浮幽さくら(遊戯王OCG)

登録日:2023/05/05 Fri 10:30:44
更新日:2024/03/06 Wed 22:13:41
所要時間:約 3 分で読めます



【概要】

《浮幽さくら》とはカードゲーム遊戯王OCG」に登場するモンスターである。
初収録パックは『シャイニング・ビクトリーズ』で、妖怪少女シリーズの2枚目で闇属性担当。
レアリティは当然スーパーレア(シークレット仕様もあり)。

ツインテールで紫髪の白い着物を着た小柄な少女が、死神の様な大鎌を構えているとギャップのあるイラスト。
名前の元ネタは11月から1月に開花する桜の一種である「冬桜」と思われる。


【効果】

チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、
このカードを手札から捨てて発動できる。
自分のEXデッキのカード1枚を選んでお互いに確認する。
その後、相手のEXデッキを確認し、
選んだカードの同名カードがある場合、その相手の同名カードを全て除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。

自分のEXデッキから見せたカードを、相手のEXデッキから全て除外する。
相手のEXデッキのカードに直接干渉するという、妖怪少女の中どころか手札誘発の中でも異質な効果を持っている。
墓地送りじゃなく除外なため、再利用が難しく墓地へ送られた時に発動する効果を誘発してしまうなどの裏目も引きにくい。
妨害やフィニッシャー、展開を特定のEXデッキのモンスターに依存しているデッキには痛烈なまでに刺さり、場合によってはデッキとして機能不全に持っていくこともできる。

ただし、直接的にアドバンテージが取れず妖怪少女の中でも効果がかなりピーキーかつ、運用には相手及び環境のメタ読みが必要になるカードのため適当に採用するカードではない。
また、効果を使うためには自分のEXデッキにも除外したいカードを入れる必要があるため、仮想敵デッキAのあれとか仮想敵デッキBのあれも抜きたい……とかやってるとEXデッキの枠が《浮幽さくら》以外では使えないカードまみれとなり大きく圧迫されてしまう。
EXデッキのモンスターをあまり使わないデッキでは半分ぐらい《浮幽さくら》用のカードで埋めることも可能でありこの場合は使い勝手もかなり変わるが、基本的には仮想敵とするカードを1,2枚ぐらいに絞る必要がある。
総じて基本的には、サイドデッキ向けのメタカードの色が非常に強いカードと言える。
その性質上、《浮幽さくら》がメインデッキから多く採用されている場合、どの決闘者(デュエリスト)もEXデッキに同じカードばかりを採用していて《浮幽さくら》の対象が予測しやすいということになる。
……つまり特定のぶっ壊れテーマ又はカードが環境を席巻していることになるので、その時期は相当末期な暗黒環境ということになる。


【長所】

  • 基本的に対処が難しい
相手よりモンスターが少ないだけで発動できてしまうため、発動条件が非常に緩く相手が後攻の場合は飛んでくる可能性が高い。
前述の通り、除去される先が除外のため再利用も難しい。
喰らう前提で構築段階で別プランに移行できるようにしていない限りは、リカバリーが難しく《墓穴の指名者》などで直接無効にするしかない。

  • 恵まれたステータス
闇属性のアンデット族のためサポートに恵まれており、効果を使わずとも展開パーツとして活躍できる可能性がある。


【短所】

  • 汎用性が低い
言うまでもないが、EXデッキに限るとはいえOCGの膨大なカードプールの中で特定のカード1~15種類にしか対処できない。
枠を多く割けているなら主流のデッキを一通りカバーするくらいはできるだろうが、そうでないデッキに対しては全く使えないことが多い。
後述のような、どんなデッキにも入るような極端に汎用性の高いカードが蔓延っている場合は、とりあえずそれを潰しておくという択でなんとかなることもそこそこあるが。
また、「お互いのデッキから同名カードを除外する」性質から、汎用カード以外で効き目が出るのがミラーマッチに限られやすいのも難点。
一強環境なら除外対象には困りにくいが、二強以上の環境だと死に札になりやすい。

  • 特定のEXデッキのカード1種類に依存しきっていないデッキには効果が薄い
相手のEXデッキを完璧にメタっていたとしても、一度には1種類しか除外できない。
水晶機巧-ハリファイバー》を除外したら、《聖騎士の追想 イゾルデ》の方に行かれて結局展開されたと言った事も起こる。
どのデッキにも採用されるレベルの制圧型パワーカードの《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》や《D-HERO デストロイフェニックスガイ》などが蔓延る環境でそれらを除外したとしても、
これらは本来のメインギミックを喰いかねないぐらいのパワーがあるにもかかわらず簡単に出せてオマケ感覚で添えられることも少なくなく、他のモンスターは並べられてしまうため決定打という程にはなりにくい。
手札に被っていても1ターンに1度しか発動できないため、1度に複数の種類のモンスターを除外しきることは不可能。
あくまで、仮想敵の動きを考察しちゃんと致命打になるかを考えた上で採用しなければならない。

  • 「相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合」という発動条件
盤面のモンスターを1体以下で構えるデッキではない限りは、基本的に先攻の妨害では使いにくいと言っていい。
後攻ではほぼ発動できるが、融合主体のデッキは場のモンスターが空の状態から、いきなり融合される可能性もあるため間に合わないこともある。
基本的には緩い発動条件ではあるのだが、どうしても相手の行動に依存してしまう面があるのには注意したい。

  • EXデッキの枠をほぼ使えないカードで圧迫する
前述の通り。
1,2枠ぐらいなら作れるデッキなら少なくはないので仮想敵の何を狙うかを定めた上で運用したい。
それでもカツカツすぎて枠を作れないデッキの場合は、サイドデッキに《浮幽さくら》と見せるカードを入れておいて後攻時のサイドチェンジで先攻でしかほぼ使えないカードと入れ替えると言った運用をすることになる。

  • 運用し続けるには環境に合わせて出費を迫られることになる
ゲームのプレイ上では全く関係ない話。
《浮幽さくら》を運用する上では必ず相手のEXデッキのカードを1枚以上持っておく必要があるので、そのときの環境に合わせて常に買い足す必要がある。
それが、たとえ自分が組むデッキに(このカードのため以外で)一切入らないカードだとしてもである。
《ABC-ドラゴン・バスター》の様な入手が容易で全盛期ですら安かったカードならともかく、《SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス》の様な低封入で高騰していたカードの場合はサイフポイントに大ダメージを負うことになる。
性質上トップメタのカードを狙うことになるため、高騰しているケースは必然的に多い。


【余談】

幽鬼うさぎ》の時点ではシリーズ化する予定がなかったのかは不明だが、《浮幽さくら》以降のカードと相違点が多くこのカードから妖怪少女シリーズの方向性が定まったと思われる。
《浮幽さくら》以降は全て「アンデット族」「手札から捨てて発動(除外される場合でも発動できる)」「フィールドからは発動できない」となっている。
また、性別論争を呼んだ《幽鬼うさぎ》と比べると、明らかに女性に見えやすいイラストとなっている。

毎年2月に発売されるRARITY COLLECTIONシリーズなどでは他の妖怪少女シリーズと一緒に再録されやすく、2023年で登場から7年経つが再録回数は4回とやや多め。
一方ピーキーかつ環境のメタを読んで採用するようなカジュアルプレイ向きとは言い難い性能かつ使うには他のカードも必要となる性質のためか、ストラクチャーデッキなどには1回も再録されていない。
性能がピーキーかつ環境に大きく振られやすいせいか、妖怪少女シリーズの中ではシングル価格は安い方。

RARITY COLLECTION-PREMIUM GOLD EDITION-ではTCGで先行登場したイラスト違い版が収録された。


追記、修正は見せるためのEXデッキのカードを購入してからお願いします。

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最終更新:2024年03月06日 22:13