シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ

登録日:2023/10/21 Sat 07:38:50
更新日:2024/04/30 Tue 14:58:03
所要時間:約 3 分で読めます




人生は冒険だ

地図はないけれど

宝物探そう

信じてCompuss of your Heart


『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』とは、東京ディズニーシーのアラビアンコースト内に存在するアトラクションのひとつ。
ボート型のライド(乗り物)に乗って進む「ボートライド型」で、『千夜一夜物語』の船乗りシンドバッドを主人公とし、彼と相棒の小虎・チャンドゥの不思議な大冒険を描く。
元々は『シンドバッド・セブンヴォヤッジ』と言う名前でストーリー構成も異なっていたが、2007年に現在の名称と共にリニューアルした(後述)。
スポンサーは「セブンヴォヤッジ」時代から現在までNIPPON EXPRESSホールディングス*1が務めている。
入口右手には「勇気ある者よ、シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジにようこそ」、出口付近には「さらば、船乗りたちよ。友達こそが宝物!」というメッセージが企業ロゴと共に掲げられている。
ちなみに、同社は東京ディズニーランドにある、同じくボートライド型のアトラクション『イッツ・ア・スモールワールド』のスポンサーも2013年から務めている*2

東京ディズニーシーのアトラクションの中では、オーディオアニマトロニクスの数がトップクラスに多く動きも滑らか。『イッツ・ア・スモールワールド』と比べればその進歩ぶりは一目瞭然。
また、嵐の航海を描くシーンでは少量の雨が降ってきたり、サルたちとの演奏シーンでは周りに積まれたバナナから仄かに香りがしたり等、アトラクションの世界への没入感を出すための工夫が多数施されている。
更に同アトラクションで流れる、友情の素晴らしさを歌い上げる『コンパス・オブ・ユア・ハート』は必聴の名曲。それもそのはずで『リトルマーメイド』はじめ、ディズニー作品の劇中歌を多数手掛けているアラン・メンケン氏がこのアトラクションのためだけに書き下ろした作品なのだ。

あなたもぜひインパークして、直に確かめてみていただきたい。


ストーリー

船乗りの少年シンドバッドは「かけがえのない宝物」を探して、心のコンパスに従い広大な船旅に出発する。
その道中で美しい人魚や怪鳥ルクを狙う悪い盗賊達、そして心優しい演奏家の巨人等と様々な出会いを経験していく。

そして、旅の中で巡り合った「かけがえのない宝物」とは――。


登場人物


シンドバッド(声:坂元健児)
本作の主人公。
心優しく勇敢な船乗りの少年で、かけがえのない宝物を探しにチャンドゥと共に航海の旅に出る。

チャンドゥ
シンドバッドの相棒である好奇心旺盛な小虎。
同アトラクションのマスコットでもあり、パークではぬいぐるみの他にその尻尾を模した中華まんも売られている。

ベリーダンサー
豪華絢爛な衣装で舞を披露する、美しい踊り子たち。
シンドバッドの出発と帰還に華を添える。


予言者の老人たち。
シンドバッドとチャンドゥの旅路を見届け、冒険に旅立つ際の彼らに「いかなるときも心のコンパスに従うのじゃ」とアドバイスした。

人魚たち
嵐の航海の中で出会った人魚たち。
シンドバッドに安全な航路を教え、旅の手助けをした。

怪鳥ルク
魔法の羽を持つ怪鳥。
盗賊達に卵を奪われてしまうが、シンドバッドに助けられる。

盗賊たち
同アトラクションのヴィラン。
怪鳥ルクの卵を奪おうとしたところを、シンドバッド達に撃退される。
それでも懲りずに巨人を閉じこめ彼の宝物をも奪おうとするが、再びシンドバッドやチャンドゥにやっつけられるのだった。

巨人
黄金の宝の持ち主で音楽好きの陽気な性格。
盗賊に牢屋に閉じ込められていたが、シンドバッドに助けられてお礼に彼と歌を歌った。

サルタン王
インドの王様で温厚な性格。
アラジン』に登場する同名の国王とは別人。
シンドバッドに魔法の楽器で乱暴者の猿たちをなだめるように頼む。

猿たち
インドを襲った乱暴者の猿たち。
王様に貰った魔法の楽器でおとなしくなり、
シンドバッドと楽器のセッションをした。

クジラ
故郷に戻るシンドバッドの前に突如現れた巨大クジラ。
彼らの船を乗せて、故郷の町に送り返した。


余談

リニューアル前は歌が無いのはもちろんのことだが、和気藹々とした現在と違いストーリーや雰囲気は原作に寄せたかなりおどろおどろしいものだった。
シンドバッドは少年ではなく口ひげを生やした大人だったし*3チャンドゥもいない。

が、それ以上に異なるのは冒険で遭遇する登場人物たち。
盗賊以外は和解するなどして親しくしていた彼らは全員航海や冒険の中で出会った脅威として描かれている。
人魚たちは嵐の中で惑わしてくるウツボ女、猿たちは凶暴な原住民として襲いかかってくるし、クジラは島と間違えて上陸した一行を吹き飛ばす。
また怪鳥や巨人などにちょっかいを出して襲われる盗賊の役は、本来食料や財宝目当てのシンドバット一行のものだった。
預言者も「帆を下ろしなされ!呪われておる!」「この先に行ってはならん!」とタワー・オブ・テラーばりの強い脅しをかけてくるし、サルタン王は楽器を授けるどころか逆にシンドバッドの怪しいセールストークに唆され楽器を高値で購入させられる役である。
その後、無事故郷に戻り町の人々を集め宴会を開き悦に浸っていたものの、最終的にシンドバッド本人は船を売り飛ばして消息不明となってしまうのだった……。もうデフォルメした『旧カリブの海賊』と言われた方がしっくりくる。

こんな有様のせいであまりにもアトラクションとして人気がなかったのか、トラウマを植え付けられた子供達も少なくなかった模様で、リニューアルが決定して現在に至った。
なお、リニューアル前のシンドバッドの声はディズニー作品では『トイ・ストーリー』の主人公のウッディ役で知られる俳優の唐沢寿明氏が担当しており、シンドバッドが売り飛ばした船を買い取った商人の声は俳優の松尾貴史氏が担当していた。




追記・修正は、心のコンパスに従いながらお願いします。

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最終更新:2024年04月30日 14:58

*1 旧社名・日本通運。

*2 1983年のオープンから2008年までは百貨店のそごうがスポンサーであったが、撤退後は約5年間スポンサー無しの状態であった。

*3 彼が旅をする理由はリニューアル後とは全く異なり、偉大な大商人だった父から莫大な財産を受け継ぐも好き勝手豪遊した結果、財産の殆どを使いきってしまったからである。