オーラ・シング

登録日:2024/01/20 Sat 16:30:00
更新日:2024/03/18 Mon 11:04:59
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「ボバの言うとおり、ウィンドゥを始末したという証拠がいる。スカイウォーカーも足したら、倍の儲けになるよ」


オーラ・シング(Aurra Sing)とは、『STAR WARS』シリーズの登場人物。
暗黒街の賞金稼ぎとして有名。


【種族】

種族は、人間の母親と、パリドヴァン(Palliduvans)の父親の間に産まれた混血らしい。
らしいというのは、彼女の生まれが「密輸業者の月」とも言われる、暗黒街の中の暗黒街、惑星ナー・シャダーであり、出生もあやふやな点が多いため。

肌は白く、髪は焦茶色。女性。アサージ・ヴェントレスとはいろいろと似ているが、種族的には関係ない。ホントによく似てるけど。
指が人間の二倍ほどの長さになっており、また握力もかなり強い。またオーラは両眼窩が落ちくぼみ、クマのようなものができていたが、これが種族の特性なのか彼女の特異事情なのかは不明。
しかしどうやらかなり珍しい種族のようで、分からない点が多いという。
長寿な種族でもあるらしい。
何気にスタイル抜群で巨乳。


【性格】

「今度撃てと言われたら、ためらわずに撃て!!」

凶暴・残虐・獰猛闘争心の強すぎる性格
普段から荒事で稼いでいるため、とにかく血生臭い発想にためらいがない。その荒み方は堂に入っており、彼女に比べればまだダース・モールグリーヴァス将軍のほうが人間味を感じられるほど。
本当に殺しが日常生活に染みついているようで、「慣れ」以上の「常識」までの定着を感じさせる。
元仲間であっても、裏切りを察知すればあっさり殺す。その際にも、悲しみや憐憫はもちろん、裏切ったことへの怒りや糾弾の念などは混ざっていない。わずかな笑みは浮かべるが、それも「うまく撃ち殺せた」という技術への納得といった感じである。

ただし人間性が欠落したドロイドのようなものではない。
一面では孤児になったボバ・フェットの後見人として彼の面倒を見ており、酒場に連れ込んだボバが飲めそうにないアルコールを抱えて困っているのを見ると、何気なく彼の手から酒を奪って守る一面もある。
父と同じ顔をしたクローントルーパーを殺すことを嫌がるボバに、凄んででも殺しを強要する場面もあったが、暗黒街で生きるオーラにとっては人生訓を教えていたともいえる。
ボバの望む「父ジャンゴの仇討ち」に協力して、ジェダイ最強を誇るメイス・ウィンドゥまで暗殺しようとするのも、彼女なりの打算以上の面倒見の良さでもあろう。

そうした一面がありながら、そのボバが捕まるとニヤリと笑ってあっさり見捨てるという、冷酷さ・酷薄さも備えている。

ボバを荒々しくも鍛えるオーラと、ボバを見捨てるオーラはまるで矛盾するようだが、おそらくオーラ本人は矛盾していないのだろう。
生粋の暗黒街育ちのオーラは、「刹那的」な生き方ができあがっており、その瞬間で物事を考えている。それこそが善も悪も過去も未来もない、全てがあっさり切り替わる「アウトロー」の行き方であり、彼女の人間性はその「アウトローらしさ」に基づいて発揮されている。

その点はホンドー・オナカーともどこか似ており、その点が二人のかつての愛人関係と、いまだの繋がりを維持しているのだろう。


ちなみに一匹狼のようでいて、実は顔はそれなりに広い。
有名どころではジャンゴ・フェットやキャド・ベインなどと協力することが多く、その縁で実はダース・モールとも面識がある。


レジェンズでは、ジェダイへの憎悪が非常に強い、という特徴もあった。
それが精神面の隙となり、アイラ・セキュラにそこを指弾されて憤怒に駆られて隙を見せたことがある。


【能力】

「通信を傍受したんだけど、厄介なことになりそうだ。今、ナー・シャダーのハッタタウンにジェダイがいる」

最大の能力は、その射撃スキル
拳銃による近距離射撃から、スナイパーライフルによる長距離狙撃まで、こと銃撃に関してはあらゆる点で優れている。
狙撃によって一流のジェダイを仕留めたこともあり、単独でジェダイと互角以上に戦える凄腕の戦士

所持するブラスターも性能がよく、「クローンウォーズ」では二丁拳銃を抜くや、マシンガンのような勢いでビーム弾を撃ちまくった。
その連射の激しさはドロイディカすらも上回り、並大抵のジェダイでは彼女の弾幕をしのぎきれない。
才能ですでに一流のジェダイ並みだったアソーカ・タノも、彼女の連射をしのぎきれず腕を撃たれて倒れたこともある。

射撃スキルに関与して体術にも長けており、ウィークェイの海賊三人を一瞬で蹴散らしたり、一瞬の隙を突いてアソーカを肘鉄で振り払ったりしている。


第二の武器は、頭から延びるアンテナ。
彼女はかつてハットの組織で肉体改造を受けており、脳内にバイオコンピューターを仕込んでいる。頭のアンテナはそれと繋がっている。
これによってオーラは、コムリンクなどの機器を使わなくても、仲間との通信や送受信、あるいは盗聴を可能とする。
この彼女の装備を知らない場合、オーラが手で機械をいじっていないのに油断して、電脳面で先手を打たれることになる。
もっとも、アンテナを切り落とされるとさすがにこの能力は使えなくなってしまう。


オーラの第三の武器は、フォース感応者であるということ。
フォースを介した物質操作(念力)にも長けており、レジェンズ分類のコミック作品ではドロイディカの奇襲にも何とか対応して切り抜けたこともあった。
「クローンウォーズ」では未使用に終わったが、実はライトセーバーの使い手でもあり、ジェダイの体系立ったフォームまでは未収得だが、その我流の剣術はひたすら修羅場で磨き抜いただけに、極めて巧妙かつ強力だった。
殺したジェダイから、その象徴たるライトセーバーを奪い取りコレクションに加えるという、グリーヴァスと同じ趣味も持っていた。
なお使うライトセイバーにこだわりはないらしく、光刃の色も赤・青・緑と作品によってバラバラ。


その他に靴に暗器を仕込んだりもしている。


【経歴】

◆前歴

「一時期だけどね。彼らのトリックと、フォースの使い方を学んだ」
「本当に役立つことを教えてくれたのはアンザーティの殺し屋だったよ。このアンテナを埋め込んだのもね。おかげで、獲物の恐怖を味わえるようになった……」

実はオーラ・シングには、ジェダイ騎士団に在籍していた過去がある。つまりダークジェダイなのだ。

生年はBBY51。EP1当時19歳、EP2=クローン大戦開始時点で29歳。
ちなみにアサージ・ヴェントレスはBBY50(EP1:18歳)の生まれなので、一歳違いである。

出身地は闇社会でももっとも悪が根深く治安が悪い「ハットの衛星」「密輸業者の月」ナー・シャダー
都市全体が一つの大都市となっていることから「リトルコルサント」とも呼ばれたが、ハットの母星ナル・ハッタの衛星でもあるため、暗黒街の一大拠点となったのである。
彼女オーラ・シングはそんな星で、それもスラム街の、さらにスパイス(麻薬)に溺れた女性、オーヌアンナ(Aunuanna)という母親と、名前も知らない父親の間に生まれた。おそらく、行きずりの関係だったのだろう。母は奴隷だったという話もある。

そんな彼女を、ジェダイがどうやって見つけたのかは定かではない。
ただ、見つけたのは「ダークウーマン」という号を用いる女性ジェダイ*1で、その称号からわかるように彼女はジェダイでも「外れ」に近い人物ではある。

とにかく幼少期にジェダイ騎士団に引き取られたオーラ・シングだったが、彼女は天性の頭の良さと、ジェダイでも珍しい反射神経を備えていたものの、
同時に強い攻撃性をも持って生まれており、その闘争心はとてもジェダイ候補生(幼年組)の寮に収まるものではなかった。
頭の回転の速さも反射神経の良さも、全て「攻撃」の用途でぶん回してしまったのだ。これでは周りの子どもたちもやっていけない。

手を焼いた評議会は、いっそ普通の教育には向かないと判断し、見出したダークウーマンのパダワンへと一足飛びに昇進させるという大胆な手を打つ(名義上は候補生のままダークウーマンに預けたとも言われる)。
ダークウーマンは変わりものではあったが実績も多くあげており、成功を見越してではあったが、オーラの凶暴性はベテランのダークウーマンの手にも余り、オーラも精神がなかなか成長しなかった。


そして、オーラの不器用なジェダイ時代は数年で終わってしまう。
彼女が九歳の時、オーラはある任地先でマスターとはぐれたあげく、宇宙海賊に誘拐された。
宇宙海賊は捕えた幼女がジェダイの卵だと知ると、彼女に「お前は出来が悪いからマスターに売られた」と吹き込んだ。
もちろんウソである。しかし九歳ながら彼女は、周囲のジェダイ候補生から疎まれていたのを知っていたのだろう。それに生来の闘争心や狂暴性は、どうしたってジェダイで収まるものではなかった。
そして、ダークウーマンはここにいない。さらわれた自分を助けに来ない。
彼女はあっさりと堕ちた。オーラ・シングはジェダイの道を外れて宇宙海賊賞金稼ぎになったのだ。

オーラ自身、自分の攻撃性は海賊人生にこそ適合していると悟り、成長するとともに戦闘技術・狩猟技術を磨いていった。

さらに数年後、ワラヌーガというハットに捕まった際、そこに属するアンザーティの暗殺者グループに目をつけられ、彼らの暗殺技術を徹底的に仕込まれた。
頭部にバイオコンピューターやアンテナを仕込んだのもこの時である。

高度なサイボーグ技術と洗練された暗殺技術を身につけたオーラ・シングは、もはやジェダイではなく、闇社会を震撼させる暗黒街の女戦士として完成していた。


以上の経歴は、基本的にレジェンズ分類のもの。
ただし、カノン分類の設定資料集にも
  • 出身はナル・ハッタの衛星ナー・シャダー。母親はスパイス中毒、父親は顔も知らない
  • 実はフォース感応者で、幼少期はジェダイだった
  • ライトセイバーも持っている
  • ハットとアンザーティに肉体改造と暗殺スキルを仕込まれた
といった情報が再設定されており、大まかな流れや来歴は変わっていない模様。


◆ジェダイハンター

「あたしはカネを稼ぐためにここに来たんだ。あんたのお喋りを聞くためじゃなくね! あたしを呼んだ理由(ワケ)を言いな!!」

オーラは身につけた技を駆使して暗黒街を駆け抜けた。
肉体改造の恩恵もあって、狙撃能力・射撃技術はめきめきと向上していき、無数の修羅場をくぐり抜けることで土壇場の精神力も磨いていった。
さらにフォースの技も我流で磨いていき、ジェダイとも互角以上に戦えるほどの実力を備えていった。

ジェダイの技自体は、しょせんは九歳で断ち切った不完全な代物でしかない。しかし、なにせ暗黒街では技を試す機会には事欠かない。豊富な実戦経験で磨かれた我流の殺法は、なまじ体系を優先したお堅い戦法よりも強力だった。
同じく幼少期にジェダイから追放され暗黒街に堕ちた人物にはロリアン・ノッドがいるが、彼とは比較にならないほどの実力者となった。


「ようこそジェダイ。あたしをお捜しかい?」

レジェンズ作品では特にジェダイへの憎悪が強く出ており、多くのジェダイを暗殺した。
ガーデュラ・ザ・ハットに雇われて、タスケンレイダーの首領にして元ジェダイのシャラド・ヘットを討ち取る、コルサントに潜伏して暗黒街に踏み込んだジェダイ数名を殺害する、などの暗躍を見せる。
しかも前者においては先にジャバ・ザ・ハットにも雇われていたため、ガーデュラの計画をジャバに流し、ジャバからの賞金とガーデュラからの前金を両方受け取るという大暴れもした。

(少しでもタトゥイーンをうろつけば、仕事の依頼なんていくらでも来る。ガーデュラが最初だなんて誰が言った?)

あまりにも暴れていたため、ついにジェダイ評議会も討伐に乗り出した。キ=アディ=ムンディアディ・ガリア、ダークウーマン、アシャラド・ヘットの四名からなる討伐隊を出したのだ。
なおこの人選についてだが、キ=アディ=ムンディはかつてダークウーマンに見いだされた人物で、いわばオーラにとっては兄弟子のようなもの。アシャラド・ヘットは、オーラに殺されたシャラド・ヘットの息子である。
さすがに強力なジェダイ四名には敵わなかったが、オーラは間一髪で虎口を脱する。


EP1にはチラリと登場*2
ブーンタ・イヴ・クラシック・レース」でアナキン・スカイウォーカーを目撃しており、その操縦技術に感心するとともに、彼がフォースを使っていることを見抜いていたという。
カノンの設定資料によると、試合後には参加したレーサーが一人行方不明になったが、彼の最後の目撃情報が「オーラ・シングに引きずられていく」という場面だったため、彼女が何か暗殺に関わったことが示唆されている。

他方、ジャンゴ・フェットと組むこともあった模様。
またかつての因縁からハットにもネットワークを持っており、しばしばハットの組織間を渡り歩いている。
カノン作品のコミックでは、変身種族クローダイトのザム・ウェセルと組んでハットからの依頼を受けたことがある。

また時期は不明だが、ウィークェイの大物ギャング、ホンドー・オナカーの組織にも間借りしていた。
彼女はホンドーと恋仲(パートナー)もしくは愛人だったらしい。
ただ、さすがのホンドーも彼女から「あたしも昔はジェダイだったのさ」と打ち明けられた際には「お前みたいなジェダイがいるか」と、まったく信じなかったという。

EP1の一年前を描いたカノンのコミックでは、ダース・モールに招聘されてジェダイ狩りに参加した。
暗黒街の女帝ゼヴ・エクレサスが、ジェダイパダワンのエルドラ・カイティス(青い肌の女トワイレック)を捕えてオークションに出品したのが事の発端。
これを知ったモールは腕試しのためエルドラ暗殺を立案したが、いくら彼でも正面からの殴り込みでは難しいと判断し、キャド・ベインやオーラたち数名からなるチームを雇ったという次第。
競争相手のトランドーシャンのチームに対して、ベインが「一騎打ちをしようぜ」と正面から現れたところをオーラが不意打ちで狙撃、という息の合った卑劣な戦法で見事蹴散らした。
その後はベインとともにウィークェイの船を乗組員を殺しつつ制圧、モールの脱出も手伝っている。

ちなみにこのコミックでは、ダース・モールがオーラたちについて「あいつらはフォースの使い手ではないが」と語っている。
ただ、この場面ではキャド・ベインら数名の賞金稼ぎとオーラをまとめて扱っており、オーラだけをそう表現したわけではないため、「オーラがフォースとの繋がりを失っていた」というわけではなさそうである。
ついでにモールは続けて「もしかしたら自分の鍛錬相手に選んだかもしれん」と内心で考えているので、実力は十分高い。


◆クローン大戦

「正義だの政治だのと関係ないんだ。これは復讐だよ。雇い主の目的は復讐。それだけのことさ」

この時期は分離主義勢力/独立星系連合に雇われた。ジェダイを嫌う彼女は共和国に雇われたくはなかったのだろう。
ただ、ドゥークー伯爵直属のダークジェダイ部隊「ダークアコライト」にも属していない。
『クローンウォーズ』では共和国軍の捕虜やジェダイを独立星系連合に売ろうとしている。

戦争という時期柄、さらに独立星系連合の支援もバックについたことで、オーラはさらに多くのジェダイを殺害。
グリーヴァス将軍ダージとともに「ジェダイキラー」の二つ名も備えていった。
アナキン・スカイウォーカーとも面識があり、レジェンズ作品ではタトゥイーンにて激闘を繰り広げたことも。

また、まだ幼いボバ・フェットの後見人のような立場にもなっている。
とはいえ、ボバがジャンゴから相続した遺産を盗もうとするなど、酷薄な面も垣間見せた。


「ハア……生きた証人だよ?」
「こいつらは関係ない! 親父を殺したジェダイさえ殺ればそれで十分だ!」
「なら待つんだね、復讐は! 大人になってからにしな」

CGアニメ「クローンウォーズ」ではこの時期のエピソードが描かれ、父ジャンゴの仇、メイス・ウィンドゥ暗殺を狙うボバ・フェットに協力し、作戦を授けたりフォローに回ったりしている。
トランドーシャンのボスクとも協力していた。
一方で、ボバが殺しにためらう(父ジャンゴの面影をもつクローンを殺せなかった)と凄みながら叱りつける一幕もあり、そこには母性などの明るい感情は感じられない。
もっとも、暗黒街の人間らしいといえばそうだが。厳しい態度と言葉をぶつけながらも、暗黒街の賞金稼ぎらしい生き方を教えていたようにも見える。
子供の身で酒に手を伸ばそうとしたボバからグラスをひったくり「まだ早いよ」と諫める場面も。

ホンドー・オナカーとの縁も続いており、彼の本拠地・惑星フローラムに顔を出して物資や傭兵を回してもらっていた。
一方、自分を裏切った元メンバーをあっさり射殺する酷薄な一面も覗かせる(その酷薄さは「オイオイ。誰かそのゴミを片付けてくれよ」とおどけるホンドーも同じ)。

しかしメイスに代わって訪れたプロ・クーンアソーカ・タノを仕留めることはできず、プロに捕まったボバをあっさり見捨てて逃亡。
あまつさえアソーカには乗り込んだスレーヴⅠ(本来はフェット親子の機体だが、この時はオーラが所有していた)を破壊され、墜落させられてしまう。
アソーカも「死んだ」と判断するぐらいだったのだが、ホンドーが手を回して回収しており、やがて完治。
(ちなみにこの回で、「ボバのためならなんでもするさ」とすごむオーラにプロが「お前には似合わんセリフだな」と帰す場面があり、こちらでもジェダイとは長らく戦ってきた模様)


「死んだと思ってたろ? ホンドーが船から引き出してくれたのさ」
「回復が早すぎるんじゃない!?」
「そりゃあね。稼がなきゃ生きていけない」

しばらくして、ズィロ・ザ・ハットからの密命を受けてのパドメ・アミダラ暗殺計画や、キャド・ベインと組んでのズィロ脱獄のための元老院ビル襲撃作戦などにも参加。
パドメ暗殺は予知で悟ったアソーカに阻まれるが、ズィロ脱獄は見事に成功。
長距離狙撃でコルサントの衛兵を蹴散らす、アナキンを狙撃で圧倒して捕縛する*3など、その腕を存分に振るった。
(ちなみにこの場面ではBXコマンドードロイドも登場しており*4、独立星系連合からの支援もあった模様)

パドメ暗殺事件はフローラム戦から程なくだったらしいが、この時にはアソーカの追跡を振り切って姿を消す逃走スキルや、オーラを警戒するアソーカとパドメが「パドメの服をドロイドに着せて、パドメ本人は自室から通信木越にドロイドの口を通じて演説する」という作戦を読み破って、直接パドメの部屋に襲いかかる知性を見せた。

カノンの設定資料集によると、ズィロ脱獄任務からしばらくのち、彼女は独立星系連合の将軍となり、ドロイド部隊を率いて共和国軍と戦ったという。


レジェンズ作品では、大戦末期に惑星デバロンにて政争に関与していたところ、ジェダイ部隊に発見される。
かつてのマスター・ダークウーマン、クインラン・ヴォスの師父であるソルメ、クインランの弟子アイラ・セキュラの三名に襲われたオーラだが、坑道を移動中だったダークウーマンとソルメに爆薬を仕掛けて半殺しにする。
そして別行動をとっていたアイラ・セキュラの前に現れ、ライトセイバーやブラスターを駆使して猛攻をかける。
しかしアイラは激しく戦ううちに、オーラの内面を察し始める。ジェダイに捨てられ、心の奥底に不安を抱えているその内心を感じ取る。
かつて叔父に奴隷として売られ、師父クインラン・ヴォスに裏切られたと思い、アンザーティのダークジェダイに操られ、怒りと憎しみに満ち満ちたアイラは、オーラとよく似た人生を歩んでいたからだ。

「違う! この銀河にあたしの仲間はいない!」
「あたしはオーラ・シングだ!!」

“同情”に対して激情を爆発させたオーラは、隙を突かれて頭部アンテナを切り落とされたうえに強烈な回し蹴りを受け、ついに昏倒。
そのまま小惑星オーヴォIVの刑務所に送られた。


◆帝国期のオーラ・シング

戦後の彼女については分からないことが多い。
レジェンズとカノンではそれぞれ異なった話があり、それらはいずれも断片的。

  • レジェンズ作品
18 BBY、というとEP3の一年後、なんとオーラは再び解放される。
解き放ったのはダース・ヴェイダー。ジャックス・パヴァーンという元ジェダイの捜索と暗殺のためである。
この暗殺はジャックス・パヴァーンの抵抗により失敗したが、以後も彼女はタトゥイーンのジャバの縄張りで人間ハンティングをしたり、その裏でフォース感応者の気配を察知して捜索したり*5と、そこそこ活動していた模様。

新共和国時代には名前を「ナシュータ」と変えて暗殺任務を請け負っていたが、ルーク・スカイウォーカー門下のジェダイ、ジェイセン・ソロに防がれる。
さらにその場の事故によって負傷したところを、鎮静剤を打ち込まれ。そのまま捕縛されたという。
この時40ABY、と言われる。
以後の消息は不明。


  • カノン作品
10BBY(つまりEP3の九年後、EP4の十年前)を描いたハン・ソロ A STAR WARS STORYでは、「クリムゾン・ドーンの命令でトバイアス・ベケットという人物がオーラ・シングを殺した」と噂されている。
ただ、このベケット本人は「落ちて行ったのさ」とあいまいな発言を返し、死体が明確に確認されたわけでもないらしい。
ファンの間ではオーラ・シング復活を望む声も根強い模様。


【余談】

キャラクターのデザインは、1982年の古典映画「ブレードランナー」でダリル・ハンナが演じたプリシラ・ストラットンが由来とのこと。目の周りの暗いクマがそうだとか。
また企画段階では「ベーブ・フェット」という名前だったらしい。

もとはEP1のポッドレースで「もっとキャラクターを出したい」というルーカス側の要望で追加されたモブキャラ。
やがて後付け設定が加わるにつれ、ファンからの人気が大きくなり、当時の有力な賞金稼ぎとして完成したとか。

「クローンウォーズ」での担当声優はジェイミー・キング。
氏の夫からの情報によると、「クローンウォーズ」が打ち切りにならなければオーラが主役のエピソードが産まれ、その最後で彼女は死ぬ予定だったらしい。
日本語訳の担当声優は平野夏那子。




「追記だの修正だのと関係ないんだ。これは復讐だよ。雇い主の目的は復讐。それだけのことさ」

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最終更新:2024年03月18日 11:04

*1 本名は「アンヤ・クロー」だが、基本的には「ダークウーマン」という称号を名乗っている。いわく「フォースにすべてを奉げるため、名前も捨てた」とのこと。

*2 もともと単なるモブだったが、そのデザインから割と早い内に「暗黒街の大物」と設定が追加されていった。同じような人物にEP1でモブだったクインラン・ヴォスがいる。

*3 当時アナキンはライトセイバーを持っておらず、またオーラ側には部下がいて挟撃もできたという地の利もあったにせよ。

*4 衛兵の鎧に着替えたり、その声を模倣して警備本部を欺いたりしている。

*5 これはウェイド・ヴォックスという密輸業者で、確かにフォース感応者であったしライトセイバーも自作していたが、ジェダイ騎士団崩壊後の生まれでありジェダイ残党ではなかった。ちなみにEP4でルークが売ったスピーダーを購入した。なお彼の登場はゲーム版のみ。