花形/ゴートオルフェノク

登録日:2022/04/23 Sat 15:51:08
更新日:2024/04/08 Mon 16:47:20
所要時間:約 5 分で読めます






答えてくれ……。答えろ!!
何故俺達にベルトを送ってきたんだ? 何が望みなんだ……? 父さん!!

戦え…。戦え!

そして勝ち続ければ、きっとその答えが分かる。


花形(はながた)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』の登場人物。

演:中康治





【概要】

巨大企業スマートブレインの初代社長にして、流星塾の創設者。
外見は黒づくめのファッションで統一された老人。

一代でスマートブレインを巨大企業にした技術と経営能力、そして後述の格闘センスを併せ持つ、『555』屈指のハイスペックな男。
園田真理草加雅人三原修二達塾生にとっては育ての父であり、彼らからは「父さん」と呼ばれている。
塾生には愛情を持って接する一方、彼らを過酷な戦いに巻き込んだり、目的の為なら罪のない警備員や作業員を犠牲にするなど冷酷な側面もある。


【劇中での活躍】

劇中では序盤から塾生にファイズカイザデルタのベルトを送った人物にして、数年前に突如姿を消したスマートブレイン社長として言及される。
地下の流星塾跡地でライオトルーパーのギアを開発していたが、しばらくははっきりと映る事はなかった。

「花形」としては第25話にて本格登場。
ベルトを奪われたまま逃げ込んだ乾巧と草加の前に姿を現し、多くを語らぬまま、追って現れた仮面ライダーファイズ(琢磨逸郎)と仮面ライダーカイザ(影山冴子)を圧倒。
琢磨ファイズを変身解除させ、カイザギアの奪還を見届けると、草加に戦い続けるよう促し、天井裏を突き破る形でカイザポインターを託した。


雅人!

戦え、雅人…。戦い続けろ!


その後も地下に籠りつつ、いつの間にか用意したファイズブラスターを菊池啓太郎を通じて真理に送っている*1

その後、第45話で再登場。
長田結花の死を知り、気絶した木場勇治をどこかへ運んだ後、ドラゴンオルフェノクに敗北した草加と三原を助け出した。
その後、木場の南雅彦への復讐に手を貸し、スマートブレインに復帰して木場を後継者に指名した。
なお、劇中描写から見て失踪の理由をろくに語らないながらも、役員に歓迎される人望(村上を排除したかったというのもあるだろうが)はあった様子*2

村上峡児とは失踪前から知己だったようだが、詳しい関係は不明。
だが、第46話にて相対した際の発言からして、少なくとも自身の後継者とは見ていなかった模様。
もっとも、村上も花形を邪魔者と思っているため、お互い様と言えるが……


末路

第48話で明かされたその真意は、オルフェノクの王を倒す事でオルフェノクという存在そのものを滅ぼす事
かつてはオルフェノクという種の存続を望んでおり、如何なる方法によってか存在を突き止めたオルフェノクの王を守ろうとしていた。
流星塾に九死に一生を得た子供を集めたのも、3本のベルトを開発したのもその為。
しかし力に溺れ、人間性を失っていくオルフェノクを見るうちにオルフェノクの存在に失望していき、最終的にオルフェノクでありながらオルフェノクは滅ぶべきと考えるに至った。
また、木場をスマートブレインの新社長に任命したのも、彼が心の奥底で人間を愛し、オルフェノクが滅びゆく道を選ぶ勇気を持っているはずと見込んでのものだった。
しかし、この時点で木場は結花を殺された事で人としての心を失っており、花形と完全に真逆の思想に至っていた。
つまり、花形はとんでもない思い違いをしていたのだが、それに気付く事は終ぞなかった*3

そして最期は草加と木場に真相を語り、再会を望んでいた真理と阿部里奈*4の元に向かおうとするも、立ちはだかった草加の前で身体が限界を迎えて灰化。
草加も程なくして木場に殺害された為、その最期は誰にも知られる事はなかった。


どこに行くつもりだ…?

雅人……


真理に会わせない…。あんたに会う資格はない!

よせ! 前にも言ったはずだ。お前はもう変身してはならない。それに……私と戦う必要はない。

これでいい……

父さん……!

お前は生きろ……! 雅人!


【総評】

振り返ると、白倉P井上脚本作品でそこそこ見かける目的は理解出来るが、個々の行動の意図がいまいち分かりづらい人。
  • 何故ベルトだけ送り付けて事情を一切説明しなかったのか?
  • カイザの危険性や真実を知っていたのに草加に「戦え」と促したのは?
  • 村上達の専横を放置していたのは何故か?
  • 人の心を失うからとオルフェノクを滅ぼすつもりなのに、木場の私刑に手を貸したのは?
  • 巧や海堂とは会話ひとつなかったのは何故か?
……といった疑問に対する明確な答えはない。
草加には「私は賭けてみたかった…。幼い頃から、つらい境遇を耐えてきたお前達の……強さと優しさに」と語っているが、ほぼ丸投げもいいところで手段が限られていたとはいえ、子供達の大半を死に追いやってしまった。
全体的に「『555』の始まりと終わりの舞台を整えるために動かされた存在」という印象が拭えない人物と言える。


【ゴートオルフェノク】


データ

身長 207cm
体重 121kg
種族 オルフェノク
モチーフ 山羊
特色・力 高速移動
格闘術
振動波
クリーチャーデザイン 篠原保
登場回 第1話「旅の始まり」
第25話「闇の実験室」
第45話「王の目覚め」(ゴートオルフェノクとしての最後の登場)

花形が変身する、山羊の特質を備えたオルフェノク。
第1話冒頭で3本のベルトを強奪した、『555』で最初に登場したオルフェノクでもある。

設定上は角から建物を粉砕する威力の振動波を発する事ができるが、劇中では未使用*5
専ら徒手空拳で戦い、それだけで琢磨ファイズと冴子カイザのコンビやドラゴンオルフェノクを完封する実力を誇る。

なお、能力の「高速移動」がドラゴンオルフェノク 龍人態と同じ1000倍速以上の加速を示すのか、時速310kmの脚力の事なのかは不明。
カウンター主体で戦ったドラゴンオルフェノク戦ではどちらとも取れる描写になっており、書籍『仮面ライダー555・ハイブリッドファイル』では前者の説明。
東映のWEBサイト『仮面ライダー図鑑』では「龍人態の動きを完全に読み切った上で反撃を叩き込み」と、速度よりも格闘術によるもののような説明がなされている。

いずれにせよ、ローズオルフェノク共々ラッキークローバーを凌駕し、王に次ぐ劇中最強クラスのオルフェノクと言えよう。


【余談】

デザインを担当した篠原保氏によると、「描いたデザインの一つに半人半獣のモデルケースとしてギリシャ神話のパーン的なものがあり、それを原初神パーネスと捉えれば花形の立ち位置に合うかと思って割り振った」とのこと。



追記しろ…。修正しろ!

そして編集し続ければ、きっとその答えが分かる。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 仮面ライダー555
  • オルフェノク
  • 平成ライダー
  • 井上キャラ
  • スマートブレイン
  • ライダー怪人
  • 山羊
  • 花形
  • ゴートオルフェノク
  • ヤギ
  • 強豪
  • 父さん
  • 養父
  • 流星塾
  • 善玉怪人←でもない
  • スマートブレイン
  • 悪魔
  • 中康治
  • 何故かなかなか立たなかった項目
  • 仮面ライダー
  • 原初神パーネス
  • パーン
  • 実力者
  • 強者
  • 社長
  • 黒づくめ
  • ハイスペック
  • オルフェノク滅ぶべし
  • 徒手空拳
  • ある意味黒幕
  • 丸投げ
  • 道士・嘉挧←ではない
  • 後見人

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月08日 16:47

*1 劇中では明言はされていないが、『仮面ライダー図鑑』で関連人物とされている。

*2 取引先の役員が村上から会社の強引な買収を求められた際も、「前社長の花形さんならこんな事はしなかった」と語っており、仕事の面でも村上より良識的だったと思われる。

*3 そして木場も花形に恩があるからか、無駄に敵を増やしたくなかったのか、自分の思想(人類抹殺)を花形に打ち明ける事はしなかった。

*4 三原も同席予定だったが、皮肉にも木場が放ったライオトルーパーとの戦いに海堂直也の要請で赴いていた。

*5 ただし、木場を急に昏倒させる耳鳴りのような音と共に人間態で登場しているシーンはある。とはいえ、これが明確に振動波の能力の一端なのか、あるいは全く別の演出なのかは不明。