霊魂(遊戯王OCG)

登録日:2019/06/08 Sat 19:39:55
更新日:2023/09/08 Fri 10:00:54
所要時間:約 24分で読めます




霊魂(エスプリット)とは遊戯王OCGに登場するカード群の一つである。


概要

遊戯王OCG9期問題児を輩出した悪名高きパックである「レイジング・テンペスト」にて初登場。
風属性鳥獣族で統一されたOCGオリジナルのカード群となっている。
特徴としては、なんと属するモンスターが全てスピリットモンスターであり、儀式召喚を主体とすると言う一風変わったカード群である。
2期でスピリットが登場して以来、これまで様々なスピリットモンスターが出て来たものの、実は所属するモンスターがスピリットモンスターで統一されたカード群としては「霊魂」が初めてとなる。
実は「霊魂」を指定するサポートカードがない、いわゆる「シリーズカード」である。
属するのは☆4の「霊魂鳥(エスプリット・バード)」と「霊魂鳥影(エスプリット・シェード)」、☆8の「霊魂鳥神(エスプリット・ロード)」の3種類だけなのでこの項目名の様に便宜上、共通部分である「霊魂(エスプリット)」と呼称・表記される事が多い。

潤沢な儀式サポート・スピリットサポートと共に「霊魂鳥」で足場を固めて儀式召喚の準備を整え、「霊魂鳥影」でデッキを回して「霊魂鳥神」で場を制圧すると言うシンプルかつ高速化した環境に逆行するかの様なスピリットらしい戦術を得意とする。

…筈だったのだろうが、
儀式モンスターの「霊魂鳥影」と「霊魂鳥神」は確かに強いのだが、
肝心要の「霊魂鳥」達の効果がどれもこれも効果がスピリットの特性と噛み合ってないので単体では使いにくく、
前述の通り「霊魂鳥神」はおろか「霊魂鳥」、「霊魂」すら指定したサポート効果も持たず、
挙げ句の果てには儀式召喚をサポートする効果すら持ってないので、
ぶっちゃけ【霊魂】を組むと真っ先に「霊魂鳥」が抜け、儀式セットを核として儀式サポート・スピリットサポート・その他等で補強した【霊魂】となるのである。
…メインデッキの連中が役立たずでエースが出張るとかまるでどこかの世界の連中の様である…



所属カード




霊魂鳥(エスプリット・バード)

前述の通り☆4で統一されている。頭部が鳥の所謂鳥人間の様な見た目をしている。
3体とも大して役に立たないがスピリットモンスターをサポートする効果を持っている。
ぶっちゃけ2期のスピリット出初めの頃にいてもなんら違和感のない連中である。


《霊魂鳥-忍鴉(しのびがらす)

スピリット・効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻 0/守 0
このカードは特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行う ダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、
手札からスピリットモンスター1体を捨てて発動できる。
このカードの攻撃力・守備力はバトルフェイズ終了時まで、
捨てたモンスターの攻撃力・守備力のそれぞれの数値分アップする。
(2):このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを持ち主の手札に戻す。

手札からスピリットモンスターを捨てる事でそのその攻守を得る忍者な鴉。
最高で3000もの攻撃力で殴れるが、
特殊召喚が出来ない上に墓地活用も難しいスピリットを墓地へ送る意義が薄く、また1ターン限りの使い捨てなので正直割に合わない点が多い。
この手のコンバット・トリック持ちのモンスターが得意とする「攻撃して来た相手を返り討ちにする」(また、それを意識させて攻撃を躊躇させる)と言う長所も、スピリットのデメリットで相手ターンが来る前に帰ってしまうので全く意味がない
厄介なモンスターの処理にしてもバウンスが出来る《羅刹》や、かつて制限指定を受けた《月読命》辺りで対応出来る事も多いのが辛い。
戦闘破壊を狙おうにも、元々の攻撃力が0というのが非常にダメな所で、下級をコストに使うならその下級で殴ればいいという話になってしまう。
最大攻撃力が3000と《霊魂鳥神-彦孔雀》と同値なので《霊魂鳥神-彦孔雀》で戦闘破壊出来ない奴は《霊魂鳥-忍鴉》でも倒せない有様である。
更に【霊魂】と相性の良いカードに「高打点」かつ「効果で処理出来ない厄介なモンスターの処理」が得意な連中がいるのも…(後述)


《霊魂鳥-巫鶴(かんなぎつる)

スピリット・効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1500/守1500
このカードは特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、このカードがモンスターゾーンに存在し、
このカード以外のスピリットモンスターが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
(2):このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを持ち主の手札に戻す。

スピリットモンスターが召喚される度にドロー出来る、所謂「置きドロー」の巫女な鶴。
…ちょっと待ってほしい。

「特殊召喚出来ず、召喚・リバースしたターン中に手札に戻るスピリットモンスター」である《霊魂鳥-巫鶴》が
「場に表側でいる状態」で
「新しくスピリットモンスターを出す」

…まるで意味が分からんぞ?!
「スピリットモンスターは2体以上並べにくい」と言う性質と「置きドロー」である《霊魂鳥-巫鶴》との相性は最悪であり、
《霊魂鳥-巫鶴》に《八咫鏡》を装備させたり《伊弉凪》を出したりして場に維持させたり、《二重召喚》等で召喚権を増やしたりと言った遠回りなやり方をしないと効果が発動出来ないと言う酷い有様になってしまっている。そこまでやって1ドローでは割に合わない。
使うのであれば特殊召喚モンスターの《大和神》や後述する儀式モンスターの「霊魂鳥神」と組み合わせて使いたい。
特に「霊魂鳥神」らの儀式召喚時に発動する効果と《霊魂鳥-巫鶴》のドロー効果は同時に発動する為、
  • チェーン1:「霊魂鳥神」→チェーン2:《霊魂鳥-巫鶴》
とチェーンを組む事で、《霊魂鳥-巫鶴》の効果が間にある為に「霊魂鳥神」の効果発動にチェーンして無効化を出来なくさせると言う使い方も可能。
なので他2体よりは採用価値はある方。


《霊魂鳥-伝鳩(つたえばと)

スピリット・効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1000/守1800
このカードは特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、このカード以外の
フィールドのスピリットモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
(2):このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを持ち主の手札に戻す。

他のスピリットモンスターを手札に戻せる伝書鳩。
…だからスピリットモンスターは並べにくいとあれほど(ry
確かに「召喚・リバースした時に」効果を発動するスピリットは多く、それを回収出来るのは強いが、まず《霊魂鳥-伝鳩》と召喚権を取り合ってしまうので場に並べにくい。
《和魂》から出せば《和魂》を回収出来るが、普通に《霊魂鳥-伝鳩》を出したのと変わらないのでだからどうしたと言うレベルである。
第一、大体のスピリットは放っておいてもそのまま手札に帰って来るので余計なお世話である。
相手モンスターをバウンスするにしても、相手もスピリットを使うとは限らない。
《河伯》を使えば相手モンスターをスピリットに出来るが、《霊魂鳥-伝鳩》と並べにくい上にスピリット化した相手のモンスターは《霊魂鳥-伝鳩》を使うまでもなくエンドフェイズにバウンスされる。
基本的な話からしてスピリットは召喚されたターンのエンドフェイズに手札に返るため、相手が使ってきたとしたとしても自分ターンにもフィールドにいるのは稀。
せいぜいヴェーラーなどを使って、エンドフェイズに戻る効果が無効化された時ぐらいである。
そもそも相手モンスターをただバウンスするだけなら《霊魂鳥神-彦孔雀》や《羅刹》がいると言う有様。
製作者はスピリットの事知らないんじゃないかと言われるぐらいには一体どういう場面を想定して作ったのかよくわからない効果である。


霊魂鳥神(エスプリット・ロード)

前述の通り、☆8の儀式モンスター達。こちらは完全な人型モンスター。
名前の元ネタは「彦星と織姫」と思われる。
初の儀式モンスターとスピリットモンスターを兼ね添えたモンスターであり、
地味に「鳥獣族初の儀式モンスター」、「風属性初の儀式モンスター*1」でもある。どれだけ儀式が放置されてたかが良く分かる。

2体とも以下の共通効果を持つ。
「霊魂の降神」により降臨。
このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが儀式召喚に成功した場合に発動できる。
相手フィールドの(モンスターor魔法・罠)を3枚まで選んで持ち主の(手札orデッキ)に戻す。
その後、(手札orデッキ)からレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。
(2):このカードが特殊召喚したターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを持ち主の手札に戻し、 自分フィールドに「霊魂鳥トークン」(鳥獣族・風・星4・攻/守1500)2体を特殊召喚する。

なんと手札に帰る時にトークンを産む効果に加えて相手の場の特定のカードを3枚までバウンス+下級スピリットモンスターを無理矢理特殊召喚すると言う強烈な効果を持つ。

また、「霊魂鳥神」の効果で呼び出されたスピリットモンスターは召喚・リバースした訳ではないので手札に帰らない。よって上述のポンコツ「霊魂鳥」3体や「効果は強いが場持ちに難がある」と言ったスピリットが使いやすくなる。
一方で特殊召喚である為、「召喚・リバースした時」に効果が発動するスピリットとは噛み合わない。
また、バウンスとスピリット呼び出し効果は同時に発動する扱いではないので、何もバウンス出来なかった時にはスピリットを呼び出せない点にも注意。

トークン生成効果も、スピリット特有の弱点である「場持ちが悪く、下手をすればガラ空きのまま相手にターンを回してしまう」をカバーしつつ、
あわよくば相手が処理出来なかったトークンを新たなリリース元にして「霊魂鳥神」を呼ぶ事も可能。
勿論、儀式以外の各種召喚法の素材にする事も可能。

さり気なく「鳥獣族・☆8」なので守護神ーネフティスのサーチに対応している。
枠が厳しいが向こうも儀式主体なので「霊魂鳥神」と《霊魂の降神》のセットを出張させる事も可能。


《霊魂鳥神-姫孔雀》

儀式・スピリット・効果モンスター
星8/風属性/鳥獣族/攻2500/守3000
「霊魂の降神」により降臨。
このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが儀式召喚に成功した場合に発動できる。
相手フィールドの魔法・罠カードを3枚まで選んで持ち主のデッキに戻す。
その後、デッキからレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。
(2):共通効果(2)

「霊魂鳥神」の「織姫」の方。
固有効果は相手の魔法・罠をデッキバウンスしてスピリットをリクルート。
リクルート効果は強いものの、召喚反応系罠を踏みやすくなる点には要注意。
その性質上ペンデュラムモンスターに対しては致命的なメタとして作用する。
対象耐性でも破壊耐性でもペンデュラムカードの除去を阻止できず、後述の《天岩戸》で返しのターンの対抗策すら潰されてしまうからである。


《霊魂鳥神-彦孔雀》

儀式・スピリット・効果モンスター
星8/風属性/鳥獣族/攻3000/守2500
「霊魂の降神」により降臨。
このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが儀式召喚に成功した場合に発動できる。
相手フィールドのモンスターを3体まで選んで持ち主の手札に戻す。
その後、手札からレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。
(2):共通効果(2)

「霊魂鳥神」の「彦星」の方。
固有効果は相手モンスターを手札へバウンスして手札からスピリットを強制特殊召喚。
手札消費は荒いものの、一気に3体までモンスターを退かせるので並べたスピリットと一緒にダイレクトアタックを決めやすい。
ただし、手札に戻らないEXデッキのモンスターやトークンのみを選択した場合、手札からスピリットを特殊召喚出来ないので要注意。


霊魂鳥影(エスプリット・シェード)

AGE OF OVERLORDにて遅れて登場した☆4の儀式モンスター達。「霊魂鳥神」達の幼少期の様な姿をしている。

2体とも以下の共通効果を持つ。
「霊魂の降神」により降臨。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのカード名は、手札・フィールドに存在する限り(「霊魂鳥神-姫孔雀」or「霊魂鳥神-彦孔雀」)として扱う。
(2):(固有効果)
(3):このカードが除外された次のターンのスタンバイフェイズに発動する。
除外状態のこのカードを特殊召喚する。
(4):このカードが特殊召喚したターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを手札に戻す。

儀式魔法で儀式召喚するモンスターの名前が記されている関係で、手札・場にいる間は成長後と同名カードとして扱う効果を持っている。デッキにいても同名カードとして扱える方が良かったとか言ってはいけない。

成長後と違い手札に戻る際にトークンを生まないものの、その代わりに除外されたら次のターンのスタンバイフェイズに自力で帰還する効果を持っているのが特徴。
一度儀式召喚しているのなら、後述する儀式魔法のコストで除外しても帰ってくるため非常に使いやすい。


《霊魂鳥影-姫孔雀》

儀式・スピリット・効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1500/守2000
「霊魂の降神」により降臨。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのカード名は、手札・フィールドに存在する限り「霊魂鳥神-姫孔雀」として扱う。
(2):このカードが儀式召喚した場合に発動できる。
効果テキストに「スピリットモンスター」と記された魔法・罠カード1枚をデッキから手札に加える。
共通効果(3)、(4)

幼い頃の《霊魂鳥神-姫孔雀》。
儀式召喚時に効果テキストに「スピリットモンスター」と記された魔法・罠カードと言う、中々類を見ない指定のサーチ効果を持つ。
サーチ範囲は一見広そうに見えるが、登場時点でも11種類と少なく、「霊魂」関係のカードを除くと《草薙剣》の様にカードパワーが物足りない物しかないため、実質的に「霊魂」関係カードのサーチと言える。
それでも後述する《星逢の神籬》と言った「霊魂」の名前を持たないが強力なカードにアクセス可能なためデッキの要となるカード。


《霊魂鳥影-彦孔雀》

儀式・スピリット・効果モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻2000/守1500
「霊魂の降神」により降臨。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのカード名は、手札・フィールドに存在する限り「霊魂鳥神-彦孔雀」として扱う。
(2):儀式召喚したこのカードをリリースして発動できる。
デッキからスピリットモンスター1体と儀式魔法カード1枚を手札に加える。
共通効果(3)、(4)

幼い頃の《霊魂鳥神-彦孔雀》。
儀式召喚時に自身をリリースする事でスピリットモンスターと儀式魔法を1枚ずつサーチする効果を持つ。
自身と引き換えになるものの儀式魔法と「霊魂鳥神」をまとめてサーチできる上に、専用儀式魔法が墓地からもリリースコストを確保できるため「霊魂鳥神」の降臨に繋げやすいのが特徴。



魔法カード

「霊魂鳥神」の儀式魔法とスピリットサポートの3枚のみとかなり少なめ。


霊魂の降神(エスプリット・コーリング)

儀式魔法
「霊魂鳥神-姫孔雀」「霊魂鳥神-彦孔雀」の降臨に必要。
(1):レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、
自分の手札・フィールドのモンスターをリリース、
またはリリースの代わりに自分の墓地のスピリットモンスターを除外し、
手札から「霊魂鳥神-姫孔雀」または「霊魂鳥神-彦孔雀」を儀式召喚する。

「霊魂鳥神」専用の儀式魔法。
2体ともちゃんと名称指定しているので《儀式の下準備》に対応。
墓地のスピリットモンスターをリリースの代用に出来るので「霊魂鳥神」なら1枚で2回分のリリース元になる。
しかし、除外したスピリットを戻す手段は限られている上に、そもそも「霊魂鳥神」を儀式召喚する為のカードなのであくまで「霊魂鳥神」を除外するのは代用手段にしたい。
また、「霊魂鳥神」はエンドフェイズに手札に戻るので繰り返し儀式召喚する事になるが、このカードは戻らないのでサーチ・サルベージ手段は確保しておきたい。


霊魂の拠所(エスプリット・パワースポット)

永続魔法
「霊魂の拠所」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのスピリットモンスターの攻撃力・守備力は500アップする。
(2):自分フィールドの表側表示の風属性モンスターが自分の手札に戻った場合に発動できる。
デッキからスピリットモンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。

スピリットモンスターをパンプアップする永続魔法。
1ターンに1度、風属性モンスターが手札に戻った時にスピリットモンスターor儀式魔法をサーチする効果もある。
「霊魂鳥神」が手札に戻った時に次の《霊魂の降神》をサーチ出来るので次のターンで再度儀式召喚を執り行える。
スピリットモンスターのサーチも行えるので《荒魂》でサーチ、《和魂》で展開補助を狙うと言った準備も可能。
長らくこのカード自身のサーチ手段に乏しかったが、このカードをサーチできる《霊魂鳥影ー姫孔雀》の登場で使いやすくなった。


星逢(ほしあい)神籬(ひもろぎ)

フィールド魔法
(1):1ターンに1度、発動できる。
自分フィールドのスピリットモンスター及び「霊魂鳥トークン」の中から、
レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるようにリリースし、
デッキから風属性の儀式モンスター1体を儀式召喚する。
(2):1ターンに2度まで、自分フィールドの表側表示の風属性モンスターが自分の手札に戻った場合、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分の墓地・除外状態の、スピリットモンスター1体か儀式魔法カード1枚を手札に加える。
●デッキから「星逢の天河」1枚を自分フィールドにセットする。

AGE OF OVERLORDにて登場の、「霊魂」の名前を持たないが霊魂鳥トークンを指定するため実質的に「霊魂」カードと言えるフィールド魔法。

リリースコストは場のスピリットor霊魂鳥トークンに限定されているものの、デッキから風属性の儀式モンスターを儀式召喚する強力なカード。
「霊魂鳥神」及び「霊魂鳥影」はどちらも対象内なので事故率がかなり軽減される。

更に風属性モンスターが手札に戻る度に、2回まで墓地・除外ゾーンからスピリットモンスターか儀式魔法の回収orデッキから《星逢の天河》のセットが可能。
消費が激しい割に場を開けてしまいがちな「霊魂鳥神」の弱点をカバーしつつ、アドバンテージを稼いで相手ターンに備える事が可能になり、より安定して戦える様になった。

ちなみにこれのイラストに描かれている舞台は風属性の汎用儀式魔法「褒誉の息吹」の場所。

罠カード

「霊魂」の名前を持つカードは《霊魂の円環(エスプリット・ヒーリング)》の1種類のみ。層が薄いとか言うレベルじゃない


霊魂の円環(エスプリット・ヒーリング)

永続罠
「霊魂の円環」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在し、
自分フィールドの表側表示のスピリットモンスターが自分の手札に戻った場合、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):相手モンスターの攻撃宣言時に自分の墓地のスピリットモンスター1体を除外して発動できる。
その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する。

スピリットモンスターが手札に戻った時に相手のカードを破壊、墓地のスピリットを除外して相手の攻撃を無効化してバトルフェイズを強制終了させる永続罠。
「霊魂鳥神」が手札に帰るのをトリガーに相手のカードを破壊し、
生成されたトークンを相手の攻撃から守って次の儀式召喚のリリース元に活用したり出来る。
「霊魂鳥神」の効果で相手のカードを3枚までバウンス出来るので追加で1枚破壊は若干オーバーキル気味でもあるが。
また、墓地のスピリットを除外するコストは《霊魂の降神》のリリース代用と競合してしまうので注意したい。
こちらもサーチ手段に乏しく、また罠カード故に遅いのが難点。


《星逢の天河》

通常罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札の儀式モンスター1体を相手に見せて発動できる。
そのモンスターとはカード名が異なり、レベルが同じ儀式モンスター1体をデッキから手札に加える。
(2):墓地のこのカードを除外し、手札から儀式魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。
この効果は、その儀式魔法カード発動時の儀式召喚する効果と同じになる。

DARKWING BLASTにて登場したカード。イラストでは《霊魂鳥神ー姫孔雀》と《霊魂鳥神ー彦孔雀》が互いに手を伸ばし合っている。
当時はイラスト繋がりでしかなく、一応【霊魂】でも使えなくはない程度のカードだったが、《星逢の神籬》の効果でセット出来る様になったため、1年越しで明確な繋がりが出来た珍しいカード。

手札の儀式モンスターとカード名が別でレベルが同じカードをサーチし、墓地から除外し手札の儀式魔法を捨てる事でその効果をコピー出来る通常罠。

姫孔雀か彦孔雀を公開してもう一方を手札に加え、墓地効果で《霊魂の降神》を捨てて相手ターンにどちらかを儀式召喚してバウンスを決めて妨害が可能。
特にAGE OF OVERLORD以降は適当なスピリットモンスターが場にいる状態でそれを残したまま《霊魂鳥影ー姫孔雀》を儀式召喚する事で
  1. 《霊魂鳥影ー姫孔雀》の効果で《星逢の神籬》サーチ
  2. 《星逢の神籬》を発動し効果発動、スピリットモンスターをリリースして《霊魂鳥影ー彦孔雀》をデッキから儀式召喚
  3. 《霊魂鳥影ー彦孔雀》の効果発動、リリースして「霊魂鳥神」と《霊魂の降神》をサーチ
  4. エンドフェイズに《霊魂鳥影ー姫孔雀》が手札にセルフバウンス、それをトリガーに《星逢の神籬》の効果発動、デッキより《星逢の天河》をセット
と、非常に簡単に構えられる様になったため先攻の動きに乏しかった【霊魂】の弱点をカバーできる様になった。



相性の良いカード


これまでになかった「スピリット+儀式召喚」の組み合わせであるが、
基本は必須となる《霊魂鳥神-彦孔雀》《霊魂鳥神-姫孔雀》《霊魂の降神》の3種を核に儀式召喚サポートを組み込み、仕上げに相性の良いカードで肉付けすればいい為、デッキの自由度自体はそこまで低くない。


壊獣」・《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム

相手モンスターを食べて相手の場に現れる連中。
《霊魂鳥神-彦孔雀》のバウンスで処理出来ない厄介なモンスターをリリースして退かす。
→《霊魂鳥神-彦孔雀》を儀式召喚し、バウンスで彼等を回収。
と言う自作自演の物の怪退治が可能となる。
彼等の使い回しは勿論の事、
「壊獣」の場合は自分の場にも出す事で場がガラ空きになるのを防げ、《妨げられた壊獣の眠り》で場をリセットしつつ展開して、高レベルの為に「霊魂鳥神」のリリース元にも転用出来る。
主に採用される「壊獣」は「霊魂鳥神」と同じ☆8の《怒炎壊獣ドゴラン》・《海亀壊獣ガメシエル》・《怪粉壊獣ガダーラ》辺り。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》は共有出来るサポートは少ないものの、一度に2体処理出来る強みがある。

シムルグ

10年以上の歳月を経てカテゴリ化を果たした鳥獣族カテゴリ。
「霊魂鳥神」は手札に戻る時に鳥獣族・風属性トークンを生み出す為、《始祖神鳥シムルグ》・《ダークネス・シムルグ》・《烈風の覇者シムルグ》の召喚や効果のコストに使いやすい。
特に上記3体の「シムルグ」は☆8である為に「霊魂鳥神」のリリース元にも使用可能。《ダークネス・シムルグ》と《烈風の覇者シムルグ》は墓地からの特殊召喚効果も備えているのでリリースしても無駄になりにくい。

PSYフレーム

場が空きやすい為、「PSYフレームギア」のカウンター効果を適用しやすい。「霊魂鳥神」が出せない時の時間稼ぎに。
中でもモンスター効果を止める《PSYフレームギア・γ》と魔法を止める《PSYフレームギア・δ》、罠を止める《PSYフレームギア・ε》は効果の汎用性も高く、《PSYフレーム・ドライバー》とのレベル合計が8となるので後述の《緊急儀式術》を用いた「霊魂鳥神」の儀式召喚にも使える。

ハーピィ

風属性・鳥獣族のカテゴリ。
《霊魂の拠所》や後述の《霞の谷の神風》のトリガーとなる《ハーピィ・ダンサー》や《ハーピィ・ハーピスト》を軸にデッキを回す合間合間に「霊魂鳥神」の儀式セットを揃えられる。
メインとなる下級が☆4なので2体で儀式召喚も出来るし、ランク4にも繋げやすい。

魔神儀

儀式モンスターか儀式魔法を準備しながら展開出来る2枚1組の儀式サポートモンスター。
特に《霊魂の降神》を墓地からサルベージ出来る《魔神儀ーブックストーン》の重要度は高い。
《魔神儀の祝誕》で不足しがちな儀式魔法を水増しする事も出来る。
また、場に2体のモンスターが揃うのでアドバンス召喚のサポートも可能。

A・ジェネクス・バードマン

モンスターを手札に戻して特殊召喚出来るチューナー。
サーチャーの《荒魂》を回収したり《霊魂の拠所》と《霊魂の円環》、後述の《霞の谷の神風》のトリガーになりつつシンクロに繋げられる。

天岩戸

スピリットモンスター以外のモンスター効果の発動を封じる非常に拘束力の高いスピリットモンスター。
「霊魂鳥神」の効果で呼び寄せれば手札に戻らなくなるのでほぼ永続的に相手を縛り付ける事が可能。
【霊魂鳥神】を組む上ではほぼ必須と言っても過言ではない。

《荒魂》・《和魂》

万能スピリットサーチャーとスピリット限定召喚権追加モンスター。
《荒魂》は「霊魂鳥神」もサーチ可能であり、
《和魂》は場所を問わずに「墓地に送られたら1ドロー」なので儀式召喚との相性が良い。

轟雷帝ザボルグ

儀式召喚を主体とする為、EXデッキの枠が空きやすい。
切腹で相手のEXを8枚破壊しつつ、
こちらは《虹光の宣告者》を落として儀式セットサーチ、《PSYフレームロード・Ω》で墓地の「霊魂鳥神」や《霊魂の降神》回収or相手の墓地アド減らし、《旧神ヌトス》を落として相手の場を破壊と言った具合に動ける。
リリース元に「霊魂鳥神」が残したトークンを利用でき、自身が☆8なので「霊魂鳥神」のリリースにも使える利点がある。

《星向鳥》

モンスターゾーンの位置によって☆5〜8に変動する☆4風属性・鳥獣族モンスター。
左端に出せば☆8となるのでこのモンスター1体で「霊魂鳥神」のリリース元に使える。
他にもシンクロ召喚のレベル調整や後述の《スワローズ・ネスト》で高レベル鳥獣族をリクルートしたりも可能。

《マンジュ・ゴッド》・《センジュ・ゴッド》・《ソニック・バード》《儀式の下準備》

言わずもがなの儀式サポート。
中でも《ソニック・バード》は風属性・鳥獣族サポートを共有出来る利点もある。

《祝福の教会ーリチューアル・チャーチ》

魔法カードをコストとするが《霊魂の降神》をサルベージ出来るフィールド魔法。
《マンジュ・ゴッド》か《センジュ・ゴッド》を採用してるなら、蘇生しつつ使い切った《霊魂の降神》をデッキに戻せる。

《スワローズ・ネスト》

鳥獣族の入れ替えカード。
エンドフェイズに帰ってしまう「霊魂鳥神」をリリースして☆8鳥獣族、または残った霊魂鳥神トークンをリリースして☆4鳥獣族を展開したり出来る。

《トレード・イン》

「霊魂鳥神」はどちらも☆8なので対応。墓地に落ちた「霊魂神鳥」は《霊魂の降神》で儀式召喚のコストに使える上、「魔神儀」を採用しているなら《魔神儀ーペンシルベル》でサルベージ出来る。
「壊獣」と「シムルグ」の一部や《轟雷帝ザボルグ》も対応している。

霞の谷の神風

「霊魂鳥神」の帰還に併せて風属性をリクルート可能。
チューナーを呼んで残った霊魂鳥トークンを使えばシンクロ召喚も可能。
WW-グラス・ベル》を呼んで《WW-アイス・ベル》をサーチすれば、次のターンに2枚目の《WW-グラス・ベル》とで☆7シンクロが可能。《WW-スノウ・ベル》も合わせれば耐性持ち《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》も出せる。
ただし、サーチ手段の《テラ・フォーミング》が制限カードなのでコンボが狙いにくいのには要注意。

《緊急儀式術》

霊魂鳥トークンなどを使って相手ターンに「霊魂鳥神」を出す事で相手の戦術を狂わせる事が可能。
ただし、ただでさえ足りなくなる《霊魂の降神》をコストにする必要があるので連打は禁物。

《ゴッドバード・アタック》

相手ターンの防衛手段。
霊魂鳥トークンを餌にすれば美味しい1:2交換に。

《波紋のバリア -ウェーブ・フォース-》

場がガラ空きになりやすい為、発動条件を満たしやすい。
特に攻撃反応系罠への警戒が薄れ気味な現状では決まりやすい傾向にある。

《風霊術ー「雅」》

こちらも霊魂鳥トークンを使えば1:1交換のデッキバウンスに。

ランク4&ランク8エクシーズ

《和魂》と《荒魂》等でランク4、「霊魂鳥神」と「壊獣」等でランク8、にそれぞれ繋がりやすい。
単なる除去は「霊魂鳥神」のバウンスがあるので、それ以外の効果で採用したい所。
ランク4なら《ダイガスタ・エメラル》で墓地のスピリットを回収したり、《零鳥獣シルフィーネ》で無効化&パンプアップしたり、《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》で効果耐性持ち高打点を蹴散らしたり。
ランク8なら《神竜騎士フェルグラント》で場を維持したり、《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》で魔法を封殺したり、《銀河眼の光波竜》でNTRって攻撃したり。
ただし、エクシーズモンスターはレベルを持たないので儀式召喚のリリースには出来ない点には気をつけたい。

グレートフライ》・《小法師ヒダルマー》

霊魂鳥トークン2体で出せる、左下/右下のリンクマーカーを持つリンク2。
前者は風属性の全体強化&被破壊時に風属性サルベージと「霊魂鳥神」と綺麗に噛み合い、
後者は属性・種族が合わない代わりに魔法・罠破壊に加えて獣・獣戦士・鳥獣族の数だけ自己強化&戦闘勝利時に墓地or除外ゾーンの獣・獣戦士・鳥獣族を回収、と《霊魂の降神》のコストで除外した「霊魂鳥神」も戻せる利点がある。




弱点


良くも悪くも「霊魂鳥神」が中心となる為、彼等の儀式モンスター・スピリットモンスターとしてのデメリットが大きく響く。


儀式召喚に依存した戦術

「霊魂鳥神」のバウンス&リクルートは強力であるものの、
その効果を戦術の根幹としている為に「霊魂鳥神」の効果を無効化されてしまうと忽ち攻め手が止まってしまいがちになる。
昨今ではサポート自体は増えたものの、「儀式魔法含む、儀式召喚を行うカード」「儀式モンスター」「儀式召喚のリリース元」を要求する儀式召喚のコストは決して軽い物ではなく、儀式召喚自体を止められてしまった場合の切り返しも厳しいものがあり、劣勢は免れない。
更に「霊魂鳥神」の儀式召喚が出来ないとまともに動けない為、手札に儀式セット一式が揃ってない場合はまず儀式魔法や「霊魂鳥神」のサーチが必須となる。この時点でデッキが【霊魂鳥神】だと見抜かれる。
つまり対戦相手からすれば「『霊魂鳥神』の効果、若しくは儀式召喚そのものを最優先で止めれば良い」と言うのが明白な為、対処されやすいデッキでもある。

防御面の脆さ

「霊魂鳥神」はステータス自体は低くはないものの、ターン終了時には手札に帰ってしまう。一応帰る時にトークンを2体出すものの、それ程ステータスが高くなく、何の耐性も持たない為に蹴散らされやすい。
特に上記の様に「霊魂鳥神」の効果や儀式召喚自体を止められた場合には無防備なまま相手にターンを渡す事がよく起こり得る。

先攻が取りにくい

「霊魂鳥神」のバウンスによる突破力には目を見張るものの、「霊魂鳥神」は相手のカードをバウンス出来ないとリクルートが出来ない為、儀式召喚の手間も相まって先攻1ターン目で出す意義が薄い。
従って先攻より後攻を選択する事が多くなるが、先攻からガンガン動けるデッキとぶつかった時は相手の万全の布陣に真正面から挑む事になりかねない。
その場合、返り討ちに遭って上記2つの弱点を露呈しかねない。
手札誘発などである程度の対策は打てるが、毎回初手に引き込める訳でもないので過信は禁物。
AGE OF OVERLORD以降は先攻でも《星逢の天河》で相手ターン儀式召喚による妨害が構えられる様になったが、対戦するデッキによっては物足りない事も多いので一安心とは行かないのが厳しい所。


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最終更新:2023年09月08日 10:00

*1 以前から《精霊術師 ドリアード》の様に「風属性としても扱う儀式モンスター」はいたが、「元々の属性が風属性の儀式モンスター」は居なかった。