コード(BORUTO)

登録日:2023/04/10 Mon 00:00:06
更新日:2024/03/21 Thu 20:29:58
所要時間:約 23 分で読めます






僕はコード

「大筒木」を崇拝し…彼らの大いなる意志を継ぐものだ




コードとは、漫画BORUTO‐ボルト‐』の登場人物。

CV:寺島惇太


◇概要

作中で暗躍する謎の組織「」に所属する内陣(インナー)の一人。
右の頬には内陣の証である「Ⅵ」の数字が刻まれている。

赤茶色の髪に緑色の目をした青年で、後頭部から額にかけて帯状の黒い装飾が斜めに巻かれている。
アニメ版では髪も瞳も赤茶色で頭部のベルトは銀色のデザインだったが、本格的に活躍する「コード襲来編」の開始にあたって漫画版と同じ配色に変更された。

内陣の中では若手のデルタや果心居士以上に若々しく、おそらく最年少である。
カワキとは同年代のようなので16~17歳といったところか。


◇人物

端的に言うなら大筒木信者
大筒木一族という種族に対して非常に強い信仰心を抱いており、特に大筒木イッシキのことはの如く崇めている。
故にジゲンカワキといったで後天的に大筒木となった者たちに対しては、憧憬だったり嫉妬だったりと様々な感情を見せている。

性格については用心深く慎重で、万全の準備を整えてから行動を起こすのが主義。
自身の能力で五里総出の捜査を撹乱したり、力不足を実感すれば有能な人物に協力を募りに行ったり即座に逃走したりと、自分の力量を客観視した的確な行動が取れる。
そのため、敵対した場合には捕らえたり倒したりするのにかなり苦労する。

一方で何かと天才が多いこの漫画の敵キャラにしては珍しく、作中で「特に頭のキレるタイプではない」と断言されている。
決してバカというわけではないのだが、慎重さの裏返しか土壇場のアクシデントに弱いきらいがあり、実際にやや短絡的な行動が目立つ。
本人も自覚している通り頭に血が上りやすく、こと大筒木絡みだとそれがより顕著になる。


◇能力

カワキと同様に大筒木イッシキの手で刻まれたがある。
コードの場合は「器」になれなかったのだが、拒絶反応で死ぬ事もなく楔の適合自体には成功し、武器としての機能のみが残るという極めて特殊な反応を引き起こした。
結果的に白き楔として宿り、その驚異的な反応はあのジゲンをも超える戦闘能力を発現させたという。

しかし崇拝するジゲンに報いるべく、殻のリーダーとしての支配力を揺るがせないために敢えて弱体化した。
殻の内陣は大半が身体能力を強化するための改造を施されているのだが、コードのみ逆に弱くなるための「制限(リミッター)」が搭載してあり、ジゲン以上の強さも大きく落とされている。
それでも内陣の中では強豪の方で、カワキはいけ好かない野郎としながらも「デルタやボロよりも格上」「自分ごときが敵うような相手じゃない」とその実力を高く評価している。
輪廻眼が健在だった頃のサスケとタイマンでかち合う事も想定して単独配置されたりと、ジゲンからの信頼はかなり厚い。

また、後述するもう一つの能力から何処にでも現れる神出鬼没の性質があり、その点においても厄介極まりない。


◇使用術

  • 白き楔
イッシキに刻まれた(カーマ)。カワキと同じく左手の掌に宿している。
発動すれば身体能力の向上に加えてイッシキの戦闘経験値が上乗せされ、戦闘能力が大幅に上昇する。
しかしあくまでも「武器としての側面」しか機能していないためか、時空間忍術といった大筒木特有の能力は使用できていない。
更には楔の基本能力であるはずのチャクラ吸収まで備わっていないなど、イレギュラーな存在であるが故の弊害も多い。
このため、コードの場合は単純なバフ感覚で発動している。

  • 科学忍具
他の内陣と同じく肉体の改造も行われている。
デルタやカワキのように両手を硬質化した鋭い形状に変形させ、攻撃力を高める事が可能。
しかし本命は弱体化のための措置「制限(リミッター)」にあり、コードの意志一つで解除する事はできない厳重なセキュリティが掛けられている。
解除する方法はただ一つ、改造を施した三途アマド本人がコードの瞳を見ながら専用のコマンドワード「ドレスコードはない」を唱えるという、虹彩と声紋による二重認証のみである。

  • 爪痕
コードのメインウェポンとも言える能力。
手で引っ掻く動作を発動条件として、血中の鉄分と自身のチャクラを混ぜた帯上の黒い暗器「爪痕(つめあと)」を形成し、名前の通り爪で裂いたような痕として任意の場所に設置できる。
頭部に付いているベルトのような物体もコレである。

爪痕から爪痕へは瞬時に行き来でき、一度訪れた場所にマーキングとして残しておけばいつでも出入りが可能。
戦闘時には対象の胸元に仕掛けて首を掻っ切ったり、地面に設置して咄嗟の回避や万が一の逃走に使用している。
また、一人ずつという縛りはあるが他人を引きずり込めるため、爪痕の向こう側にいる援軍を呼んだり逆に敵対勢力を自分の領域に拉致したりといった活用方法も見せている。
その他にも耳や口だけ出して遠距離の仲間と連絡を取り合ったりと、汎用性はかなり高い。

主な性能は扉間ミナトが使っていた「飛雷神の術」にも似ているが、最大の違いとして異空間の壁も越えられる
爪痕さえ残しておけば、たとえ大筒木一族の時空間忍術でしか来れないような場所でも移動できるわけである。
これによってコードは時空間忍術こそ使えないが、十尾が保管してある特殊領域への出入りを可能にしている。

その正体は大筒木シバイが生前宿していた神術の一つで、シバイのDNAをコードに移植した事で偶発的に発現した。
飛雷神の術と似た能力なのも、神術である爪痕の現象をあちらが忍術として再現したためと推測される。


◇劇中での活躍

の内陣の中でもボロと同等以上の猛者である事が示唆されてきたが、長らく出番はなかった。
ナルトサスケの共闘でジゲンが激しく消耗してからは、サスケの時空間忍術による侵入を警戒して十尾がいる異空間の警備に配置されたりしている。

やがてナルトらの奮闘によって大筒木イッシキが討たれた頃、コードは長いうたた寝から目覚めた。
掌にある白き楔を出来損ないと卑下し、「器」である事を享受しないカワキに恨み言を呟いていると…楔が勝手に展開されていき、内部より大筒木イッシキの魂が顕現する。
カワキとジゲンを含む全ての「器」が失われた事で行き場のなくなったその魂は、最後に楔を持ちながらも「器」として機能しなかったコードの元へと流れ着いたのだという。

降臨してくれた事を身に余る光栄としながらも、魂の容れ物には成れない自身の楔を呪うコードに対し、イッシキは星々の命を喰らい尽くしへと至る「大筒木の意志」を受け継がせようとする。
その第一歩として、肉体が大筒木化しているうずまきボルトかカワキのいずれか一方を十尾の生贄にして神樹を生やし、やがて実るチャクラの実を喰らってコード自身が新たな大筒木となる事を託したのだ。
元よりイッシキと大筒木を崇拝するコードが断る理由もなく、神樹に全てを吸わせる前にイッシキ殺しに加担した者達を始末しようとその名前を聞き出した後*1、行動を開始した。

全てを知る者との出会い

手始めに爪痕を各里の周辺地域にばらまきつつ各地に点在する殻のアジトへの転送装置も破壊して回り、やがて始まる自身への捜査を撹乱させるための先手を打った。
そしてある噂話を確かめるべく、雪の国の禁足地にあるボロの教団施設へと趣いた。

施設内で警備にあたる番兵を殺しながら顔なじみの老人・バグのいる部屋に辿り着いたコード。
雑談混じりにボロもジゲンも死んだ事を告げ、ジゲンに廃棄を命じられた改造人間がここで密かに保管してある事を看破し、その内の1体「この世の全てを知る者」エイダの元へと案内するようバグに頼んだ。

「やあ…エイダ」

「この世の全てを知る者よ……」

噂話に聞いていた改造人間の少女・エイダとカプセル越しでついに対面する。
バグの説明も早々にカプセルを破壊してエイダを無理やり覚醒させ、話を聞こうとするも無視されてしまう。
ならばとジゲンの命に沿って殺そうとするが…何故か身体が言う事を聞かない。

実はこの時点でエイダの能力「魅了」の術中に嵌まっており、無意識にエイダへと惹かれていた事で攻撃できなかったのだ。
今さっき殺しかけた態度は何処へやら、歯磨きに向かったエイダを待つ頃には「そっかぁ…女の子だもんなあ…」「バグどう思う?彼女…僕に気があるのかな?」「胸がどんどん高鳴ってくるよ」すっかりベタ惚れしていた
エイダから能力に関する説明ついでに崇拝するイッシキの死に様を嘲笑われても手を出さず*2、自分とイッシキの会話を把握している事から彼女の「この世の全てを知る」もう一つの能力「千里眼」が本物であると確信する。

コードは自身に掛けられた「制限」を解除しつつボルトを十尾の生贄とするため、千里眼の情報網でエイダに目となり耳となってもらう。
エイダは全人類が強制的に自分の虜となる中で普通の恋愛をするため、魅了が通じない「大筒木」のカワキをコードに連れてきてもらう。
互いの利害が一致した事で協力関係が成立し、ここに最凶タッグが誕生した。

「改めてよろしく…エイダ」

「よろしくねコード…頼りにしてるわ」

コード襲来

ターゲットとなるカワキもボルトもアマドも木ノ葉の里に籠もっている事で手が出せず、事が動き出すまでは施設内で潜伏の時を過ごした。
成り行きで解放されたエイダの弟にしてもう1体の改造人間・デイモンとも親睦を深めたり、互いの能力についての情報を交換し合ったりしていると、カワキが里を抜け出す光景をエイダの千里眼が捉えた。
この好機を逃すまいとするコードは、里周辺の樹木に予め設置していた爪痕より飛び出し、エイダの情報を頼りにカワキの元へと急接近していく。

少ししてついに接触し、カワキの反撃を一蹴しながら安全な里より脱してきた理由を問い質そうとする。
そこで返ってきた答えは「イッシキ殺しの原因である自分の命と引き換えに木ノ葉より手を引け」という意外なものだった。
だが、コードはそれをクソみたいな提案と一笑に付してカワキの腹に強烈な蹴りを見舞い、なおも食い下がられるとついには激昂して何度も痛め付けていく。

「いい加減にしろよお前……」

「仮にも大筒木イッシキの『正統な器』だったこの身体でさぁ…」


「地べたなんぞ這いつくばって情けねえ姿晒してんじゃあねえよ…!」


そして神樹生成という大目的と共に、カワキ以外を報復しようがしまいが全員死ぬ結果には何ら影響しない事実を突き付け、エイダの元へ連れ去ろうとする。
しかしそこへ間一髪でボルトが駆け付け、カワキの拉致を阻止されてしまう。

モモシキの「器」として大筒木化しているボルトへの尊敬の念を明かしながらも、元より十尾の餌にするつもりだったので生贄としての品質を確かめるべく戦闘を開始する。
を発動して何とか食らい付くボルトに対し、忍者の変幻自在な戦い方に面白さを感じる余裕を見せ、白い楔を展開してからは絶対的な格上として完全に圧倒し始める。
戦いの中でボルトに楔の真髄「大筒木の戦闘経験」を引き出すよう促しながら追い詰めていき、やがて正気を保ちながらモモシキの力を制御するというイレギュラーな状態を発現させた事で互角の戦いを演じ始める。

そんな戦いの最中、突然ボルトが苦しみ出したかと思うと大筒木モモシキの意識が顕現した。
先程とは打って変わって別次元の強さを発揮し始めたモモシキもといボルシキを相手に劣勢となり、コードはカワキを盾にしながらその場を去ろうとするも、超小型の螺旋丸「螺旋弾」を肩に受けてカワキから引き剥がされてしまう。
更にはナルトシカマルも増援に駆け付けるというカオス極まりない状況に陥るが、そんな修羅場を逆手に取ってシカマルを人質にしてナルトの動きを封じ込め、ボルシキとの一時的な協力でナルトを亡き者にしようとする。

しかしナルトが殺されそうになった事を引き金として、カワキの楔が復活するというまさかの事態が発生。
コードはシカマルを人質にしたまま静観していたが、イッシキの力を引き出したカワキはボルシキと互角以上に渡り合い、戦いの末にボルトごと殺害した

十尾の生贄にするはずだったボルトが死に、かと言ってカワキはエイダの「王子様」であって代わりの餌にする事など出来ない。
計画に大幅な狂いを生じさせたカワキに憤慨しながらも一時撤退を選択し、爪痕で教団施設に戻ろうとするが…なんとカワキの瞳術「少名毘古那」によって爪痕自体が移動不可能なサイズに縮小され、退路を断たれてしまう。

やむなく戦う事となったが、ボルシキと互角以上の強さを持つカワキが相手ではさしものコードも力及ばず、次第に追い詰められていく。
ついにトドメを刺されようという時、頭の爪痕に手を突っ込んで取り出したのは…「反射」の能力を持つエイダの弟・デイモン
エイダの胸で眠っていたところを無理やり引っ張り出し、カワキに強烈なカウンターを仕掛けて戦闘不能に持ち込んだのである。

はしゃぐデイモンをエイダの元に返すと、カワキとの実力差を痛感したコードは「制限(リミッター)」の解除により執着し、捨て台詞を残して今度こそ撤退した。

「返してもらうぞアマド…僕の真の力(・・・)を…」

コード再来

教団施設に戻った翌日、エイダの情報網より生贄にするはずだったボルトが蘇生し、更には楔のデータが全て解凍され完全な大筒木となった事を知る。
なるようになるものだと喜ぶコードだったが、昨日の一件もあってエイダからは冷淡な反応が返ってきた。
目の前にいながらボルトの殺害をみすみす許した事、弟のデイモンを許可なく利用した事、そのせいでカワキも危うく死にかけた事から大分呆れ果てていたのだ。
その上で、もしコードが真の力を解放してもなお無能だったり邪魔者になると判断した際には、姉弟揃って始末するのに何の躊躇いもない事を言い渡されてしまう。

仲間でも何でもない今の関係に寂しさを感じながらも、「制限」解除に向け昨晩の戦いで既に手は打ってあったため、行動に移した。
シカマルを人質とした際に爪痕をその首筋に仕掛けてあり、耳だけ出して周囲の状況を把握しつつ、密室でアマドと二人になったところを見計らって乱入。
シカマルを弾き飛ばして即座にアマドを拘束し、コマンドワードの入力を強要するが…

「オレの首筋に『爪痕』か…気付いてねェと思ったか…?」

そのような見え透いた罠に気付かないシカマルではなかった。
警備が手薄な状況でアマドに近付けば必ずコードが出てくると踏み、アマドの研究室に備えてあった改造人間・デルタの最新型を呼び起こしてコードへと差し向けたのである。
「殻の内陣」ではなく「木ノ葉を守る戦力」として設定変更されていたデルタの攻撃に動きを止められ、そこにシカマルの影真似による縛りも加わってついに観念するかと思われた。

そんな絶体絶命な危機の中、わずかに動かせた右腕でコードが爪痕よりたぐり寄せたのはエイダであった。
魅了の力でデルタもシカマルも無力化されたために拘束が解かれ、何とかピンチを乗り切る事に成功。
アマドへの尋問を再開し、神経が集中している箇所を爪で抉ってコマンドワードを引き出そうとする。

拷問によってアマドが口を割るのも時間の問題と思われた矢先、会話の中でエイダがカワキに好意を抱いていると知ったシカマルは、彼女に対してまさかの木ノ葉入りを提案する。
それは即ち自分からエイダが離れるという事であり、当然コードは反発するも突っぱねられてしまう。

どんどん拗れていく事態に苛立ちアマドへの拷問を過激化させるが、カワキの接近を千里眼で確認したエイダに直ぐ戻るよう言われたため、やむなくアマドを教団施設へと連れ去る事に。
去り際にシカマルも「報復リスト」に加える事を伝え、エイダと共に撤退した。

「制限」解除、そして

ついに逃げ場のなくなったアマドに観念するよう迫ると、無抵抗での解除と引き換えに命の保証を要求される。
プライドの無さを嘲りながら胸ぐらを掴んで解除を急かし、ついに…

「ドレス…コードは」

「ない」

アマドがコマンドワードを詠唱するのと同時にコードの全身から煙が吹き上がり、やがて晴れていくと共に白髪に赤い瞳を宿した神秘的な姿が露わになった。
課せられていた「制限」から解放され、ようやく白き楔の真髄たる力を取り戻したのである。

「イイね…誰にも負ける気がしないってのは」

真の力を手にした事で気分が高揚したコードは事前の約束を反故にし、拷問の痛みから解放してやるという名目でアマドを殺そうとする。

コードの攻撃が迫る中、アマドは咄嗟の機転でカワキの秘密についてエイダに話を振った。
所詮はハッタリであり時間稼ぎでしかないと断定するコードに対し、エイダは余計な口を挟まないよう命令した。
だがイッシキ殺しの報復対象としてあくまで譲る気はなく、殺害を強行しようとする。

次の瞬間、姉の一言でデイモンがコードの背に飛び乗って動きを封じ込めてきた。
反撃しようとしたところで「殺意」を反射され、頭部に切れ目が生じ始めたために爪痕で直ぐさま距離を取る。

エイダの忠告を無視した事に加えてデイモンへ殺意を持って攻撃しようとしたために、姉弟にとって最早コードは邪魔者であり始末対象になっていた。
自分に対して臨戦態勢のデイモンを宥めるよう頼むコードだったが、エイダからは自由の身にしてくれた事への感謝を前置きされた上で関係の終わりを告げられてしまう。
終いには自分を愛する気持ちが本物だろうと嘘だろうとまっぴらごめんとして、とうとう明確な拒絶までされた。

しかし、コードはこれを「エイダの騎士は二人もいらない、自分だけでいい」と解釈し、逆にデイモンを邪魔者として排除しに掛かろうとする。
そこへ厄介者同士の潰し合いを狙うバグから、デイモンの能力について「他の人間に触れている時だけ反射する」という発動条件も助言される。

反射の能力は非常に厄介かつ強力だが、種さえ割れてしまえば対処自体は可能である。
しかも真の力を取り戻したコードならば尚のこと。
白き楔を発動した全開状態で瞬時にデイモンの後へと回り込み、見事に首を掻っ切った






…はずだったのだが、その攻撃は空を切っていた。

「誰にも負ける気がしない」

「…とか何とかよォ…言ってたろお前」

気が付けば、デイモンがコードの背後を取っており…


「笑えたわアレ」



ド  
 ン
   ッ



「ィヤ─────ッハァ!!!」



ズ 


 ン



「がはッ」



なんとデイモンの一撃で頭から床にめり込み、続く胴体への飛び込みに吐血する程の大ダメージを負わされた

爪痕で天井へと移動してデイモンの死角から不意打ちを仕掛けていくが、それすらも瞬時に見切られまたしても手痛い蹴りをもらい、壁に叩きつけられてしまう。

…確かに「制限」を解除されてコードは強くなった。あのジゲン以上に。
九喇嘛輪廻眼の力を失う前からジゲンに圧倒されていた現在のナルトとサスケは目じゃない程にまでパワーアップした。
今ならばイッシキとモモシキの力を引き出しつつあるカワキにもボルトにも勝てるだろう。

だが、同じ「ジゲン以上」でもデイモンの想像を絶する強さには太刀打ちできなかった

短い攻防でコード自身も敵わないと悟ったのか、戦闘を早々に切り上げての逃走を選んだ。
爪痕でバグの側へ移動すると、エイダに向けてイッシキより受け継いだ「大筒木の意志」を語り、行く末はチャクラの実を喰らって大筒木となる事を改めて宣言する。
その時、魅了の影響を受け付けなくなった自分が果たしてエイダを愛したいのか、それとも殺したいのか…本当の気持ちに気付くだろう未来を予感させ、バグと共に去って行った。


場面は移り変わり、爪痕で移動した二人は何処かの砂漠地帯を歩いていた。
自分も巻き込まれた事にブツクサ文句を垂れるバグに一応は助けてやったつもりと返すコードだったが、ふとした「何でこんな事に」という愚痴に異常な反応を示していく。

「……カワキのせいだよ…… 全部 何もかも…」

振り返れば最初からそうだった。
自分には出来損ないの楔しか宿らなかった一方で、カワキは「器」としての資格を手にしていた。
その役割を放棄したのみならずイッシキを滅ぼし、今こうしてエイダさえも自分から離れていってしまった。
正統な「器」としての立場も、心の拠り所だったイッシキも、心から愛していたエイダも…大事なモノはいつもいつもカワキが持っていく。

そんな逆恨みに等しい憎悪を滾らせ、狂気を孕んだ瞳でカワキへの復讐を決意する。


「殺してやる」


「この手で必ず 全部壊してやる」


「あいつの大事なモノ ひとつ残らず」



「火影も」


「仲間も」



「木ノ葉の里も」



復讐に向けて

エイダの受け入れに向けて木ノ葉が奔走している頃、コードはバグを連れて十尾が隔離されている異空間に来ていた。
姉弟から切り捨てられ孤立した自分達の現状をバグに指摘されると、デイモンについては「相手が悪すぎたよ」、エイダについては「失恋のショックで結構参ってるんだぜ?」として、あれだけ踏んだり蹴ったりな目にあったにもかかわらず軽口を叩く余裕を見せた。
そして今の状況さえも順調と評し、木ノ葉を殲滅させるべく新たな力を造り上げようとしていた。

十尾に向けて両手をかざしたかと思うと、突然その表皮に大量の爪痕を展開し始めた。
「制限」を解除された事で一度に出せる爪痕の量が以前から桁違いに増えており、ついには十尾の巨体を覆い尽くしてしまう。
巨大なチャクラの塊という尾獣の本質を利用し、爪痕を媒介して十尾の分裂を図ったのである。

やがて十尾本体が縮むにつれて全身に巻き付いた爪痕の突起が伸び始め、それらは次々に千切れていくと人型の怪物として形成された。
個々が爪痕を装着しているそれらの怪物は爪痕で移動できる性質も備えており、巨体と膨大なチャクラを持つ十尾を小さくて便利な軍団に変換させ、姉弟を失い落ちた戦力を充実させる事に成功した。

後に「爪アカ」と名付けられた怪物達は、十尾の分裂が更に進められる事で1000体以上もの個体が量産された。
衣装も新調し、千里眼持ちのエイダが敵対している故にどうやっても奇襲にならない事を嘆きつつ、木ノ葉の里を壊滅させるその時をコードは虎視眈々とうかがっている…。


そんなこんなで襲撃に向けて異空間で待機していた頃、木ノ葉の里ではカワキの独断行動による騒動が勃発する。
それは神術「全能」によって人々の認識が改変される事態にまで発展し、結果的にカワキとボルトの立場が入れ替わる事になってしまった。

神術は力の強大さから世界全域に影響を及ぼす。
異空間にいるコードも当然例外ではなく、久々に再登場した頃には…


「…ジゲン……イッシキ……そしてエイダ……」

「僕の大切なモノを尽く奪い去った罪を……死をもって償ってもらうぞ……」

ボルト(・・・)




◇おもな人間関係

殻での上司にしてコードにとっての「」。
元は人間でありながら大筒木となれたジゲンには強い憧れを抱いており、同時にイッシキには強い信仰心も抱いている。
イッシキからしても、コードの事は「我が忠実なる愛しき僕」と少しくさいくらいの台詞で評価しており、人類を下等種と見下す中で例外的に一族の理念を託す事までしている。
かなり歪んだ関係ではあるが、互いに相当信頼していたようだ。

  • バグ
ボロの教団に属しているコードの顔なじみ。
コードには下手に出ながらも基本タメ口で接していて、忌憚のない意見も割とズバズバ言ってくる。
ジゲンやアマドといった中枢メンバーの存在も知っていたりと内陣でないにもかかわらず組織にやたら詳しく、アマドのフルネームが判明したのもバグの台詞からである。
更には改造人間の管理まで任されており、エイダとデイモンの能力も発動条件まで含めて詳細に把握している。
コードの来訪を切っ掛けとしてエイダにデイモンと散々な目に振り回されたが、何だかんだ生き残っている稀有なキャラ。

  • エイダ
この世の全てを知る者。
魅了の能力で心底惚れており、彼女の進言で最も殺したかったカワキを報復リストから除外したほど。
最初こそ頼られていたが徐々に関係悪化していき、カワキを巡る一件が決定打となって最終的には袂を分かった。
ちなみにコードについては、関係が悪くなる前から「どう見てもタイプじゃないでしょ」とハッキリ言われてしまっているので、どの道脈なしだったと思われる…。

  • デイモン
エイダの弟。
当初はコードに遊び相手として無茶ぶりしつつも何だかんだ気に入っていたのだが、姉の意志に反した事で邪魔者として始末しに掛かった。
真の力を取り戻したばかりのコードが完膚なきまでに敗北するシーンは、バグのみならず読者にも大きな衝撃を与えた。
姉への常軌を逸した執着を見てからは「メンヘラ野郎がよォ…!!」と罵倒している。

  • デルタ
殻の同僚。
彼女の単細胞っぷりは内陣の間でも有名だったらしく、里に単身突撃した件を振り返って「デルタのバカじゃあるまいし…」とさり気なくディスっていた。
後に設定変更された最新型としてコードの前に立ち塞がっている。

  • ボロ
殻の同僚。コードにとっては気のいい友人でもある。
「命令されればどうせ躊躇なく殺す」と言われても特に否定はしなかったが、コードは曲がりなりにも大筒木信者である。
そんな彼が半信半疑とはいえ、信仰するジゲンを脅かすような不正について報告しなかった辺り、少なからず情はあったのだろう。

イッシキ殺しの報復リストその1。
自分を差し置いてイッシキの「器」となれた事から元々激しく嫉妬しており、カワキが失踪した際には殻の内陣からも容疑者の一人として疑われたほど。
真っ先に殺したい候補だったにもかかわらずエイダの意向を汲んで当初はリストから外していたが、後に姉弟から追われた事でその扱いは反転。
イッシキを直接手に掛けた事に加えてエイダまで奪われたためにその嫉妬心は逆恨みとなって更に膨れ上がり、今度は自分がカワキの全てを奪うべく木ノ葉の里を滅ぼそうとしている。

  • 三途アマド
イッシキ殺しの報復リストその2。
内陣時代は科学忍具のメンテナンスを担当してもらっており、コードに「制限」の改造を設けたのもアマドである。
殻の頃からの付き合いのため、短気かつやりすぎるところがあるコードの性格も知っていた。
戦闘能力は皆無だが白き楔の力を解放できる唯一の人物だったため、教団施設に拉致されてコマンドワードを吐かされたが、咄嗟の策でエイダとの関係を決裂させる事に成功している。

イッシキ殺しの報復リストその3。
報復の優先度が低めなのか、リスト入りしている他の人物と比べるとあまり触れていないが、輪廻眼による時空間忍術が扱えた頃について「あの厄介なうちはサスケ」と述懐している。
殻のメンバー以外で十尾のいる異空間に出入り可能だったサスケの特異性がうかがえる発言である。

イッシキ殺しの報復リストその4。
重粒子モードでイッシキの残り少ない寿命を削り取った事もあってか、五人いる報復対象の中で最も重要な標的として扱っている。
エイダに見逃すよう言われても頑として譲らなかった程であり、モモシキとの共謀で一時は殺しかけている。

イッシキ殺しの報復リストその5。
直接この手で殺すつもりだった他の四人と異なり、ボルトに関してはモモシキの「器」であるため身体が大筒木化しており、十尾の餌にして神樹を生やすために利用するつもりだった。
大筒木を崇拝するコードにとっては尊敬の対象でもあり、ジゲンと同じように密かな憧れを抱いている。
故に生贄として捧げなければならない任務をあまりにも酷としながらも、あくまで十尾の餌として割り切っている。
全能によって認識を改変された後はカワキに向けていた逆恨みをボルトに滾らせており、ただでさえ的外れな憎悪を無関係な立場で受けるという理不尽極まりない目に遭っている。

イッシキ殺しの報復リスト番外編。
他の五人と異なりイッシキの殺害に直接関与していたわけではないのだが、アマドの接触に利用するつもりが一杯食わされた挙げ句に幾度も妨害されたため、シカマル本人の前で報復リスト入りを宣言した。


◇不幸体質?

イッシキの意志を受け継いだ新たなる脅威…というボスポジションのキャラクターなのだが、そのわりに情けない描写が多かったりカワキの方にフォーカスが当たって相対的に空気化したりと扱いが微妙に悪く、ややネタにされている。
というか作中でも「踏んだり蹴ったりじゃねえか」と言われてしまっている。以下はその例。

  • エイダの魅了に最速で填められてベタ惚れ
  • 信仰対象のイッシキを目の前で侮辱されても能力のせいで手出しできず
  • カワキに圧倒されやむを得ずチートなデイモンの力を借りる
  • 木ノ葉に侵入して早々デルタに土手っ腹を蹴られる
  • コード「エイダの騎士は僕だけだ」→エイダ「何言ってるの?キモイんだけど」
  • 真の力を取り戻した初の戦闘でボッコボコにのされ完敗する
  • アマド「木ノ葉の手持ちならコードごとき取るに足らん存在」
  • シカマル「イッシキ程ではないはずだから対処は十分できる」
  • アニメのキービジュアルが「コード襲来編」なのにボルト・カワキ・エイダの三人構成でハブられる
  • シカマルに爪痕を仕掛けてこれから…というところでアニメがシリーズ20年越しの休止期間に入りコードの活躍もお預け
  • 逆恨みの対象すら場外でカワキからボルトへとすり替えられる

こんな調子である。
あまりにあんまりな活躍から、一周回って逆に独特の存在感を放っているなんて声も挙がっているが…果たしてどうなる、コード。



追記・修正は本当の力を発揮した途端ボコボコにされた方にお願いします。

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最終更新:2024年03月21日 20:29

*1 アニメでは仇の名前を聞き出す下りはカットされている。

*2 アニメではジゲンへの侮辱に激昂した上で何故かエイダに手が出せない事に違和感を覚える下りが挟まれ、「魅了」の能力がより詳細に演出されている。