スーツの改造・流用(スーパー戦隊シリーズ)

登録日:2022/04/18 (月曜日) 07:37:02
更新日:2023/12/14 Thu 11:34:18
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概要

東映製作の特撮テレビドラマ『スーパー戦隊シリーズ』。
生誕してから実に40年以上、様々なスーパー戦隊や巨大ロボがテレビの中にほぼ毎年に渡って登場し、悪の組織と激闘を繰り広げてきた。
現在では『パワーレンジャーシリーズ』として北米でリメイクされ、日本のみならず世界中の子供達をも魅了し続けている。

しかし、やがて視聴者があることに気づき始める。


あれ?このキャラのパーツって、あのキャラと同じじゃない?


知っての通りスーパー戦隊のデザインは全身タイツスタイルが主流であり、1人だけであればスーツ造形に他のヒーローほど手間はかからない。
しかし、スーパー戦隊には毎年3〜5人+追加戦士という多数のメンバーが登場し、さらに主力商品である巨大ロボのスーツも何着も必要になってくる。
これに加えて怪人のスーツも用意するとなると、やはりすべての戦士のスーツを新造で賄うのは現実的ではない。

そうなると、やはりたどり着く道はひとつ。
そう、兄弟分とも言える仮面ライダーシリーズや、ライバルであるウルトラシリーズでもお馴染み、スーツの改造流用である。

単純なリペイントやパーツ単位での部分的な流用もあえば、中にはちょっと凝ったものもあり、その方法は様々。


改造・流用されたスーツの一覧

以下にスーパー戦隊シリーズにおける改造されたスーツを記していくが、以下の例に関しては扱わないものとする。

・組み換えが想定されたもの
巨大ロボのマルチ合体や烈車戦隊トッキュウジャーの乗り換えチェンジ等のデザイン段階で複数キャラでの組み換えが想定されているケース、
及び地球戦隊ファイブマンのファイブテクターのような基本形態にアーマーを追加したのみの強化形態については、「予算対策の改造流用」とは言えないため、本項では扱わないないものとする。
ただし、元々想定されていなかったケースについては記載する。

・怪人→怪人で流用されたもの
本項はあくまでレンジャーと巨大ロボについてのみ扱うため、怪人から怪人に流用されたケースは扱わない。


光戦隊マスクマン

・X1マスク
改造元:ザ・ファイブマンのレッドの頭部
1話限りで登場した、シリーズ初の6人目の戦士。
マスクマンの前身となった没企画「ザ・ファイブマン」のデザイン検討用マスクを緑にリペイントし、新造の首から下と組み合わせて使用された。


五星戦隊ダイレンジャー

・歌舞伎ロボット
 改造元:ガードノイド・ガッシュの胴体と両肩(超獣戦隊ライブマン)
            バイオロボの腕(超電子バイオマン)
            ターボロボの手(高速戦隊ターボレンジャー)
            ダイレオンの両脚(巨獣特捜ジャスピオン)
ゴーマ怪人、歌舞伎小僧がロボットに憑依した姿。
頭部はおそらく新造されたものと思われる。
頭部はその後「重甲ビーファイター」にて「特急指令ソルブレイン」のソルドーザーの体と組み合わされ登場した.


電磁戦隊メガレンジャー

・ネジシルバー
改造元:ネジピンク
早川裕作邪電戦隊ネジレンジャーを攪乱するために変装した偽のネジレンジャーであり、当該エピソードの前の回で退場したネジピンクの改造。
ネジレンジャーのスーツは全員同じデザインで色のみ違うため、ピンクの部分を銀にリペイントしたのみ(武器は新造)。
その後、第48話でネジレンジャー全員が復活・再登場するにあたってネジピンクに戻された。


救急戦隊ゴーゴーファイブ

改造元:マックスビクトリーロボ
戦隊ロボの玩具ではお馴染みのブラックバージョンを本編に逆輸入する形で登場した最終回限定ロボ。
武器もビクトリーロボのブレイバーソードをリペイントして使用している*1
最終決戦での登場で、かつオリジナルのマックスビクトリーロボも大破しているためか、その後も元には戻されなかったらしく、北米版『パワーレンジャー・ライトスピードレスキュー』の新撮カットにもブラックバージョンのままで登場した。


救急戦隊ゴーゴーファイブVSギンガマン

・超装光ビクトリーマーズ
改造元:ビクトリーマーズ(救急戦隊ゴーゴーファイブ)
          超装光ギンガイオーの頭部と胸の追加装甲(星獣戦隊ギンガマン)
ギンガマンの「ギンガの光」の力でゴーゴーファイブのビクトリーマーズがパワーアップした姿。
撮影終了後は元のビクトリーマーズに戻された。
残念ながら玩具では再現できない。


未来戦隊タイムレンジャー

・プロバイダス
改造元:スターファイブの胴体(地球戦隊ファイブマン)
          ハラッパ国長老の脚(テツワン探偵ロボタック)
頭部と両腕は新造であり、胴体もかなり大きく手が加えられているのでぱっと見では分かりづらいが、よく見ると胸部と腹部のあたりにスターファイブの面影がある。
なお、『ロボタック』におけるハラッパ国長老のスーツは前番組『ビーロボカブタック』のトンデモジョーズの首から下の流用であり、そのトンデモジョーズの脚は『鳥人戦隊ジェットマン』のジェットガルーダの流用*2。実に9年の時を経てスーパー戦隊への再登場となった。


百獣戦隊ガオレンジャー

・ガオハンターブルームーン
改造元:ガオハンター
ガオハンターの力でパワーアップした姿であり、玩具『百獣合体DXガオハンター ガオリゲーターブルーバージョン』からの逆輸入。
胴体と脚の緑の部分を青に、眼を緑にリペイント。
1話だけの登場であり、その後は元に戻された。


忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー

・轟雷旋風神ソード&シールド
改造元:轟雷旋風神の腕以外(忍風戦隊ハリケンジャー}
          ガオキングソード&シールドの両腕(百獣戦隊ガオレンジャー)
轟雷旋風神の損傷した腕の代わりに、ガオシャーク、ガオタイガー、ガオエレファントが百獣合体した姿。
玩具の腕部ジョイント規格が共通しているため、先述の超装光ビクトリーマーズと異なり玩具でも再現できる。


特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER

・ファイヤースクワッド・デカレッド
改造元:デカレッド(特捜戦隊デカレンジャー)
         デカレッドSWATモードの胸部アーマー(同上)
デカレッドがファイヤースクワッドの制式アーマーを装着した姿。
赤基調にリペイントされたアーマーを装着しているが、あくまで通常のデカスーツのアッパーバージョンということなのか、頭部と脚は通常形態のまま。
なお、同作にはSWATモードを基本としているネオデカレッドも登場しているため、ファイヤースクワッド仕様に改造されたのはアトラクション用スーツのアーマーと思われる。


魔法戦隊マジレンジャー

改造元:魔導騎士ウルザード
紫の部分を赤にリペイント。
元々ウルザード自体がダークヒーロー的デザインの持ち主のため、リペイントのみで一気にヒロイックな姿に変わっているのは見事。
その後も『海賊戦隊ゴーカイジャー』でファイヤーのまま登場している。
なお、北米版『パワーレンジャー・ミスティックフォース』ではウルザードとは別に新造スーツが用意されたらしく、ウルザードVSウルザードファイヤーという夢の対決が実現した。


魔法戦隊マジレンジャーVSデカレンジャー

・デカレッドバトライザー
改造元:デカレッド(特捜戦隊デカレンジャー)
          S.P.D.バトライザー ソニックモードのアーマー(パワーレンジャー・S.P.D.)
北米版『パワーレンジャー・S.P.D.』の強化アーマーであるS.P.D.バトライザーの第2形態「ソニックモード」を逆輸入した強化形態。
『マジレンジャー』はプロデューサーの塚田英明氏が坂本浩一氏と親しかったことから、OP映像の製作にパワーレンジャーのスタッフが協力しており、その縁でアーマーがニュージーランドから貸し出され使用された。
なお、元ネタにおける第1形態「サイバーモード」は登場していない。


侍戦隊シンケンジャー

改造元:シンケンレッド
シンケンレッドの女性用スーツのデザインが存在しなかったため、急遽スカートを取り付けて対応。
プレックスのスタッフは「シンケンレッドが影武者とは聞いていたが、本物が女性だとは知らなかった」とコメントしている。


侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!

・ハイパーゴーオンレッド
改造元:ゴーオンレッド(炎神戦隊ゴーオンジャー)
         ハイパーシンケンジャーの羽織(侍戦隊シンケンジャー)
ゴーオンレッドがシンケンジャーの恐竜ディスクでパワーアップした姿。
ハイパーシンケンジャーの羽織をゴーオンレッドのベーススーツとハーネスで挟み込む形で装着している。
両者とも赤いため、それほど違和感なく纏まっている。


天装戦隊ゴセイジャー

改造元:ゴセイブルー
ルビーウ星人・5000℃のクラスニーゴに敗れて本編開始前に殉職した、ハイドの相棒。
回想シーンで一瞬のみの登場だったためスーツは造形されておらず、同じシーイック族であるゴセイブルーのスーツをCGで緑に色変更して対応。
マスクのデザインに関しては首から上が映らないカメラワークを取ることで誤魔化しているが、そのために正確なデザインが長らく不明であった。
現在もスーツはないが、2016年に『レンジャーキープレミアムエディション』にてゴセイグリーンのレンジャーキーが発売された際にデザインが起こされた。

改造元:ゴセイナイト
バイザーの色を赤から黒に変更した以外はそのまま。


海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船

改造元:ゴーカイオー
巨大戦のCGアニメーション制作にあたってモーションキャプチャーを導入したため敵を新規にモデリングする時間がなくなり、急遽用意された敵キャラ。
眼帯とフックとマントが装着されている他、よく見ると胸部と肩と膝のマークもゴーカイジャーのそれからジョリーロジャー*3に変更されている。
そのため劇中でゴーカイオーとにせゴーカイオーのスーツが同時に映るカットはなく、格闘シーンはフルCG。
なお、現場判断での改造ではなく、バンダイがしっかりデザインを起こしている*4


帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ

・レッドチーター
改造元:レッドバスター(特命戦隊ゴーバスターズ)
・ブルーゴリラ
改造元:ブルーバスター(同上)
・イエローラビット
改造元:イエローバスター(同上)
・ゴールドビートル
改造元:ビートバスター(同上)
・グリーンヒポポタマス
改造元:ブルーバスター(同上)
・ブラックピューマ
改造元:レッドバスター(同上)
バイザーの色を黒に変更し、各々のモチーフとなった動物に合わせた縁取りを追加。
また、グリーンヒポポタマスはヘルメットにカバの耳の意匠が、ブラックピューマはマフラーが追加されている。


獣電戦隊キョウリュウジャー

・キョウリュウシアン(2代目)
改造元:キョウリュウシアン
・キョウリュウグレー(2代目)
改造元:キョウリュウグレー
変身者の代替わりは当初予定されていなかったため、初代のスーツの胸のマークをスピリットレンジャー仕様の銅色から初期メンバーと同じ黄色に変更して流用。
変身者の性別が変わっているシアンはスカートが追加されている。


帰ってきた獣電戦隊キョウリュウジャー 100years after

・キョウリュウネイビー
改造元:デスリュウジャー(劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ・オブ・ミュージック)
劇場版に登場した悪のキョウリュウジャーともいうべき存在であるデスリュウジャーをキョウリュウジャーに合わせてアレンジした、いわば「正義版デスリュウジャー」。
右腕の装甲を排除し、両腕を赤色からスーツと同色の紺色に、マスクの赤いラインを銀色にそれぞれ変更している。
もっとも作中設定的にはキョウリュウネイビーの装備が変化したものがデスリュウジャーなので、元鞘に納まったとも言える。


烈車戦隊トッキュウジャー

・リョーナイト
改造元:マジブルーのブーツとグローブ(魔法戦隊マジレンジャー)
トカッチがかつて兄をモデルに思い描いていたヒーローが実体化した姿。
パーツそのものには手が加えられておらず、よく見ると新造の頭部と胸部に使われている青の色合いが、ブーツとグローブのそれと微妙に違うのが確認できる。
撮影終了後は戻されたと思われる。


手裏剣戦隊ニンニンジャー

改造元:スターニンジャー
          アカニンジャー超絶のアーマー
改造元:キニンジャー
          アカニンジャー超絶のアーマー
改造元:アオニンジャー
          アカニンジャー超絶のアーマー
本来想定されていなかった形態のため、記載。
超絶は元々アカニンジャー専用の強化形態としてデザイン・造形されているが、スーツはアカニンジャーの上から装甲を被せる方式のため他のメンバーとも互換性があり、劇中ではアオ、キ、スターが超絶変化を行った。
胸のエンブレムだけ各変身者と同じ色に塗り直され、他の部位は色も含めて元のデザインのまま。

改造元:アカニンジャー超絶の頭部以外のアーマー
・超絶八雲
改造元:アオニンジャー超絶のアーマー
伊賀崎風花と加藤・クラウド・八雲が獅子王の手で生身の状態から超絶変化させられた姿。
普段着の衣装の上から直接アカニンジャー超絶のアーマーを装着する形で表現。
前者はアカニンジャー超絶の額の飾りを模した髪飾りを新造し、胸のエンブレムの上に「超絶風花」と書かれたシールが貼り付けられている。
後者は頭部の追加アーマーも冠の要領で装着された。恐らくアオニンジャー超絶から直接これに流用した後、元のアカニンジャー仕様に戻したものと思われる。


宇宙戦隊キュウレンジャー

改造元:リュウコマンダーの頭部と胸部アーマー
         トッキュウジャーのグローブ・ブーツとトッキュウバックル(烈車戦隊トッキュウジャー)
最初からリュウコマンダーへの強化ありきで用意されたため、流用で対応。
手足とバックルはほぼトッキュウジャーそのまんまとなっている。
なお、今まではアンダースーツ含め全てトッキュウ7号を改造した物と思われていたが、2023年にTTYOで登場回が配信された際、この回の監督であった竹本昇氏がTwitterでこの説を否定し実際の改造部分を明かした。

・ヘビツカイメタル
改造元:ヘビツカイシルバー
急遽登場が決まったため、マフラーと腰布を追加し、一部にパーツ追加とリペイントを施すのみの簡素な改造となっている。
ナーガが正気を取り戻し、正義の戦士として変身できるようになってからは頭部と胸部がヘビツカイシルバーと同じ仕様になっている。


騎士竜戦隊リュウソウジャー

・リュウソウブラウン
改造元:ガイソーグ
紫の部分を茶色*5にリペイント。
武器もガイソーケンの流用だが、ガイソーグと違いは持っていない。


魔進戦隊キラメイジャー

・キラメイゴールド
改造元:キラメイシルバーのゴーグルを下ろしたマスクとブーツとグローブ
         ゴーキラメイイエローのアーマー
クリスタリア宝路の妄想の中に登場した、博多南無鈴がキラフルゴーアローで変身した戦士。
金の全身タイツにシルバーとイエローの装具を被せ、ピコ太郎をイメージしたマフラーを追加。
マスクの色変更は塗装やCG加工ではなく、被り物とカッティングシートが用いられた。
わずか数秒の登場だったため、撮影用スーツをそのまま使い、出番が終わり次第元に戻したものと思われる。


機界戦隊ゼンカイジャー

・ゼンカイザー(ニンジン状態
改造元:ゼンカイレッド
          ツーカイザーのツーカイバックル
ゼンカイザーニンジンワルドの能力でニンジン化してしまった姿は、同じ赤色であるゼンカイレッドの流用。
頭にニンジンの葉っぱの飾りが追加された他、よく見るとバックルもツーカイザーの赤いものに交換されている。
因みに、この回の監督は『機界戦隊ゼンカイジャー スピンオフ ゼンカイレッド大紹介!』でもメガホンを取った加藤弘之氏。
公式ブログ『ゼンカイ備忘録』では「加藤監督ならではのサプライズ」と紹介され、公式Twitterでもネタにされている。


王様戦隊キングオージャー

・キングキョウリュウレッド
改造元:キョウリュウレッド・カーニバル(獣電戦隊キョウリュウジャー)
胴体のアーマーをキングオージャー共通の装甲とマントに変更し、王国を示すエンブレムはキョウリュウレッドのものに。


番外編

非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛

改造元:リュウレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー)
キバレンジャー(『五星戦隊アキバレンジャー』版)
改造元:キバレンジャー(同上)
改造元:ティラノレンジャー(恐竜戦隊ジュウレンジャー)
改造元:ドラゴンレンジャー(同上)
改造元:カブトライジャー(忍風戦隊ハリケンジャー)
・ジャカンブルー・クワガライジャー
改造元:クワガライジャー(同上)
妄想世界が現実に影響を与えたことにより、洗脳されて別キャラ化してしまった公認戦隊の皆さん。
同時期に発売された彼らのS.H.Figuartsにはこちらのバージョンを再現できるオプションパーツも付属していた*6


追記・修正はリペイントとパーツ追加を受けたことがある人にお願いします

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最終更新:2023年12月14日 11:34

*1 後にスーパーミニプラでブラックバージョンが立体化された際は、ビクトリーロボのそれとは別にマックスビクトリーロボ専用の一回り大きいブレイバーソードが新規造形された

*2 因みに他の部位も、胴体と頭が『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の剛龍神、腕が『光戦隊マスクマン』のグレートファイブの流用と、いずれも過去の戦隊ロボのパーツが使われている

*3 所謂海賊マークのこと

*4 ただし玩具化はされなかった

*5 東映の公式サイトではカッパーと表記された

*6 何故かゴウライジャーだけは付属していない