クロノモン(デジタルモンスター)

登録日:2023/04/12 Wed 12:34:09
更新日:2023/04/13 Thu 13:47:39
所要時間:約 12 分で読めます





『クロノモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。
NDSソフト『デジモンストーリー』のラスボス、及び隠しボスとして初登場を果たした。
また、『デジモンストーリー』シリーズ第二作である『サンバースト/ムーンライト』においても、黒幕から存在が(微妙にだが)言及された。







※以下、『デジモンストーリー』のネタバレを含みます。





【概要】

世代 究極体
タイプ
属性
必殺技 不明
“アンノウン-D”の名で、バッドテイマーズの陰で暗躍していたアルファモンが復活を画策していた伝説のデジモン。
最終ダンジョン「コア・フィールド」の最奥に封印されており、復活プラントからのエネルギーとバッドテイマーであるケインの思念を注ぎ込むことで復活を果たした。

その姿は、赤黒い体色をした人型の魔竜、といった風貌。
前腕は肥大化しており、そこと胸に黒い太陽のような意匠が見て取れる。
両腕を合わせて「スーパ~~~!!」とかは言わない。
また、両肩からは翼のようなものが生えているが用途は不明。
なお、この翼(仮)の先端部分は、上述した復活プラント(のポット部分)と形状が似ている。

名前の由来は、ギリシャ神話における時間の神「クロノス」。
しかし、クロノモンの状態では特に時間に関する能力や特性は確認できない。

必殺技は不明だが、作中では「ホーリーフレア」や「ダークバニッシュ」を始めとした多彩な技を使用してくる*1

なお、アルファモンは単に「伝説の、優れしデジモン」としか思っていなかったようだが、その実態はテイマーの精神によって在り方を変えるデジモン。
クラヴィスエンジェモン曰く「カレは 究極のチカラを持っているかわりに…ココロをもっていないんだ」
なので、ケインの、しかもアルファモンによって闇の部分を増幅され、邪悪に満ちた人格を写し取ったクロノモンは、悪魔の破壊神へと変貌を遂げた。
「俺はこのデジタルワールドを破壊し尽くすだけだぁ!!」
そのため、この形態は「クロノモン:デストロイモード*2」と呼ばれる。
まぁ、その前からケインが「…さぁ。クロノモンDM めざめて たちあがれ…」とか言っちゃってるけど。

世代は究極体と思われるが、恐らくは超究極体クラスの能力を備える。
その証拠に、作中では封印状態にも拘らず、アルファモンとクラヴィスエンジェモンの二体に深手を負わせる。

…が、主人公の活躍によってクロノモンDMは倒されるのであった。




そして…



ありがとう〇〇〇〇…
キミの おかげで ボクは…アンコクの チカラから ときはなたれて…
ただしい せいぎの ココロを もつ…しんの デジモンに なることが できたよー!

◆クロノモン:ホーリーモード

世代 究極体
タイプ
属性
必殺技 ホーリーフレア
聖なる浄化の力を持つ、光と炎を召喚する技。
得意技 クロノスクロップ
聖なる翼を振り回し、悪を一掃する技。
クロノモンの真の姿。
作中では、デストロイモードが倒された後に、主人公の心を写し取ったことでこの形態になることができた。

魔竜のようなデストロイモードとは異なり、垂纓(すいえい)の伸びた冠と袴を履いたような白い鳥人の姿をしている。
モチーフは恐らく神道における神主と神鶏。
背中の翼も大幣(おおぬさ)のような形状になっている。
また、デストロイモードから引き続き、胸と両腕に太陽の意匠が描かれている。
なお、パッと見で凄くふくよかに見えるが、これは巨大な翼椀を体の前で合わせているためで、実際は印象ほどおデブではない…はず。

なお、「デジモンストーリー ビジュアルアート画集」では以下のように解説されていた。
YMIRプロジェクトによってクロノデータといっしょに誕生した伝説のデジモン。
聖なる光のパワーで超進化した時のみホーリーモードになることができる。
ちなみに、YMIR(ユミル)プロジェクト」やら「クロノデータ」やらが、デジモンストーリー本編で解説されたことは一切ない!!


【関連種】

このクロノモンだが、デジモンストーリーシリーズで少しずつその進化系譜が明らかになっていった。
第二作『サンバースト/ムーンライト』で幼年期Ⅱであるチッチモンが、
第三作『ロストエボリューション』でヒョコモン~ブテンモンが追加され、育成可能枠になった。
なお、幼年期Ⅰは現時点では固有種は設定されていない。

◆チッチモン

世代 幼年期Ⅱ
タイプ
属性 なし
必殺技 プチホーリーフレア
ヒヨコのような姿をした小型の幼年期デジモン。
黄色い体毛の丸い体に、小さな羽とクチバシが付いている。
また、長く伸びた、髪の毛のようにも見える房が特徴。
音速丸ではない。

タイプは不明だが、ポロモン(ホークモンの幼年期Ⅱ)が「小鳥型」であることから、恐らくは同じと推測される。

今はまだ力も弱く実戦には不向きだが、既にその素質は進化後の将来の姿を予感させるという。
そうは見えないが…


◆ヒョコモン

世代 成長期
タイプ 雛鳥型
属性 ワクチン種
必殺技 唐竹割り
背負った刀を振り下ろして敵を切り裂く技。
秘剣ピヨピヨ斬り
チッチモンが進化した成長期デジモン。
剣の道を究めるべく修行の道を歩み出したヒヨッコ…もといヒヨコ侍。

当人は自信満々だが、まだまだ未熟で、体にタマゴの殻が付いていて、それが取れていない事にも気付いていない。
そもそも、チッチモンの時点で殻なんてついていなかったのに、どこから来たのか。


◆ブライモン

世代 成熟期
タイプ 鳥人型
属性 ワクチン種
必殺技 ツバメ二枚返し
二振りの刀で敵を素早く切り捨てる技。
チッチモンがさらに成長した姿。
人型の猛禽類といった風貌になり、大きく成長した翼の他に筋骨隆々とした二本の腕も手に入れた。
服装は浪人のような感じで、頭にも縁に大きく傷の入った浪人笠を被っている。
また、左右の腰に一振りずつ刀を差している。

武者修行の旅を続け、流浪の生活を行っているというが、剣の道を進む間にならず者…名前通りの無頼漢となってしまい、用心棒を請け負って暮らしているという。
報酬のためならどんな仕事でも引き受けるが、弱いものに対する優しさもまだ残っているという。


◆ブテンモン

世代 完全体
タイプ 神人型
属性 ワクチン種
必殺技 日輪の舞
大剣で日輪を描くように敵を薙ぎ払う技。
暁光一閃(ぎょうこういっせん)
敵に突撃し、輝く薙刀を突き立てる技。
ブライモンが更に進化し、剣の道を極めたことで一騎当千の無敵の侍となった姿。
鍬形付きの兜といった真っ赤な具足に身を包み、巨大な長柄の大剣(薙刀?)を手にしている。
翼も硬質化して(もしくは鎧に覆われて)おり、更にはマントまで身に着けている。
そういう意味ではアルファモンにもやや似ているか。
ちなみに、背中には更に振り子の刃のようなものも背負っているため、背面のボリュームが凄まじいことになっている。

見た目通り、その力も凄まじく、その一撃で大きな山すら打ち砕くと言われる。
しかし、強さを極めながらも、すべてを破壊するだけの戦いに虚しさを感じ、
剣の道でデジタルワールドを救うには限界があると思い始めている。
彼の進む道は、破壊者か、はたまた救済者か……。

なお、「ブテン」とは漢字で書くと恐らく「武天」であろうがこれに該当する単語は存在していない。、
単に字面の雰囲気で命名されたか、甲冑+翼ということで「(もののふ)」+「天狗」で「武天」であろうか。


【YMIRプロジェクトとクロノデータ】

さて…上で、“デジモンストーリー本編で解説されたことは一切ない”と書いたこれらの用語だが、実は、断片的にではあるが語られたことがある。
本編でやれよ…

●YMIRプロジェクト

CITYが構築される前に実施されていたプロジェクト。
その目的は、『デジモンに(人間のように)寿命を持たせること』で、それによって人間のように進化することを意図としていた。
クロノモンはその計画の一環として誕生したデジモンであり、ホーリーモードの誕生と共に「クロノデータ」が生成された。
だが、プロジェクトは後に中止されることになる。(恐らくはデストロイモードが誕生したためと思われる)

●クロノコア

クロノモン:デストロイモードが誕生した際に、クロノデータから発生したウイルスプログラム。
黒の結晶(くろのコア)とは関係ない。
『サンバースト/ムーンライト』の黒幕で、意思を持つウイルスである。一人称は「ワレラ」。
その最終目的は 本編には全く出てこないけど イグドラシルを倒し、デジタルワールドを書き換えること。
しかし、最終的には「デジタルワールドの破壊」に摩り替わっている。

また、他のデジモンへ憑依して操る能力を持ち、本編ではグリムモンや、CITYのリーダーであるカオスデュークモンやオファニモンを操った。
なお、クロノコアが憑依したグリムモンは『クロノ・ディストラクション』と呼ばれる必殺技を持ち、デジモンを退化させることができる*3
が、この力がグリムモン由来のもの(=故にカオスコアに目を付けられた)なのか、クロノコア由来のもの(であれば、唯一の「時」要素)なのかは不明。

なお、強大なパワー故にその受け皿にも相応の能力が要求されるようで、グリムモンでも最終的には耐えられなかった。
そして、クロノコアは「クロノモンさえいれば…」の言葉を残して消滅した。


【各作品でのクロノモン】

NDSソフト『デジモンストーリー』

上述通り、初登場作品にしてラスボス。

デストロイモード撃破後に、ホーリーモードの姿になるが、その時点では無理な復活の影響で体が限界に来ており、再び眠りにつく。
ED後に再度コアフィールドの最奥に向かうと、ホーリーモードのクロノモンとバトルができ、勝利するとスキャンデータを獲得できる。

世代は究極体。
セイ属性でテクニカルタイプ。特性は「ステータスバリア」。
進化も退化もできない点だけは注意が必要。


NSDソフト『デジモンストーリー サンバースト/ムーンライト』

上述したように「クロノコア」が本編の黒幕。
だが、クロノモン自体はまったくもって本編には絡まない。

クロノモン(ホーリーモード)は引き続き、育成可能枠の一体としては登場。
なお、デストロイモードは登場できなかった。
当然と言えば当然だが、アーマゲモンアポカリモンでも使役できるテイマーでも育成できないとは…。

また、チッチモンが追加され、「伝説のテイマーあらわる!!」*4のクエストクリア後にスキャンデータが入手可能。
チッチモン自体はトリ属性で、ペンモン、もしくはムーチョモンへ進化可能。

クロノモンHMはジョグレスによってのみ誕生させられる究極体。
組合せはスサノオモンヴァロドゥルモン
条件は「いずれかがLV88以上+友情100%」&「チッチモンを入手済」。
そのため、必然的に裏ボスクリアが条件となるようなもの。


NDSソフト『デジモンストーリー ロストエボリューション』

デジストシリーズの第三作。
失われた進化(ロストエボリューション)”の副題通り、前作で退化の力を奮ったクロノコアがまたまた暗躍を…


まったくしませんでした!!


クロノモン自体は全く本編に絡まなくなったが、上述したように幼年期~究極体までルートが定められた。
また、進化ツリーもやや拡大され、チッチモンからはファルコモン(~レイヴモン)や、ブライモンからはデジタマモンなどにもなれる。

クロノモンHMのプレート自体も入手はそこまで難しくなく、αはブテンモンから、βはレイヴモンから入手可能。
その上で、チッチモンを仲間にしたことがある状態*5で、「Lv50以上、攻撃力200以上、友情100」のブテンモンから進化可能。
世代は引き続き、究極体。

…なのだが、本作では「究極体2」の概念が登場し、オメガモン四聖獣などはそちらに分類された。
が、クロノモンHMはただの究極体ポジションであった…。
元隠しボスの威厳もなにもあったものではない。
せめて、ブテンモンとホーリーモードの間に「クロノモン:ノーマルモード」とかいてくれたらよかったのだが。

……デストロイモード?当然のように出てませんがなにか?


NDSソフト『デジモンストーリー 超クロスウォーズ レッド』

アニメ『クロスウォーズ』準拠ということで世代はなくなったが、ヒョコモン~クロノモンHMは続投。
クロノモンHMはブテンモン、タオモンシンドゥーラモンのデジフュージョンで登場させられる。

…が、能力自体は前作準拠のせいか、イマイチパッとしない有様であった。

なお、本作以降のデジストシリーズはプラットフォームが変わったこともあり、クロノモン(とその系譜)は忘れられていったのであった。
また、ゲームオリジナルということもあり、公式のデジモン図鑑でも触れられることもないまま、2023年にまで至った。





…が、

アニメ『デジモンゴーストゲーム

第63話「暴食」において、クオーツモンが保護していた幼年期デジモンの一体にチッチモンの姿が確認できた。
クロノモンの系譜では、これがアニメ初登場となる。



クロノモンの項目はYMIRプロジェクトによってクロノデータといっしょに誕生した伝説の項目。
wiki籠りの邪悪に満ちた人格の影響を受けるとデストロイモードへ進化する。
聖なる光のパワーで追記・修正した時のみ、ホーリーモードになることができる。

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最終更新:2023年04月13日 13:47

*1 他には「ポイゾンホール」、「ドレッドナイト」、「フィンガーボム」、「グールバインド」、「ウィンドブレード」、「コロナ」、「コールアヴェンジャー」、「プレイオブゴッド」、「パワーシンク」などが確認できる

*2 本項目内においては、既存のデジモンの例と合わせて、モードは“:”で区切るようにする

*3 真の能力はデジタルワールドのデータを劣化させ破壊することにあり、退化はその一環と思われる

*4 このクエストの最終戦の相手、コグレ(グレさん)もクロノモンHMを使用してくる

*5 本作では入手条件は無し