魔法石の採掘(遊戯王OCG)

登録日:2023/01/22(日) 01:44:14
更新日:2024/02/17 Sat 20:37:32
所要時間:約 6 分で読めます




魔法カード発動!魔法石の採掘!
この魔法石の採掘の効果によって、もちろん俺が選ぶのは、死者蘇生(ししゃしょしぇい)




《魔法石の採掘》とは遊戯王OCGのカードの1枚。

概要

通常魔法
(1):手札を2枚捨て、自分の墓地の魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。

初収録は「STRUCTURE DECK-マリク編-」。
通常魔法カードで墓地の魔法カードを1枚手札に加えるという非常に汎用性の高い効果を持ち、1枚で戦況を大きく動かすカードも少なくない。
魔法カードなのでリバースモンスターの《聖なる魔術師》と違ってタイムラグがなく、手札にあれば即発動できるというのも大きい。
非常に強力な効果ではあるが手札を増やしにくい遊戯王において発動コストが手札を2枚も捨てると非常に重く、色んなデッキで使うこと自体は可能だが有用に使うとなると考えなしに入れられるものではない。
2枚のディスアドバンテージを背負ってまで魔法カードを回収したい状況となると相当に限られている。

そのため採用するデッキは以下の様な性質を持つデッキが考えられる。

①魔法カードのカードパワーでそのまま押し切るデッキ

2枚のディスアドバンテージを背負おうと、その直後にゲームを決めてしまえば関係ない
次元融合》などのゲームエンドまで持ち込めるカードがキーカードになるデッキや、【未来オーバー】など特定のカードが揃えばゲームエンドに持ち込めるデッキで採用する。
もし相手に耐えられてしまっても、相手が立て直す前に《魔法石の採掘》でサルベージして再発動するチャンスもある。
推理ゲート】のギミックを搭載したデッキでは墓地肥やしを行い、回収したい魔法カードも落とせる可能性がある。
つまり、原作・アニメでの使用者である闇マリクが行っている事と同じ様な運用となる。

②手札コストを使いやすいデッキ

単純に手札コストを何らかの方法で賄う。
《おジャマジック》を捨てると枚数上はお釣りが来る【おジャマ】や、《貪欲な壺》の発動条件を満たしつつ回収できる【貪欲ターボ】ギミックを搭載したデッキなど。
天魔神 ノーレラス》を主軸としたデッキでは、《天魔神 ノーレラス》の効果が通ってしまえば手札が全て無くなるので、ある意味ノーコストとも言えるかもしれない。

③先攻1ターン目で疑似ループを組んでワンキルを狙いに行くデッキ

一番有名と思われる使い方で、デッキ全体を完全な先攻ワンキル特化にして《魔法石の採掘》を墓地からその状況に合わせた魔法カードを回収する便利カードとして運用する。
このデッキタイプは性質上②の要素も内包している事が多い。
お馴染み【ドグマブレード】系統のデッキや、《メタモルポット》を何度もリバースさせてデッキデスを狙う【デッキ破壊1キル】など。
【ドグマブレード】系統ではエンドカードである《マジカル・エクスプロージョン》の発動条件である手札ゼロを満たすために、1枚目の《魔法石の採掘》で墓地にある2枚目の《魔法石の採掘》を回収して手札を削る使い方もされる。

④発動コストを踏み倒すデッキ

D-HERO ダイヤモンドガイ》を主体としたデッキで発動コストを踏み倒してしまう運用。
《ファイナル・インゼクション》のような大技の踏み倒しを狙いに行く構築では、引いてしまうと本当に手札コストにしかならないようなカードが入るため、そういう意味でも相性は良い。


《魔法石の採掘》を採用するデッキの大半は性質上、尖った構築になりがち
そのため、相手にすると理不尽なワンショットキルが飛んできていきなり死んだり、そもそも先攻1ターン目で何もできずに負けるなど大抵ロクでもないことが起きる
主に対策としては《D.D.クロウ》や《屋敷わらし》などの手札から発動でき、墓地の魔法カードの回収を妨害するカードを使うこと。
魔法カードの回収に失敗すると3枚使って何もできなかったことになるため、そのまま息切れする可能性が高い。

このカードのほぼ完全下位互換カードに手札コストが魔法カードに限定された《魔法再生》がある。
ちなみに手札コストが「捨てる」ではなく「墓地へ送る」なので捨てられた時に発動する効果のトリガーも引けず、墓地へカードを送れない時に発動ができない。
ごく少数ながら手札からカードを捨てるカードのメタとなる《強欲ゴブリン》や《魔力の棘》の存在があるため、ギリギリ完全下位互換であることは一応避けられている。
とはいえ採用するデッキがデッキなので、多くの場面では《魔法石の採掘》と大差がない使い方ができ、《魔法石の採掘》は規制されていた期間が長い*1ため《魔法石の採掘》をフル投入しても足りない場合は普通に代用として使われていた。


ラッシュデュエルにおいて

「ゴールドラッシュパック」にてOCGより輸入された
効果に変更はなく、レジェンドカードでもないため3枚投入が可能。

OCGは手札を増やすことが難しいゲームであったため非常に使うデッキを選ぶカードではあったが、ルールで毎ターン最大5枚ドローが可能なラッシュデュエルでは事情が大きく変わる
普通のカードと比べるとオーバーパワーを持つレジェンドカードの回収もできてしまうのが非常に強力
最上級モンスターを召喚するにはリリース要員2体と最上級モンスター1体の合計3枚必要なため、とりあえず《死者蘇生》を回収しても十分に元が取れる。

特に相性が良いデッキとしてキーカードである《パラレルバース・ゲート》《潜入開始》を使い回せる【パラレルオーダー】だろう。
《パラレルバース・ゲート》は手札がゼロの時に墓地のバニラをレベル制限なしに2体蘇生できる効果を持ち、蘇生するバニラを墓地へ送りつつ手札を削ることもできる。
《潜入開始》は《パラレルバース・ゲート》と違い1体しか蘇生できないが、特殊召喚したモンスターはそのターン限定で攻撃力が700アップし更に罠で破壊されない強化が入り突破力に優れる。
どちらもカード消費3枚分の働きは十分にこなしてくれる。
最も《潜入開始》は汎用性が高く多くのデッキに入った上に、やりすぎたせいで規制されたが。

また、《マジカル・ストリーム》《火竜の熱閃》*2などの1:1交換しかできない様な元が取れないカードも状況によっては回収候補になる。
ラッシュデュエルではドローフェイズでドローする枚数を増やしデッキを回転させるために可能な限り手札を削るプレイが求められるので、死に札を抱えてしまった場合にそれを処理するのにも一役買ってくれる。
状況に応じて墓地の魔法カードを使い別ける便利カードとしての運用が、OCGと比べると普通のデッキでもやりやすい。

この様に「パワーカードの使い回し」「状況に応じた魔法カードの選択」「手札のカードをコストで切ることでの墓地肥やし」「手札の死に札をコストで処理してデッキの回転を補佐する」と多くの役割を持たせられる上に、ラッシュデュエルのドローのルールによりコストの調達がしやすく幅広いデッキで採用できる
とはいえ、2枚の消費をするのには変わりなくそのターンの行動が狭められる可能性もあるため、OCGより使いやすいとはいえ採用枚数や発動タイミングは見極める必要がある。

あまりにもの汎用性の高さと、2023/01/01のレジェンドカードのルール改定によってどのデッキにも1枚は魔法のレジェンドカードを入れられるようになりレジェンドカードの使いまわしが目立つようになったためか、
2023/04/01のリミットレギュレーションで制限カードへ指定された。

原作・アニメでの活躍

原作・アニメではバトルシティ決勝の闇遊戯VS闇マリクにおいて、闇マリクが使用。
ラーの翼神竜》を《死者蘇生》で蘇生して攻めるのが主軸のデッキ構成のため、《死者蘇生》をサルベージするために使用された。
原作では魔法カードは1ターンに1枚しか手札から発動できないルールがあったため、アニメでは辻褄合わせに回収したカードはそのターン発動できないデメリットが付与されている。
このデメリットがついていれば先攻1キルデッキで暴れることはなかった。

なお、OCGでは実質下位互換の《魔法再生》だが、原作で姉上様が所有していたそれは手札コストがなくサルベージができ原作《魔法石の発掘》の上位互換だった。
どれだけラーの翼神竜捨てたかったんだ、マリク

GXではエド・フェニックスが使用し、《D-HERO ダイヤモンドガイ》とのコンボを披露。(ただしダイヤモンドガイのOCG化前だったため手札コストは無視できなかった)
他にもドクター・コレクター、橘、鮎川、空野となったミスターTなど多くのデュエリストに使われた作品となった。

細かい出番では、遊戯王ZEXALにてアストラルとの戦闘中にNo.96が《カオス・リターン》の手札コストに使用している。

SEVENSでは六葉アサナが《バケットホイール・フォース》をサルベージするために使用した。

余談

OCGにおいては5度再録が行われている。
「トーナメントパック2007 Vol.2」「ストラクチャーデッキ-アンデットワールド- 」は当時流行していたカードとしての再録、
「ストラクチャーデッキ-ドラゴニック・レギオン-」は推理ゲートが入っているためその兼ね合い、
「デュエリストパック-決闘都市編- 」は闇マリク関連のカードとしての再録と思われるのだが、
「デッキビルドパック ダーク・セイヴァーズ」が少々際立つ。
閃刀姫が収録されているため《閃刀起動-エンゲージ》で手札コストを賄いつつ使えということなのだろうか?
まさか【マジエク閃刀帝】用ということはないだろうし。


追記・修正は《魔法石の採掘》で回収しようとした《次元融合》を《D.D.クロウ》で除外された人にお願いします。



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最終更新:2024年02月17日 20:37

*1 06/03/01改定で制限カードに指定、08/03/01改定で準制限カードに緩和されたが、その後は7年半後の15/10/01改定まで規制解除されなかった。

*2 特定の種族のモンスターがフィールドにいるときに発動でき、相手の魔法・罠カードを1枚破壊する魔法カード。