ系列で1983年7月~1984年3月に1期、1984年10月~1985年7月まで2期がそれぞれ放送された。
原作から大きく設定が変更されており、神谷と浅谷・課長を除いた警察関係者が登場しない。
また、第2期以降は美術品で私腹を肥やす悪人を成敗する旨のオリジナルエピソードも多数制作された。

主題歌は杏里の「CAT'S EYE」。
ポップス曲がアニメ主題歌に使われるという当時としては異例の扱いで、杏里本人も当時は懐疑的だったが、フタを開けたら大ヒットを記録。NHK紅白歌合戦出場は勿論*3、翌年のセンバツ高校野球の行進曲にも採用された。
本作以降、ポップス曲がテレビアニメの主題歌に起用される例が急増することになった。

オープニングはセクシーさを強調したものとなっており、特に第2期のエロさは異常
レオタードのデザインも2期から肩を開けたセクシーさを強調したものに変わった。

エンディングはエアロビクスシーンが1期・2期とも使われた。
2期では実際のダンサーにカツラを着けて踊らせそれを撮影しているが、当時はモーションキャプチャーなんて便利なものは存在しなかったため、映像を1コマずつトレースして刃の薄いカミソリで輪郭を切り抜いたものにホログラムを重ね、下から柔らかい光を当てて撮影という恐ろしく手間のかかる方法が取られた。

その後、2019年のアニメ映画『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』にゲスト出演。
海坊主の店のオーナーにして美人怪盗三姉妹というキャラ設定の元、終盤の大立ち回りに協力している。
声優陣は当時と同じ……と行きたかったが、病気療養中だった藤田は出演できず、戸田が一人二役を演じた*4
アニメ制作会社の壁を乗り越えて冴羽リョウと初共演が実現した。

2022年には、テレビシリーズ終了以来となる新作映画「ルパン三世VSキャッツアイ」の制作が発表され、翌2023年にAmazon Prime Videoで配信を開始。
原作漫画の40周年とルパン三世のアニメ50周年を記念し、制作が同じTMSということから実現したもの。
設定は漫画連載が開始された1981年となり、ルパンはピンクのジャケットを纏う。
声優陣は故人となった一部を除き、テレビアニメ版を踏襲している。

2023年10月19日に放送された「私のバカせまい史」(フジテレビ)において、番組調べではあるものの「赤なのか?青なのか?時限爆弾二択史」という調査お題で本作が日本初の時限爆弾解除二択が登場した作品として紹介された。

【実写作品】

○テレビドラマ
1988年に日本テレビで単発放送。

○映画
1998年に公開。衣装がキャットウーマンのような黒いボンデージになるなど大幅なアレンジが加えられた。
本作では瞳ではなく愛が主人公となっている。

○totoBIG版
2010年に制作されたCM。
森三中の3人が来生三姉妹役という誰得なキャスティングで話題を呼んだ。
衣装はアニメ1期のものを忠実に再現、CM本編には「CAT'S EYE」が使用されたほか、CMのフィナーレには杏里本人も登場している。
「意味のない場所を這いつくばって宝くじを買いに行く」「レオタードを無理矢理体に押し込んでいるところを内海に見られて正体がバレる」など、基本はパロディであるが全体的な完成度は高く、森三中の体形を除けば実写版の最高傑作との評価も(←筆者の偏見です)。
その後、2023年1月に行われた「VSルパン」のジャパンプレミア試写会にスペシャルゲストとして登場、まさかの復活を果たした。

○舞台
2024年に、明治時代を舞台にした『メイジ・ザ・キャッツアイ』として舞台化。製作は明治座であり、明治座開業150周年記念ラインナップのトリを務める。脚本はかもめんたるの岩崎う大、演出は河原雅彦が担当する。
また、映画版で泪を演じた藤原紀香が瞳役で登板し、原作に登場する内海の後輩・平野が初めてメディア作品に登場する。
パンフレットに掲載されたインタビュー記事によれば、本作は当初江戸時代を想定していたのだが北条の案により明治時代に変更されたという経緯がある。



アニヲタ諸君
今宵この記事の追記・修正に参上いたします。
Cat`s Eye


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最終更新:2024年02月26日 03:19

*1 この「金髪キャッツ」登場や彼女が現れるまで断片的な目撃証言しかなかった事等から、世間では「キャッツアイ」は3人組ではなく単独犯扱いされている。

*2 「これも愛、あれも愛・・♪」で始まる楽曲。キャッチーな歌いだしはCMでよく使われるので聞いたこともある人が多いのでは。

*3 後の初代実写版瞳役の早見優も参加した1983年。但し紅白出演時にはアルバム『Timely!!』収録の別バージョンが披露された。

*4 その後、藤田は闘病むなしくこの世を去ったため、映画内には追悼クレジットが追加されている。