わたしのまち(夜廻シリーズ)

登録日:2022/10/01 (土曜日) 19:13:12
更新日:2023/06/10 Sat 20:17:35
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「わたしのまち」とは、『夜廻シリーズ』の舞台となる、主人公が住んでいる街のこと。『夜廻三』のみ主人公・ユズの一人称が「ぼく」か「わたし」に選択可能なため「じぶんのまち」になっているが、この項目では「わたしのまち」で統一させてもらう。

全体的に山の近くだったり、公衆電話が大量にあったり、家の玄関が引き戸だったり、学校に一昔前のパソコンがあったり、とやや田舎の地方。ただしメリーさんがスマホを使っており、ポケベルが「昔の携帯電話だとずっと前にテレビで紹介されていた」など時代は現代であることがわかる。
最大の特徴はなんといってもお化けの多さ。通常、この手のホラー作品では超常の存在は心霊スポットのような曰く付きの場所に引きこもっているのがパターンだが、『夜廻シリーズ』では日が暮れるとちょっと歩いただけで遭遇するぐらい街中がお化けだらけになる*1
その魔境ぶりは『サイレントヒルシリーズ』といい勝負で、『呪術廻戦』で例えるなら街そのものが特級呪物に指定されかねないレベルだが、何故ここまでお化けだらけになってしまったのかは最後まで不明のまま。
小説版『夜廻』『深夜廻』ではいずれも大人が子供に「夜になったら外を出歩いてはいけない」と言い聞かせているとあるが、街の状況を把握しているのかは不明。

この街を懐中電灯と石ころと紙飛行機と10円玉ぐらいしか持ってない普通の少女*2が独力で探索せねばならないため、当然主人公たちはゲーム上の演出とは言え何度も死ぬことになる。

マップは当初白紙であり、主人公の探索によって徐々に埋まっていくという仕様。ストーリークリア後にあるアイテムを完成させると全体像が明らかになり、ついでに主人公によるものと思われる落書きが追加される*3
ちなみにマップの中央付近に主人公の家が配置されるためか、行き先の大半は端の方にある。おかげで移動が大変だが、道中にある一部のお地蔵様がセーブポイント兼ワープポイントになるのである程度補ってくれる。


【夜廻】

主人公・こともとその姉・ともこの住む山沿いの街。ムカデの神様が頑張っているため、『深夜廻』の街に比べてお化けが大人しい*4
その一方で、「夜の街を出歩いている子供はよまわりさんにさらわれる」という言い伝えもある。

  • 学校
こともが通っている学校。敷地には入れるが建物内部には入れない。ステージボスは人面犬。
特にグラウンドにお化けが密集しており、二宮金次郎の銅像が歩いている。
『深夜廻』では学校に入れないため、人面犬は追い出されている

  • 田んぼと崖
ステージボスは貞子女性の幽霊。彼女の殺害現場であり、崖の下に遺体がある。
小説版ではこの事件について深く掘り下げられている。事件の犯人は女性の恋人である男性で、冷めてきていたのか彼女との関係を悩んでいるところを山の神(夜廻)に唆され、このような凶行に及んだらしい。
山の神(夜廻)からしてみれば、この男性はともこからムカデのお守りを奪うための捨て駒に過ぎず、しかも彼が一番求めていたであろう縁切りのご利益はすぐ隣街にあったという、踏んだり蹴ったりな扱いである。
余談だがこの男性、ともこの目の前でよまわりさんに丸飲みにされたのだが、その後女性の遺体のそばに倒れているところを発見され逮捕されている。よまわりさんが運んだのだろうか…?

  • お寺と墓地
を当てると襲いかかってくる岩のお化けと、光を当てないと見えないお化けが同時に出現するいやらしい場所。
チュートリアルでトラックにはねられたポロは、この付近に転落していた。

  • 商店街とムカデの神社
ムカデの神様を信仰している商店街。盛り塩によって凶悪な霊が鎮められている。
ストーリークリア後、ともこの口から「商店街の再開発に伴い神社が取り壊される」ことが語られており、実際『深夜廻』では神社は跡地となっているのだが、『夜廻』から3年経っているにも関わらず再開発は終わっていない。

  • 廃工場
よまわりさんの拠点。捕まった子供はここに連れてこられる。
よまわりさんの被害者だったであろう子供のお化けが住んでいるが、小説版によると当人たちは楽しく暮らしているらしい。

  • トンネルと山の神の神社
ラストステージ。トンネルの向こうは自然が広がっており、ラスボスである山の神(夜廻)が祀られている神社がある。
神社の大きさからしてかつては大々的に信仰されていたようだが、現在は存在そのものを忘れ去られてしまい、それが山の神(夜廻)の暴走を招いた。
力が弱まっているためか、山の神(夜廻)はトンネルから先に出ることが出来ない。更に『深夜廻』では地震によってそのトンネルが埋まってしまったことが明らかになる。山の神(夜廻)はどうしているのだろうか…。


【深夜廻】

主人公・ユイ&ハルの住む街。前作『夜廻』の街の隣にある。
山の神(深夜廻)の遊びのせいで、自殺者が多い。

  • 展望台
チュートリアル後のスタート地点。ユイとハルが打ち上げ花火を見るために利用した場所。
この時点で既に手遅れだったという事実に、どれだけのプレイヤーが絶望したことだろうか…。

  • 図書館
ステージボスはお化け鏡。
ここのお化けはマナーにうるさいのか、音をたてたり走ったりすると「読書の邪魔すんじゃねえ!」と言わんばかりに襲いかかってくる。サーチライトと警報を兼ねたフクロウみたいなお化けもいる。
地下には歴史的なものが展示されているが、ハルが「もういやだ」と言ってしまったためコトワリさまが降臨。コトワリさまが振り回すハサミによって展示物は滅茶苦茶になってしまった。

  • 廃屋
屋敷の中心である柱がお化けという文字通りのお化け屋敷であり、住人がいたのだが怪奇現象により次々に死んでしまったらしい。
最終的に燃やされて崩れ落ちた……と思いきやすぐに復活した。
かなり脅威的なお化けだが、小説版では出番をフルカットされてしまう。

ステージボスは女性の幽霊。大量のゴミが不法投棄されており、なんと電車まで放置されている。

  • ダムと下水道
ステージボスはお化けネズミ。ダムの建設や下水道の整備が原因で死亡した個体が化けて出てきたようで、自分たちを無視した人間を強く恨んでいる。でも犬には勝てない。
ここに出現する巨大ナマズは、シリーズでも数少ない無害かつ主人公に役立つお化け。

  • コトワリさまの神社
ダムの底に沈んでいた村の側の高台にある。コトワリさまのご利益に習ってか、石畳が人の形をしているのが特徴。
ここでもゴミの投棄が行われており、絵馬には悪意のこもった願いばかりが書かれている。それでも人間のために動いたコトワリさまの心中や如何に…。

  • 裏山と洞窟
チュートリアルステージ兼ラストステージ。主人公が首吊り自殺を行うなんて誰が予想できただろうか。
ラスボスの山の神(深夜廻)が潜む洞窟内部には大量の地蔵と注連縄が設置されており、「信仰するからここに閉じこもってて…」みたいな感じになっている。


【夜廻三】

主人公・ユズの住む街であり、「思い出の中の少女」ことコトリの生まれ故郷。海沿いの街。
道端に落ちている物を拾うと現れる人面鳥の言い伝えが存在する。
上記二つの街に比べて住人のせいで発生したであろうお化けがとても多い。

  • 学校
ユズが通っている学校。ステージボスはこっくりさん率いる学校の七不思議*5
通常こっくりさんは呼ばなければ何もしてこないが、『夜廻三』のこっくりさんは人間と友達になりたがっているため積極的に関わろうとする行動派。山の神(深夜廻)と違って「人間で遊ぶ」のではなく「人間と遊ぶ」ことを望んでいるため悪意は無い。
しかしそれは「七不思議と対峙させる」という人間にとって危険極まりないもので、教師陣も事態に気づいてか日誌に七不思議に関わろうとする生徒について書き留めている。
最終的にこっくりさんはユズをお友達認定したため、ストーリークリア後にユズがいじめを受け続けた場合、こっくりさんがいじめっこ達にちょっかいを出す可能性大。

  • 廃ビル
ユズとコトリが出会った廃ビル。屋上にラスボスの神様を祀る社がある。鳥居が緑色なのが特徴。
もともとこのビルと学校は森を切り崩して開拓された土地に建てられており、本来の神社もそこにあったと思われる。

  • 棚田と水門
『夜廻三』最大のトラウマステージ。ステージボスはおびただしい数の赤ん坊の幽霊
詳細は不明だが、街がまだ村だった頃、村のために赤ん坊に対してむごいことをしていた。ここに設置されている大量のかかしは彼らを鎮める役目があり、子守石や慰霊碑も用意されているのだが、あまり効果が無いのか壊れたかかしが大量に捨てられている。
水門の向こうには牢獄のような人工的な空間が広がっており、最後の橋でクリアするまで画面いっぱいの赤ん坊たちが蠢きながら延々と泣きじゃくる演出は間違いなく精神的に大ダメージ。泣きたいのはこっちだ。
赤ん坊繋がりで『夜廻三』が発売されるおよそ一年前のトラウマがフラッシュバックした人もいるのではないだろうか。
かかしはかかしで頭部に人の頭蓋骨が材料として使用されておりかなり不穏だが、悪いお化けではない。10円くれるし。

  • 廃村と墓地
着物姿の男性の幽霊を追いかけると辿り着く。ステージボスは巫女の幽霊。
伝染病によって隔離された地域であり、感染拡大を防ぐためか墓地のすぐ側に焼却炉がある。
どうやら着物姿の男性と巫女は恋仲にあったらしく、ユズは男性が巫女にプレゼントするはずだった指輪を拾ってしまったため、勘違いから巫女に襲われる羽目に……もちろん、最終的に誤解は解けたのだが。

  • 竹林と屋敷
とある手順を踏まないと先に進めない不思議な竹林に囲まれた屋敷。ステージボスは赤い洋服の女の子の人形。
家主は人形師だったらしく、屋敷内部には大量の人形がある。かつては子供たちが遊びに来ていたようだが、突然ぱったりと誰も来なくなったらしい。
やがて家主もいなくなり屋敷は廃屋化。残った人形だけが遊び相手を求めて待っていた。
ちなみに、回想シーンではユズはこの屋敷の外で誰かとボール遊びをしているが、その遊び相手が誰かは不明。もしかしたら彼女は本編開始前からここの人形と友達だったのかも知れない。

  • 商店街
幼女を苦しめを殺すことに定評のある日本一ソフトウェアがハッスルしてしまったステージ。ステージボスは黒い犬の幽霊。
犬が大量に殺害される事件が起きており、黒い犬はその犠牲者の1匹にして犬たちのリーダー。ちなみに人間が犬に噛み殺される事件も起きているが、たぶん犯人だろう。
ユズが祈りを捧げることで成仏したので、人間への恨みはあるが、弔ってほしくもあった模様。

  • 港町と洞窟とヒトデの神社
ステージボスはヒトデの神様。ヒトデを「災いを食べる外来の神」として信仰する風習があったが、現在は「タッソク参り」と呼ばれる祭事が行われる程度となっている。
に関わる神様だからか、神社の鳥居は青い。また、境内には洞窟に繋がる大きな縦穴が空いており、ユズはそこに思い出の品を落としてしまった。

  • 廃船と岬
ステージボスは海坊主。『夜廻三』のボスキャラクターとしては、この海坊主が唯一の純粋な悪役となる。
海坊主によって沈められた船であり、船内及び岬にいるスライムみたいなお化けはおそらく犠牲者。
同じく犠牲者であろう母親の幽霊が我が子の幽霊を探して彷徨っていたが、ユズの活躍により再会できた。

  • 神社
実は赤い鳥居の神社もある。「神様はいつも空から見ています」という張り紙があるぐらいで、特にイベントは無い……と思いきや?

  • 神様の森
スタート地点兼ラストステージ。特定の条件を満たすことで入ることができる異空間。
見た目は「雪の積もった森」で、
注連縄や鳥居、祠に音叉のような鉄塔と人工的なものも多い。鳥居はもちろん緑色。
過去・現在・未来が同時に存在しているようで、人面鳥が「あらゆる時間を見通す」とされるのはこの空間が関わっていると思われる。
ここに安置されてあった「二つの鈴」をコトリの母が持っていってしまったため、ラスボスの神様はそれを取り戻すべく呪いをかけるようになった。
また、この空間から出る際は両目を閉じ、決して振り返ってはならないという。



追記・修正は夜の街でお化けに遭遇したことがある方にお願いします。

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最終更新:2023年06月10日 20:17

*1 ツチノコまで生息している。

*2 一応、ハルは小説版では本編開始前から霊感持ちだが、当人にその自覚が無い。

*3 よく見るとプリニーが混じっている。こともとハルはディスガイアユーザーだった…?

*4 小説版『深夜廻』におけるハルの感想。

*5 ラインナップは「のっぺらぼうの大男」「理科室の骨格標本」「わたり廊下の大鏡」「音楽室の人食いピアノ」「トイレの花子さん」「図書室の呪いの本」「こっくりさん」