天岩戸(遊戯王OCG)

登録日:2023/08/05 Sat 18:27:23
更新日:2023/09/06 Wed 20:25:25
所要時間:約 3 分で読めます




天岩戸
スピリット・効果モンスター
星4/地属性/岩石族/攻1900/守1200
このカードは特殊召喚できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにスピリットモンスター以外のモンスターの効果を発動できない。
(2):このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを持ち主の手札に戻す。

《天岩戸》は、遊戯王OCGのカードである。

概要

このカードの目玉は、スピリット以外のモンスター効果を発動させない(1)の効果。
今日の殆どのデッキはスピリットを用いないため、事実上、全てのモンスター効果を発動させないと言っているのと大差ない。
強力なモンスター効果を多数発動してデッキの回転/制圧を計る動きをとるデッキが大半なため、高い影響力を持っている。
発動封じはフィールドに限らず墓地や手札にも影響するため、
手札誘発や《グレイブ・スクワーマー》など、フィールド外で発動するモンスター効果にも作用している。
そのためモンスター封殺の影響力は《スキルドレイン》を上回る。

しかし、スピリットモンスターであるため、召喚したターンのエンドフェイズに手札に戻る。
そしてスピリットモンスターなので特殊召喚は一切できず、相手ターンでフィールドに出すということは基本的に無理である。
なので、相手ターンでの行動を封殺するためには、この効果を無効化する方法が必要になる。

そして当然、自分もスピリット以外のモンスター効果を発動できないため、基本的には自分も碌に動けなくなってしまう
かといって回し終えた後に置くのでは妨害への妨害という役割を果たさず、そのままだとエンドフェイズに手札に戻るだけでほとんど働きがない。
どうしても召喚権を消費させられるのも痛い。

そのためこのカードを使用できるデッキは、以下の事例に限られる。
  • そもそもモンスター効果に頼らず、魔法・罠カード主体で戦うデッキ
  • スピリットモンスターを主軸にしたデッキ
  • 《天岩戸》に邪魔されずモンスターを使用できるデッキ
これらの条件を満たすデッキは多くないが、「相手に壊滅的被害を与えられる封殺能力の使用」という確かな見返りがある。

シングル戦が主体となるマスターデュエルではそのハメ性能が一部のデッキで遺憾なく発揮され、制限カードに指定されることとなった。

相性の良いカード/デッキ

  • 手札戻りを無効にするカード
相手ターン以降でもモンスター封じを活用するならば、何らかの方法で自己バウンスを止めないといけない。
スピリットのサポートカードであれば《木花咲弥》《八汰鏡》などがあるが、これらは他の用途に使用できないため専用のデッキでなければ事故のリスクを持つ。
より汎用的な《EM五虹の魔術師》《抹殺の指名者》《禁じられた聖杯》などで程々に無効化し、都合の良いタイミングで解除できれば理想的。
永続的に効果を発揮し続ける《発禁令》であれば、2枚目3枚目もサポートできる。

儀式とスピリットを融合させたデッキ。
スピリットモンスターをサポートするカードが手厚いのもそうだが、一番の強みは星8の霊魂鳥神。
霊魂鳥神にはレベル4以下のスピリットモンスターを「召喚条件を無視して特殊召喚」する効果がある。

この効果で《天岩戸》を特殊召喚できれば、その凶悪な封殺効果をいかんなく発揮できる。
またこれは特殊召喚であるため、召喚・リバースした時にしか発動できない(2)のデメリットを回避できる。

特殊召喚で展開を重ねるため、通常召喚権を《天岩戸》に割いても影響は小さい。
更に墓地アドバンテージを重んじる本デッキでは、《灰流うらら》などで止められてしまうと途端に動きが鈍るという欠点を持つ。
その欠点を克服する目的で《天岩戸》を召喚し、相手の手札誘発を阻止して安全な展開を可能にしている。

ビートダウンはおろかモンスターの展開そのものをほとんど行わないため、《天岩戸》の効果が邪魔にならない。
神碑融合モンスターの効果を使い終えた後に召喚すれば、自分もモンスターを封じられるというデメリットを無視できる。
これにより相手の妨害を片端から無力化して、我田引水のゲームを押し通すこともできる。

アラメシアの儀
通常魔法
​​このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず
​​このカードを発動するターン、自分は特殊召喚されたモンスター以外のフィールドのモンスターの効果を発動できない。
​​(1):自分フィールドに「勇者トークン」が存在しない場合に発動できる。
​​自分フィールドに「勇者トークン」(天使族・地・星4・攻/守2000)1体を特殊召喚する。
​​自分フィールドに「運命の旅路」が存在しない場合、
​​さらにデッキから「運命の旅路」1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く事ができる。

要となる《アラメシアの儀》の誓約を逆手にとり、《天岩戸》の(2)を止めてしまう事でフィールドに維持することができる。
ただし《聖殿の水遣い》や《流離のグリフォンライダー》といった自分のサポートカードの効果も封じてしまうので、召喚するタイミングには注意。

弱点

  • 魔法・罠カード
あくまで封殺できるのはモンスター効果の発動だけなので、魔法罠カードの発動は普通に素通ししてしまう。
ライトニング・ストーム》などの「カテゴリに属さない」カードの場合はサーチ手段に欠けているため、相手にとっても安定しない方法ではあるのが幸いか。
神の宣告》などで隙を消しておくと、より場持ちをよくできる。

  • 発動を伴わないモンスター効果
《天岩戸》があればモンスター効果の発動はできなくなるが、発動を伴わないプレイは無効にしない。
具体的には通常召喚・チェーンブロックを作らない特殊召喚・発動を伴わない永続効果が該当する。

特に《ダイナレスラー・パンクラトプス》の特殊召喚+戦闘破壊、各種壊獣によるリリースが脅威。

  • スピリットモンスター
稀な話ではあるが、スピリットモンスターを使用する相手の場合は封殺効果が意味をなさない。
《月読命》で裏守備に寝かせられる、《霊魂鳥-伝鳩》で手札バウンスを食らう、打点強化した《霊魂鳥-忍鴉》に戦闘破壊される等あっさり無力化されてしまう。


デュエルリンクス

スマートフォンアプリ「遊戯王デュエルリンクス」にも本カードは初期から実装されている。
やはりその封殺能力は健在であり、デュエルリンクス独自のルール「スキル」を駆使した戦略とも縁が深い。

最初の注目は「デュエルスタンバイ」。
単にお互いの手札を増やすだけの内容だったが、これが手札枚数を参照する効果ダメージカードと組み合わせた運用が広まる。
それを受けて、以下の内容に変更となった。
お互いに初期手札が1枚増える。
最初の自分のターン、自分は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。

お察しいただいた通り、このスキルのデメリットを逆手に取り、《天岩戸》の(2)を発動させずフィールドに維持する運動が発覚。
後は普通に(1)の効果で相手を黙らせ勝ちを掴むだけ。
非常に強力であったため、2019年11月27日付で「モンスターの召喚ができない」が追加され、この方法は廃止された。

その次の注目は榊遊矢の「スマイル・ワールド」実装。
これもまたデメリットを逆手に取り、天岩戸を維持する制圧方法として注目を集めた。
デッキ外から「スマイル・ワールド」1枚を手札に加える。
このスキルを使用した場合、次の相手ターン終了時まで自分が発動及び効果の発動が可能なカードは「スマイル」魔法・罠カードのみとなる。
このスキルはデュエル中1度しか発動できない。

しかしこの頃には初期と比較してカードプールも充実しており、つまり対抗策が様々出てきている。
またこのスキルは「デュエルスタンバイ」と異なり、相手ターンの終了時までデメリットが継続する。
これはつまり速攻魔法や罠カードで《天岩戸》を守ることができないという意味である。
相手が《天岩戸》一枚で黙るデッキなら無問題だが、その前提は都合が良すぎることもあり、こちらの運用はそこそこ止まりとなっている。


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最終更新:2023年09月06日 20:25