ケイオス・スペースマリーン(ウォーハンマー40K)

登録日:2022/09/15 (木) 20:09:29
更新日:2024/03/25 Mon 22:54:39
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“偽りの皇帝に死を!!”

画像出典:コデックス「ケイオス・スペースマリーン第8版2nd」(codex:Chaos Space Marines) P4,5イラストより





ケイオススペースマリーンとは、ウォーハンマー40Kに登場する渾沌の神々に仕える超人兵士の勢力である。彼らは元々は〈人類の帝国〉に奉仕していた超人兵士「スペースマリーン」であったが、「渾沌の暗黒神」に忠誠を誓った裏切り者であり「大逆者」(ヘレティック・アスタルテス)でもある。
簡単に言うと 闇堕ちし、悪魔と契約を交わしたスペースマリーンと考えていただければいいだろう。 銀河に存在する宙域〈恐怖の眼〉や隠れ処を根城とし、 〈帝国〉中の無防備な惑星や臣民に襲いかかり、自らの欲望のままに生き、皇帝が築き上げた栄光を破壊し尽くすことを無上の喜びとする。
彼らはスペースマリーンの兵器や装甲服を用いるだけでなく、暗黒神から賜った渾沌の恩寵による肉体強化(または肉体変異)によってスペースマリーンよも超える力を手にしている。更には同盟軍として常人の狂信者や巨大なる渾沌の騎士、おぞましき渾沌の悪魔(ディーモン)たちを味方につけて〈人類の帝国〉に永劫なる戦争を挑む。
もはや彼らは人類の守護者ではなく、渾沌神の代理戦士として終わりなき殺戮と破壊に明け暮れているのだ。

概要



ケイオススペースマリーンは人類や異種族にとって最大級の脅威の一つであり、渾沌の恐るべき力を授かったスペースマリーンでもある。 彼らは元々スペースマリーンとしての過酷な訓練や肉体強化を受け、様々な戦場にて死線を潜り抜けたエリート兵士であった。
更に人間離れした心身と強力な装備に加えて、彼らには〈禍つ神々〉、すなわち渾沌の四大神との間で結んだ不浄なる契約を結んで手に入れた 「恩寵」 によって悪魔の如きの力を手にしているのだ。自身の戦闘能力が不足している場合には、冒涜的なディーモンの力を宿した「魔導兵器」を投入することも惜しまない。
彼らが扱う魔導兵器に関する知識や技術の数々は、〈帝国技術局〉(アデプトゥス・メカニカス)が有する技術力をも凌駕するとも言われている。一万年以上もの間にケイオススペースマリーンたちの〈大逆の兵団〉や〈叛逆の戦団〉は皇帝の築き上げた版図や栄光を破壊し尽くし、自らの欲望や本能に身をまかせ、〈帝国〉の臣民や異種族らを虐殺し続けてきた。
〈帝国〉ではこうした異端者の所業や存在が、他の臣民に対する堕落や反乱のきっかけとならないように、彼らの引き起こす殺戮や征服の事実は、〈異端審問庁〉(インクィジション)によって巧妙に隠蔽されている。 ケイオススペースマリーンらが引き起こす〈永劫の抗争〉は、大部分の帝国臣民らに知らされぬまま、数千年紀もの間に何度も繰り広げられてきた戦争だ。
第42千年紀(西暦41000年代)、数え切れないほどの戦場で、〈皇帝忠誠派〉(ロイヤリスト)とそれに反旗を翻した逆徒たちは、銀河の未来を賭けて今でも戦い続けているのだ。

画像出典:コデックス「ケイオス・スペースマリーン第8版2nd」(codex:Chaos Space Marines)P54,55より
【ケイオススペースマリーンの特徴】
ケイオススペースマリーンは以下の特徴を持っている。

  • 元スペースマリーンで肉体と精神が強化された超人であり、その身長は2Mを優に超える。

  • 渾沌の神々と契約を交わしており、神から授かった恩寵によって通常のスペースマリーンよりも能力が強化されている。

  • ケイオススペースマリーンは渾沌の神々に対して忠誠を誓っており、ある者は〈帝国〉に永遠の戦争を挑み、ある者は欲望の赴くまま我欲に従って生きる。

  • 如何なる慈悲や羞恥心、倫理観も捨てており、本能の赴くままに破壊と殺戮と悪徳を愉しむ。

  • 恩寵による肉体強化に耐えられなくなったケイオススペースマリーンは、「ケイオススポーン」と呼ばれる醜い怪物に変化してしまう。

【堕落への道】
力を手に入れた人間ならば誰しも、己の一生を大いなる善か、あるいは大いなる悪に捧げるかを選ぶ権利が与えられる。それは大いなる力を持つスペースマリーンとて同じことだ。
生体改造によって強化された理想的な兵士であり、高性能の武器と防具によって武装した彼らは、人類と皇帝の守護者と言っても過言ではない。鎧われし装甲服は様々な脅威から身を守ることができ、極限までに強化された肉体と精神はあらゆる苦痛と問題を克服し、誘惑や絶望に打ち克つ強さをもたらしている。
スペースマリーンとなることは、一人の人間がその全生命を懸けてただ一つの使命を数百年もの間全うし続けることを意味する。その者の魂と肉体は、人類の守護という唯一の目的のためだけに捧げられるのだ。
だが、スペースマリーンがその高貴な責任と任務を放棄した場合、他のいかなる人間よりも遥かに深い堕落への道へと至るだろう。気高き滅私奉公の生き様から解放され、堕落せしスペースマリーンと化した彼らの眼前には、己ただ独りの世界が限りなく広がっている。
スペースマリーンの伝統主義や重責などの足枷から解放されたケイオススペースマリーンたちは、流血、肉体的快楽、野望、愛情、憎悪などのありとあらゆる衝動や情念や欲望の赴くままに振舞うことが可能となってるのだ。 もはや強大な力を手にしたケイオススペースマリーンは、如何なる慈悲の心や羞恥心も持たぬ卑劣なる罪人へと変わり果ててしまうのである。
洪水をその背で防いでいた堤防が一気に崩壊していくかの如く、スペースマリーンの堕落は破滅的な結末へと至るのだ。
【堕落の果てに】
大多数のケイオススペースマリーンは、戦うためだけに作り出された純粋なる戦士である。かつて抱いていた気高き理想や目標はもはや打ち捨てられて久しいが、彼らの超人的な肉体や戦闘技術は未だに健在だ。
鉄の規律や祈祷の儀式、あるいは聖務によって課される厳粛な制約から解放されたケイオススペースマリーンは、倫理観や自制心を失った異常殺戮者へと成り果てる。この者は、自らの肉体に宿った穢れし力や、死と苦痛をもたらす能力を誇りとし、それらを極限にまで駆使して流血の限りを尽くすべく、暴挙に満ちた新たな生涯を歩み出すのだ。
全ての者がそうした堕落の境地に達するわけではない。狂気的な一線を越える事無く、血に飢えた背信者や海賊としての余生を過ごす者も珍しくない。
また別の者たちは、誘惑と神秘に満ち溢れた銀河系を全域に渡って探索し、あらゆる事象を実際にその身で味わい尽くすべく活動している。彼らはかつて、自らの戦団とその遥か彼方に鎮座する皇帝に対し、長らく従属を強いられてきた。
だが、ケイオススペースマリーンとなった今、彼らは下僕ではなく主人となる可能性を得たことに対してさらなる強い魅力を感じており、思うがままに臣民たちを支配したいと考えるかもしれない。国家どころか、惑星ごと奴隷化仕様とする者さえ現れるだろう。
またある者は、禁断の書物や呪われた知識の探求に魅力を感じ、そして別の者は、自らの肉体に苦痛と快楽を与える事に耽る者もいるだろう。思いも寄らぬ官能的刺激に身を振るわせるべく、肉体と精神を限界まで拡張するのだ。
その悪徳を止める者はもはや、ほとんど存在しないのだから。
【暗黒神の恩寵】
ケイオススペースマリーンになるという事は、他の生物を遥かに超越した、神の如き力を行使することができるという事である。物質的な問題、組織の責務から解放されて久しい彼らは、今や懲罰や贖罪を恐れる必要がなくなったのだ。
多くのケイオススペースマリーンにとって過去のあらゆる記憶は、おびただしい流血と騒乱によって瞬く間に忘却の彼方に消え去り、同時に未来への思考もまた、半ば幻影めいた熱望やおぼろげな夢のようなものに過ぎなくなってしまった。
己の心身を渾沌の4大神に捧げることで、ケイオススペースマリーンは自らの新たな生を祝福してくる強大な庇護者を得るのみならず、暗黒神らから数々の恩寵を授かる。ただし時にはその恩寵に耐え抜くことができない場合があるが・・。
彼らは己が生を拒絶と従属にのみ捧げ続けた彼らは、あたかも究極の真理を見出したかのような高揚感に包まれるであろう。それは、自身がスペースマリーンとなる事を受け入れた時に感じた感情よりも、はるかに上回る力強いものだ。
【呪われし戦闘者】
この血生臭い歓喜に満ちた堕落の深淵こそが、間違いなくスペースマリーンたちを招き寄せる誘惑の正体である。彼らがこの誘惑を完全に断ち切ることは、到底不可能であろう。
スペースマリーン戦団や所属している「教戒官」(チャプレイン)たちは、同胞らに果たすべき崇高なる目的と厳格なる使命を日々説くことで、その背後に存在する堕落の危険性を自覚させようと務めている。スペースマリーンの生涯には、自らの聖務に背き呪われた道に至るための扉が無数に存在する。
渾沌の従者となるという事は、かつての道を外れ、高潔なる従属の代わりに途方もない自由と代償を選択することを意味している。良心に基づくであれ、我欲に基づくものであれ、ひとたび決断を下せば、もはやそれを撤回する事は不可能だ。
皇帝への忠誠をかなぐり捨てた瞬間、スペースマリーンは真に呪われた〈戦闘者〉であるケイオススペースマリーンとして生まれ変わるのだ。

ゲーム上の特徴


画像出典:コデックス「ケイオススペースマリーン版」(codex:) P2写真より

スペースマリーンを近接寄り調整したアーミーで、初心者から上級者まで扱いやすい。また、ケイオスディーモンのユニットも加えて編成することも可能なので戦術の幅は広い。


ケイオススペースマリーンの起源

大逆は樹木の如きものなり。たとえその葉が太陽に向けられ、美しく喜ばしい外見を備えていようとも、その根は暗黒へと伸ばされているのだ。大逆の根は暗黒から力を吸い上げてさらに太くなり、土壌へと深く張り巡らされる。これこそまさに大逆の性質であるゆえ、我らはその葉のみならず、枝や根も排除せねばならぬ。まさに一片も残さずに排除せねば、彼奴らは更なる力を得て何度でも戻ってこよう。そして彼奴らが我等の手に負えぬほど強大なものとなったとき、我らは滅ぶのだ。
-マスター・ギャラン・ノワールグリム「醜悪と対峙するための序章」


画像出典:小説「ホルスライジング」カバーイラストより

【概要】
ケイオススペースマリーンの起源を知るには、 〈大征戦〉(グレートクルセイド) 〈ホルスの大逆〉(ホルス・ヘレシー) について知る必要がある。かつて西暦30000年初頭、超人的な君主であった「人類の皇帝」は、異種族(ゼノ)の脅威や渾沌の神々から人類を解放すべく〈大征戦〉を敢行し、銀河最大の国家である〈人類の帝国〉を樹立した。
皇帝は人類の手によって銀河を統一し、人類を渾沌の神々による脅威から解放する事によって、人類に究極の栄光と啓蒙をもたらそうとしていたのだ。しかしその夢は渾沌の神々らの手によって打ち壊され、〈帝国〉は今もなお、渾沌の脅威と戦い続けている。
何故、皇帝の計画は崩れ去ってしまったのか。そこには皇帝が産み出した究極の兵士 「スペースマリーン」 と、それを率いる超人総帥 「総主長」(プライマーク) の反乱によるものであった。
【人類の没落】
第25千年紀(西暦24000年頃)は 〈技術の時代〉 と呼ばれており、この頃の人類は黄金時代を迎えていた。光速を超える速さで移動できるようになった人類は、様々な惑星に入植し、銀河中に生活圏を広げていく。
しかし、第26千年紀(西暦25000年頃)を迎えると、人類に様々な未曾有の危機が訪れる。星間移動ができなるくなる宇宙現象〈歪みの嵐〉が銀河中に吹き荒れ、惑星同士が連絡が取れなくなってしまう。
それに加えて残虐な異種族の侵攻、惑星内での内戦などが銀河中に広まっていった。この時代は 〈不和の時代〉 と呼ばれており、第30千年紀(西暦29000年頃)まで人類に破滅的な無秩序が襲いかかって来たのだ。
当時、人類を統率していた政府は崩壊し、地球は核戦争によって世紀末的な無政府状態の争乱が起こっていた。 この時代において人類の文明レベルと技術レベルは著しく退行し、人々は科学技術や論理性よりも迷妄や信仰を重んじるようになった。
この時、地球は「技術蛮族」(テクノ・バーバリアン)と呼ばれる者たちによって支配されており、地獄のような支配体制と闘争の時代が続いた。
【帝国の勃興】
〈不和の時代〉が終わりに差し掛かっていた頃、謎の超人君主である皇帝は人類を救うべく立ち上がる。 皇帝はその本名を明かされていないものの、人類を数万年に渡って陰から見守り続けていた超人だ。
皇帝は政治家、指揮官、武人、技術者として神の如き才能を持っていた。彼は初めて人類における歴史の表舞台に姿を現し、人類という種族を再び一致団結させるための戦いを始めたのである。
彼は「サンダーウォリアー」と呼ばれる超人兵士を作り出し、地球を支配していた技術蛮族らの諸部族を征服する。そして皇帝は地球を統一し、 〈人類の帝国〉 を建国した。
地球を手にした皇帝は銀河の星々にへと目を向け、計画を次なる段階へと進める。
【総主長とスペースマリーンの誕生】
皇帝は宇宙へと進出するため、自らの補佐を行う超人戦士を生み出す計画を進めた。それは地球の地下深くにある秘密研究所で行われ、失われた人類の遺伝子工学を駆使した皇帝の最高傑作が誕生しようとしていた。
皇帝自らの遺伝子をもとに造られた20人の超人は「総主長」と呼ばれ、皇帝に匹敵する能力と膂力を兼ね備えていた人造人間であった。皇帝が総主長を産み出した理由は自らの計画の補佐をするだけでなく他にも理由があるらしいが、その真実は今でも明らかとなっていない。
しかし、総主長計画の完成が目前に迫った時に悲劇が起こった。 20人の赤子の総主長が何者かによって奪われ、〈歪み〉を通じて銀河中の人類居住惑星へと飛ばされてしまったのだ。
皇帝は総主長たちを失ってしまったが、彼の夢がここで潰えたわけではなかった。総主長たちに関する膨大な研究データを元に、彼は新たな超人兵士を生み出そうとしていた。
こうして「遺伝種子」(ジーンシード)と呼ばれる総主長たちの遺伝子構造をもとにして誕生したのが、「スペースマリーン」であった。スペースマリーンはサンダーウォリアーを超える能力と膂力を兼ね備えており、数百年の寿命を与えられたまさに究極の超人兵士であった。
【〈大征戦〉】

強力な超人兵士を味方につけた皇帝は、二十個の「兵団」(レギオン)と呼ばれる数十万人単位のスペースマリーン部隊を編成する。 遺伝子強化され、恐るべき武器と強固な装甲服に身を包んだスペースマリーンたちは、まさに〈帝国〉の主力部隊として配備された。
この頃、銀河で吹き荒れていた〈歪みの嵐〉は消え去り、遂に銀河中を自由に航行する事が可能となった。第30千年紀798年(西暦29798年)、遂に皇帝は銀河を〈人類の帝国〉の名の下に統一するための戦争、〈大征戦〉を開始する。
まず〈帝国〉は、月を制圧した後に火星の「機械教団」と呼ばれる宗教組織と盟約を結び、巨大な規模の宇宙艦隊を建設して維持するために必要な産業と生産設備を構築した。太陽系を制圧した後、皇帝とスペースマリーン兵団は様々な惑星へと旅立っていった。
スペースマリーンは様々な惑星での戦いで敵軍を打ち破り、〈帝国〉は破竹の勢いで次々と惑星を征服していった。皇帝のもたらした遺伝子錬金術によって心身ともに鍛え上げられたスペースマリーンは、まさに人類の守護者であり、解放者でもあった。
また、皇帝の意に反する惑星政府には厳しい運命が待っていた。敵対勢力のいる惑星にはスペースマリーン兵団による無慈悲な制圧が開始され、惑星のあらゆる反抗勢力は次々と撃滅されると、最後には惑星の政府は滅亡という名の運命を迎える事となる。
それに加えて皇帝は、失踪してしまった総主長たちを次々と発見し、全員と再会を果たすことに成功する。 皇帝は心身ともに成長した総主長たちを仲間に加え、彼らにスペースマリーン兵団の指揮官としての役割を与えた。
総主長たちによって率いられたスペースマリーン兵団はまさに無双の強さを誇っており、〈人類の帝国〉は遂に銀河の大部分を支配下におさめ、巨大なる版図を手に入れた。 ここに史上空前の星間国家が成立し、人類は再び黄金時代を迎える事となったのだ。

画像出典:ウォーハンマー40K「ルールブック第6版」P166 イラストより

【〈ホルスの大逆〉】

〈大征戦〉によって銀河が完全に〈人類の帝国〉の手に渡ろうとしていたその時、大いなる悲劇が起こった。 総主長の一人であり皇帝の右腕でもあった「ホルス」によって、〈帝国〉における戦力の約半数が皇帝に叛旗を翻した。
ホルスは20人いる総主長の中でも優れたリーダーシップを持っており、皇帝の寵愛を一身に受け、最も優れた「皇帝の息子」と評されていた。〈大征戦〉の終盤にはホルスは皇帝に代わって帝国軍を託され、〈大元帥〉(ウォーマスター)としての任務を託されていたのだ。
だがホルスは同じ総主長であった「ローガー」の策略に乗せられてしまい、ホルスは渾沌の神々から嘘を吹き込まれてしまう。 その結果ホルスは〈帝国〉を裏切り、渾沌の神々に忠誠を誓うようになったのだ。
〈帝国〉は皇帝率いる忠誠派とホルス率いる大逆派に分かれ、銀河規模の内戦が勃発する。この内戦は後に 〈ホルスの大逆〉 と呼ばれ、かつての同胞や戦友たちが殺し合う銀河規模の悲劇的な戦いが繰り広げられた。
【見えざる渾沌の腐敗】
ホルスは大逆を引き起こした主犯でもあるが、ホルスが最初に渾沌の神々に忠誠を誓った裏切り者ではなかった。 〈大征戦〉が進むにつれて、半数の総主長たちも見えざる渾沌の腐敗が進んでいたのだ。
総主長たちは確かに人間離れした能力と膂力を兼ね備えてた超人戦士であり、また一般人と同じく人間としての感情をも持ちあわせている。 彼らも一般人と同じく怒りや悲しみといった感情や苦悩を抱え、時には心の隙や葛藤といった人間的な弱さを見せることも珍しくない。
渾沌の神々らはそういった総主長たちの人間的な弱さを利用し、渾沌の魔道へと堕落させていったのだ。 ホルスも〈大元帥〉の任を皇帝から賜り、その責務を遂行していたが、18もあるスペースマリーン兵団をまとめ上げて指揮するのは容易な事ではなかった。
彼自身も〈大元帥〉としての様々な苦悩を背負い込み、友人でもある総主長「サングィニウス」にも度々相談をしていたほどだ。 そのようなホルスの人間的な苦悩に付け込んだのが、「ワードベアラー兵団」を率いる ローガー であった。
ローガーは総主長たちの中でも最初に渾沌へと堕してしまった者で、彼はかつては皇帝を神と信じて讃えていたが、皇帝からの叱責を受けると同時に渾沌崇拝者の策略によって彼も〈禍つ神々〉に忠誠を誓った。ローガーは秘密裏に大逆の手はずを整え、ホルスを渾沌の魔道に引き込むことに成功したのだ。
その他にも、「ワールド・イーター兵団」を率いる「アングロン」は自らの仲間を皇帝に見殺しにされた恨みを持ち続け、「デスガード兵団」を率いる「モータリオン」は皇帝に義父を殺されてしまい、「エンペラーズチルドレン兵団」率いる「フルグリム」は悪魔に体を乗っ取られるなど、総主長たちは様々な理由で渾沌への魔道に堕落してしまうのである。 そうした総主長たちの人間性に関する問題を皇帝が無視続けた結果、18人の総主長たちの半数である9人が父たる皇帝に叛旗を翻す事になった。
皇帝は様々な才能を持ち合わせている超人ではあるが、 他人の心がわからないという指導者として致命的な弱点を持っており、皇帝は総主長たちを自分の野望のための道具にしか見てなかったのである。

画像出典:「Warhammer: The Horus Heresy Cinematic Trailer」より

〈ホルスの大逆〉は渾沌の神々によって引き起こされた内戦であると同時に、他人の心がわからないという皇帝の弱点が引き起こした反乱でもあるのだ。

【解き放たれし大逆】

画像出典:小説「Slaves to Darkness」カバーイラストより

ホルスは渾沌の神々に忠誠を誓った後、すぐに大々的な反乱を起こしたわけではない。皇帝に悟られぬよう、少しづつ秘密裏に大逆の準備を進めていった。皇帝に不満を持つ総主長たちをそそのかして次々と自分の陣営に加えていき、大逆の計画を練っていた。
そして全ての手筈が整い、大逆の火蓋が最初に切られたのは第31千年紀の5年(西暦30005年)、「イシュトヴァーン」星系で大事変が発生した。〈帝国〉領であったイシュトヴァーン星系の第三惑星イシュトヴァーンIIIにて、惑星総督が独立を宣言。
他の惑星にもその影響が及ぶ可能性があったため、帝国軍は直ちにイシュトヴァーンIIIへと鎮圧部隊を派遣し、その反乱の芽を摘もうとしていた。鎮圧にはホルス率いるスペースマリーンの4兵団も加わっており、惑星の地上では渾沌に堕落していない〈皇帝忠誠派〉の帝国軍が反乱軍との戦いを繰り広げていた。
その時、宇宙に留まっていたホルスと大逆派の帝国軍は惑星に向けて死の爆撃を開始したのだ。イシュトヴァーンIIIの地表に向けて容赦ない猛爆撃が行われ、〈皇帝忠誠派〉と反乱軍は一網打尽に虐殺されてしまったのだ。だが、ホルスの仕掛けた策略を潜り抜け、地上で戦っていた勇敢なる帝国軍のうち、三分の二は生存を果たしたのである。
そしてイシュトヴァーンIIIでは、〈皇帝忠誠派〉と〈大逆の兵団〉の悲しき死闘が繰り広げられ、〈皇帝忠誠派〉は〈大逆の兵団〉の軍を阻止することは叶わずに全滅してしまったのだ。更にイシュトヴァーンIIIによる反乱から同時期、同じ星系の「イシュトヴァーンV」でも〈大逆の兵団〉による〈皇帝忠誠派〉の虐殺が行われ、忠誠派の「サラマンダー兵団」、「レイヴンガード兵団」、「アイアンハンド兵団」は大きな損失を被った。
これを機に〈帝国〉内では次々と大逆の焔が燃え広がる。ある兵士たちは指揮官に銃を向けてかつての戦友を攻撃し、またある惑星では野心に取りつかれた〈帝国〉の惑星総督が独立宣言を行うなど、〈帝国〉は分断の危機に晒された。

かくして〈ホルスの大逆〉の時代が始まり、銀河は炎羅に包まれていくのだ。

【地球侵攻】
銀河のあらゆるところで〈皇帝忠誠派〉と〈大逆の兵団〉の死闘が繰り広げられた。 18あったスペースマリーン兵団のうち、半数の9兵団が大逆軍となり、残りの〈皇帝忠誠派〉に属する兵団は闇討ちや策略によって大きな痛手を受ける。
かつての戦友と、苦楽を共にした仲間と、憎み合っていた同胞と、そして皇帝に忠誠を抱いていた者たちが銀河のあらゆる場所で殺し合った。ホルス率いる大逆軍は忠誠派の軍を退け、その規模を拡大し続けていく。
そして大逆軍は遂に、〈帝国〉の中心部である〈日輪の宙域〉へと迫り、皇帝の座す地球へと駒を進めていく。 〈帝国〉の敵を翻弄するためのスペースマリーンは、皮肉なことに〈帝国〉を翻弄する敵となってしまったのだ。
〈皇帝忠誠派〉の帝国軍は大逆軍を押しとどめようとしたが失敗し、〈帝国〉の首都がある地球は大逆軍によって包囲され、皇帝が籠城する〈帝殿〉に対して総攻撃が開始された。第31千年紀の14年(西暦30014年)の地球にて勃発した「〈帝殿〉包囲戦」として語られる戦いは、人類の歴史上最も悲運の色濃き戦闘として知られている。
この時、地球を防衛する〈皇帝忠誠派〉のスペースマリーン兵団は3兵団が駐留しており、 「ブラッドエンジェル兵団」 「インペリアルフィスト兵団」 「ホワイトスカー兵団」 が地球を守る最後の砦として大逆軍と戦った。対する〈大逆の兵団〉は8兵団を投入しており、 「サン・オヴ・ホルス兵団」 「アイアンウォリアー兵団」 「ワールドイーター兵団」 「サウザンドサン兵団」 「エンペラーズチルドレン兵団」 「デスガード兵団」 「ワードベアラー兵団」 「ナイトロード兵団」 が地球攻撃に参加した。
更に渾沌の悪魔たちであるケイオスディーモンも同盟軍として地球侵攻に加わっており、もはや〈皇帝忠誠派〉は敗色濃厚であった。〈大逆の兵団〉を乗せた大量のドロップポッドが〈帝殿〉の空を覆い尽くすと、ケイオススペースマリーンの大軍が地表を覆い尽くした。
〈大逆の兵団〉は強固な守りを誇る塔や防壁、掩蔽壕などの施設に攻撃を開始し、至る所に戦死者の死体が高く積み上がり、回廊は死体の山で塞がれていたという。〈皇帝忠誠派〉は〈大逆の兵団〉の攻撃第一波を防ぎ切ったが、白兵戦を得意とする血に飢えたワールド・イーター兵団が〈帝殿〉攻撃への先陣を切った。
ワールド・イーター兵団の狂戦士たちとの数日間にわたる血みどろの白兵戦の末に、最終的には宮殿を護る兵士たちによって押し返された。初期段階の攻撃が膠着状態に陥った〈大逆の兵団〉は次の作戦を実行する。
ホルスは巨大ロボット兵器「巨神機」をはじめとしたあらん限りの攻城戦用の大型兵器を投入し、ケイオススペースマリーンたちにも対要塞攻略用の装備を与えた。そして一ヶ月間にも渡って〈大逆の兵団〉は〈帝殿〉の防壁を攻撃し続けたのである。
中でも総主長「パーチュラーボ」率いる「アイアンウォリアー兵団」と〈死の巨兵団〉が駆使する攻城兵器は、〈帝殿〉にひときわ大きな打撃を与え、遂にその一部を破壊してしまう。僅かに空いた突破口から一気に〈大逆の兵団〉がなだれ込み、そこでは熾烈な白兵戦が繰り広げられる。
〈皇帝忠誠派〉の総主長である「インペリアルフィスト兵団」を率いる「ローガル・ドルン」と「ブラッドエンジェル兵団」率いる「サングィニウス」は、続々と押しよせてくる大逆軍を食い止めるべく必死の防衛戦を続けていた。だが、〈大逆の兵団〉からも総主長が前線へと切り込みを入れようとしており、狂戦士アングロンと疫病の申し子モータリオンもまた、激戦の中で多くの敵を屠っていく。
地球に住む一般の臣民たちは、あたかも世界全体が底なしの戦乱へと飲み込まれていく様を肌で感じたかの如く、恐怖におののいていた。大逆軍は〈帝殿〉の最深部へと少しづつ進軍し、遂に皇帝の間へと迫ろうとしていた。
【最終決戦】

これまで皇帝は自らの内なる予見の力によって行動を決定してきたが、その力をもってしても〈ホルスの大逆〉の最終決戦の行方はどうなるか定かではなかった。ホルスの勝利は目前であったが、〈帝殿〉で反抗を続ける〈皇帝忠誠派〉による不屈の奮闘によってその瞬間は次第に遠のいでいった。
それでも圧倒的に有利であった大逆軍であったが、その時、ホルスに戦況を大きく変える凶報が届く。 〈皇帝忠誠派〉である「ダークエンジェル兵団」と「ウルトラマリーン兵団」の援軍が地球へと迫っており、援軍が到着すれば大逆軍は窮地に陥ることは目に見えていた。
ここでホルスは一か八かの危険な賭けに出る。ホルスは自らが乗っている旗艦に張られた防御シールドの出力を弱め、皇帝をおびき寄せて直接対決の場に誘い出そうと考えたのだ。
ホルスが乗船する旗艦のシールドが弱まると、その瞬間に皇帝は旗艦の居場所を認識し、その弱めた意図すらも理解した。皇帝は傍らに控えていた総主長のサングィニウスとローガル・ドルン、そして近衛兵らを集めて、ホルスが乗船している旗艦へとテレポート突入を行った。
皇帝たちは無事にホルスの旗艦へとテレポート潜入できたが、皇帝や総主長たちはバラバラの位置へと分断されてしまった。皇帝は船内に渦巻く禍々しい渾沌のオーラをものともせずに、ホルスが待つ艦橋へと突き進んだ。
その一方、総主長のサングィニウスはホルスと再開する。ホルスの友人であるサングィニウスは、何とか彼にこの凶行をやめさせようと説得を試みたが無駄に終わってしまい、ホルスと戦わざるを得なくなった。
しかし、サングィニウスは先程の戦いで体力を消耗してしまい、ホルスのパワーアーマーに傷をつけるのが精いっぱいだった。敵に掴まってしまったサングィニウスは拷問にかけられてしまい怒りと苦しみに悶絶した挙句、悲惨な最期を迎えてしまう。
その後皇帝は艦橋へと到着し、渾沌へと堕ちた〈大元帥〉ホルスと対峙する。渾沌の魔力を全身にまとったホルスが掴んでいたのは、かつての戦友であったサングィニウスの力尽きた死体であり、その亡骸を父たる皇帝の目の前にへと投げ捨てた。
変わり果てたサングィニウスの姿を見た皇帝は遂にホルスとの決闘に臨む。父たる皇帝と息子であるホルスの戦いは剣戟交わる激しき死闘であり、サイキックパワーが激突する超能力の激突でもあるのだ。
しかし、ホルスが持つ渾沌のエネルギーは皇帝のサイキックエネルギーをも凌駕していた。ホルスのライトニングクローが皇帝の持つ焔の剣を跳ね上げ、その黄金の鎧に深い爪跡を残した。
さらにホルスは皇帝の片腕を切り落とし、その倒れた体を持ち上げて背骨を渾身の力で折り砕いた。その時、ひとりの帝国軍兵士が艦橋にたどりつく。ホルスはその姿を見て嘲笑し、瀕死の皇帝の肉体を投げつけた。
しかし兵士は屈服せず、倒れた皇帝とホルスとの間に勇敢にも立ちふさがり、主君を守ろうとしたのだ。ホルスはあざ笑うと、無惨にもこの兵士をサイキックの一撃で生きながら焼き殺してしまった。
その光景を目の当たりにした皇帝は、最も信頼した「息子」が渾沌の手によって完全に堕ちたことを悟った。もしホルスが勝利すれば、人類の運命はこの勇敢な兵士のようなものになるだろう。それだけは防がなければならぬと皇帝は最後の力をふりしぼって、最大最強のサイキック攻撃をホルスに向けて放った。
強力なサイキックエネルギーはホルスを貫くと、サングィヌスによって付けられたアーマーの傷にエネルギーが流れ込み、ホルスの体は砕け散った。 死の直前、ホルスは正気を取り戻しており、皇帝は最後に彼が何を思ったのかを汲み取っていたという。
ホルスは体だけではなくその魂よも消滅し、渾沌の神々をもってしても復活させることは出来なくなってしまった。 総司令官を失ったホルスの大逆軍は統率を失ってしまい、全軍は総崩れとなって敗走してしまう。

画像出典:「 The Horus Heresy: Visions of Heresy HC (2014 Black Library)」カバーアートより

【終戦】
皇帝は深き傷を負いながらも間一髪でホルスに勝利した。総主長ローガル・ドルンと近衛兵らはホルスの亡骸の前に倒れていた皇帝を発見し、急いで地球へと搬送した。
一方地球では大元帥の死と共に、友軍であったケイオスディーモンたちは次々と消滅し、大逆軍は戦争継続の後ろ盾を失ってしまったのだ。 地球での防衛戦は〈皇帝忠誠派〉が大逆軍を破り、〈ホルスの大逆〉は〈帝国〉側の勝利で幕を閉じた。
しかし、皇帝がホルスから受けた惨たらしい傷は想像以上にひどいものであった。皇帝はもはや立つことすら困難であり、謎めいた生命維持装置である〈黄金の玉座〉へと接続され、なんとか一命をとりとめた。
だが、皇帝はもはや〈黄金の玉座〉から一歩も離れることができず、もはや話すことも動くことも一切できない植物人間と化してしまったのだ。 かつて威容と絢爛豪華さを誇っていた地球の都市群もありとあらゆる場所が破壊され尽くされ、それらの中で暮らしていた臣民たちは死に絶えていた。
まるで皇帝が荒廃した姿と化してしまったかの如く、〈人類の帝国〉もまた大逆の内戦で大きく荒廃してしまったのだ。 その後すぐに〈人類の帝国〉は大逆の傷を癒しはじめ、完全再建へと向かうための第一歩を歩み始めたのである。
【〈永遠の抗争〉】
その一方、総崩れとなった大逆軍は急いで地球から離れてある場所へと敗走した。その場所とは、銀河の北部に存在する宙域である 〈恐怖の眼〉 と呼ばれる渾沌の裂け目であった。
この場所は、かつて銀河を支配していた異種族「アエルダリ」の王国の中心部があった場所であり、渾沌の神の一柱である「スラーネッシュ神」が誕生した場所でもあった。今ではアエルダリの惑星は全て廃墟と化し、〈恐怖の眼〉は渾沌のエネルギーである〈歪み〉が渦巻く危険な領域に変化し、裂け目の奥地には渾沌の神々が住まう〈渾沌の領域〉へと繋がっているのだ。
大逆軍は〈恐怖の眼〉内部に存在する数々の惑星へと撤退し、そこを新たな根城として拠点を構えた。そしてホルスという偉大なる〈大元帥〉を失った大逆軍は、新たに組織をまとめる〈大元帥〉として 「エカゼイル・アバドン」 がその地位を受け継ぐこととなった。
アバドンは元ホルスの右腕として活躍した四君子の一人であり、サン・オヴ・ホルス兵団の第一中隊長として名を馳せた。彼は味方が敗走する中、決死隊を率いて崇敬せしホルスの亡骸を奪還し、〈帝国〉に対して尽きる事のない復讐の念に燃えていたのだ。
新たな〈大元帥〉が誕生した〈大逆の兵団〉は、〈恐怖の眼〉の内部にある悪魔の惑星にて自らの聖域を築き上げ、新たな戦争のための準備を着々と進めていた。彼らは支配領域を賭けて相争う一方で、他の勢力や軍勢と合流するために兵団を離脱したり、小派閥を結成する者たちも出てきた。
いずれにせよ、〈帝国〉に尽きることの無い憎悪を抱いている〈大逆の兵団〉は、皇帝に対する復讐を止めることは絶対にない。 〈ホルスの大逆〉の後、〈大逆の兵団〉が仕掛けてきた戦争は一万年もの長きにわたって続いており、第42千年紀(西暦41000年代)の現在においても〈帝国〉に対する攻撃は止むことを知らない。
現在、〈ホルスの大逆〉は遠い昔の神話として語り継がれてきた。しかし、その大逆を引き起こした渾沌の汚染は未だに人類を脅かす脅威として存在し続けている。

そして今もなお、ケイオススペースマリーンによる〈永遠の抗争〉は果てることなく続いているのだ。


組織の構造


我、皇帝のために何千、何万を殺戮せるも、彼奴らが我に与えしは忌々しき沈黙のみ。彼奴らの飼い犬どもも、我が手が死をもたらすたび卑しく吠え続けておる。だが今や〈禍つ神々〉は、我が褒賞にと、この銀河を約束したもうたのだ。
-スヴァーン・ヴァルフバッド


画像出典:コデックス「ケイオス・スペースマリーン第8版2nd」(codex:Chaos Space Marines) P20,21イラストの図表を元に解説を追加

ケイオススペースマリーンは主に〈ホルスの大逆〉の時代から存在する〈大逆の兵団〉と、〈大逆〉以後のスペースマリーンによって結成された〈叛逆せし戦団〉、その他様々な兵団や戦団の戦友によって結成された「戦闘集団」(ウォーバンド)の3種類に分かれている。

  • 「大逆の兵団」

【概要】
〈人類の帝国〉に〈永遠の抗争〉を挑み続ける〈大逆の兵団〉は、第42千年紀(西暦41000年代)の現代においても不俱戴天の仇であり続けている。〈恐怖の眼〉へと退却して以来、大逆者たちの肉体や精神は奇怪にして悍ましい変異の数々がもたらされ、渾沌の神々を悦ばせるために彼らの肉体は荒々しき渾沌の力によって変異を遂げてきた。
しかし、この殺戮者らには依然として悔悛の兆しはなく、自らは永遠なる栄光への覇道を歩んでいると信じて止む事は無い。現代〈帝国〉において〈ホルスの大逆〉は1万年前におきた古の神話となって久しい。
それはもはや御伽噺のように語られてきており、大部分の帝国臣民たちは〈人類の帝国〉における創設期の熾烈な動乱のことなど何一つ知りはしないのだ。大元帥ホルスが人類を渾沌の軛に繋ごうとした暗黒時代にまつわる記憶は、一万年の時の中で次第に風化していったのである。
実際、〈ホルスの大逆〉がもたらした恐怖の在処は、異端審問庁の一部門である〈鉄槌の団〉に所属する悪魔狩りを専門とする異端審問官たちを除けば、おそらく皇帝自身の記憶の中にしかないであろう。
【消えぬ脅威】
しかしながら、1万年前に起きた大逆の脅威はまだ完全に消えていない。 〈恐怖の眼〉の内部では時間の流れは異質な流れ方をする。
渾沌の裂け目であり〈歪み〉の力が渦巻く〈恐怖の眼〉では、時間の流れが現実世界の物とは異なる。 それ故に、1万年前〈ホルスの大逆〉にて〈帝国〉に反旗を翻した〈大逆の兵団〉は未だに生きているのだ。
彼らにとって敗北の記憶は未だに癌の如く心を蝕み続けており、〈帝国〉に対する尽きることの無い憎悪の炎となって今なお燃え盛り続けている。かつては高潔なスペースマリーンであった彼らも、今では冷酷無惨なる殺戮者であり略奪者へと堕している。
〈大逆の兵団〉はかつて自分たちを守護してきた人類を滅ぼそうと企んでおり、彼らにとって〈ホルスの大逆〉はいまだに続いている大闘争なのである。
【統べる者と悪魔の憑依】
大逆時に地球へと侵攻した〈大逆の兵団〉らは、そのほとんどがかつての大規模な組織編成を失っている。何千年もの時の中で、羨望や内紛によって諸兵団は分裂し、中隊あるいは様々な規模の戦闘集団へと変化していった。
指揮官としてそれらを率いているのは、中隊長あるいは己の野望を実現せんと企む渾沌の “統べる者” だ。 渾沌の神々への熱烈な信仰を捧げる者同士が集い、分隊を結成して暗黒神からの祝福を授かると、彼らはその神の烙印をアーマーや自らの身体に刻み込む。
また中には、〈渾沌の領域〉の怪物であるケイオスディーモンを肉体に宿らせる者もいるという・・。 通常ディーモンたちは、〈歪み空間〉に存在する〈渾沌の領域〉という異世界から現実宇宙に実体化する手段として、儀式や渾沌の裂け目やポータルといったものが用いられる。
それとは別にディーモンたちは、スペースマリーンの肉体という名の鎧をまとうことで、簡単に〈歪み空間〉から現実宇宙へと侵入する事が可能となるのだ。
【邪悪なる侵攻】
ケイオススペースマリーンは銀河の様々な場所を根城し、宇宙艦船を用いて人類の惑星に襲撃を行っている。〈歪み〉の影響で絶え間なくその形態を変化させる変化させる悪魔の惑星において、多くのケイオススペースマリーンたちは確固たる目的意識を保ち続けることで、致命的な〈歪み〉の影響を免れながら生存し続けている。
彼らは〈ホルスの大逆〉時代を生き延びた古の艦艇群によって様々な惑星へと進軍するのである。いずれの艦艇も奇怪な装飾や歴戦の戦傷にまみれ、その外観はことさら凶悪な印象を与える意匠となっている。
また大逆の諸兵団は、宇宙空間を漂流する宇宙船の残骸である巨大な「特異航宙体」(スペースハルク)を鹵獲し、数千人規模の兵員を満載した強襲戦艦へと作り変える事例もあるという。これらの宇宙艦艇を用いる渾沌の戦闘集団は皇帝が領ろしめす諸惑星へと侵攻し、皇帝に忠節なる者たちを奴隷化し、あらゆる富や資源を略奪する。
これらの攻撃の目的は、さらなる侵攻を行うために他ならない。ケイオススペースマリーンの侵攻は〈帝国〉や異種族にとって紛れもない今も続いている脅威なのである。


  • 「叛逆せし戦団」

【概要】
渾沌へと脱したスペースマリーンは〈ホルスの大逆〉から続いている〈大逆の兵団〉だけではない。〈大逆〉以後、〈帝国〉に反旗を翻したスペースマリーンや戦団も存在しており、それらは〈大逆の兵団〉と同様に暗黒の神々との契約を交わしてケイオススペースマリーンとなった者たちだ。
そうした〈帝国〉を離反せし〈叛逆せし戦団〉は数十も存在し、スペースマリーンに腐敗の根がいかに深く伸びているかを知り得るのは、至高卿らと〈異端審問庁〉だけであろう。しかしながら、〈叛逆せし戦団〉はすでに、その悪名を帝国内で轟かせているのは間違いない。
〈ホルスの大逆〉以後も、渾沌の軍勢はその規模を増強し続けている。皇帝の御光に背を向け、己が野望を追及せんとするスペースマリーンは後を絶たない。
所属戦団の教条や伝統から解放された背信のスペースマリーンたちは、自らの超人的な肉体と戦士としての精神力を思うがままに振るうことができ、心ゆくまで欲望を満たそうとする。ほとんどの場合、比類なき戦闘能力を発揮して更なる資源や支配力を手にするために、彼らの多くは宇宙海賊や傭兵団へと身をやつすだろう。
そして彼らの中でも、名実ともに最強と呼ぶにふさわしい者たちだけが、海賊艦隊を率いる頭目となり、隔絶した惑星上に隠された秘密基地の支配者となれるのである。
【穢れし〈戦闘者〉】
新たな自由を追求し始めたこれらのケイオススペースマリーンらは、必然的に己の野望や意思を実現させるために、いずこかの時点で渾沌の暗黒神に助力を請うことになるだろう。この時点より彼は〈ホルスの大逆〉時代の背信者同様、渾沌の代理戦士たる“統べる者”へと至る修羅の道へと足を踏み入れ、凄惨なる運命へと進み始めるのだ。
彼ら背信者たちは、狩る立場から、狩り立てられる立場へと身を移すこととなる。彼らの所業はスペースマリーンの名誉を穢すものであり、そのような背信者たちを討ち滅ぼすことこそ名誉と考える他のスペースマリーン戦団から、激しい憎悪の標的にされるからだ。
このような事変に対して、〈帝国〉が常に過剰なまでの対応を取ることはもはや既定の事実であり、ここで取られる対応策にはスペースマリーン諸戦団による撃滅作戦を行うことも珍しくない。こうして発生するスペースマリーン導師の戦闘は、彼らにとって最も過酷な試練となるだろう。
他戦団との戦いの中で、彼らは自らの技量、戦闘訓練の練度、そして忠誠心が試されるからだ。渾沌の子らへと堕した者たちは、かつての同胞たちが抱いていた〈帝国〉への忠誠心など、もはや捨て去ってしまったのである。
その代わりに、ケイオススペースマリーンたちは、新たな崇敬の対象となっている渾沌の4大神に忠誠を誓い、その見返りとして渾沌の褒賞や強大なる力を授かっている。これらの理由から、スペースマリーン同志の内紛はしばしば、近隣に位置する他戦団に対しても、災厄と呼ぶに相応しい悪影響を与えることがある。
戦団同士の戦闘は短期間のうちに激化する傾向が強く、そうなれば必然的に、近隣の多くの惑星は戦争と流血に呑み込まれることとなるだろう。そして時には、〈叛逆せし戦団〉を撃滅すべく派遣されたスペースマリーン戦団の一部、あるいは全体が、撃滅対象であったはずの背信者たちに寝返る事態も生じるからだ。
【スペースマリーンの反乱戦争】
そのような事態は、第34千年紀末(西暦33000年末)に勃発した「オブスキュラ反乱」内でも生じている。この400年間にも及ぶ反乱戦争において、〈帝国〉からの独立を図る無政府主義者の軍は〈薄明の宙域〉のほぼ全域に渡って広がったが、その中で少なくとも七個のスペースマリーン戦団が皇帝に対する忠誠を破り、防衛力に乏しい惑星や、戦闘で荒廃した何百という惑星で略奪行為を行っていたのだ。
それらのうちの二つの戦団、「サン・オヴ・ヴェンジェンス」戦団と「シルバーガード」戦団は当初、共に〈帝国〉側で戦っていた。だが、惑星「ハンネドラII」の自由議会を攻撃した後、それぞれが無数の戦闘集団へと分裂して、〈叛逆せし戦団〉となったのである。

  • 「戦闘集団」(ウォーバンド)
【概要】
コーン神に忠誠を誓うごく一部の従者をのぞき、ただ一人で生き、ただ一人で戦うような“統べるもの”はいない。“統べるもの”自身が積み上げてきた栄光と名声に引き寄せられて、あるいは“主”の御意志に導かれて、“統べるもの”たちの下には、渾沌の信奉者が群れ集うからだ。
こうして形づくられる一団は、 「渾沌の戦闘集団」(ケイオス・ウォーバンド) または 「戦闘集団」(ウォーバンド) と通称される。だが、その規模は様々で、数人だけのごく小さなものから、戦力の上で帝国防衛軍(アストラミリタルム)の一個連隊にも匹敵するほどの一大勢力までが、同じ“渾沌の戦闘集団”という呼称のなかに存在しうる。
むろん、熱狂的な戦士たちが集った精強なる大軍を指揮できるのは、最大級の成功を収めた“統べるもの”に限られるだろう。
ケイオススペースマリーンの戦闘集団は、かつて同胞として共に戦った兵団や戦団の戦友たちによって構成されることが多いようだ。一方で、まったく異なる生き方をしてきた〈背きし者〉たちが、〈禍つ神々〉に仕える中で、共通の目的を持ち一つの戦闘集団を組むことも決して珍しくはない。
【戦闘集団同士の抗争】
それぞれの戦闘集団は、異種族や〈帝国〉の軍勢に対してのみならず、互いの力量を競うべく、戦闘集団同士でも闘争をくり広げている。その理由の一つに、〈恐怖の眼〉内における燃料や資源はきわめて重要かつ得難がたいものであるという事実がある。
都市、大陸、あるいは惑星そのものを支配下におくことは、戦闘集団の戦闘遂行能力を維持するための生命線といってよい。とはいえ、戦闘集団が相争う最大の理由は別にある…。
それは、渾沌の暗黒神の目をひきつけ、恩寵を賜るためだ。 “統べるもの”とその戦闘集団は、自らの“主”に対する忠誠と信奉を常に証明し続けなければならないのである。
【穢れし恩寵】
“統べるもの”は、“主”の敵を討ち滅ぼすことに加え、謎に満ちた極秘任務や探索を達成することによっても恩寵を賜る。〈恐怖の眼〉内に点在する悪魔の惑星では、数百もの戦闘集団が、邪悪な力を宿した魔具や太古の知識、大いなる武具や兵器の所有をめぐって争いを続けているという。
彼らは“主”に生贄を捧げ、悪魔の戦士たちを召喚して意のままに従わせるべく、〈永年の抗戦〉にその身を置き続けるのだ。
【放浪する脅威】
戦闘集団同士で戦わない間、ケイオススペースマリーンによって構成される戦闘集団は、大きな脅威となって銀河を放浪する。渾沌の戦士たちは、虐殺と略奪だけを求めてこの銀河をさまよい続けるのだ。小惑星帯に隠された秘密基地から、あるいは荒廃した衛星の地表から、〈ホルスの大逆〉以前の時代に建造されたいにしえの宇宙艦艇に乗り込んで、戦闘集団は出撃する。
彼らは獲物が弱みをさらけ出す時をじっと待ち、監視し続けるだろう。そして時が満ちれば全勢力を結集し、彼らが心底侮蔑する人類の〈帝国〉に対し、凶烈な一撃を与えるのだ。

  • 「暗黒機械教団」(ダークメカニカム)
【概要】
31千年紀(西暦30000年代)に〈ホルスの大逆〉が勃発した際に、機械教団は苦い大分裂によって引き裂かれた。ホルスの工作員は皇帝が嘘を述べており、皇帝は結局のところ〈万機神〉の化身ではなく、真なる機械の神は極度に工業化された惑星の赤土の下に埋没していると、多くの火星の技術管理者に信じさせた。
激化する闘争は、大元帥ホルスに立つ幾多の技術司祭は自らのサイボーグの軍勢をホルスの大義に従わせ、かつて兄弟と呼んでいた技術司祭に対してかつてない破壊活動を行う様を目の当たりにする結果となった。〈大逆兵団〉が〈恐怖の眼〉にへと消え去った後、今や〈暗黒機械教団〉として知られる叛逆せし技術司祭も〈大逆兵団〉と共に行動した。
この時以来、〈暗黒機械教団〉は無数の卑劣なる行いによる非人道的な好奇心に耽り、肉体や鋼鉄を渾沌の物質と混ぜ合わせ、兵団の兵器を作り上げた。〈暗黒機械教団〉は渾沌の軍勢にアーマーや武器、巨大な魔導兵器、そして宙間航行可能な艦隊を供給している。
〈暗黒機械教団〉抜きでは、渾沌の軍勢はたちまち立ち行かなくなるだろう。


〈恐怖の眼〉



画像出典:コデックス「Eye of Terror (3rd Edition)」P24イラストより

【概要】
多くのケイオススペースマリーンたちが拠点を構えている渾沌の宙域で「アイ・オヴ・テラー」または「オキュラリス・テリブス」とも呼ばれている。銀河の北部に存在し、〈歪み空間〉と現実宇宙が混ざったような領域となっている。
この宙域は〈歪み〉の力が溢れ出でており、現実宇宙の物理法則が捻じ曲げられてしまう。 そのため、この宙域へと足を踏み入れた者は時間の流れに異常が生じる。
例えば〈恐怖の眼〉に数年間過ごした後に現実宇宙へと帰還した場合、数百年間、あるいは数千年間も時間が過ぎていたということもある。 下手をすればその宙域から永遠に虚無から脱出できないというケースも存在する。
また、ワープドライブが無くても、その領域に足を踏み入れるだけで〈歪み空間〉へと侵入する事も可能だ。かつてこの場所は、 銀河全域を支配していた異種族「アエルダリ」の古代文明が栄えていた中心地でもあった。
しかし、種族自体の堕落が原因で「スラーネッシュ神」が誕生し、アエルダリ族は殆ど滅んでしまった。そしてその衝撃で銀河に〈歪みの亀裂〉が発生し、そこには〈歪み〉の力が〈渾沌の領域〉が溢れ出していた。
後にこの領域は、総主長「パーチュラーボ」によって〈恐怖の眼〉と名付けられた。 巨大な〈歪み〉の裂け目は遠くから見たら、まるで巨大な目玉が自分をずっと見ているような感覚を覚えることからその名がついた。
【〈歪み〉の聖域】
〈ホルスの大逆〉が終結し、敗北した大逆軍の残党の大部分がこの〈恐怖の眼〉の内部にある数多くの惑星を拠点としている。それらの惑星は渾沌の祝福を受け、穢れたエネルギーをまとう「悪魔の惑星」(ディーモンワールド)なのである。
内部にはケイオススペースマリーンの拠点としている悪魔の惑星や、アエルダリ族の遺跡が数多く眠っている「老婆の惑星」(クーロンワールド)などがほとんどを占めている。〈大逆〉以後は、〈帝国〉を裏切った叛逆者や〈帝国信条集〉の教えに背いた異端者、体に異質な特徴を持つ「変異者」(ミュータント)などが集う場として機能している。
〈大逆の兵団〉や〈叛逆の戦団〉にとってここは、〈帝国〉が進軍して来るの無い安全な場所なのだ。特に穢れたエネルギーである〈歪み空間〉は常人に狂気と変異をもたらし、その場所に長くいるだけでも精神と身体に異常な変異をもたらす。
一方、渾沌の祝福を受けているケイオススペースマリーンや叛逆者たちは、常に〈歪み〉の影響を受けて心身ともに変異しているため、〈歪み空間〉の中でも活動が可能だ。
【悪魔の惑星】
ケイオススペースマリーンらが拠点としている惑星が「悪魔の惑星」と呼ばれる場所だ。その場所はまさに狂気の世界と言っても過言ではなく、物理法則や論理を超越した恐るべき特徴を持った惑星である。
〈帝国〉の力をもってしも、もはや、これらの惑星を渾沌の手から救い出すことはできないだろう。数百年もの堕落の中で、これらの惑星は汚染されつくしており、土壌はおろか大気にまで渾沌の穢れが染み付いているからだ。
これらの憎むべき惑星に対する唯一の策、それは〈究極浄化〉(エクスタルミナトゥス)をもって他にない。渾沌に堕した惑星がこの銀河に存在するなど、決して許されることではないのだから。
むろん、いかに地球の至高卿たちが〈究極浄化〉を望んだとしても、惑星そのものの破壊は、そう易々と達成されるものではない。その惑星が忌むべき〈背きし者〉や〈裏切りし者〉によって防衛されている場合などは、惑星への接近すら難しくなる。敵の防衛艦隊は、惑星に接近するあらゆる脅威を排除しようとするであろうし、仮に〈帝国〉側艦隊がこれをかいくぐって衛星軌道上から地上に対する砲撃を開始したとしても、まだ惑星地表に築かれた防衛システムからの猛烈な反撃や、野蛮なるケイオススペースマリーンたちの強襲乗船攻撃が待っているのだ。
時には、惑星全体が妖力に覆われ、悪魔的な存在が跋扈する地獄のごとき場所となりはてていたり、あるいは渾沌そのものの力によって惑星が護られていたケースすらも報告されている。まさに悪魔の惑星は渾沌の信奉者たちによって支配される“堕落者どもの腐敗せし楽園”でもある。
【穢れし惑星の領主】
また各惑星は、荒涼とした地獄のごとき世界であり、そしてそこに住む者は貪り喰われるか、異形の怪物に変貌するかのいずれかの運命を辿るしかない。無数に存在する各悪魔の惑星の特徴は、支配者の性格に応じて大きく変化している。
悪魔の惑星は通常、強大なる力を持ったディーモンプリンスが支配し、惑星を自らの思うがままに作り変えることが可能だ。〈恐怖の眼〉の内部では渾沌の神々とその軍勢が惑星の領有権を巡って常に争っており、その血生臭い闘争が終わりを告げる事は無い。
各惑星を巡る戦いは数百年間も続くことも珍しくなく、惑星全土が巨大な闘技場と化し、敵対する勢力による果てしない殺戮が繰り広げられている。各勢力を率いるのは渾沌の神々ではなく、「上級悪魔」(グレーターディーモン)とその配下であるディーモンプリンスによって軍団が統率されている。
グレーターディーモンは現実宇宙と〈歪み空間〉両方の性質を理解ししているディーモンプリンスに好意を寄せている。ディーモンプリンスが惑星を制圧すると、後援者は彼に惑星の支配権を贈り物として与える。
惑星の主となったディーモンプリンスは、自らの星を思い通りの形に造り替え、広大なる土地は壮観なる風景へと変貌するだろう。
【惑星ケイディアとケイディアの大門】
〈恐怖の眼〉から〈帝国〉の本拠地である地球へと侵攻するには、ある安定した航路が存在している。そのルートは 〈ケイディアの大門〉 と呼ばれており、〈恐怖の眼〉から現実宇宙へと出入りすることができる安定した場所として知られている。
そのため、〈恐怖の眼〉を拠点としている渾沌勢力は〈ケイディアの大門〉を経由して〈帝国〉の星々へと侵攻を行っている。だが、ケイディアの大門はなかなか攻略できず、最重要拠点の要塞惑星「ケイディア」を制圧することができなかった。
〈帝国〉では特に要塞惑星ケイディアは最重要拠点の一つとして考えており、〈恐怖の眼〉から攻めてくる渾沌勢力に対する防衛拠点としてその護りを固めていた。また惑星ケイディアには、「パイロン」と呼ばれる遺跡が存在し、そのパイロンによって現実宇宙と〈歪み空間〉の間に障壁を形成していた。
ブラックストーンという特殊物質で出来たその遺跡によって〈歪み〉は弱体化され、渾沌勢力は惑星ケイディアを攻略する事が困難であった。そこでアバドンは密かに、惑星ケイディア地表に存在するパイロンを破壊する計画を実行し、第十三次〈黒き征戦〉にて遂に惑星ケイディアを陥落させることに成功したのだ。
しかし、惑星ケイディアそのものは破壊されても〈ケイディアの大門〉の支配権をめぐる渾沌勢力と〈帝国〉は今もなお続いている。もしこの大門の支配権を渾沌勢力が手中に収めた場合、もはや地球と〈帝国〉の運命は破滅が確定するだろう・・。

背信者の特徴


「栄光の遥かなる高みまで登らんとする者は、深淵の遥かなる深みまで沈むべし。」
-マロスルシウス・ラックス

【移ろいゆく〈歪み〉の庇護】
〈禍つ神々〉の本質から作られたディーモンの存在に酷似する、渾沌によって完全に引き寄せられた者は、 物理的な一撃からもを守る事が出来るある種の深遠な庇護を有している。 すなわち、射撃武器や光学兵器から放たれる弾丸から身を守る一種の加護を得る事が出来るのである。
自らの魂を〈禍つ神々〉の一柱に捧げたケイオススペースマリーンは、いざという時には紅い液体へと変化する稲妻の到来を見るか、あるいは身悶えする幼虫に降り注ぐような、飛来する弾丸の雨を見ることになるだろう。戦車の装甲を貫通し得る「ラスキャノン」の光は、〈歪み〉に支配された闘士を、あたかも幻に過ぎないかのようにすり抜けてしまうという。
同様にプラズマの矢は、闘士の差し伸べられた手甲の中に捕らえられ、火球へと捻じ曲げられ、全く害をなすことなく、標的に吸収される。 実際には、〈禍つ神々〉の恩寵はディーモンの一部であると言われており、このために人類にとっては超常的な恐怖なのである。
しかしながらそれは同時に、予想不能な運命から身を守る天上の力のようなものであり、 死の瞬間に際しては全く何も機能しないだろう。 とりわけ、もし恩寵を受けし者が それを当然のことだと思うようになった場合には。
このような矛盾の中で、〈禍つ神々〉はユーモアと正義を同時に見出すのである。要は気まぐれ
【ディーモンプリンスへの道】
大逆者に等しく存在する感情は、力への飢えに他ならない。最初のうち、彼らの望みはそれぞれ特定の目的へと向けられていることが多いが、しかし時が過ぎ去るにつれて、そうした目的意識は妄執へと変化する。目覚ましき殺戮を成し遂げた定命の信徒に対し、暗黒神は気前よく恩寵をもたらすが、しかし暗黒神そのもの同様、神々からもたらされる恩寵もまた非常に気まぐれなのである。
途方もない殺戮を成し遂げた者に送られる恩寵は、信徒たちの戦意を高める血のように赤い闘気が授けられることもあれば、腕と斧が一体化してしまうこともあり、単に顔がよだれだらけの犬の顔へと変化するだけという事例もある。最終的に、あらゆるケイオススペースマリーンは暗黒神からの寵愛を得ることによって、“悪魔の皇子”すなわち「ディーモンプリンス」と呼ばれる強力な悪魔へと転生する事により、不滅の命を手に入れることを目的とするようになる。
しかしそうして遥かなる高みへと達することができる者はほんの一握りであり、多くの者はあまりにも多くの恩寵に肉体が耐えきれず、想像を絶する変異によって“渾沌の落とし子”たる「ケイオススペースマリーン」へと変貌してしまうのだ。
【大逆の証】
その大逆者は〈帝国〉の黎明期より戦い続けていようとも、あるいは近年になって初めて裏切りの罪を起こしたものであろうとも、ケイオススペースマリーンの肉体は、そのものが信仰するおぞましき力によって、その魂の邪悪さを反映する姿へと緩やかに変化させられている。渾沌の力である〈歪み〉のエネルギーは、戦士の血肉を自身が纏っている装甲服へと融合させていき、ついには全く一つの体へと変貌してしまう。
同様に、その者の意識もまた、彼が帯びている武具に宿りし機械精霊と融合を果たしてしまうのだ。長年にわたって死をもたらす事に没頭してきたケイオススペースマリーンであれば、いつしかそのヘルメットは彼自身の頭部と融合した頭蓋骨の形へと変ずるであろうし、脆弱なる肉体に飽き飽きしているものであればいつしか自身の腸は機動装甲服(パワーアーマー)の動力ケーブルと入り交じり、その者自身が生ける殺戮兵器へと変貌するだろう。
多くの場合は、これらの解剖学的異常には暗黒神の紋章や色相が組み込まれており、そのケイオススペースマリーンが、身も心もその暗黒神の所有物であることを表している。


黒き征戦(ブラッククルセイド)



【概要】
約千年に一度、真に強大なる“統べる者”が〈恐怖の眼〉の深部より〈帝国〉へと大規模な侵攻を仕掛けてくる。鋼鉄の意志と、渾沌の神々から賜りし恩寵により、かつての覇者は〈歪み〉に住まう悍ましき悪魔たちとの間に危うい同盟を結成する。
そしてケイオススペースマリーンの軍団やケイオスディーモン、無数の変異者や反逆者から構成される恐るべき勢力を集め、空前の規模を誇る一大遠征軍を束ね上げ、偽りの皇帝が築き上げた栄光を破壊しつくするのだ。悪魔の惑星群に築かれた「魔工場」(ヘルフォージ)では、巨大な製造機械と闇の工業技術が放つ轟音が鳴り響き、選ばれし渾沌の従者らのために、無数の兵器や弾薬が製造される。
「魔導兵器」(ディーモンエンジン)たちが苦々しいまどろみから続々と掘り起こされる中、ケイオススペースマリーンからなる大軍勢の指揮権を巡って、各勢力は激しい争うを繰り広げるだろう。
【統べる者アバドンの軍勢】
〈黒き征戦〉が始まると、〈恐怖の眼〉からおぞましき大軍勢が吐き出される。これらの大軍勢を形作るのは、ディーモンの大群、巨大建造物と見粉うばかりの歪んだ怪物、野蛮な亜人の部族、古の「渾沌巨兵」(ケイオスタイタン)、そして無数の「渾沌教団」(ケイオスカルト)だ。
彼らは皆、憎むべき人類の〈帝国〉に対して筆舌に尽くせぬ破壊をもたらすべく、強大なる“統べる者”の元に終結したのだ。それらの中で最も恐れられているのが、 “強奪者”「アバドン」 によって率いられた〈黒き征戦〉である。
アバドンはこれまで、〈帝国〉に対して十三度に渡る大侵攻を〈恐怖の眼〉から敢行しており、そのどれもが〈帝国〉を貫く毒牙の如く、甚大なる被害をもたらしてきたのだ。これまでのどの〈黒き征戦〉においても、〈恐怖の眼〉近隣に浮かぶ全ての惑星が蹂躙され、あらゆるものが略奪されたが、第41千年紀末(西暦40999年)にアバドンが引き起こした第十三次〈黒き征戦〉は、それまでのどの侵攻よりも熾烈で破壊的なものであった。
〈帝国〉の分析官たちの多くが「第十二次までの遠征は全て、第十三次のための下準備に過ぎなかったのではないか。そして一見、関連性の無いように見える個々の侵攻も、惑星「ケイディア」の陥落、銀河を二分する〈大亀裂〉(グレイトリフト)の発生、〈聖なる地球〉への侵攻という最悪の事態を目的としていたのではないか・・。」と推論しているほどだ。
【血染めの進撃路】
“強奪者”アバドンは、かつて偉業を成し遂げようとして叶わなかったホルスの後継者となり、皇帝の座す〈帝殿〉を真っ二つに破壊して、〈黄金の玉座〉に座した皇帝を引き裂くことを目指し続けていた。アバドンが征服を行う度、〈恐怖の眼〉から〈日輪の星系〉への道筋が切り開かれていく。
そして今だ明らかではないものの、血染めの進撃路が開かれるにつれ、現実宇宙と〈歪み空間〉との境界もまた失われているようである。長きにわたり、〈恐怖の眼〉からの脱出路を模索していたアバドンは、物質空間と非物質空間との障壁にまつわる奇妙な真実へと行き当たった。
銀河の各所には古代の黒い石碑が散在しており、その外観は味気なく単純であるものの、その内部には想像を絶する複雑な機構が内蔵されている。 そしてそうした石碑の大部分が要塞惑星ケイディアに集中している、という事にアバドンは気が付いたのだ。
惑星ケイディアは〈帝国〉の中心地である地球へと侵攻するための重要な進路に立ち塞がる、いわば関門のような惑星だ。 〈恐怖の眼〉から地球へと侵攻するルートは惑星ケイディアを経由するのが最適であり、アバドンは〈黒き征戦〉にてケイディアを陥落させようと何度も試みたが、すべて失敗に終わってしまう。
ケイディアの住人たちは「パイロン」として知られるこの黒い石碑を単に古びた遺跡か何かと思い見過ごされてきたが、アバドンはこれらの物質こそ〈恐怖の眼〉から現実宇宙へと流れ出す〈歪み〉のエネルギーを制御し、惑星ケイディアを防護する役割を担っているのだと確信した。 まさにパイロンに使用されている物質である「ブラックストーン」がケイディア攻略のためのカギを握っていたのだ。
【ブラックストーンを破壊せよ】
数千年に渡り、アバドンは銀河の各地に自らの配下を送り、黒き石碑の位置を割り出させた。そしてそれと同時に彼は長年にわたって古くからの同盟者たちを呼び集め、おびただしいディーモンと契約を締結し、大逆兵団とその堕落せし総主長らとかつて交わした盟約を復活させた。
黒き石碑を破壊するという計画を悟られぬため、アバドンは注意深く計画を分割し、偽の目的を持ち出し、さらにはその真意を覆い隠すためだけに〈黒き征戦〉を起こしさえした。惑星全土を巻き込んだ侵略の中で、アバドンは片っ端から黒き石碑を破壊し尽くした。
時には自分の手で、あるいは配下に命じて。そのためならば、自らの旗艦“惑星の殺戮者”(プラネットキラー)や、ゴシック戦争の最中に発見した「黒石の要塞」(ブラックストーン・フォートレス)さえも躊躇なく投入した。
後々判明した事実だが、黒き石碑やブラックストーン・フォートレスに使われている物質は 「ノクティリス」 または 「ブラックストーン」 と呼ばれる特殊な物質であり、 異種族「ネクロン」にしか作れない代物だ。 この物質は、非物質空間(エンピリアン)のエネルギーと共振し、適切に分極することでその膨大な〈歪み〉のエネルギーを引き出し、あるいは退けることが可能となるのだ。
ネクロンの技術者である「クリプテック」たちはノクティリスを経由して宇宙を構成するエネルギーを引き出す神秘の業を理解している。彼らはまたブラックストーンを用いて「虚無フィールド・マトリックス」を構成し、墳墓惑星全体を、敵意あるサイキック的な存在から保護している。
【第十三次〈黒き征戦〉】
こうした破壊的な戦役の総仕上げが、惑星ケイディアそのものを標的とした第十三次〈黒き征戦〉であった。第十三次〈黒き征戦〉はあまりにも多くの死と破壊をもたらしたため、ディーモンの同盟者は自由に、そして無制限に現実宇宙へと実体化を果たすことができるようになったほどである。
ケイディアの惑星地表に散在する奇妙な黒き石碑は最終的に破壊され、それによって彼の大計は成った。惑星「パンドラックス」、惑星「フェンリス」、〈妖術師の惑星〉をはじめとしたその他何十もの惑星が銀河を引き裂くほどの〈歪みの嵐〉に呑み込まれ、さらに渾沌の軍勢はあたかも深い傷口からとめどなく血があふれ出だすように、自由自在に現実宇宙へと出現が可能となった。
そして銀河の中央を横断する巨大な〈歪みの嵐が〉出現し、銀河は北部と南部に分断されてしまったのだ。この巨大な〈歪みの嵐〉は 〈大亀裂〉(グレイトリフト) または 〈呪わしき傷跡〉 と呼ばれるようになる。
アバドンの言葉を借りるなら、彼は「地獄の門を斬り拓いた」のだ。
【銀河を横断する〈大亀裂〉】
この長大な〈歪みの嵐〉によって銀河が南北に二分され、さらに百を超える〈歪みの嵐〉が新たに発生したのに伴い〈大元帥〉アバドンに忠誠を誓う〈大逆の兵団〉と〈叛逆せし戦団〉は侵略の尖兵として戦い始めた。彼らは巨大な槍の穂先としてケイディア星系の中心部を突破し、その向こう側へと姿を現した。
アバドンは、自らの最終目標を達成するためであればどれだけの死者が生じたとしても気にかける事は無い。アバドンにとって唯一無二の関心事は、〈帝国〉の守護者たちを溺れさせ、さらなるディーモンの軍勢を召喚するにはどれほどの流血が必要かという事だけである。
これこそアバドンが血染めの進撃路を切り開くやめの基本的な戦略であり、ケイオススペースマリーンとディーモンロードの軍勢が惑星を侵略するたび、その魔の手は着実に地球へと近づいているのである。惑星ケイディアが陥落したことによって、〈呪わしき傷跡〉はアバドンの侵略にとってもっろも強力な武器と化した。
第十三次〈黒き征戦〉によって生じ、アバドンの進撃と共に成長を続けるこの巨大な〈歪みの嵐〉は、ブラックレギオンの軍勢が繰り広げる壮大な殺戮によってさらにその勢いを増している。
同様に、数十もの〈叛逆せし戦団〉もまた、かつて〈渦〉と呼ばれた〈歪み〉の特異点から、〈日輪の宙域〉へと進撃を行っており、これによって多くのスペースマリーン戦団と、そこに補充された最新鋭のプライマリス・スペースマリーンは数百もの戦線に薄く広がることを余儀なくされている。
アバドンが操る非物質空間からの鉤爪は、紛れもなく地球がある〈日輪の宙域〉へと向けられており、帝国の崩壊を予兆するものとなりつつある。現在の〈帝国〉を束ねている〈地球の至高卿〉たちは現実宇宙そのものの崩壊を何よりも危惧しており、アバドンの進撃を食い止めるためにありとあらゆる戦力を銀河の各地へと投入している。
この運命がどのように絶望的な終幕を迎えるにせよ、唯一明らかになっていることがある。 それは終わりなき闘争である。
画像出典:コデックス「Eye of Terror (3rd Edition)」表紙イラストより


主なケイオススペースマリーンの勢力



画像出典:ゲーム「warhammer 40000 Eternal Crusade」より

ケイオススペースマリーンは様々な〈大逆の兵団〉、〈叛逆せし戦団〉、〈戦闘集団〉などの戦闘部隊が存在する。各々の戦闘部隊は戦闘教条から部隊編成、戦闘目的など全く異なる特徴を有する。
それらの部隊は渾沌の暗黒神に仕えており、渾沌の代理戦士として銀河に破壊と殺戮をもたらすのだ。



ケイオススペースマリーンの兵種と兵器

ケイオススペースマリーンには様々な兵種存在し、通常のスペースマリーンとは全く異なる部隊編成が成されている。また、彼らの扱う様々な兵器や武器は渾沌の祝福を受けているものや、大逆時代の兵器を転用したものなどが存在する。
スペースマリーンの力に渾沌の穢れし力が加わったことにより、〈戦闘者〉よも上回る力を手にする事を可能となったのだ。


小ネタ


  • 体力の低さ
8版のケイオススペースマリーンは体力(ゲーム中では〈傷〉と表示されている)がプライマリス・スペースマリーンに比べて低かった。プライマリス・スペースマリーンのほとんどのユニットは傷2に対して、ほぼ同等のコストを持つケイオススペースマリーンのほとんどのユニットはなんと半分の傷1しかないという。
あまりにも扱いが悪いために一時期、傷の低さをネタにされたこともあったという。9版では傷は2に増えており、プライマリスと同等の性能で戦えるようになった。


時は来た。銀河を炎羅のままに!

追記・修正は渾沌の暗黒神と契約を交わし、〈帝国〉に反旗を翻してからお願いします。

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最終更新:2024年03月25日 22:54