ハリセンボン(魚類)

登録日:2022/4/27 Wed 16:21:31
更新日:2024/04/08 Mon 13:05:14
所要時間:約 7 分で読めます




ハリセンボン(針千本)とは、フグ目ハリセンボン科(Diodontidae)に分類される魚の総称。硬骨魚類である。

概要

別名、トゲフグ、ハリフグ、バラフグ、イラフグ、カゼフグなど。沖縄県では「アバサー」と呼ばれている。
英語ではPorcupine fish(ヤマアラシ魚)と呼ぶ。

全世界の熱帯から温帯に広く分布し、6属20種類ほどが知られており、全長は15cm〜70cmを超えるものまで種類によって異なる。
たまに寒い地域の海に迷い込んでしまう場合があり、繁殖ができずに死ぬことが多い*1

浅い海の岩礁、サンゴ礁、砂底に生息し、他のフグ目の魚と同様に胸鰭、尻鰭、背鰭をパタパタと羽ばたかせながらゆっくり泳ぐ。
食性は肉食で、カニなどの甲殻類やウニ、貝などを食べる。

普段泳ぐ姿は普通のフグだが、敵に襲われそうになると水を吸い込んで膨らみ身を守る
この体を膨らませた姿に他のフグ目との大きな違いがあり、トゲトゲのボールのようになることで身を守る。このトゲは鱗が変化したもので自由に動かすことができる。

名前の通り1000本の針を持つ……と思いきや実際は、ある猛者が1000匹分数えたデータによると、最多では492本、最少では314本、平均では369本ほどで相当にサバを読んでいる。
まあほら、八百屋さんだって800種類も売ってないし、ムカデも百足と書きながら実際は約60本程度で、100本以上あるものはあまりいないし、千葉県の九十九里浜も九十九里(約388km)無いし?

なおトゲのイメージが強く見落とされがちだが、フグの仲間であるだけに歯も鋭く顎も強靭で貝殻やウニの殻も噛み砕いて捕食する。

大量に漁獲用の網にかかった場合、一斉に膨んだ結果、周りの魚をトゲで傷つけて市場価値を落とす原因になってしまい、漁師さんを困らせることがある。


利用

食用として
フグの仲間だが、卵以外にはが無いためフグ調理師免許を持っていなくても調理できる。
トゲを皮ごと取り除き、味噌汁唐揚げ刺身などにして食べる。
ただ卵巣が有毒という説もあるため、沖縄県の漁師は捨てており、食品衛生法にもとづく厚生労働省通知では食べられない部位としている。
因みに、釣りにおいては上述の歯や顎で釣糸を噛みきるため嫌われ者だが、沖縄県の漁師の間では釣り針に白ビニール片をつけて目の前で揺らすだけで食いつく簡単に釣れる魚として扱われている。また、干潮時にはよく磯だまりに取り残されて途方にくれている姿も見られる。
つまりこう見えてアホの子属性も持ち併せているのだ。

観賞魚として
水族館や家庭のアクアリウムで飼育する観賞魚としても人気がある。
家庭で飼育する場合、たいていの無脊椎動物は食べてしまうので単独飼育のほうが望ましい。

その他の用途
フグ提灯といって、上手に中身を取り出した皮を、剥製の様に乾燥させて飾り物にする。フグでも同じ事ができるが、ハリセンボンだと体全体のトゲが立って見栄えがするのだ。
またキリバス領ギルバート諸島では、ハリセンボンのトゲから作ったトゲ付きを使用していた。

亜種

名前に反して体長70〜80cmの大型種で、体にもひれにも小さな黒い斑点がたくさんある。大型個体はかなりスリムな体型になる。

  • イシガキフグ
体長は成魚で50cmくらいで最大75cm。
ハリセンボンと同様膨らむことができるが、トゲがあまり鋭くならないため防御用としてはそんなに強くない。

  • ヒトヅラハリセンボン
体長は60cm前後。
名前の通り人間のような顔をした人面魚。お笑い芸人コンビとはそこまで似ていない。


ハリセンボンをモチーフとする、または関連のあるキャラクターや人物

この作品ではを持っており、みずタイプどくタイプとされている。
長らく進化しそうでしないポケモン……ながらも特性や技が優秀でそこそこの強さを持っていたが、『Pokémon LEGENDS アルセウス』では念願の進化形を獲得。
ちなみに、ハリーマンに進化するとトゲの数や鋭さが増す。

上半分にトゲが生えたフグのような敵キャラクター。針まみれだがヨッシーで食べられる。

いつもは萎んで仏頂面だが、ディクシー達が近づくと、取扱説明書の公式グラフィック通りにあのインパクトでかいギョロ目な顔芸を披露しながら身体を膨らませてディクシー達の進路を妨害してくる。
その後爆発したりしなかったりと、出現エリアによってまち針、もといマチマチでさらに爆発時に飛ばす針も垂直か斜めかもマチマチである。

爆発の針は落ち着いてかわせばいいのでともかくとして、それよりもグレーがかった暗いクールブラウンの体色が、船ぞこステージでは木でできた船内の背景にうまく溶け込んでおり、保護色よろしく視認性が悪いので、膨張に伴う進路妨害が厄介。

また、船ぞこ以外では氷のステージでも暗くてクールな水の色合いにも結構うまい具合に溶け込んでおり
これも膨張と収縮を繰り返す個体がせまい通路で並ばれるとなかなか進むタイミングがつかめずこれまたうっとうしい。

総じて破裂すればエンガード抜きで存在は消滅してくれる分、基本的には破裂しない個体の方が迷惑度は数段上手と言ってよい。

しかしエンガードで倒した時のボガーンという大袈裟な衝撃音もなかなか爽快感がある。

「ガリオンとうだい」のボス。上記のパフタップの親分と思われる。
これまでのボスと違って水上で小型ボートを駆って戦う様式で
DKスターをくぐることでせり上がってくる柱からの電撃を5回浴びせることで倒せる。
しかし回数ごとにだんだんDKスターが小さくなる上、パフトス自身も大波のような衝撃波を放ったり
パフタップをミサイルのように吐き出して攻撃してきたりと意外に強敵。
最期は風船のように破裂し、ペチャンコになるというややコミカルな倒れ方である。

4番目のステージ「オーシャンアイランド」のボス。日本語版ではステージ名で「じごくのはりせんぼん パンパップー」と明記されている。英語版では"Fugu"という名前であるとか。まんまやな。
水中でのボス戦となり、水を吸い込んで膨れ上がる。膨れ上がると体の棘が逆立ち、ローリングアタックで攻撃しても逆にダメージを受けてしまう。
膨らんでいないときは全身、膨らんでいるときは棘のない尾びれ近くへのローリングアタックが有効。
また、膨らんだ状態から水を吐き出して元に戻るとき緑色の魚のザコ敵を吐き出してくることがあり、これをローリングアタックで弾き当ててもダメージを与えられる。

  • プーヤン(『パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~』)
難所とされているステージ8のボス。
こちらを攻撃する手段は誘導性能の高い針をゆっくり飛ばしてくるだけだが、ダメージを受ける度に本体と針が少しずつ大きくなり、最終的には画面一杯まで大きくなって圧し潰そうとしてくる。
また、水中で戦うことになり、自機スピードが1段階下がった状態になってしまうので、針を避けるためにもスピードを上げるとある程度対応は楽になるが、ゲームランク的にスピードを上げたくないというジレンマもあり、二重に厄介なボス。

おさかな天国こと、海洋生物型ボスで有名なSTGシリーズの一作『ダライアスバースト』の4面に当たる、ゾーンE・ゾーンF・ゾーンGのボス。
第1形態では、大量の装甲や兵装を、外殻として身に纏った鈍重な大型戦艦だが、外装を破壊していく、もしくは一定時間が経過すると、外装をパージして第2形態に移行し、中核のハリセンボン型巨大戦艦という正体が露になる。
素早い移動で画面からのフレームイン・アウトを繰り返しながら、全身の砲台(ハリセンボンの棘に当たる器官)から、ミサイルや屈折レーザーを連射してくる、初心者にとっては難敵となるボスである。
今作それまでのボスとは異なる高速戦闘にどう対応するか、攻防一体の兵器「バーストビーム」を貫通してくる屈折レーザー相手に、バーストビームの防御力に頼らず地力でしっかり対応できるか、等が問われる、1つの登竜門と化している。

……が、慣れたプレイヤー達からは、とにかくそのかわいらしさを猛プッシュされている。
画面の外から艦体の一部を突き出し、そこから攻撃を放ってくる様子が、なんだか外からヒョコっと覗き込んできているみたいに見えたり、外装パージ時やレーザー乱射パターンに入った際にやたらクルクル回転してたり、バーストビームをチャージし発射してくる際に現実のハリセンボンよろしくプクーッと膨れたり、挙句の果てには、画面を縦横無尽に高速移動する様子さえなんかチョコマカ走り回っているような印象を受けたり……。

これら、妙に表情豊かで味わい深い動きが多いため、慣れてしまえばさほどでもない強さと相まって、島田フミカネデザインの健気なアンドロイド少女な本来のヒロインを差し置いて『ダライアスバースト』最強の萌えキャラ扱いをされてしまったのだった……。

なお、強化版として、ハリセンボン型巨大戦艦亜種「ファントムキャッスル」というボスもいるが、屈折レーザー以上に厄介なホーミングレーザーが多数追加されているため、こちらは普通に強敵という印象が先行している。

借金をしておらずカードを4枚以上所持してると下関に一定確率で登場する。
サイコロ1個を振って2~6の場合は何もされないが、1を出してしまった場合は所持金とカードを全て失ってしまう。

  • ハリフグアパッチ (『仮面ライダーV3』)
デストロンの機械合成怪人。
ハリセンボンと魚雷を合成してある。
全身の毒針を手裏剣のように投げ、鼻先から毒液を噴射する。
左肩から放つ「フグ魚雷」を武器に、制海権を握ろうとした。

詳しくは該当項目を参照。
つけている者に対しをつくとバッジが「ノマス」と言い、体が勝手に動き嘘を実現しようとする。

該当ゲームのレベル2でトノサマガエルとともに登場。カウントダウンが5になると膨らみ始める。

なお、豚ヅラなところから、アフリカに伝わる怪魚・ホグフィッシュの要素も混ざっていると言える。
ドラゴンクエストVIII』にも「ポグフィッシュ」という豚ヅラのハリセンボンが登場するが、エイト達にとっては恐るるに足らないも、毒を持つので漁師にはウザい存在だと言う。

  • ハリセンボン(お笑い芸人)
この項目の魚と同名の2004年にデビューしたお笑いコンビ。角野卓造近藤春菜と箕輪はるかの女性二人組ユニット。
コンビ名の由来は近藤曰く「ハリセンボンが近づいたらハリを出すじゃないですか、顔は可愛いけど近づいたら危ないぞ」……というのは後付けで、実際は「芸人のコンビ名に『ン』が入ると売れる」という迷信に基づいて二人で「ン」の付く単語を持ち寄って決めたとのこと。




追記・修正、嘘ついたらハリセンボンの~ます♪

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最終更新:2024年04月08日 13:05

*1 このようなケースを「死滅回遊」(こっちではない)とか「無効分散」と呼ぶ。ハリセンボン以外の熱帯魚でも起こる。